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【RISE】那須川天心が優勝賞金1000万円を全額寄付=千葉県の復興支援と養護施設の子供たちへ

2019/12/11 15:12
【RISE】那須川天心が優勝賞金1000万円を全額寄付=千葉県の復興支援と養護施設の子供たちへ

地元・千葉県の台風による被害の復興支援に優勝賞金を寄付した那須川

RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)が2019年12月11日(水)千葉県庁を訪れ、9月に行われた『RISE WORLD SERIES 2019』世界トーナメントの優勝賞金1000万円の半額にあたる500万円を寄付した。


 那須川は9月の試合前記者会見で、地元の千葉が台風の影響により大きな被害に逢っていることを聞かれ、「僕のところは大丈夫でした。でも千葉の下の方が家がなくなったり倒されたり、被害が大きかったらしくて。被害の大きさが報道されていないらしくて困っているとの声がたくさんメッセージやコメントで来ています。僕は試合前なので何もすることができていないんですが、終わってから僕ができることがあれば。賞金は僕はいらないので、それを寄付してもいいかなと思っていますし、いろいろなことを考えています」と語っており、有言実行した。


 那須川は「一番の理由は自分の住んでいる千葉県というのもありますし、自然の災害はなかなか自分たちではどうすることもできないというのがあって、力になれることがあればと思い、自分の優勝賞金を寄付することにしました。それ以外にもできることを考えていますが、とりあえずできることを早い段階でやろうという形になりました」と、寄付の理由を説明。

 自身の関係者には直接的な台風の被害はなかったと言うが「自分の後輩の地元が市原の方なので家が吹っ飛んだり、そういうことがあったと聞きました」という。


 那須川からの寄付を受理した千葉県防災危機管理部の岡本和貴部長は「千葉県では南と東部の被害が多く、19号では竜巻と見られる被害もありました。地元の那須川さんにこういう形で、21歳とお若いのに千葉県のことを想って義援金をお寄せいただいたのはありがたいことです。千葉県以外からも多くの支援が届いており、復興支援に役立てたいと思います」とコメント。

 その後、那須川と岡本部長はしばし歓談。「試合はどれくらいの期間で 海外でもしているんですか? トレーニングは毎日ですか?」との質問に「2カ月に1回くらいのペースですね。来年は海外でも試合をしたいと思っています。トレーニングは毎日ですね」と答える天心。最後には岡本部長から「小さい頃にはキックの鬼の沢村忠さんを見ていました。那須川さんの戦績を見たら凄いので応援させていただきます。大晦日の試合もぜひ見させていただきます」とメッセージが送られた。

 続いて、優勝賞金のもう半額である500万円は、那須川が2018年11月から活動を続けている『那須川天心ファミリープロジェクト』に寄付された。


『那須川天心ファミリープロジェクト』は「格闘技を通じて何か社会に恩返ししたい」との那須川の想いから立ち上がったプロジェクトで、養護施設で暮らしている子供たちを支援する活動。すでにRISEの大会への招待や那須川が施設を訪問してミット打ちを行うなどの活動を展開している。

 伊藤隆RISE代表は「RISEもピースプロジェクトを通じて子供たちを招待しています。格闘技を通じての社会貢献をしていく中で、こうして天心が名乗り出てくれたことが嬉しいですし、他の選手たちも名乗り出てくれることを願っております」と挨拶。

 同プロジェクトの加藤勉代表は「プロジェクトは徐々に参加したいとの声も多くなっています。顔が見えない活動ではなく天心選手が子供たちの成長を見届けていける活動をしていきたいと思います。天心選手は戦うことで子供たちに勇気と夢を与えられる数少ない存在なので頑張って欲しいですね。等身大の若者である天心選手が活躍することで、一生懸命頑張れば夢がかなうという希望を子供たちに持たせてあげたい。口先だけではなく行動に移す部分は年を取った僕も尊敬できる部分です」と話した。

 那須川は「僕もピースプロジェクトでみんなが試合に来てくれて、それで実際話したりすると格闘技が楽しいと言ってくれて。そういう人が来てくれると嬉しいし、僕も頑張らないといけない。それだけじゃなく僕が貢献できることがあれば積極的にやっていきたいと思っています。それもあって優勝賞金を寄付することになりましたが、お金だけじゃなく、いろろな面で今後も貢献していきたいと思っています」と、今後も支援活動を続けていきたいという。

 活動を通じて「格闘技に興味を持ってくれて、僕もやりたいと言ってくれたことには感動しました。僕もミットを持ったりしました。凄い興味を持ってくれて。凄い嬉しかったですね」と、喜びを感じている。

 優勝賞金の1000万円は、文字通り命がけで手にしたものであるが「僕はお金には何とも思っていません」と那須川。父の那須川弘幸氏は「優勝する前から、賞金は寄付したいとの相談を受けていました。いいことじゃないか、お前のやりたいようにやれ、と言いました」と明かす。伊藤代表も「好きなものを買うことができるのに、21歳の若者ができることではないと思います。本当に命がけで獲得した対価ですからね」と語る。。

 ピースプロジェクトのことを那須川から説明された岡本部長は「本当にタイガーマスクのような活動をされているんですね」と感心していた。

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