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【RIZIN】金原正徳「最後に自分の区切りをつけるためにRIZINで勝負することを決めた。戦いたい相手がいます」

2020/02/13 09:02
【RIZIN】金原正徳「最後に自分の区切りをつけるためにRIZINで勝負することを決めた。戦いたい相手がいます」

(C)ゴング格闘技

「RIZIN.21」(2月22日・浜松アリーナ)で61.0kg契約のバンタム級でビクター・ヘンリー(UWF USA)と対戦する金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が12日、公開練習を行った。

HALEO DAIKANYAMAで小見川道大、芦田崇宏らと汗を流していた金原は、公開練習では、同ジムでフィジカルトレーニングに励む渡辺華奈を相手に2分1Rのミット打ちからのニータップ、テイクダウンの動きなどを披露。その後、取材に応じた。

【写真】急遽のミット持ちの指名に、公開練習前に呼吸を合わせる練習を行った金原正徳と渡辺華奈。

元SRCフェザー級王者の金原はMMA25勝13敗5分。2016年1月の「UFC 195」で強豪マイケル・マクドナルド(米国)と対戦し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞する激闘も、肩固めを凌がれた金原がリアネイキドチョークで一本負け。マクドナルドのケージ掴みが問題視された試合でもあったが、UFCをリリースとなり、2016年12月のDEEPでチャーリー・アランツに1R TKO勝利。その後、立ち技の「KNOCKOUT」にも参戦し、2017年7月に中尾満を5R TKOに下すと、同年12月には不可思と5R判定まで持ち込んでいる(0-3で不可思が勝利)。2018年4月にはDEEPでジョムホット・チュワタナを1R 肩固めで仕留めており、今回は1年10カ月ぶりのMMA復帰戦となる。

自身が主宰するリバーサルジム立川ALPHA以外にも、和術慧舟會HEARTSなどで練習を続けていた金原は、朝倉未来・海ともスパーリングをしていた時期があり、現在のRIZINのバンタム級戦線を感じた上での参戦となる。今回のRIZIN参戦に向け、プーケットのタイガームエタイ合宿を敢行、ヘンリーと対戦したトレント・ガーダム、トップノーイらとも練習を積んできた(※写真は金原のブログより)。



対戦相手のビクター・ヘンリーは、ジョシュ・バーネットを師に持つ現DEEPバンタム級王者。2014年7月に初来日し、GRAND SLAM旗揚げ大会で所英男を2R TKOに沈めると、15年5月に主戦場をPANCRASEに移し2連勝。同年12月にバンタム級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチで王者・石渡伸太郎に挑むが、フルラウンドを戦い抜いた末に判定負け。18年8月にDEEPへ参戦し、DEEP二階級を制した大塚隆史をKOで沈め、19年3月には第7第王者の元谷友貴も判定で下し、DEEPバンタム級王座を獲得した。2019年8月のRIZIN初参戦では、トレント・ガーダムに3R、後ろ三角絞めで一本勝ちしている。

金原とはDEEPでの接点は無いものの、2018年6月の「QUINTET FIGHT NIGHT in TOKYO」でグラップリングマッチで対戦。金原がストレートフットロック(アキレス腱固め)で一本勝ちしている。

金原は当時、「このチームで1番戦いたかった相手、と言うかMMAでやりたかった相手」と振り返っており、念願のMMAでの対戦となる。

また、今回のRIZIN参戦決定に金原は、「過去に強かったのではなく、“現在が強い”という強さを見せたいです」とのコメントを発表。朝倉兄弟が揃ってその強さに舌を巻く金原の参戦は、RIZINバンタム級戦線にどんな異変を起こすか。

公開練習後の取材で金原は、「RIZINで戦ってみたい選手がいます。そのために次の試合に勝たなきゃいけないと思っています」と、“最後の勝負”として選んだRIZINでの戦いについて、その思いを語った。

「(朝倉)未来とは練習してるけど、海とは最近やっていない。とりあえず次勝ってからじゃないと」

──2月22日のRIZIN浜松大会に向け、現在の心境はいかがですか。

「ずっとタイにいたので、試合っていう感覚がいまのところそんなにないですね。練習をガツガツやっているので、それが落ち着いてからって感じですね。いまのところ試合が近づいている感じはしないです」

──RIZINには初参戦になりますが、どんなイメージを持っていますか。

「自分が試合しない間にどんどん大きくなって盛り上がってきているし、自分と同じバンタム級の選手がどんどん増えていて、世界のトップ団体に劣らない、すごくレベルの高い階級だと思うし、客観的に見て魅力のある団体だなと思いました」

──タイガームエタイではどんな選手と練習していましたか。

「RIZINに出場した選手が2人いて、トップノイ・タイガームエタイとトレント・ガーダムです。トレント・ガーダムは同じ階級で同じ日に試合をするということもあるので、お互い一緒にトレーニングやスパーリングしたり組み合いしたりしました」

──トレント・ガーダム選手は(同日に試合をする)井上直樹選手の敵ですね。

「ハハハ、そうですね(笑)。でも、井上直樹選手とは面識もないし、どっちが敵とか味方とかないし、そのとき近くにいた練習相手がたまたまトレント・ガーダムだっただけです。そこに日本人だからという感情はないです」

──「2人ともめっちゃ強くてびびるわ!」という書き込みもありましたが、どんな良い練習ができましたか。

「日本人にない上手さややり辛さをすごく感じましたね。外国人ならではのリズム感とかプレッシャーの掛け方だとか、やり辛かったですね」

──そもそも、なぜタイへ行ったのですか。

「断トツで暖かいからです。暖かいのが一番の優先でしたね。いままでトレーニングキャンプは(イジーレスリングなど)アメリカに行くことが多かったのですが、今回タイガームエタイを選んだのは暖かいのもありますが、日本人では山田(哲也)くんがいたり、ガーダムがいたり、RIZINに出てる同じ階級の選手が居ることも要因の一つでした(※ブログではUFCのケビン・リー、PANCRASEのボリス・フェドロフとの写真も公開)」

──1年10カ月ぶり、約2年ぶりのMMAですが、RIZIN参戦を決意した気持ちを教えて下さい。

「これちょっと話すと長くなるんですけど……ほんとうにこの2年間は自分の中でいろいろ考えさせられるものがあって、ずっと格闘技をやってきてUFCを目指して頑張ってやってきて、カット(リリース)された時に、目標というか目指すものが無くなって、このまま選手として終わっていくのかなと思って、なんとなく着地点を探している自分がいて……一番ダメだなと思ったのが、何となく格闘技を続けて、なあなあでやっていくのが一番ダメだと思ったんですよね。自分の中で区切りつけるためにもRIZINに出ると決めました。

その背中を押してくれたのは、練習仲間の小見川(道大・44歳)さんだったり、年上(※金原は37歳)の先輩ファイターが頑張って試合をしている背中を見て“俺は何やってるんだ”と思いましたし、悔しかったし、“また頑張らなきゃいけないな”というのは、先輩方に背中を押してもらったというのもありましたし、最後に自分の区切りをつけるためにも……。

次の試合で引退するわけじゃないですけど(笑)、自分のなかで最後はRIZINと決めたので、最後は悔いのないようにこの試合に賭けてきましたし、すべてを捨ててじゃないですけど、この1カ月間、1人になって、もう一度昔の自分を呼び戻すじゃないですけど、そんな感じで身体を作って仕上げて来たつもりです。ほんとうにこの2年間のすべてを──いや10何年やってきた格闘技人生を、2月22日にぶつけられたらいいなと思っています」

──UFCでも世界のトップに近づくために試合をしてこられたと思います。再び試合をするのは、いまのRIZINのバンタム級がその状況にあると考えてのことでしょうか。

「最後にRIZINで勝負をしたいと思ったのも、ひとつ理由があって。いまの自分が言うのも何ですが、戦ってみたい選手がいて、その選手がRIZINに居るのも、RIZINに出る意味がありますし、その選手と戦うためにも次の試合に勝たなきゃいけないと思っています。

ビクター(・ヘンリー)って、ご存知の通り、メチャクチャ強いですけど。自分のなかでは、自分の立ち位置を確認する意味では、ものすごくいい相手だなと思うんですよ。ここで負けてたらトップ戦線云々と言うことも出来ないし、勝ったら説得力が出て発言権も生まれると思っています。その意味で、ビクター・ヘンリーは、立ち位置を決めるにはいい相手だと思っています」

──その「戦いたい相手」とは?

「名前を言うつもりもないですし、勝ったら全て言いますし、負けたら、無かったことに(笑)、水に流してという感じですね」

──試合間隔が開いています。そんななかでMMAで戦うビクター・ヘンリーの印象をどうとらえていますか。

「試合が決まってからタイで映像を何試合か見たのですが、大塚隆史、元谷友貴、ガーダムとの3試合を見たのですが、もともと自分が描いていたイメージのままの選手でしたね。想像以上でも以下でも無く、ファイトスタイルも含めて、そのままだなと思いました。自分が持っていた印象そのままだなと。

特に試合に向けて、あれをやろうとか対策することも無く、向こうも全部できる選手なので、自分を全部出して、互いにMMAで競えれば、いい作品が出来ると思っています。一つひとつの組み手で勝って行ければ、いいイメージになってくると思います」

──ご自身の仕上がり具合は、イメージしていたのと比べどのくらい仕上がっていますか。

「正直、イメージも大事ですが、リングで向かい合った時のファーストインプレッションがものすごく大事にしていて、自分の中で毎回違うんですよ。“今日はちょっと足が浮いているな”“身体が重いな”とか、向かい合ったときに相手のプレッシャーを感じることもあるし、感じないこともある。緊張したりしていなかったり。あまり決めつけずに、試合当日の体調とか向かい合った時の感じを大切にして、そこに100%持っていくつもりです」

──RIZINのバンタム級で戦っている選手とも練習で肌を合わせていたと思います。いつくらいまででしたか。

「(朝倉)海かな。日本人だと海くらいかな。水垣選手とは最近やっていないし、海ともしばらく練習していないですね、いつくらいかも覚えていないです。(朝倉)未来とはちょこちょこやっていますけど。海とは最近練習していないですね」

──海選手を通して、RIZINのバンタム級を感じたことはありましたか。

「分かんないですね。自分がほんとうにどの立ち位置でいるか分からないですし、別に上から話すつもりはないですし、とりあえず次勝ってからじゃないと何も言えないですね。RIZIN初めてで、一番下っ端なわけで。上の選手にどうですか、というのも失礼ですし。次勝ってからじゃないですか。そこからだったらいろいろ喋りますよ。思っていることも」

──2月22日はどんな試合を見せたいですか。

「一番は楽しんでもらいたいですよね。自分がメジャー団体に出てた頃の日本のMMAと今のMMAは、お客さんの見る目がちょっと違うなと思いますね。昔のって言ったら変ですけど、いまは純粋なMMAの技術の攻防──打撃や寝技の攻防などトータルで、色んな部分でも楽しんでもらえれば良いなと思いますね」

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