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【RIZIN】江幡塁「僕が自信を持っているのは戦いに強いということ」、那須川天心「潜ってきた修羅場が違う」

2019/12/05 18:12
【RIZIN】江幡塁「僕が自信を持っているのは戦いに強いということ」、那須川天心「潜ってきた修羅場が違う」

那須川が「日本人最後の相手」と認める江幡との対戦が決まった

2019年12月29日(日)、31日(火)にさいたまスーパーアリーナにて開催される「BELLATOR JAPAN」(29日)および「RIZIN.20」(31日)の追加対戦カード発表記者会見が、昨日に続き12月5日(木)都内にて行われた。

 RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)がKNOCK OUTスーパーバンタム級王者・江幡塁(伊原道場/新日本キックボクシング協会)と対戦決定。3分3R延長1Rありの特別ルール、56.0kg契約、ヒジ打ちは禁止。


 江幡は「僕は新日本キックボクシングという協会でずっと戦ってきまして、17歳でデビューして28歳になります。那須川選手は今格闘技を引っ張る存在になっています。僕も打倒ムエタイを目指して夢を追いかけてきました。そこで培った強さ、キックボクシングの伝統のスタイルを突き詰めて僕は強さを磨いてきました。那須川選手はスピードもパワーも戦いに対する想いも一流だと思います。その中で、僕が培ったキックボクシング伝統のスタイルがぶつかってドラマを生むような、そんな激しい試合を皆さんに大晦日で見せて盛り上がる興行にしたいと思っています」と挨拶。

 那須川は「RIZINに出るのは本当に久しぶりで6月から出ていなくて…」と言うと、隣にいた榊原信行RIZIN CEOが「最近忙しいからね」とツッコミを入れると、那須川は「そういうわけじゃないです。榊原さん、試合が決まるのが遅すぎかなというのがあります」と答えて場内は笑いに包まれた。


 続けて「大晦日、日本の格闘技は僕しか盛り上げられないかなって自分の中で責任を感じているので。去年メイウェザー選手と戦いましたけれど、今年は江幡塁選手と戦うことが決まりました。江幡選手は自分がデビューする前から活躍していて強い選手、新日本でずっと勝ち続けてラジャダムナン王座にも挑戦して本当に強い選手だと思いますが、僕のやって来たこととの差を見せたい。江幡選手の幻想が強いと思いますが、僕にそういうのは関係なく、大晦日らしくお祭りらしくぶっ倒しに行きたいと思っています」と、KO宣言。

 江幡は今回のオファーに「大晦日にRIZINさんの大きな舞台で那須川選手とできるのは、日本中のみなさんにキックボクシングの魅力を伝えるいい機会だと思ったので、最高の場所だと思います」と、いい機会だとする。

 那須川に何で対抗するかを聞かれると「那須川選手は頭がいいですし、お父さんも凄い策略家なのでここで具体的なことは言えませんが、那須川選手はスピード、パワー、テクニック…一流の選手だと思っています。ですが格闘技は“戦い”なので、僕が自信を持っているのは戦いに強いということ。ここが僕が勝つところかなと思います」と答えた。


 キックボクシングファンの間では以前から実現が待ち望まれていた一戦。那須川自身は「僕がキックを始めてRISEのチャンピオンになって、KONOCK OUTに出ていた時にいずれやるんじゃないかなと思っていて。最近は団体も違いますし意識はしていなかったんですけれども、こういったタイミングでやるのは何かの縁かなと思います。縁を感じます。だからこそ倒さないといけないと思いますし、江幡選手に自分が負けているところは正直ないと思うので、戦いの部分でも潜ってきた修羅場が違うと思います。その違いをしっかり見せて、尊敬の意味を込めて倒しに行きたいと思います」と、試合が組まれたことに縁を感じるという。

 以前、江幡の試合の解説を務めたこともあり、その感想を聞かれると「その時は初めてのKNOCK OUT参戦だったので、堅い印象があったんですが、何でもできる選手ですね。きれいに戦う。選手・ファイターは必ず覚悟を持って挑んでいるのでそこの違いはないと思いますが、キックボクシングに懸けている、団体を背負って戦いに来ているなって選手だと思います。KNOCK OUTのチャンピオンでも新日本のチャンピオンでもありますし、非常に強い選手です。やって来た想いが凄く伝わりますが、その想いごと那須川天心には通用しないところを見せます」と、江幡を強い相手と認めながらも自分には通用しないと言い放つ。


 那須川が江幡を認めていることは次の発言からも分かる。

「大晦日って言うと皆さん盛り上がってお祭り感覚の部分があると思いますし、普段自分が戦っている中で見せられなかったこととか、想いだったりをぶつける試合になると思います。自分は日本にずっといるつもりはないので、日本人で言うと最後の一人くらいになるんじゃないかと感じています。そこでしっかり差をつけて、世界は那須川天心で日本は江幡選手に引っ張ってもらう構図になればいいなと僕は勝手に思っています。(強いという意識は)ありますね。やってみたいと一度でも思った選手ですから、その選手とこういう舞台で戦えるのは何かの縁。お互いの想いのぶつかり合いになるんじゃないですかね」

 以前から意識していたのかとの質問には「意識というよりかは僕は格闘家なので強いヤツがいるとなればやりたい。その気持ちに応えるのもぶつけるのも選手なので、お互い強いと言われている中でお互いにやりたい、そうなった時にやらないという選択肢はない。一度やりたいと思った選手なので、だからこそ受けました。あと僕は最近58kgでやってきましたが、階級を落として本来の階級の56kgでやるので変わった動きができると思いますし、ベストパフォーマンスなのでそこにも注目してもらいたいと思います」と、強いと言われている相手とやらない選択肢はないとし、本来の階級で最高の自分を見せる、とも。

 9月のRISE WORLD SERIES決勝戦(vs志朗)で負傷した左拳に関しては「怪我をしてパンチが打てない時期はあったんですが、もうバッチリ治りました。病院行ってしっかりと治しました。自分の回復力がよかったと親に感謝したいですね」と、すでに万全な様子。


 ルールについて江幡は「ヒジ打ちありでやりたかった」との気持ちもあったと言うが、「まずこの舞台で那須川選手と戦うことの方が僕のキックボクシングを広める夢だったり、僕が今戦っている覚悟に最適だと思うので、これが最適な条件かなと思います。日本人の選手とやることはキックボクシングを広めるという目的ひとつなので今回もそのひとつです」と、キックボクシングを広めることが一番の目的だとする。

 那須川も「今回大晦日でキックの2試合が組まれたことは期待されている部分があると思うので、そこをしっかりと、何が求められているかはこの2試合で分かると思うので、チームじゃないですけれどこの4人でしっかり盛り上げて。RIZINはMMAの団体ではありますけれど、そうじゃないところもしっかり見せられたらなと思います。キックボクシングの期待値ってあまり高くないと思うんですよ。そこは悔しい部分があるので、そこを見返してやりたい。みんなでvsMMAじゃないけれど、そういった気持ちで戦いに行きたいと思います」と、4人でキックボクシングの魅力を伝えたいと呼応した。


 延長戦がある特別ルールにしたことに関して榊原CEOは「3Rまでいったと仮定してドローだったら年末だし、大晦日だし、大晦日のRIZINという舞台は一期一会の舞台なので、団体の中でまた再戦がある流れを作れないですから、じゃあもう1Rやって決着をつけてもらうということです。決着をつける、白黒つけるという裏番組の紅白歌合戦も含めてどちかが勝つ。それくらいの覚悟で両選手がこの試合に臨んでくれることに敬意を表します。僕らからの提案で両選手がやりましょうとのことで、エキストラな魅力があるプラスアルファを感じていただければと思います」と説明。

 那須川は「延長あると今聞きました(笑)。まあ、いつもやっているルールなので。僕は延長を考えたことはないんですよ。延長まで持ち込まないように戦う、延長はいらないと思います。その前に決着をつけたいと思っています」と、本戦で決着をつけるので関係ないと断言。江幡も「白黒はっきりつけるルールだと思うので、僕的には嬉しいです」と完全決着を誓った。

 そして那須川は「相手どうこうより、那須川天心が強かった、那須川天心がやったと思われる試合がしたいと思いますし、最近はテレビにも出させてもらっていてそこしか見ていない人もたくさんいると思うので、本来の自分を見せて勝ってしっかり視聴率もとりたい」と、視聴率でも勝ちたいと語った。

 また、昨日参戦が発表された平本蓮には「昔ジムが一緒でやっていたんですけれど、彼もK-1から出てこうして来て、気合いが入っていると思うので活躍して欲しいなと思います」とエールを送った。

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