RIZINでは浅倉カンナと判定1-2の接戦で敗れているザペテラが、RENAと1勝1敗のヴァンザントに勝利した。(C)Dave Mandel/Invicta FC
女子MMA(総合格闘技)の「Invicta FC」が7月2日(日本時間3日・金)、ホームである米国カンザス州カンザスシティのメモリアルホールにて大会を再開している。
新型コロナウィルス感染拡大後、初のライブイベントとなる「Invicta FC 40」は、カンザス州アスレチックコミッション監修の下で行われ、参加者全員に大会前にコロナウィルスの検査が実施され。全選手およびセコンド勢が陰性だったことが発表されている。
無観客で報道メディアも入れずクローズド・ドアの中、選手以外の関係者はレフェリーもマスク着用という体制で行われた同大会。試合間にはマットを消毒し、モップで噴き上げ。試合は「UFC Fight Pass」にて生中継されるも、第1試合前に回線が落ち、ケージシンした選手が20分ほど待たされるアクシデントもあった。
▼ストロー級 5分3R
○エミリー・ドゥコッティ(米国)
[判定3-0] ※29-28×3
×ジュリアナ・リマ(ブラジル)
2020年3月6日の「Phoenix Series 3」以来、約4カ月振りの活動再開となる同団体のメインは、ストロー級でエミリー・ドゥコッティ(米国)とジュリアナ・リマ(ブラジル)が対戦。
2019年11月に村田夏南子に判定負けし、世界ストロー級王座戴冠を逃したドゥコッティは9カ月振り再起戦。過去には適正階級より一つ上のフライ級でBellator女子世界王者イリマレイ・マクファーレンとのタイトルマッチも経験している。
MMA8勝6敗のドゥコッティに対し、リマは10勝6敗とほぼ同じ戦績ながらキャリアでは4年ほどリマが上回っており、何よりリマはその戦績のうちオクタゴンで3勝4敗をマークしている。
2014年7月のUFCデビュー戦でヨアナ・イェンジェイチックに判定負けも、同年11月にニーナ・アンサロフに判定勝ち、2015年5月にもエリッカ・アルメイダに判定勝ちで連勝。2016年4月にカーラ・エスパルザに判定負けも、2016年12月にJJ・アルドリッチに判定勝ち。しかし、2017年7月にテシャ・トーレスに一本負け、2018年1月にランダ・マルコスに判定負けし、2連敗でUFCをリリースされた。
Invicta FCにカムバックした2019年5月の前戦では「Phoenix Series 1」でダニエル・テイラーを破るも、同日の2回戦で現UFCファイターのブリアナ・ヴァンビューレンに敗れている(ヴァンビューレンはUFC1勝1敗。2020年6月にテシャ・トーレスに判定負け)。
UFC参戦を望むドゥコッティにとって、元UFCファイターのリマとの対戦は「よいリトマス試験紙になる」という。ドゥコッティは、オーソドックス構えから左右の出入りは速く、強いローキックも誇る。Bellator時代には試合後半でマクファーレンにダブルレッグを決めるなど、フルラウンドを戦い抜く粘り強い戦いを持ち味としている。ともに組み技を得意とするが、リーチ・コンパスも長いリマは遠目の距離からの打撃、さらに組んでのヒザ蹴りなど際の打撃でも勝負が可能だ。
日本のファンにとっては、ドゥコッティvs.リマ戦を通して、村田のオクタゴンでの可能性を想像することも出来る、注目のカードだ。
1R、ともにオーソドックス構え。右ストレート、左フックを当てたリマは右アッパーもヒット。長い右ストレートと近距離では首相撲&ヒザはリマ。大振りになってきたリマにドゥコッティはシングルレッグに入るが、片足立ちでリマは耐える。3者がリマを支持。
2R、強い右ローをヒットさせるドゥコッティ。思わず組みにいくリマだがドゥコッティは切る。右から左はドゥコッティ! リマも右を打ち返しに行くが、ドゥコッティは右を差して押し込み。突き放すリマ。ワンツーの右で前に出るドゥコッティは4連打も、右を返すリマ。
ならばとダブルレッグから小外がけを合わせ、最後はシングルレッグでテイクダウンを奪うドゥコッティ! パス際に右ヒジを落とす。足を戻すリマはラバーガードを解き、蹴り上げから立ち上がり。前蹴りで押し戻しブザー。3者19-19。
3R、右ローを狙うドゥコッティ。リマも声を挙げながら左ローを放つが、押し込むドゥコッティが金網まで電車道に。体を突き放し、右の刺し合いはリマが優勢。ワンツーの飛び込みに対しドゥコッティは右ローを返す。
右ボディ、左ストレートを突くドゥコッティ。さらに左右の飛び込みにリマは右目下から出血。右フックをヒットさせるドゥコッティはダブルレッグでクリーンテイクダウン! リマは下から足関節狙いにドゥコッティは離れる。今度は逆にリマはダブルレッグに入るが、ドゥコッティが切る。ドゥコッティも右目下をカットする。
セミに続き接戦のメインの判定は、様子見で落とした初回以外の中盤以降で挽回したドゥコッティが29-28×3のユナニマス判定で勝利。元UFCファイターのリマをユナニマス判定で下した。