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インタビュー

【RIZIN】“裏・日本最強”金原正徳が表舞台で戦う理由「体力面でも技術面でも落ちていると思ったらここには来ない」

2020/02/21 12:02
【RIZIN】“裏・日本最強”金原正徳が表舞台で戦う理由「体力面でも技術面でも落ちていると思ったらここには来ない」

2020年2月22日(土)に静岡・浜松アリーナにて開催される『RIZIN.21』に出場する全選手の個別インタビューが20日、浜松市内にて行われた。

セミファイナルとなる第9試合では、バンタム級相当の61.0kg契約で、金原正徳(日本/リバーサルジム立川ALPHA)とビクター・ヘンリー(米国/UWF USA)が対戦する。

元SRCフェザー級王者の金原はMMA25勝13敗5分。2016年1月の「UFC 195」で強豪マイケル・マクドナルド(米国)と対戦し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞する激闘も、肩固めを凌がれた金原がリアネイキドチョークで一本負け。マクドナルドのケージ掴みが問題視された試合でもあったが、UFCをリリースとなり、2016年12月のDEEPでチャーリー・アランツに1R TKO勝利。その後、立ち技の「KNOCKOUT」にも参戦し、2017年7月に中尾満を5R TKOに下すと、同年12月には不可思と5R判定まで持ち込んでいる(0-3で不可思が勝利)。2018年4月にはDEEPでジョムホット・チュワタナを1R 肩固めで仕留めており、今回は1年10カ月ぶりのMMA復帰戦となる。

自身が主宰するリバーサルジム立川ALPHA以外にも、和術慧舟會HEARTSなどで練習を続けていた金原は、朝倉未来・海ともスパーリングをしていた時期があり、現在のRIZINのバンタム級戦線を感じた上での参戦となる。今回のRIZIN参戦に向け、プーケットのタイガームエタイ合宿を敢行、ヘンリーと対戦したトレント・ガーダム、トップノーイらとも練習を積んできた。

これまで金原は、「RIZINで戦ってみたい選手がいます。そのために次の試合に勝たなきゃいけないと思っています」と、“最後の勝負”として選んだRIZINについてその思いを語っている。UFCで世界の頂を目指した男が、RIZINでのヘンリー戦、そして戦う理由をあらためて、語った。

衰えているという気持ちは1ミリも無い。リングに立ってみて、自分がどうなのかは自分が一番楽しみ

──対戦相手のビクター・ヘンリー選手の印象を教えてください。

「今まで何度か試合を見た選手だったので、試合を見直しても変わらない。なんでもできる選手だと思います」

──今回の試合でご自身のどういった部分を RIZINファンに見せたいですか?

「どういった部分という切り取った部分ではなくて、“MMAすべて”を見て欲しいです」

──どんな試合展開になると予想しますか?

「自分でも想像つかないですね。そこは未知の部分であり、久しぶりの試合なので、リングに上がってどういう感じになるか想像つかないです。そこは気にしていないです。そのときの体調やフィーリングで組み立てていこうかと思います」

──RIZIN参戦が決まった時の心境を教えて下さい。

「ほんとうに感謝しています。もう一度……自分自身、格闘技選手として終わっていた選手ですし、このまま格闘技の選手を終わろうと思っていましたけど、もう一度、こうしてまたリングに上げて頂けて、素晴らしい相手を用意していただき、こうして格闘技に向き合えることができたので、すごく感謝しています」

──対戦相手のビクター・ヘンリー選手が「彼は負けに慣れているので負けになっても傷つかないだろう」と挑発ともとれる発言をしていましたが、それを受けてどう思いますか。

「まあ、間違いないと思います。僕そんなにレコード綺麗な方ではないし、今更レコードにもこだわってもいないので。でもそうなんでしょうね。負けるつもりでリングに上がるやつなんて誰もいないと思うし。ま、何とでも。実際彼は1回、僕に負けてますからね」

──RIZINでは今、バンタム級が盛り上がっている階級の一つですが、それに対する思いや考えがあれば教えて下さい。

「そうですね。すごく盛り上がっていて良い選手がたくさんいると思います。トップ選手に挑戦したいと、いまは言うつもりはありません。今回の試合が終わってから、自分の考えをちょっと話そうかなと思います」

──ブログではグッドシェイプの身体を披露していました。ヘンリーは金原選手の方が身体が大きいから減量で苦しみ、スタミナに関わるだろうと言っていました。実際、減量の状況はいかがですか。

「不思議なことに、1度、年末に出る予定だったので調整しましたし、今回、一番、楽じゃないかな。ほんとうにファイトウィークに入ったらほぼほぼ食えないことが多いんですけど、昨日もメシ食えたし、水抜きの量も少ないですし、今までに無いくらいいです」

──「過去に強かったのではなく、“現在が強い”という強さを見せたい」とコメントしていました。その部分での手応えはいかがですか。

「これもほんとうに分からないです。あのね、ムッチャ言われるんですよね。『昔、強かったから』とか、そういう声も聞こえてくるし、実際、それは間違いではないんですけど、じゃあ全盛期はいつかと言われたらいつかも分からない。体力面でも技術面でも落ちていると思ったらここには来ないですよね。自分が伸びている実感も感じることもありますし、体力とか身体のことは数値で全部出る。でも神経のこととか、反応速度とか、打たれ強さ・弱さとかは、実際にやってみないと分からないから、ほんとうにリングに立ってみて、自分がどうなのかは自分が一番楽しみなんですよね。でも、衰えている、という気持ちは1ミリも無いですね」

──アンケートの「憧れのファイター」の回答に「昔は所英男でした!」とありますが、今は?

「今は憧れてはいないですね(笑)。だって試合していないからそれこそ過去の人になってますよ(笑)。試合してくれればちょっとは気持ちが傾くかもしれません(笑)」

──そして「今まで一番泣いたことは?」には『トイストーリー3』と書かれていましたが、ディズニーがお好きなんですか。

「ディズニーランドに行くのは好きじゃないんですけど、息子が好きなので(0歳と3歳の男児2人)」

──お子さんが出来たことは、ファイターとしての金原選手に影響を与えていますか。

「大きいですね。やっぱり息子が『見たい』『応援したい』って言ってくれることが精神的な支えになっています。ぶっちゃけ家族は、嫁も試合をすることに賛成はしないんです。1カ月、(タイ合宿で)いないし、帰って来たら嫁を実家に帰らせたり……よく嫁は出ていかないなと思うんですけど(苦笑)、そういうのも全部理解して応援してくれる家族のために頑張りたいとも思うし、精神的な支えになっています。ひとりの時と違って支えるものができたことは違いますね。誰かのために頑張る、という戦う理由がまたひとつ増えたかなと思います」

──これまでRIZINではほかの選手、リバーサルジム立川ALPHAでは前澤智選手のセコンドにもついてバックアップしてきました。今度は自分がリングに立って、生徒たちに背中を見せる、そういった気持ちもありますか。

「モチベーションになりますね。やっぱり俺だったらこうした方がいいな、とか前澤に限らず、選手がいっぱいいるなか、自分も頑張ってるからみんなも頑張れよ、というのを言葉だけでなく背中で感じてくれたら、次の世代の選手が育ってくれるかなというのもあります」

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