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【UFC】チャンソンが緊急出場のエドガーを1R TKO、オズデミアが12連勝ラキッチを止める。ドゥホが新星ジョーデインにTKO負け。HEAT王者ダウンが鮮烈KO勝ち! ギョンホが3連勝=UFC釜山・勝者コメント追加

2019/12/21 15:12
【UFC】チャンソンが緊急出場のエドガーを1R TKO、オズデミアが12連勝ラキッチを止める。ドゥホが新星ジョーデインにTKO負け。HEAT王者ダウンが鮮烈KO勝ち! ギョンホが3連勝=UFC釜山・勝者コメント追加

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC

2019年12月21日(土)韓国・釜山のサジク・アリーナにて、「UFCファイトナイト釜山:Edgar vs Korean Zombie」が開催された。

メインイベントではフランキー・エドガーとジョン・チャンソンによるフェザー級マッチが実現。“ザ・コリアンゾンビ”の愛称で親しまれる地元の英雄チャンソンが、ランキング4位につけるエドガーと対戦した。

いつものように出入りを繰り返すエドガーに対し、開始早々から圧力をかけたチャンソンは近距離から左フックを効かせると左右フックをクリーンヒット。何度も身体を伸ばされパウンドを浴びながらも必死に体勢を戻すエドガーがスタンディングに戻った直後、再びチャンソンの強打がさく裂。打たれるままのエドガーを見てレフェリーが間に入った。

ブライアン・オルテガの負傷欠場により試合直前のオファーを受けて韓国に乗り込んだエドガーだったが、チャンソンの強打の前に1R TKO負け。快勝したチャンソンは試合後、UFC世界フェザー級王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの対戦をアピールしている。

また、ヴォルカン・オーズデミア対アレクサンダル・ラキッチのライトヘビー級マッチが行われたセミメインイベントは、激しい乱打戦の末、オーズデミアがスプリット判定で勝利を収めている。

UFCは次回、PPVイベントで2020年をキックオフさせる。日本時間1月19日(日)に米国ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナを舞台に「UFC 246」を開催。メインイベントでは2018年10月以来のオクタゴン復帰となるコナー・マクレガーと、UFC史上最多勝利数を誇る“カウボーイ”ことドナルド・セラーニが対戦することになっている。

◆UFCファイトナイト釜山:Edgar vs Korean Zombie
2019年12月21日(土)韓国釜山サジク・アリーナ

【メインイベント】

▼フェザー級 5分5R
×フランキー・エドガー(米国/146lbs/66.22kg)
[1R 3分18秒 TKO]

〇ジョン・チャンソン(韓国/146lbs/66.22kg)

ブライアン・オルテガの欠場を受けてフランキー・エドガーがスクランブル参戦。バンタム級専念前にフェザー級でジョン・チャンソンと対戦する。

MMA23勝7敗1分のエドガーは2016年11月にジェレミー・スティーブンス、2017年5月にヤイー・ロドリゲスに勝利後、2018年3月にオルテガと対戦し、1R TKO負け。しかし2018年4月にカブ・スワンソンに判定勝利。2019年7月にマックス・ホロウェイに判定負けを喫している。

対するは母国でメインに臨むチャンソン。MMA15勝5敗、UFC6戦4勝2敗の“コリアン・ゾンビ”は名勝負製造機。2018年11月にヤイー・ロドリゲスに5R TKO負けも、2019年6月にヘナート・モイカノに1R 58秒TKO勝ちで復活を遂げている。

1R、ともにオーソドックス構え。互いに右の交錯から右ローを走らせるエドガー。チャンソンは左前手を下げてジャブを狙う。ニータップからダブルレッグを狙うエドガー。しかし切るチャンソン。近距離から左フックを効かせたチャンソンはさらに左右フックをクリーンヒット!

金網際でダウンするエドガーにパウンドするチャンソンはバックを奪い、亀になるエドガーの足をバックマウントで伸ばしてからパウンド! レフェリーが止めに入ってもいい連打だが、エドガーも何度もヒザを立てて亀に戻すと、チャンソンを前に落とす。スタンドに戻すエドガーだが、足元がおぼつかない。

そこにチャンソンは右アッパー、左フック、さらに左右フックでエドガーから再びダウンを奪うと、亀になったエドガーの脇下からアッパー2発。レフェリーが間に入った。緊急参戦のエドガーはマーク・ヘンリーコーチに肩を抱かれ、オクタゴンを後にした。

1R 3分18秒、TKO勝ちを収めたチャンソンは満員の観客に向けて、UFC世界フェザー級王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの対戦をアピールした。

◆ジョン・チャンソン「またやろう、今度はソウルだ!」

「本当に嬉しい。自分にとってはクリスマスのプレゼントさ。エドガーとは25分間、戦いたかった。その点については悔やまれるけど、ホッとしている気もする。10週間、行ったり来たりしていたからね。勝利に見合っていると思う。地元での試合はかなりのプレッシャーを感じた。最近の試合はメインイベントで、海外の試合が多かった。今回は違っていたけど、今日のメインイベントの準備にはなったし、地元ファンの前で戦う準備にもなったと思う。オクタゴンに向かうとき、あまりファンのことは気にしていない。完全に試合に集中しているし、今日もそれは同じだった。今日の結果には大満足。ファンのためにショーを見せられてよかった。今日はこんなにもたくさんの人が応援しに来てくれて本当にうれしい。またやろう、今度はソウルだ!」

【セミメインイベント】

▼ライトヘビー級 5分3R
〇ヴォルカン・オズデミア(スイス/206lbs/93.44kg)
[判定2-1] ※29-28×2,28-29

×アレクサンダル・ラキッチ(オーストリア/206lbs/93.44kg)

MMA16勝4敗のオズデミア(8位)と、12勝1敗のラキッチ(10位)の対戦。ラキッチは驚異の12連勝中だ。

キックベースのオズデミアは、2017年7月のUFCデビューからOSP、ミーシャ・サークノフ、ジミ・マヌワ相手に3連勝で、2018年1月にライトヘビー級王者ダニエル・コーミエーに挑戦も2R TKO負け。続く10月にアンソニー・スミスにRNCで一本負け、2019年3月にドミニク・レイエスにスプリット判定負けと3連敗を喫した。2019年8月の前戦でイリル・ラティフィにKO勝ちで連敗を止めている。

同じくキックベースのラキッチは豪州の「Austrian FC 1」から、
2017年9月にUFCデビュー。フランシマール・バロッソ、ジャスティン・レデットに判定勝ちすると、デヴィン・クラークに1R TKO勝ち。2019年6月の前戦ではジミ・マヌワに42秒ハイキックでKO勝利している。

1R、ともにオーソドックス構え。アッパー、さらにいきなり跳びヒザで前進しオズデミアをアームインギロチンにとらえるラキッチ。首を抜いたオズデミアは差し返して体を入れ替え離れる。

早い出入りはラキッチ。オズデミアの入りに左の前蹴り、さらに右ストレートを狙う。オズデミアは右ストレート狙い。しかしラキッチはシングルレッグで回してテイクダウン。しかし立つオズデミアにその際でラキッチは左右をまとめにいく。

左右が長いラキッチは懐が深い。オズデミアの右をかわして右ボディストレート。オズデミアも右ローから入り詰めての右を狙う。

2R、先に詰めていくオズデミア。しかしラキッチの右にオズデミアはのけぞる。オズデミアは1Rに続いて右ローを連打。ラキッチの身体が流れるようになる。右足にシングルレッグに入り、オズデミアをこかしてその立ち上がり際に打撃を狙うラキッチ。さらに金網に詰めるがオズデミアはヒジを返す。

右ローを当てに行くオズデミア。その蹴り足をつかむラキッチだがオズデミアは足を抜く。ペースが落ちて来たラキッチはジャブ&ロー。しかしオズデミアも右ロー! 前足を狙われるラキッチ。オズデミアはラキッチの目の前で両手をはたいて猫だましを見せて右を狙う。

3R、自ら左の蹴りを放つラキッチ。近距離で両脇を差して押し込むが、オズデミアは金網背に。ラキッチは離れ際に打撃を狙う。ステップが落ちたラキッチ。オズデミアは右ローを角度を変えて打っていく。しかしラキッチも金網背にしながら右ショートアッパー! さらにダブッレッグに入るも切るオズデミア。左ジャブの刺し合いは互角。しかし前に出るのはオズデミア。右ローを当てると、打ち合いに出たラキッチに応戦。右ハイをガード上に当てるオズデミア。ラキッチは組み付いてバックを狙うも小手に巻くオズデミアは正対し突き放す。オズデミアが前に出て試合終了。

判定は右ローを効かせて2、3Rを取り返したオズデミアがスプリット判定勝利。上位ランキングを守った。

◆ヴォルカン・オーズデミア「レイエスを待っている。またアンソニー・スミスとも戦いたい」

「本当にいい気分だ。もっとラウンドがあれば、今回の試合はもっと俺のものになっていただろう。相手の体が疲れてきているのは分かったし、弱くなってもいた。ボディショットや膝をボディに打ち込むたびに、相手の息が上がっているのが分かった。メンタルも徐々に下がっていっていたから、ラウンドを重ねるたびに今回の試合は俺のものになっていった。2020年は俺の年になる。今回のキャンプ中はいくつかケガとの戦いもあったけど、韓国のファンのために、すべてのUFCファンのために諦めたくなかった。だから頑張ることにした。俺は諦めるようなタイプじゃない。ケガでも戦う。しんどくても戦う。危険な相手と戦って勝利を得るためにオクタゴンにいるんだ。俺は今、レイエスを待っている。いろいろとあるみたいだから、彼が戻ってきたときに備えて、ここで待っているつもりだ。その一方で、また戦いたいと思っているのはアンソニー・スミスだ」

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