(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC
2020年3月7日(日本時間3月8日・日曜日)米国・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナにて『UFC248』が開催された。
メインイベントでは、UFC世界ミドル級王者のイズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)が、ヨエル・ロメロ(キューバ)を迎えて初防衛戦に臨んだ。序盤はロメロのカウンターの左フックを受けたものの、アデサニヤは距離をコントロールし、ロメロに追撃を許さず。ロメロの数少ないテイクダウン狙いも切り、自身のレンジで打撃を当てて、5R判定3-0で勝利。ミドル級王座防衛を果たした。
【メインイベント】
▼UFC世界ミドル級タイトルマッチ 5分5R
○イズラエル・アデサニヤ(184.5lbs/83.69kg)
[判定3-0] ※48-47×2, 49-46
×ヨエル・ロメロ(185lbs/83.91kg)
※アデサニヤが初防衛に成功
🇳🇬 𝑺𝑻𝒀𝑳𝑬𝑩𝑬𝑵𝑫𝑬𝑹 🏆@Stylebender making the walk like only he can.
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2019年10月の「UFC 243」で正規王者ロバート・ウィテカーを下して暫定王者から統一王者になったアデサニヤ。次期挑戦者候補だったパウロ・コスタが上腕二頭筋の手術で長期欠場となり、アデサニヤはコスタの回復を待つことなく、初防衛戦の相手として、そのコスタを苦しめた難敵ロメロをあえて指名。今回のタイトルマッチとなった。
GLORY、プロボクシングでも活躍し、2012年3月、プロ総合格闘家デビューから18戦無敗の王者アデサニヤは、シドニー五輪フリースタイル85kg級銀メダリストのロメロを相手にどんな試合を見せるか。ロメロは、2019年8月のUFC 241でパウロ・コスタと対戦。パンチでダウンを奪い合うなど激闘を展開も判定負け。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した接戦で評価を上げている。
FIREWORKS.
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先にケージインンし、ミドル級の身体ながら軽々と側転からバック宙を見せるロメロ。対するアデサニヤは、脇を固めるナイジェリアの衣装を着た女性2人がまく花びらのなか、フラワーシャワーを浴びて花道に向かう。
1R、オーソドックス構えのアデサニヤに、サウスポー構えのロメロはガードを固めて動かず。アデサニヤも攻め込めず。ようやくステップを踏み始めたロメロに、スイッチしながらローはアデサニヤ。さらにガードの上に右ハイ。テイクダウンのフェイントを見せたロメロはアデサニヤの蹴りに左フックをヒット! 両者様子見でブーイングのなか、オーソドックス構えから右ローはアデサニヤ。ロメロも二段蹴りで牽制する。1R終了のホーンに場内はブーイング。
2R、右ミドルを突くアデサニヤ。しかしそこに左ロングフックはロメロ。ガードするアデサニヤはサウスポー構えに変えるがオーソに戻すと右ハイはガード上も左右ローをヒット。後ろ廻し蹴りのアデサニヤ、さらに右の蹴り終わりのバランスを崩したところに一気に左の連打で詰めるロメロ。回って凌ぐアデサニヤ。両手を回転させるロメロ。さらに左前手を伸ばすロメロに、左の蹴りを上下に散らすアデサニヤ!
3R、前足を入れ替えるアデサニヤ。後ろ蹴りを繰り出すがその打ち終わりを狙うロメロは、胴廻し回転蹴りの動きを前転に変えて近づく。サウスポー構えから左の蹴りのフェイントはアデサニヤ。オーソドックス構えに戻し右ハイ。ブロックするロメロに左ローを当てる。左ロングフックで飛び込むロメロ。かわすアデサニヤはサウスポー構えに変えて左ミドル! 上下にレベルチェンジのフェイントはロメロ。サウスポー構えから右ジャブ、オーソドックス構えから左ジャブを突くアデサニヤ。そこに舌を出すロメロだがカウンター待ちか手数に欠ける。
4R、ともにサウスポー構えから。両者ともに前手を回しながら牽制し、左ローを当てるアデサニヤ。ジャブ&ローのアデサニャに、1発狙いのロメロ。アデサニヤは左右にサークリングしながらヒット&アウェイのアウトキックボクシングで突いては離れる。アデサニヤのアイポークでインターバル。再開。
再開直後、ロメロは走り込んでのダブルレッグも、アデサニヤは金網に詰まる直前で切る。上下に身体を上げ沈めしながら左フックを狙うロメロ。さらに左のダブルもアデサニヤはバックステップでかわす。右ローを当てるアデサニヤに、低いダブルレッグはロメロも後方に両足を飛ばしてスプロールするアデサニヤ。ロメロはアデサニヤの左ローを受け右腿を腫らす。
5R、オーソドックス構えから入るアデサニヤ。サウスポー構えのままのロメロは左狙い。左のロングフックで飛び込むがアデサニヤの顔は遠い。左ローを当てるアデサニヤ。サウスポー構えに変えた左ローは打ち終わりをロメロが左フックで狙う。詰めて脇を差そうとするロメロだが、アデサニヤは差させず。ロメロの左ロングフックをスウェイでかわす。ロメロは左ミドルで前に出るがとらえきれず。アデサニヤの左ローをつかんで金網まで詰めるが回るアデサニヤ。
テイクダウンのフェイクから左右を振るロメロ。しかしかわすアデサニヤ。ワンツーで詰めるロメロだがかわすアデサニヤは終了間際にマットに手を着きセンチャイキック狙い。さらに詰めるロメロが右ミドルも浅い。ホーンが鳴り、両者は睨み合った。
判定は48-47×2, 49-46の3-0で、動きの少ないロメロをスタンドでコントロールしたアデサニヤが勝利。初防衛に成功した。
Still the champ. 🏆
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🇳🇬 @Stylebender stays sharp to get the job done! #UFC248 pic.twitter.com/6r8k73zcVf
試合後、解説のジョー・ローガンから「難しい風変りなハードファイトでした」と聞かれたアデサニヤは、「やるべきことをやった。見てごらん、あの腫れた足を。1Rは当てられたけど、その後はやるべきことをやった。彼はステップを踏めなくなった。僕は25分間集中力を保って戦った。向こうがもっと来ると思っていた。彼は1分戦って、2分休むことを繰り返して戦っていた。もう少し何かできればよかったけど、もう5R戦うことはできる。それで“スティル”(王座防衛)だ」と、ロメロの足を潰す戦略のなかで王座防衛に成功したことを語った。
さらに、ケージサイドにいたパウロ・コスタに「そこにいた、あれ? あの道化師はどこかへ行ったのかな」と呼びかけ、「僕はキックボクシングも含め100戦以上やってきた。コスタ、すぐにやろう」と、次の対戦相手に指名した。
The champ only has ONE name in mind. 🏆
— UFC (@ufc) March 8, 2020
🇳🇬 @Stylebender #UFC248 pic.twitter.com/ttcSQn9i6i
一方、敗者のロメロは、「聞こえるか、これが俺のサポーターだ。みんなのことをリスペクトしている。俺はファイトしたくてここにいる。真の戦士の戦いをしたいんだ。みんなも戦いが見たくてここにいる。なのにあいつは走り回っていた。チャンピオンの戦いを見せろ、それがみんなが望むことだ。PPVでこんな試合は見せたくなかった。働いてこの試合に支払ったみんなにファイトを見せたかった」と、自身の動きや手数の少なさは棚上げして、王者をディスった。
アデサニヤ「ベルトを取りに来たのなら、取りに来ないと」
(試合後コメント)「ダンスパートナーが踊ってくれなかったのが本当に残念。