2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~』の記者会見が1月26日(日)都内にて行われ、追加対戦カードが発表された。
今大会では第2代王者チンギス・アラゾフが返上したK-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王座の第3代王座決定トーナメントが行われる。その出場選手とトーナメント組み合わせが発表された。過去の対戦経験(城戸は木村と神保、木村は和島との対戦経験がある)を踏まえ、日本人選手が勝ち上がった場合、準決勝では初顔合わせになる枠組みとなった。
1回戦第1試合は海斗(ポゴナ・クラブジム)vs Krushウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)。海斗は以前から木村との対戦を熱望しており、その希望が叶う形となった。
木村は「70kgに上げて初めての試合でトーナメント挑戦ですが、去年全大会でKOした一番調子がいい男なので、いいスタートを切りたい。相手の前回の試合を見てフィリップポーズ(KO勝ちした時に木村が両手を後ろで組むポーズ)しているのを見たし、モチベーションはマックスです。令和初のK-1王者になるのは光栄なのでそれを獲りにいきます」と意気込む。
海斗は「K-1のベルトはもちろん欲しいですが、僕の階級の(Krushの)ベルトをミノル選手が持っているので1回戦から決勝のつもりで死ぬ気で獲りに行きます」と、1回戦に全てを懸けるとした。
1回戦第2試合は神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)vs ISKA欧州スーパー・ウェルター級王者&WKA世界-72kg王者エダー・ロープス(ポルトガル)。
神保は「本当は特攻隊長として1試合目でやりたかったけれど今回はしょうがない。過酷なトーナメントだと思っています。前に負けている選手がいるのでリベンジも兼ねて精一杯やります。ここで汚名返上したい」と、過去に敗れている城戸と和島に借りを返したいとした。
1回戦第3試合は城戸康裕(谷山ジム)vs FKR-PROウェルター級王者ミラン・ペイルス(スロバキア)。
城戸は中村拓己K-1プロデューサーのカード説明時、「30代後半で何回もトーナメントに出てベルトを目指すのは現実的じゃない」と言うと「勝手に決めないで!」、「城戸選手にとっては最後の挑戦になる」と言うと「勝手にやめて!」といちいち口を挟む。
自分のコメントの番になると「いやぁ、初めて聞きましたね。僕、これが最後のトーナメントですか。最後にしてくれと言うことかと思いましたよ。僕はあと10回くらいやりたい」と、まだ何度でもトーナメントに出るとやる気満々。
「前回(第2代王座決定トーナメント)いい感じで上手いこと決勝まで行ってアラゾフちゃんにやられたんですけど、彼は殿堂入りしたのでここは獲りたい。スロバキアには一昨年行ったんですよ。そこですげぇ嫌な思いをした。最悪です。コンビニでレシートを投げられたんですよ。その思いを彼にぶつけたい。日本人ナメているなって。ペットボトルとか投げられた、という話です」と、旅行中にスロバキアのコンビニの店員に塩対応されたことに腹を立て、その怒りをペイルスにぶつけるという。
1回戦第4試合は和島大海(月心会チーム侍)vs WKU世界スーパー・ウェルター級王者ニコラス・ラーセン(デンマーク)。
和島は「このメンバーを聞いた時に僕のためのトーナメントだと思いました。1回戦から強そうなしっかり強い外国人を連れてきてもらったし、城戸選手ともやってみたかったし、木村選手もリベンジしたかったので僕が全員倒してベルトを巻きます」と、望みの全てが叶うトーナメントだとした。
対戦相手については、木村は「調べたところパンチが強くていい選手でした。前の試合を見たけれどああいうこと(フィリップポーズ)するのは凄い好き。フィリップポーズしてくれて楽しい。いい選手だと思いました」と、前回は海斗のことを聞かれて「誰だよ。まず彼のことを調べることから始めます」と言っていた通り、調べたようだ。
海斗は「プロになる前から知っていてよく見ていたので対戦できて嬉しい。ハンドスピードと突進力、パンチ力が凄い印象です。毎日どうやって勝とうか研究しています」と、すでに研究を始めていると答えた。
神保は「最初に見た時は“なんだこのおっさんは”と思ったんですが、年齢見たら俺の一個下で“マジかよ”と思いました。でも試合を見たらイケイケな感じで、自分の相手にふさわしいかなと思いました」と、相手にとって不足はなさそう。
城戸は「僕もこのおっさん誰だよと思いました(城戸は37歳、ペイルスは27歳)。若い子たちが頑張っていますね。相手については特にないです」とし、「それよりも、さっき協賛のご案内をもらったんですよ。僕がお金を出したら冠が城戸康裕PRESENTSになるんですか?」と脱線したが、中村プロデューサーは「あまり面白くない」とぴしゃり。城戸は「じゃあやめます」とギャグがスベってしょんぼりとした。
和島は「相手の印象はトリッキーな感じで、身長も手足も長くて飛びヒザもあって強い相手やなと思っていますが、僕が勝ちます」と相手を強いと認めながらも自分が勝つと話した。
スーパー・ウェルター級に上げての初戦でいきなりトーナメントになったことについて、木村は「新たな挑戦だけど身体にパワーは溢れているし、階級を上げるのは自然な形。ナチュラルな無理のないチャレンジです。70kgは突進力も爆発力もスピードも上がるので自分を楽しみたい。普段からベストシェイプをキープしているので70kgを目指してパワーと耐久力を付けるだけ。70kgでトップを獲ったらウェルター級にも野杁正明選手やジョーダン・ピケオーと怪物がいるのでやらない手はない。歴史に名を刻むファイターになりたい」と、スーパー・ウェルター級とウェルター級の2階級を股にかけて活躍したいとぶち上げた。
さらに過去に対戦している和島と城戸には「2人は僕とやった時はウェルター級で僕に合わせてやってくれて。それがどれだけ有利不利かは分かるから今回は違う気持ちでやる。和島選手はもう一度倒す、城戸選手は今度は倒す」と言い放つ。
また、海斗ににらみ合いを仕掛けたことについて「大丈夫、大したことないと思った」と笑ったが、「そんなことはない。努力してくるだろうし、みんな優勝したいという想いは強い。どう仕上げてくるのか楽しみです。ただ、神保選手との試合は激しい試合になるだろうし、彼はKOできるパワーがある。だから一刻も早く(海斗を)倒す」と侮りはしないとした。
最後に城戸は「和島選手の相手はめちゃ強いんですよ。ご愁傷様です。これに勝って決勝へ上がるのは至難の業。僕も1回戦が大事なので負けないようにして決勝へ上がります。準決勝がかなりキツいのかな。木村選手が決勝へ上がってきても俺はそこにいるのかなっていう。でも決勝まで行ければ木村選手とやりたいです」と、木村と決勝で戦いたいと語った。