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インタビュー

【RIZIN】朝倉未来の対戦相手サラスもストリートファイターだった「彼が同じ境遇だと聞いて嬉しい」

2020/02/20 14:02
【RIZIN】朝倉未来の対戦相手サラスもストリートファイターだった「彼が同じ境遇だと聞いて嬉しい」

過酷な環境でストリートファイターとして過ごしていたことを告白したサラス

2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナ『RIZIN.21』に出場する全選手の個別インタビューが、20日(木)浜松市内にて行われた。

 メインイベントで朝倉未来(トライフォース赤坂)と対戦するダニエル・サラス(メキシコ)が登場。サラスは、基本はオーソドックス構えながら時折スイッチしての後ろ廻し蹴り、右の関節蹴り、踵蹴りの足払いテイクダウン、ダブルレッグテイクダウンなどを得意とする組み技寄りのオールラウンダーだ。4つのリアネイキドチョーク、2つの三角絞めでの一本勝ちもマークしている。

 2015年にはTUFのメキシコ版『The Ultimate Fighter Latin America Season 2』でライト級トーナメントに参加し、ホラシオ・グティエレスを相手に判定負け。TUFで決勝に進出したホラシオは2016年8月にはUFCフェザー級戦で石原夜叉坊に1R KO負けしており、未来にとっては負けられない相手となる。

実は自分も頭を使って戦うスタイル。緊張感のある試合になるだろう

――対戦する朝倉未来選手の印象は?

「ミクルは動きが速くタフな選手でRIZINのスターだ。ダイナミックなスタイルを持っていて、自分と戦ったらとても興味深い試合になるんじゃないかな」

――日本のファンに何を見せたいですか?

「日本のファンにメキシカンスタイルのファイトを見せたい。メキシコ人はハートの強さで特別なものを持っている。メキシコのファイターは殴り合いが好きだ。そういうスタイルを見せたいと思っているよ」

――どのような試合展開になると予想していますか?

「この試合は戦略的な試合になると思う。ミクルはダイナミックなスタイルでありながらも、計算高い試合をする選手。実は自分も頭を使って戦うスタイルなので、お互いの戦略がカギになる試合、そして緊張感のある試合になるだろう。

キャンプはとても良かったよ。彼の得意な部分を抑える為の練習をしてきたので、その上で自分の打撃を出していきたい。打撃もクリンチのヒザ蹴りもパウンドも……全ての展開を見せられる試合になると思っている。特に打撃の交錯する瞬間は素晴らしい攻防になるだろうね」


――相手よりも自分の方が優っていると思うところはありますか?

「俺は強いアゴを持っている。非常に打たれ強い。それには自信を持っている。ミクルはどちらかというとストライカータイプなので、俺の方が総合的に優れている事が勝負の鍵を握ると思う。ミクルの試合を見て、勝つために自分がやらなければいけないことは見えているので、それをやるだけだ」

――メキシコはボクシングが盛んな国で、メキシコの選手はボクシングテクニックに長けている選手が多いですがそれを試合で見せたいですか?

「メキシコは世界に通用するボクシングスタイルを持っているし、自分もそれを持っている。ただMMAは総合的に全部やれないといけないので、それだけをやっていてもよくない。試合ではボクシングスキルも少し出せればと思っているよ」

――朝倉選手はサウスポーですがその対策は?

「もちろんしている。スパーリングパートナーもサウスポーになってもらって対策をしてきた。自分はスイッチして戦うのが好きなので両方使って戦いたい」

――RIZINに初参戦が決まった時の心境は?

「オファーが来た時は信じられない気持ちだったよ。メッセージが来て、もしかしたら日本で試合をする機会があるかもしれないと読んだ時に、胃がきりきりしたくらい。当然、即答で“ヤル”と答えた。自分のキャリアの中で日本で試合をするのは憧れだったんだ。

 自分が格闘技を始めた時は日本の格闘技の黄金期だった。ヒョードルが活躍していた時代だったし、特に桜庭和志が一番好きでナンバーワンファイターだと思っている。子供ながらに彼の試合を見ていて、いつか日本で戦いたいという気持ちをずっと持っていたし、それをモチベーションとしてキャリアをやってきたんだ。10年以上キャリアを続けて、ここへ来るまではラクな道のりではなかったけれども、オファーが来た時は夢がかなったと思ったよ」

この千載一遇のチャンスをモノにしないといけない

――格闘技を始めたきっかけは?

「まず8歳からカンフーを始めた。MMAを始めたきっかけは、兄が移民としてアメリカに住み始めてからMMAを始めたので、自分も同じ時期にトレーニングを始めたんだ。その時期がちょうどPRIDEが盛んだった時で、MMAがアメリカでもメキシコでも話題になっていたので、MMAを始めるきっかけとしてちょうどよかったこともある。

 自分が生まれたがメキシコシティの非常に貧しい地域で、常に学校や路上で喧嘩をしているような環境だった。その中で育ってきたので、自分も喧嘩は嫌いではなく好戦的な人間だったんだ。エネルギーがありあまっていたのもあってカンフーを始めたんだよ。でも、格闘技に出会ってからは有り余っていたエネルギーをポジティブなものに使えるようになったと思っていて、自分はこの道が好きだし、こういう生き方に満足している」

――年に一度のペースで試合をしているようだが?

「試合がない時も常にジムにいてトレーニングをしている。自分が所属しているチームは大きなチームで、選手もたくさんいるんだ。自分が試合をやっていない時はチームメイトと練習をしたり、試合の準備に付き合ったり、セコンドに就いて行ったりしている。そういう意味で非常に忙しくしているし、この競技の中に常に身を置いている環境にいるんだよ」

――この試合に勝ったら戦いたい相手はいますか?

「今は目の前のミクル戦に集中したい。まずはそこからだ。自分は常にやるなら強い相手とやりたいと思っている」


――朝倉未来選手もストリートファイター出身ですが、似た境遇だと感じますか?

「ミクルもストリートファイターだったのか? 知らなかったよ。それは嬉しいことだ。路上で戦うことは特別なメンタリティを持っていないとなかなかできないことだからね。裕福な家庭に生まれて育って、恵まれた環境で格闘技をやっている人とはそもそものメンタルが異なる。だから彼が同じ境遇だと聞いてちょっと嬉しいね。そういうメンタリティで戦ってくれるなら、自分はとてもありがたい」

――RIZINの看板選手とメインイベントで戦うことについては?

「オファーを受けた時はメインイベントだと知らず、Instagramで初めて知ったんだ。まさかの自分がメインイベントで“マジか?”と思ったし、いまだに信じられない気持ちが残っている。でも俺はこういうチャレンジにとても前向きで、全てひっくるめた上でモチベーションが高く、全てを力に変えて好敵手といい試合をする」

――朝倉選手を倒せばRIZINフェザー級戦線のトップに躍り出ることになります。

「モチベーションは最高だ。この千載一遇のチャンスをモノにしないといけない。自分もただチャンスを待っていただけでなく、今まで散々苦労してこの道を続けてきてやっと巡ってきたチャンスなので、それに対するモチベーションは非常に高いよ。俺は根性では負けない。自分の全てを欠けて試合に勝ちに行く姿勢を見てもらいたい。その上でみんなが楽しめるような試合をしたいと思う」

――朝倉選手はユーチューバーとしても成功を収めていますが、見たことはありますか?

「友人が教えてくれたので存在は知ってるよ。それくらいかな」

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