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インタビュー

【ONE】若松佑弥「DJがすごい相手だと分かっているし怖さもある。だけど、トップ選手は番狂わせを起こして成り上がってきた。俺もそれをするだけです」=3月31日(日)「ONE: A NEW ERA IN TOKYO」両国国技館

2019/02/19 01:02
【ONE】若松佑弥「DJがすごい相手だと分かっているし怖さもある。だけど、トップ選手は番狂わせを起こして成り上がってきた。俺もそれをするだけです」=3月31日(日)「ONE: A NEW ERA IN TOKYO」両国国技館

(C)ONE Championship

 長南亮代表が率いる東京練馬区の総合格闘技ジム「TRIBE TOKYO M.M.A」。地下に降りる階段に足を踏み入れたところで、練習を終えたばかりの青木真也とすれ違った。このジムには、日本のトップ選手たちが互いを研鑽しに日々訪れている。

 18歳で上京し、20歳でプロデビュー。キャリア3年の23歳。若手のホープである若松佑弥は、このジムで日々鍛錬を重ねている。そして、2019年3月31日(日)東京・両国国技館で開催されるONEチャンピオンシップ初の日本大会「ONE:A NEW ERA -新時代-」で、元UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソンと対戦する。

大人しく良い子なんて、できやしなかった

「俺は鹿児島の薩摩川内で育ちました。両親も兄弟もみんな真面目な家庭なのに、俺だけが暴れん坊でね。子どもの頃は迷惑ばかりかけて、問題をたくさん起こしていました。地元に7つ年上の兄貴分がいたんだけど、小学生の頃からかわいがって貰ってどこへでも付いて行った。改造したバイクを乗り回すようなワルなんだけど、カッコよくて、憧れたな。だから、学生時代は喧嘩ばっかりしてましたね。いつもイライラしてて、ちょっと目があっただけでも即喧嘩。俺の青春はこんなです(笑)」

今どき珍しいステレオタイプの不良として幼少期を過ごした若松は、中学を卒業するとさらに過激に暴走していく。


俺は、このままじゃダメだ。すべてを変えなきゃいけない


 鳶職をしながらも大人になりきれない若松だったが18歳で転機が訪れる。

「ある時、友だちが、そんなに元気が余ってるなら、格闘技でもやればいいじゃないかと提案してくれて、MMA のビデオをたくさん見させてくれました」と若松は振り返る。しかし、薩摩川内にはMMAのジムがなかった。彼は上京する決意を固めた。

「鹿児島を捨てようって。いや、捨てざるを得なかったとも言える。それで、東京に出てきました。でも、最初の1年は、遊んでばっかり。でも、ある日思ったんです。このままじゃダメだ。自分を変えよう。そして、親孝行しようって」。こうして、若松はTRIBE TOKYO M.M.Aの門を叩いた。

「ボクシングをやったことはあったんですけど、当時は、俺が求めてるのはこれじゃないと思った。喧嘩が強くなりたかったし、すべての局面で強くなりたかった。柔術を習ったこともあったけど、総合のジムなら文字通りすべてが学べる」。こうして、若松の規格外の挑戦が始まった。


盟友・秋葉尉頼が他界


 ジムでトレーニングに明け暮れる毎日。アマの試合では連戦連勝を重ねた。プロ初戦こそ苦杯をなめたものの、そこからはパンクラスで破竹の9連勝。若松の人生に、未来という光が射していた。しかし、すべてが順調だった頃、ある事件が起きる。

「2年前の夏、同じ時期に入門した同い年の秋葉尉頼が交通事故で亡くなってしまったんです。階級も同じだし、ライバルであり兄弟のようでもあった。彼のことがあるから、俺はもう逃げられない。彼の分もやるしかない」。


「トップ選手は番狂わせを起こして成り上がってきた」


【写真】GONG KAKUTOGI

 不屈の闘志でパンクラスのトップコンデンターに上り詰めた若松は、タイトルこそまだ獲得していないが、ONEから出場オファーを受け取った。そして、3月の日本大会では、元UFC王者で11度の防衛を達成したデメトリアス・ジョンソンと対戦する。

「DJは強敵ですが、試合は日本でやります。その点では俺が有利ですね。最善を尽くすのみです。すごい相手だと分かっているし怖さもある。だけど、トップ選手は番狂わせを起こして成り上がってきた。そうでしょう? 俺もそれをするだけです」。

 若松佑弥は闘う。かつて弱かった自分に打ち勝つために。志半ばでこの世を去った戦友のために。そして、どんな時も応援してくれた両親に親孝行するために。

「俺はまだタイトルを獲ったことがないのに、DJと戦うチャンスをもらいました。ビッグチャンスだと思っています。俺は、鹿児島で生まれて、鳶職しかやったことがありません。でも、世界王者と戦うのだから不思議なもの。この戦いは運命だと思うし、俺は奇跡を起こします」


 若松佑弥の伝説はまだ始まったばかりだ。

Yuya Wakamatsu
鹿児島県薩摩川内市出身。少年時代は喧嘩に明け暮れ、有り余るエネルギーのやり場がなかった。両親や学校、時には近所にまで迷惑をかけることがしばしば。この頃、ボクシングジムに通った経験も。格闘家になることを夢見て、18歳で上京。その2年後の2015年6月にプロとしてケージに上がると、初戦こそ落としたものの、その後は9連勝(8勝kO)して、トップ選手に上り詰める。PANCRASEフライ級トーナメントを制し、ONE Championshipに招集された。今の日本の若手のなかでも期待されている中の1人で、試合が判定までもつれることはほとんどない。若松は、世界最強の称号を得るために、世界に羽ばたく。3月31日に両国国技館で開催される「ONE:A NEW ERA-新時代-」で対戦するのは、元UFC世界フライ級王者で11度の防衛経験があるデメトリアス・ジョンソン。世界最強の男を相手に、若松が番狂わせを巻き起こすのか。

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