武田幸三さんがどんな事をしてくるのかが楽しみ(林)

――現在まで57戦やってきていますが、それくらい経験を積んできても今が肉体的にも精神的にもピークだと感じていますか?
憂也「そこまであまり感じていないんですけど、この年齢になっても動けているし強くなっている自覚があるので自信があります」
――林会長から見て、今の憂也選手の強さはどんな所だと思いますか?
林「これだけの試合をしてきているので、1つ1つの技の出し方やタイミングは今がベストだなと思っています。若い時はもっと強く打てたりしていたかもしれないけど、今ミットを持っていても衰えているパンチや蹴りがないんですよ。だからまだまだ上にいけるんじゃないかなと思っていて、このタイトルを獲った後に世界だとか今までに負けた相手を全員倒すことができるんじゃないかなと思っています。魁塾としても選手等にはフィジカルの部分とかで有名な先生を呼んだりして色々な部分でサポートもしてきていて、昔はそういうのがなかったんですけど、今は東京オリンピックのコーチをやられていた方も来てサポートをしてくれていたり、昔馴染みの整骨院の先生に皆んなのマウスピースの高さとかまで調整してもらえているので、環境的にも今がベストなんじゃないかなと思うんですよね。だから今回タイトルを獲って、ここからもう1回伸ばそうかなと思っています」
――環境が整っている事で全てのピースが揃ってきている状況なんですね。
林「ジム的にも昼はデイサービスをして夜だけ魁塾っていう環境だったんですけど、(ジムが新しくなって)早い時間から練習ができるようになって、若手の選手も含めて朝昼晩いつでも練習できるようになったというのが大きいと思います」
――今回当初の予定ではサモ・ペティ選手との対戦予定でしたが、アクシデントがあって基康選手に変更となりました。基康選手に対してはリベンジマッチでもあると思いますがどんな印象がありますか?
林「3R戦って延長で失速して負けたイメージでした。あの時の憂也が言い訳になるので全く言ってなかったんですけど、連打もできないくらい腰が悪かったんですよ。だから今回は腰も全く問題なく万全の状態なので、しっかり見てもらいたいですね」
憂也「基康選手は圧力をかけたり引き際だったりディフェンスも上手いので、僕の対策とかも徹底してくると思うんですよ。なのでその対策以上に上回って勝ちたいと思います」
林「彼(基康)はジムがTAKEDA GYMに変わったじゃないですか。あの時は下馬評的にも憂也が絶対勝つと思われていたし、舐めていた部分もあったかもしれないし、腰が悪かったと言えば言い訳になりますけど、普通にやれば勝てるので、ジムが変わって武田幸三さんがどんな事をしてくるのかが楽しみです」

――基康選手も所属が変わったりして環境が変わった状態で挑んでくるという点では、また新しい気持ちで試合に挑めるという感覚もありますか?
林「はい」
――このタイトルまで辿り着くまでに憂也選手にとって1番苦しかった時期っていつですか?
憂也「この試合に勝ったらタイトルマッチだっていう試合を何度かポカしてきて、『遠回りしてきたのにまた遠回りか』みたいな時期が苦しかったですね」
林「でも歌にあるやんか。『遠回りくらいが丁度いい』って(笑)」※林会長のご息女がボーカルを努めるhump back 「拝啓、少年よ」より
――憂也選手が大切なところで負けてしまったりというのを側で見てきたと思うのですが、林会長はどんな言葉をかけたんですか?
林「自分で納得して120%やって負けて終わるとか事情があってやめるとかだったらそれは勝手にしろと思うけど、負けたから悔しいからやるっていうのはそのまま負けて終わりじゃないんですよ。だから『勝って終われ』とは言わないですけど、負けても120%でやり続けて負けるんだったらしょうがないと思うんですよね。だからいつも試合が終わった後に『次いこう』としか言わないんですよ。どの選手もそうなんですけど、負けたあと「すみません」って謝りにくる子が多いんですけど、その言葉は僕も辛くて。けど負けたことで1番辛いのは本気でやって負けた本人じゃないですか。時間をおいて反省点の話し合いはありますけど、負けた直後は選手が厳しい状況なので『次いこう』としか言えないですね」
――ここまで林会長と一緒にやってきたからこそ、憂也選手もこのタイトルマッチにかける思いは強いと思うのですが、その思いを聞かせていただけますでしょうか?
憂也「このRISEのリングで良い所も悪い所も見せてきたと思うので、この気持ちも全部込めてタイトルマッチのリングで全て見せて勝ちたいと思います」

――このタイトルを獲れれば魁塾としては2本目のベルトになりますね。
林「憂也が1本獲って、政所仁がもしも-53kgのベルトを獲ったら、来年のRISE PRIZEで『Best会長賞』を僕にください(笑)」
――『Best GYM賞』のことですね。
林「そうそう。僕が獲ったら『Best会長賞』にしてくださいよ(笑)。タキシード用意しておきます」
――そういった賞を狙える位置にまで来ていると思いますが、まずは憂也選手が足掛かりになりますね。
林「ベルト2本獲ったら『Best会長賞』にするように伊藤代表に伝えておいてくださいね(笑)」
――このベルトを獲った先というのは憂也選手の中ではどのように考えていますか?
憂也「考えてはいるんですけど、勝ってリングの上で言おうかなと思っています」
――明確な目標が頭の中にはあって、勝った上でそれをリングで言葉にするんですね。
憂也「選手としてもう長くはないので、どういう事をしていくのかっていうのを勝った後に話したいです」
――林会長から憂也選手に最後に言っておきたいことはありますか?
林「悔いの残る試合にしてほしくないですね。ああやったら良かったっていう“たられば”は使ってほしくないし、僕自身も使いたくないから、“蹴ってたら”とか“もう少し追い込みしてたら”とかは言いたくないですね。まずは憂也から『Best会長賞』の足掛かりにしてほしいなと思います」
――では最後に憂也選手から、改めてタイトルマッチへの決意といつも応援してくれるファンの皆さまに向けてメッセージをお願いします。
憂也「当日のリングでは僕の今までの思いだったり全てを乗せて試合をするので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」




