▼ヘビー級 5分3R
○ジャスティン・タファ(豪州)
[1R 1分59秒 KO]
×ジュアン・アダムス(米国)
両選手ともノーランカーながら白星はすべてKOというヘビー級対決。豪州のタファはMMA3勝1敗。MMAデビューからわずか3戦で2019年10月にUFCデビュー。マーク・ハントばりの剛腕を誇るが、前戦は同じUFCデビューのヨルガン・デ・カストロに1RKO負け。
アダムスは地元ヒューストン出身でアメフトとレスリングがバックボーン。「LFA」から「DW's Contender Series 2018」→UFCへと進んだ。2018年12月のオクタゴンデビューではクリス・デ・ホッシャとに3R TKO勝ちも、2019年は5月に五輪レスラーのアージャン・ブラーに判定負けで初黒星。7月の前戦では元NFLのグレッグ・ハーディに1RKO負けを喫している。
1R、サウスポー構えのタファ。オーソドックス構えのアダムス。喧嘩四つで互いに前手の突き合い。マーク・ハントとも練習を積むタファは右ロー! リーチで勝るアダムスは右前蹴りも。右フックを当てたタファは、崩れてクリンチしてきたアダムスに左のクリンチボクシング2連打。さらに離れると、左を伸ばして下がらせると、右ロングフックをヒット! 金網に詰めたタファは右アッパー! ダウンしたアダムスは足元にしがみつくがレフェリーが間に入った。
オクタゴンの中でタファは、「チームに感謝したい。サモアンは戦士だ。ボスのマーク・ハントに勝利を見せられて良かった」と笑顔で語った。
◆ジャスティン・タファ「ポリネシア人に、サモア人に、豪州の人に、示したかったことがある」
「フアンはロングジャブを打つのが好きなんだけど、そこからの右ストレートが遅れるから、そこを狙うべきだってことは分かっていた。俺はどっちの手もパワーがすさまじいし、少なくとも相手に効かせられるくらいはあると思っていたから、狙って仕留めた。フックを何度か仕掛けて、スタンドで戦わせたんだ。向こうの目を見たらイッてたな。だからフィニッシュが決まるまで攻め続けた。UFC初勝利は嬉しいね。UFCイベントとしてもそうだし、自分が前回戦ったMMAイベントよりもたくさんの観客がいるところでノックアウトできた。短期間で戻ってくる上で、単にみんなというだけじゃなく、ポリネシア人に、サモア人に、オーストラリア人に、示したかったことがある。何かと戦うなら、とにかく立ち上がって立ち向かうんだってことを」
HWs beware!
— UFC (@ufc) February 9, 2020
🇦🇺 @Justin_Tafa putting himself in the mix at #UFC247! pic.twitter.com/t6i7UBgcgN
▼フェザー級 5分3R
○ダン・イゲ(米国)
[判定2-1] 29-28×2,28-29
×ミルサッド・ベキッチ(ボスニア)
MMA12勝2敗のイゲはUFC4連勝中。「Legacy FC」から「DW's Contender Series 2017」、UFCへと進んだ。UFCデビューとなった2018年1月のフリオ・アルセ戦は判定負けも、以降、マイク・サンティアゴ、ジョルダン・グリフィン、ダニー・ヘンリー、ケヴィン・アギュラーに勝利している。
ベキッチはMMA13勝2敗(UFC6勝2敗)。2018年にペペイにTKO勝ち、リカルド・ラマスにスプリット判定勝ちも2019年7月にジョシュ・エメットに1Rパウンドで敗れている。
1R、ともにオーソドックス構え。脇差し投げたベキッチに耐えるイゲが右アッパーで飛び込み右を差すとヒザを出したベキッチをテイクダウン。その立ち際に右を当てる。
右のクロスを当てたイゲ、詰めてクリンチアッパーも突く。中央を取るイゲ。左から右で詰めると肩パンチ。体を入れ替えるベキッチに足を伸ばして切るイゲが離れ際に右を打つ。右を振って前に出るイゲ。さらにバックスピンキックも。
2R、ワンツーをブロック上から当てるベキッチ。打ち返してきたイゲにカウンターのダブルレッグテイクダウン! そこにギロチンを合わせるイゲは後方に回そうとするが返されないベキッチは上に。サイドから上四方もすぐに足を戻すイゲ。その立ち際をバック狙うベキッチだが、正対するイゲ。そこにシングルレッグはベキッチ。イゲに背中を着かせるとハーフから肩でアゴを押さえて肩固め狙い。
肩固めをハーフで耐えるイゲだが、ベキッチはマウントへ。首をずらすイゲは下から腕固めを仕掛けて足を戻すと下からキムラも狙う。腕を伸ばされないベキッチに下からヒジを打つイゲ。
3R、互いに時折スイッチも基本はオーソドックス構えの両者。詰めるイゲに距離を保つベキッチ。イゲは左ミドルで前に。さらに左ジャブも、ベキッチの2Rのテイクダウンが生きているか踏み込みに慎重に。ベキッチにシングルレッグにヒジを側頭部に打つイゲ。ブレーク。詰めるイゲは右を振る。ダブルレッグでヒザを触りに行くベキッチ。遠間から右を振るイゲだが、ベキッチはアウトボクシングに。ワンツーの右を入れてからダブルレッグもそれをまたごうとしたイゲ。しかしイゲはシングルレッグテイクダウン。立つ伊賀はアームロック狙いから前転。ついていくベキッチはがぶりからバックに回おるとする。足を抱えスロエフストレッチ、ヒールフックを狙うイゲだがベキッチは極めさせずホーン。
判定は2-1のスプリットでイゲが制し、UFC5連勝。1、3Rを取ったことになるイゲは接戦を、「とてもタフファイトだった。3R通して厳しくなることは予想していたから、3R目も諦めないようにしていた。肩固めの防御はいつも練習している。そんなに極まっていなかった」と振り返った。
◆ダン・イゲ「6連勝して7連勝にするだけ」
「自分が勝ったと思っていた。最初のラウンドを俺が取ったのは明白だったし、向こうよりも攻めて打ち込んで、相手の攻撃は防御した。やつの打撃はひとつも当たらなかった。2R目は確かに落としたと思う。背中を取られた時間がちょっと長すぎたかな。でも、向こうを疲れさせることはできた。第3Rは立て直して俺が取っている。すべての面で俺が上回っていたし、向こうのテイクダウンは止めた。巻き返して、3Rではやるべきことをやったと思っている。
次については流れに乗るよ。6連勝して7連勝にするだけ。ランキングを駆け上がっていきたいし、勝利を重ねて、自分の名前を世界で一番のファイターとして知らしめたい。ミアサドと戦うことになったとき、やつはランク入りしていたはずだ。確か13位だったと思うけど、戦う前日にランキングから落ちたから、戻ってくるときにはランカーとやりたい。トップ15の誰かとやって、自分がトップ15にふさわしいことを証明したい。トップ5にふさわしいこと、チャンピオンにふさわしいことを証明したいんだ」
Tough one to call! 📝
— UFC (@ufc) February 9, 2020
⏰ @MirsadBekticMMA and @DynamiteDan808 go the full 15, who gets your nod? #UFC247 pic.twitter.com/njiMrUFIj1
▼ヘビー級 5分3R
○デリック・ルイス(米国)
[判定3-0] ※29-28×3
×イリル・ラティフィ(スウェーデン)
ヘビー級6位のルイスはMMA22勝7敗。ラティフィはライトヘビー級12位でMMA14勝7敗。
ルイスは2018年11月にダニエル・コーミエーに2R RNCで一本負け。2019年3月にJDSに2R TKO負けも2019年2月にブラゴイ・イワノフにスプリット判定勝ちしている。地元ヒューストンの4ozファイトクラブ所属でもある。
ラティフィは2018年2月にOSPにギロチンチョークで一本勝ちも、2018年12月にコーリー・アンダーソンに判定負け、2019年8月にはヴォルカン・オズデミアに2R 左フックでTKO負け。2連敗中で今回、約11年ぶりにヘビー級に復帰した。計量ではラティフィが111.8kg、ルイスが118.6kgとなっている。
1R、ともにオーソドックス構え。向かい合うとルイスの大きさが目立つ。右の跳びヒザで飛び込むルイス。それをキャッチして金網に押し込むラティフィはダブルレッグからシングルレッグに切り替えテイクダウンを狙うが差し替えるルイス。ブレーク。ルイスの左ハイをブロックするラティフィ。詰めてシングルレッグを肩口まで持ち上げて軸足をかろうとするが、耐えるルイスのラウンドに。
2R、右ローを当てるラティフィ。ルイスはオーソから左ミドルをブロック上から当て、右跳びヒザで詰めるが、すぐに体を入れ替えるラティフィが金網に押し込む。体を入れ替えヒザを突くルイスにボディロックテイクダウンはラティフィ! ハーフのまま背中を着かせ、細かくパウンドもブレークに。左ハイはルイスもボディロックしたグレコ出身のラティフィは驚くべきことに小外を合わせてルイスを投げ飛ばして見せる。
Seriously, who told @TheBeast_UFC he could do this?! 😱#UFC247 pic.twitter.com/bJASk3cWan
— UFC (@ufc) February 9, 2020
3R、跳びヒザも胸で受けるラティフィは金網で体を入れ替え、ボディロックから持ち上げテイクダウン! ハーフから細かいパウンドを当てるがルイスも立ち上がると跳びヒザで前に。しかし、ボディロックするラティフィはそのまま電車道で金網まで押し込むと、一旦右に崩してから左に回してテイクダウン。しかしここはすぐに立つルイスが右を振って前に。力を使ったラティフィに右アッパー! しかしサークリングするラティフィが逃げ切りホーン。互いに疲労困憊で金網にもたれかかる。
判定は1、3Rを取った地元ルイスが3-0勝利。ラティフィは再三のテイクダウンもダメージを与えられなかったことが響いたか。試合後、ルイスは「ラティフィのアゴは強かった。みんな応援ありがとう、アフターパーティーに来てね。みんなにショットをおごるよ」と観客に語った。
◆デリック・ルイス「ガヌー対ホーゼンストライク戦で必要になれば代打する」
「ヒューストンで戦うんだから気が狂いそうだった。アドレナリンが爆発さ。最後は観客のみんなが手助けしてくれた感じだな。いい仕事ぶりだったぜ。かなり助かった。接戦なのは分かっていた。特にテイクダウンに関してはそうだと思っていたけど、相手の打撃はほとんどブロックできたし、俺がやつをコントロールしていた。向こうはすべてテイクダウン。跳びヒザ蹴りがいい感じで決まったな。俺もまだまだ成長できるってことさ。みんなにお目にかけていない武器がもっとたくさんある。体は問題ないし、何もないから、ガヌー対ホーゼンストライク戦で必要になれば代打するぜ。いつだって準備はできている」