2020年2月24日(月・祝)東京・後楽園ホール『Krush.111』で、Krushスーパー・ライト級王者・鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)に挑戦する佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月に同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定戦では準優勝。6月大会では不可思をTKOで下している。今回はKrushの2階級制覇を狙う一戦に。
■こんなに早く再戦が組まれたか! と感じました
──2020年最初の試合になりますが、2019年は3試合ともすべてK-1だったんですね。
「実はそうなんです」
──佐々木選手のキャリアの中でも、すべて大会場で対戦相手もトップ選手というのはあまりなかったと思いますが、2019年はどんな1年でしたか?
「何といってもK-1の花道を歩くのが凄く気持ちよかったです。入場のセットも凄いですし、そういう舞台で試合ができることは純粋に気持ちよかったです」
──佐々木選手は大会場でも緊張はしないですか?
「しなかったですね。昔、K-1甲子園でさいたまスーパーアリーナで試合をした時はリングに近づくにつれてどんどん萎縮していくような感じだったんですけど、今はもう全然ないですね。むしろ歓声が気持ち良くて『おっしゃ! やってやろう!』という気持ちになります」
6月のK-1では不可思(右)にTKO勝ち──1選手としてはこの1年間で伸びたところ、こういうところが良くなったなと感じた部分はどこですか?
「段々と大舞台を楽しめるようになってきましたね。最初のさいたまスーパーアリーナ、両国国技館、横浜アリーナ…と試合を重ねるごとに、どんどん試合を楽しめるようになったことが大きかったです」
──そのなかで2020年最初の試合は後楽園ホール、しかもKrushのタイトルマッチに決りました。最初にオファーを受けた時はどのように感じましたか?
「11月のK-1で鈴木勇人選手と試合をして勝ったんですけど、また鈴木選手とはやるだろうなと思っていたんです。鈴木選手が前回試合をしてどう思ったのかは本人に聞いてみないと分からないですが、僕としてはこんなに早く再戦が組まれたか! と感じました。でも鈴木選手にリベンジしたいと名前を挙げてもらったことは光栄ですし、実際に再戦できるというのは鈴木選手がチャンピオンベルトを持っているからで、縁を感じます」
11月のK-1で鈴木(左)に判定勝ち──実際に戦ってみて鈴木選手にはどんな印象を持ちましたか?
「皆さんも知っている通り、鈴木選手は蹴りで試合を組み立ててくるファイターで、僕も試合前から自分なりに研究というか対策は立てていました。僕としてはその想定通り、蹴りで試合を組み立てる、ミドルキックが武器の選手だなと思いました」
──3カ月間という比較的短い期間での再戦というところで、ファンとしては前回と同じような展開になってしまうのか、それともどちらかが違う展開に持ち込むのか。色んな見方をされると思います。佐々木選手としては前回以上の試合やパフォーマンスを見せたいという気持ちはありますか?
「例えば前回が判定勝ちだったから次は倒さなきゃという気持ちはあまりなくて、結果的にそうなれば良いかな、と。今回は後楽園ホールという会場で、僕は試合中の雰囲気は後楽園ホールが一番好きなんですよね。歓声ももろに伝わってきますし。前回の横浜アリーナと違って、そういった雰囲気の中で試合となれば、また展開も変わってくると思います。それは当日やってみないと分からないですが、僕もそこも含めて次の試合が楽しみです」
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■もっと佐々木大蔵という人間をアピールしていきたい
──昨年の試合のインタビューでも感じていたのですが、今の佐々木選手は対戦相手どうこうよりも会場や試合そのものをどう楽しむか。そこがテーマになっているのですか?
「もちろん相手あってのことなので、練習では相手の武器や隙を見つけながらやっています。でも自分のベースや芯の部分は変えずにやっていますね」
──スーパー・ライト級には色々なタイプの選手がいますが、その中でも佐々木選手は良い意味でガツガツしてないというか。
「はっきり言っちゃうと…地味なんです(笑)。でも自分はそれでもいいのかなって。むしろそれを認めて試合をしている方がいいパフォーマンスを見せられるし、これからは地味を貫いて行こうかなって。前回の試合が終わった後にSNSでエゴサーチすると『佐々木って地味なんだけど好きになってきたぞ』みたいなコメントも見かけるようになって、そういうのは素直に嬉しいんですよね。自分のキャラクターが定着しつつもあるし、僕は自分が楽しんでる姿を自分だけで終わるんじゃなくて、お客さんにも伝えていきたいってのがあるので、僕は僕でこのままブレずに行きたいと思います」
──今年から大会名称・ロゴがかつての「Krush」に戻りますが、Krushのベルトに対する思い入れはいかがですか?
「僕は今のK-1がなかった頃はKrushが最高峰の舞台だと思って戦っていて、やっとライト級のベルトを獲れたという想いがあります。だから僕にとってファイターの初心=Krushという部分が凄く強いですね」
──今回は階級が変わってスーパー・ライト級のベルトを狙う形になりますが、またKrushのベルトを巻きたいという想いも強いですか?
「そうですね。ベルトは巻いたら箔が付きますし、ベルトを持っている人間と持っていない人間では見られ方も違うので、そういった面でもまたベルトを獲りたいと思います。でもベルトを獲ったからと言って、それに驕らずに、もっと佐々木大蔵という人間をアピールしていきたいというのが自分の本心ですね」
──それでは最後にファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか?
「2月24日、鈴木選手とタイトルマッチが決まりました。横浜アリーナでの鈴木選手との試合とはまた異なる展開になると思いますし、そういう展開にするので、2人の成長を見に来てください」