▼第22試合 DEEPバンタム級 5分3R
×北田俊亮(61.35kg/パンクラスイズム横浜)
[1R 2分41秒 リアネイキドチョーク]
〇井上直樹(61.20kg/Serra Longo Fight Team)
MMA11勝2敗の井上は、2014年の「DEEPフューチャーキングトーナメント」で優勝するなどプロ10戦全勝でUFC参戦。2017年6月にカールス・ジョン・デ・トーマスに判定勝ち後、2018年6月にマット・シュネル(※現在UFC4連勝中)にスプリット判定負け。その後、フライ級戦線を縮小したUFCからリリースとなり、2019年2月に米国「CageFury FC 72」に出場し、ショーン・サンテラに判定負けしていた。
2019年5月にはBellator&LFAファイターのカイル・エストラーダとの試合が決まっていたがキャンセルとなり、今回、2017年3月以来の日本での「バンタム級」戦で再起を図る。UFCファイターで元DEEP JEWELSストロー級王者・魅津希の実弟である井上直樹は現在、姉や佐々木憂流迦らとともにセラロンゴ・ファイトチームで練習を積んでおり、DEEPでの試合決定に、「試合自体は10カ月ぶり、久しぶりの日本での試合です! DEEPで育ったのでまたここで試合できて嬉しいです。楽しみにしてます」と意気込みをSNSに記していた。今回の試合に向け、UFC強豪のアルジャメイン・スターリングとのケージレスリング、そして打撃に力を入れており、トータルファイターとして進化しているという。
対する北田俊亮はMMA22勝12敗4分。2018年4月にソン・ジンス(現UFCファイター)に2R TKO負け後、2018年12月には白川“Dark”陸斗に判定負けと、いずれも強豪相手に2連敗中。しかし、2016年にはソン・ジンスとの初戦で判定勝利し、組み技師・齊藤曜に一本勝ちするなど、柔道ベースで柔術茶帯のグラップリングの強さには定評がある。サブミッションに長けた井上と組み伏せる北田の試合は、MMAのトータル力が問われる試合となりそうだ。
1R、細かくステップ踏む井上がジャブ&ロー。右を当て北田の組みにはヒザを入れる。左ストレートを当てると北田が後方にダウン。井上はハーフからまたぎながらパス狙うとバックへ。背後からパウンドを入れながら、4の字でボディトライアングルの井上は、鼠径部に足をフックし直し、リアネイキドチョークチ狙い。後ろ手を掴んで凌ぐ北田をアゴ上から徐々に絞めてのどもとに食い込ませタップを奪った。
実力者・北田から一本勝ちした井上は試合後、「こんばんは。忙しいなか来てくれてありがとうございます。2連敗からいい形でチョークを極められてよかったです。あっ、もう何も言うことはないです(笑)」と最後は笑顔でケージを降りた。井上直樹インタビューはこちら
▼第21試合 DEEPバンタム級 5分3R
〇大塚隆史(62.70kg→61.65kg/T GRIP TOKYO)※61.7kgリミットを1kgオーバーも再計量でパス
[判定3-0] ※29-28,30-27×2
×高野優樹(61.50kg/FIGHT FARM)
大塚は2017年にRIZINバンタム級トーナメントでアンソニー・バーチャック、カリッド・タハに勝利も、準決勝で石渡伸太郎に判定負け。2018年3月にDEEPバンタム級王座を返上すると、8月にはビクター・ヘンリーにもKO負けし、5年ぶりの連敗を喫した。
しかし、2018年12月の赤尾セイジ戦で強いレスリング力を発揮し判定勝利で復活。2019年5月にPXCバンタム級王者のトレヴィン・ジョーンズを迎え撃ったが、リアネイキドチョークで一本負け。前戦9月に白川“Dark”陸斗と対戦し、大塚の投げの影響か白川の右肩が外れ66秒でTKO勝ちとなっていた。
対する高野優樹もレスリング出身。2016年6月に釜谷真のギロチンで一本負けも、2016年11月に沼倉雄太に判定勝ち。2017年3月には若菜千明に腕十字で一本勝ちで連勝も、7月に窪田泰斗に判定負け。10月に城田和秀に1R TKO勝ちを収めて以来、2年間試合から遠ざかっていた。
和術慧舟會HEARTSからハワイのグレイシー・テクニッスク・ホノルルで武者修行を積み、心機一転、FIGHT FARMに所属を移し、2年ぶりの試合でいきなり元王者に挑む。
1R、ともにオーソドックス構え。高野は低い構えを見せる。右を伸ばして金網に詰める高野だが組み手悪く深追いはせず。スタンドからダブレッグテイクダウンは高野! しかし大塚もしっかり金網背に立ち上がる。高野の左フックをブロックする大塚の組みに高野は引き込みに。バタフライガードもハーフになる大塚は、高野を引きはがすとその際で高野もスクランブルから立つことに成功。
大塚の右はかわす高野は大塚の組みも切っていく。互いに右の打ち合いからヒザを触りに行く高野。差し上げる大塚にヒザを突くが、大塚もアゴを押して突き放す。
2R、強い右ローから入る大塚。先に圧力をかけていく。大きな左はかわされる高野はサークリングで回される。四つに組んだ両者だが互いに脇は硬い。がぶり引き落としは高野もすぐに首を上げる大塚。大塚の大きな右も空を切る。右ローをカーフで当てる大塚。圧力をかけられダブルレッグに入る高野だが切られる。詰める大塚がダブルレッグに入るが差し上げる高野。今度は中央で高野がダブルレッグテイクダウン! しかしここも大塚はすぐに立つ。高野のがぶりにはすぐに首を外す。大塚は右ストレート、左フックで攻め込む。
3R、中央を取る大塚。左アッパーから右フックは高野。かわす大塚はがぶりから崩して上に。しかし高野もすぐに立つ。右ローを当てる大塚。組み際にヒザを突く高野。左ジャブ突く大塚。高野も右で前に出ると右のロングフックをヒット! しかし前に出る大塚が高野の打撃をいなしてテイクダウン! バックから外側の腕を取る大塚はリアネキドチョーク狙いに。そこは正対して極めさせない高野だが、大塚はマウントへ。パウンドを入れてゴング。
判定は3-0で終始高野にペースを握らせなかった大塚が勝利した。大塚は試合後、「ほんとうはKOしたかったです。面白い試合をしたくてスタイルを変えているんですけど、そこが課題で、もっと倒せる試合をしますので応援よろしくお願いします」と語った。
▼第20試合 DEEPライトヘビー級 5分3R
〇水野竜也(92.45kg/フリー)
[2R 3分28秒 リアネイキドチョーク]
×ジョシュア・ロビソン(92.60kg/ロデオスタイル)
ライトヘビー級では、10月大会で酒井リョウによるグラウンド状態での反則のヒザ蹴りを受け試合続行不可能で反則勝ちとなっていた水野竜也(フリー)が連続参戦。ロデオスタイル所属でMMA8勝6敗2分のジョシュア・ロビソン(米国)と対戦する。PANCRASEでは高木健太、荒井勇二に敗れているロビソンだが、2015年9月の「GRANDSLAM 3」で市川公貴にTKO勝ち以降は、GRACHANで5勝1NCと負け無しで5つのKO・TKO勝ちをマークしており、その強打に対し一本勝ちも多い水野はいかに戦うか。
前日計量で水野は「前回すごく後味の悪い試合をしてしまったので(※10月大会で相手の酒井リョウの反則のヒザ蹴りにより勝利)、今回はしっかりKOか一本で勝って、(今年)最後の試合を盛り上げたいと思います」と語った。
1R、サウスポー構えの水野にオーソドックス構えのロビンソン。先に詰める水野はボディロックテイクダウン。サイドからキムラを狙うが、下から足で頭を挟むロビンソン。頭を抜いたロビンソンに水野はバック奪い、身体を伸ばしてパウンド、リアネキドチョークを狙うが、凌いだロビンソンが落として上に。スタンドで右を振り圧力をかけたところでゴング。
2R、さきにテイクダウンを奪う水野にスクランブルから立つロビンソン。水野のスタンドバックに回るが水野もキムラ狙い。それを潰したロビンソンはアッパー! 下がる水野を追うロビンソンに水野はシングルレッグも切られる。亀で腕を手繰る水野はロビンソンを落とすとハーフに。右で首を枕に固めてからロビンソンの起き上がり際にバックに。粘るロビンソンをリアネキドチョークで極めた。
水野は試合後、「ご来場ありがとうございます。高い金を払ってこうして観に来てくれるお客さんのおかげで格闘技が盛り上がります。昨日、子供2人がゲロってちゃって大変でしたが(苦笑)、今日は早く帰って息子の面倒をみます」とマイクで語った。