キックボクシング
インタビュー

【SPACE ONE】城戸康裕、蛇に噛まれて「巳年だけに縁起がいい」吉成名高の「試合の後はイヤ」その理由

2025/04/25 13:04
 2025年5月11日(日)東京・アリーナ立川立飛にて、中国のプロキックボクシング大会『SPACE ONE 宇宙榮耀』と日本のムエタイ大会『BOM』が『SPACE ONE×BOM』(U-NEXT配信)としてコラボ大会を開催。そのメインイベントにて SPACE ONEライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで同級1位・王凱峰(=ワン・カイフォン/中国)の挑戦を受ける王者・城戸康裕(TEAM ONE)のインタビューが主催者を通じて届いた。  城戸はK-1 WORLD MAXで魔裟斗、佐藤嘉洋らと日本の主力選手の一人として活躍し、2008年の日本代表決定トーナメントでは優勝。その後もKrush、K-1で活躍し、2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰すると連続KO勝ち。2022年12月にK-1との契約満了を発表すると、ホームリングの『Bigbang』、皇治がプロデュースする『NARIAGARI』『RIZIN』『RWS』『巌流島』など様々なリングに参戦。  2024年5月、香港で中国のスーパースターである一龍に初回KO勝ちし、SPACE ONE世界-75kg王座を獲得。11月、中国・広東省佛山市で開催された『SPACE ONE 4・佛山大会』のメインイベントで、城戸は王凱峰と対戦。王は城戸のお株を奪うような、右ハイキックを空振りしてそのまま回転しての右バックハンドブローで城戸をKO。この試合はインターネット上で大きな話題を呼び、城戸はその場で再戦を申し込んでいた。(C)城戸康裕 五目並べのゲームで“三”が見えてなかったみたいな ――今回、SPACE ONE初上陸。昨年11月、中国で開催された『SPACE ONE 4・佛山大会』のメインイベントで、右バックハンドブローでKO負けしているワン・カイフォンとダイレクトリマッチが決まりました。さらに、ご自身が保持しているSPACE ONE初代ライト級王座初防衛戦となります。 「もともと、僕がSPACE ONEのリー・ヨウルン代表に「(再戦を)やらしてくれ」と何度も言っていて、「もちろんだ」という感じで答えてくれていたんです。ダイレクトリマッチをやるとなると、向こうとしてはメリットがないじゃないですか。だから僕はベルトを懸けてもいいと伝えていたところ、今回決まりました。SPACE ONEの関係者はすごく手厚くしてくれてる感がすごくあって、今回日本で興行をやられるということで一緒に盛り上げたいと思います」 ――カイフォン選手と拳を交えてどういう印象がありますか。 「戦いながら『こいつ強いな』と思いましたね。しかも向こうは若いですし、この半年間でもっと強くなっていると思うんですよ。だから、だいぶ油断できないというか、怖さはありますよね」 ――どのあたりで強さを感じたんですか。 「圧力ですね。気合の入り方というか、『やってやるぞ、この野郎!』みたいな感じがすごく伝わってきたんですよ。それプラス、アウェイの状況もあったので、そういった雰囲気にも僕は飲まれましたね。今回、日本での試合なので、また違う展開になると思います」 ――2016年11月のサニー・ダルベック戦以来、約8年ぶりのKO負けだったことに関しては、ショックは大きかったですか? 「バックハンドブローをもらったタイミングとかは全然覚えてないので、『うわ~くそーやらかしたなー』みたいな感じのショックはちょっとありましたね。例えるなら、五目並べのゲームで“三”が見えてなかったみたいな。自分の中でもう絶対に負けないなと思っている中、相手に“三”を取られていることに気づかないで、“三”を止めずに“四”を作られて、やべえ、負けちゃった! という感覚とあの時は同じでしたね(笑)。でも、試合中に絶対に勝てない相手とは全く思わなかったです」 ――なぜバックブローをもらったと自己分析していますか。 「相手の右ミドルをスウェーした後に前に行ってローキックを打つという練習を大宮司トレーナーとやっていたんですよ。その形的にバックブローをモロにもらうじゃないですか。試合でも実際に向こうの右ミドルをスウェーした後に攻撃をすぐ返そうとしたら、そのタイミングでバックブローもらってしまったので、今はもうスウェーしたら、絶対に相手を見ようという意識にして、今回は前回よりは全然準備しているのでバッチリ仕上げてます」 ――最近、新しく取り入れているトレーニングはありますか? 「特に新しいことを取り入れていることはないんですけど、今年2月ぐらいに『5月ぐらいに試合があるかも?』とは聞いていたので、そこからガッツリ動き出したことで、早めに疲労がたまっちゃってるんです。まだ3週間ぐらいあるのにも関わらず、追い込みが終わったといえるぐらいまで結構追い込んでいるので疲れましたね」 ――追い込み期間が長いだけに試合当日の仕上がりが楽しみですね。 「超楽しみです。とりあえず早く勝ってリベンジしたいと思ってます。ただ僕の試合の一つ前はヘビー級の選手の試合が一番いいんですよ。そうすると僕の動きは速く見える(笑)。今回、名高君が僕の試合の前に試合をやっちゃうと、僕の動きがスローモーションに見えるじゃないかと心配なので、ちょっとやめてほしいなと思うんですよね。さらに名高君はKOで倒して盛り上げてくると思うので、ちょっと嫌です(苦笑)」 ――ご自身としてはリベンジマッチに得意意識はありますか? 「2015年に対戦したアルメン・ペトロシアンとの試合もダイレクトリマッチで、あの時も今でも僕は絶対に勝ったと思ったのに、負けにされたこともあります。あと、アンディ・サワーともリマッチやって、一応形では負けになってますけど、そこでも僕は全然負けてないと思うので、リマッチに関して苦手意識はないですね」 ――城戸選手は2003年にプロデビューして、現在42歳ですが、全然衰えは感じないですか? 「特に何も思わないですね。疲れた~とはめちゃくちゃ思いますけど、20歳の時も疲れたと言ってたので、特に年齢は関係ないのかなと」 ――年齢を重ねてもトップ戦線にい続けられる秘訣はあるんですか。 「僕は小さい怪我はちょくちょくあるんですけど、デカい怪我をしないので、長く続けていることが秘訣じゃないですか。でも、この前、蛇に噛まれましたけどね」 ――城戸選手のSNSでちょうど見てました(笑)。 「あの牙で噛まれた指は何カ所もガッツリ切れたんですよ! アップした写真の何倍もの血が出たんです。噛んできたのは毒蛇かどうかも分からず、超怖えと思ったので抗生剤とかも飲みました。東京で蛇に噛まれる人はいないでしょうし、巳年だけに縁起がいいのかなとか思っています」 ――変わらずポジティブですね。K-1MAXのトップ戦線で戦っていた20代だったら反射神経が良くて、蛇に噛まれなかったのに!? とは思わなかったですか? 「いや、それはないです(笑)。あの蛇のスピードは避けられないです。そもそも、蛇の背中を撫でたら身体を翻して噛みに来るなんて思わないじゃないですか。マジで動きが見えないぐらいめちゃくちゃ速かったんですから! 全然反応できなかったですもん」 ――大事に至らなくて良かったです。次の試合ではどういう勝ち方を狙っていますか。 「セミの名高君は間違いなくKOで倒すので、僕ももちろんKOは狙ってきますね。僕の場合、当たれば倒せる一発は持っているので、どこかのタイミングで狙っています」 ――逆にバックブローでKOし返したいとは? 「それはもちろんありますね。これがバックブローのやり方だぞ! って」 ――今回勝ったらその先は、どういったプランを考えているんですか。 「毎年11月開催されているSuper Bigbangでタイトルマッチとか大きな試合を組んでもらいたいですね。それまでに海外のリングで呼ばれたら全然やりますし、日本国内の団体からオファーがあれば全然出ます。早くしないと名高君に試合数を越されちゃうので、戦績を伸ばしていきたいですね。変わらずガンガン試合をやっていきます」 ――最後に会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。 「僕の試合は2倍速で見てください(笑)。マジで、この階級の中でも僕はスピードはあるぞ、威力もちゃんとあるんだぞってところをちゃんと分かって見てください。ちゃんとリベンジするところも見せます。あと、40代に夢を与える戦いを見せたいと思います!」
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