2019年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』の第11試合で、6月に米国マディソンスクエアガーデンで敗れたリンジー・ヴァンザント(米国)に、3R4分42秒、TKOでリベンジを果たしたRENA(シーザージム)が、試合後インタビューに応えた。
「今回は本当に凄くつらくて怖くて不安がいっぱいな状態でしたが、その中でも自分自身とチームを信じて、応援してくれる皆さんにいい結果を届けたくて絶対負けない気持ちで臨みました。その気持ちを最後まで保つことができたからこそのこの結果だと思います」と、試合前の心境を吐露したRENA。
リンジーについては「凄く強くて根性があって。向こうもまた研究して試合に臨んできていると感じたので試合中も楽しくて。勝ち逃げされてもおかしくない状況だったのに、試合を受けてくれたリンジーに感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝。リンジーが「3度目をやりたい」と発言したことを聞くと「今回は向こうが勝ち逃げせずに来てくれたので、私がアメリカへ行ってもいいですし、3度目もありかな」と自分も望むところと答えた。
試合展開については「1Rはタックルに入られて悪い状況があったので、印象的に(ポイントを)与えてしまったので。やられてからスイッチが入るパターンがあるので、1Rは取られたので2Rは絶対に行かないと行けないと切り替えられました。あと3Rに(セコンドの)阿部さんにビンタされてより気合いが入りました」と、1Rに劣勢になったことで攻めの姿勢に切り替えられたと振り返る。
2Rに自ら片足タックルを仕掛けたことは「まぐれです(笑)。つまづいたみたいな。でも行ったからバックを奪われて危ない場面になったので、一瞬気がふわっとなってしまったのかも。あそこをバチっと行けるように次の試合を期待してください」と、まだまだ不十分だったとする。
また、抑え込まれながらもリバーサルで上のポジションを奪い返したことは「RIZINさんが始まって今回で5回目の大晦日で、AACCでそうそうたる選手の中でやられて覚えるというのがあるので、それがやっと試合で活かせられるようになってきたのかな。勝手に動くようになったかなと思います」と、身体に染みついた動きが出たと成長を感じていた。
前回の対戦ではテイクダウンを奪われた後の対処が敗因だったが、「全然焦りませんでした。最近は下からが凄く得意で、練習ではやれる技は手にできているので。まだ試合ではできてないですが、今回もラバーガードをやったりいろいろ試すことはできたので、そこから技にいくのは試合ではできなかったですけれど、下からでも極められる選手になりたいので、最近は倒されても焦らなくなりました」と、成長を実感しているようだ。
試合の中で危ないと思った場面や焦る場面はなかったかを聞かれると「研究されてボディが打ちづらくて、足を止めてくれなかったのでどうやって仕留めようかなと思って」と試合中考えていたというが、「初めてパウンドアウトできたのでそれは凄く嬉しかった。止められた瞬間は自分でもビックリしました」とパウンドで勝てたのは自分でも意外だったという。
試合後のマイクで「29日、友人ががんで亡くなり、今日も告別式に行ってからここに来ました。絶対に負けたくない気持ちでここに来ました。見ててくれるかな……。もう一日一日を大切に、胸を張って、その人が笑顔が素敵な人だったので、一日でも多く笑って勝てるように頑張ります」と触れたことについては次のように答えた。
「年上のお友達でブリーダーさんなんです。仲良くしていて試合や遠征で(飼い犬たちを)預かってもらったり、親交を深くさせていただいていたんです。ずっと(がんと)戦っていたのも知っていました。笑い声が大きくて、全部を吹き飛ばしてくれるような笑い方をされる方だったので、本当に悲しかったですけれど、ずっと頭の中で笑い声が聞こえるので、今回勝って届けたかったので本当によかったと思います。見に来てくれていると思います」
盟友でもある浜崎朱加がハム・ソヒに敗れ、王座を失った。ハム・ソヒとはシュートボクシングルールで対戦して勝ったことがあり、MMAでの再戦はどうかと聞かれると「打撃主体なのでかみ合うと思いますが、まだそこまでは考えてないです」という。
今後については「ずっと暗闇の中にいてどうしたら抜けられるのだろうかと日々試合をしてきて、今回やっと少し光が見えた感じがして抜け出せたのかなって。今日が精いっぱいだったのでまだ(先のことは)考えてはいませんが、課題がいっぱい見つかったので2020年はそれを克服してもっともっと強くなりたいなって思います。
本当に(今回の試合で)いっぱいいっぱいだったので、これから試合の映像を見て自分の分析をして、また良いところ悪いところを見つけるって感じですね。強さを求めるって凄く果てしなくて、自分の中でもよく分からないんですけれど、何が最強なのか、どうなったら満足いくのかは分かりません。でもそれを諦めた時にファイターとして終わりなのかなって思うので、私は自分に満足することないんじゃないかなって思います」と、もっと強くなっていきたいとした。
また、2017年7月の試合以来遠ざかっているシュートボクシングの試合については「ホームには帰らないといけないと思っているので、今年、RIZINさんのオファーと状況にもよりますが、1回帰って立ち技の試合も久しぶりにしたいと思っています」と語った。12・31「RIZIN.20」の写真と全試合結果