▼第4試合 ONE女子アトム級(-52.2kg)ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R
〇アリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル/Phuket Fight Club/王者)
判定2-1
×ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ/Team Mehdi Zatout/ONE女子アトム級キックボクシング世界王者/挑戦者)
※ロドリゲスが5度目の防衛に成功。

まだあどけなさが残る面影で“ベビーフェイス”のニックネームを持つロドリゲスは27歳。ブラジルで初期のキャリアを積んだ後、タイへ渡り試合経験を重ねてきた。2019年7月にはプーケットのバングラスタジアムでタイトルを獲得。オープンフィンガーグローブ着用のムエタイ大会『ムエ・ハードコア』で2試合を行った後、2020年8月からONEに参戦。いきなりスタンプが保持するONEアトム級ムエタイ世界王座に挑戦すると、判定勝ちで王座を奪取した。
その後はコロナの影響で試合から離れていたが、2023年3月に暫定王者となっていたジャネット・トッドを判定で破り王座を統一。同時2階級制覇を狙って9月にスミラ・サンデルに挑戦したが、TKO負けでONEでの初黒星を喫した。2025年7月にはヨアンナ・パーソンをKOし、4度目の防衛に成功した絶対王者だ。戦績は35勝6敗。
ペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名になり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いだった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。2016年2月の『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。
ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。ONEには2023年3月から参戦し、4連続TKO勝ちを収めると2023年12月には世界最強女王と目されていたアニッサ・メクセンを判定3-0で破りONE女子アトム級(-52.2kg)キックボクシング世界暫定王座に就いた。2024年3月、正規王者ジャネット・トッドを破り王座統一。2025年3月の日本大会でKANAの挑戦を退け2度目の防衛に成功した。2025年12月、約2年ぶりのムエタイルールでマルティナ・ドミンチャクを1RでKOして強さを見せつけた。

両者は3月に対戦が決まっていたが、ロドリゲスの負傷欠場で延期に。今回仕切り直しでの対戦となる。

1R、前蹴りの応酬からスタート。ロドリゲスがジャブ、右ロー。ペッディージャーは前足をリズミカルに上げ下げし、ジャブを打って右カーフ。ロドリゲスの左ミドルをキャッチしたペッディージャーは右ミドルのリターン。ペッディージャーが右カーフを蹴ればロドリゲスも右カーフを蹴り返す。

ペッディージャーの右カーフでロドリゲスがバランスを崩すが、すぐに前へ出て圧をかける。右へ回り込んで圧を外すペッディージャー。差がない様子見のラウンドとなった。

2R、ペッディージャーがジャブから左ロー、右ローを蹴るとロドリゲスがワンツーを返す。ここで首相撲となるが、ペッディージャーが崩す。右カーフの蹴り合い、ロドリゲスがもう一発蹴ろうとするとペッディージャーは右ボディのカウンター。右ローからペッディージャーが右ストレート2連打、そして首相撲でロドリゲスを転倒させる。

ジャブ、ワンツーから右カーフを蹴るペッディージャーが前へ出る。テンカオで迎え撃つロドリゲス。ペッディージャーがロドリゲスをついにコーナーへ追いつめ、右ヒジから左右の連打。ブレイクになると今度はロドリゲスが前へ出ていき、右ボディストレート。ペッディージャーは右ミドルを返す。前に出るペッディージャーがボディへのワンツー。ペッディージャーのラウンドに。

3R、ロドリゲスの左ローにワンツーを合わせ、前へ出ると右ストレートをヒットさせるペッディージャー。さらにテンカオ。接近戦で左右フックの応酬、ロドリゲスは右のヒザを突き刺す。さらに右ボディストレートも打って行くロドリゲス。右ヒザから組んでのヒジとロドリゲスが攻勢に出る。ペッディージャーは前蹴りから組む。右ボディストレートを打つロドリゲス、ペッディージャーの蹴り足をキャッチすると大きくコカす。

圧をかけて前に出るロドリゲスが左右のヒザを突き刺し、またも蹴り足をキャッチしてコカす。前に出るロドリゲスは押しヒザも突き刺し、ペッディージャーはパンチで反撃するがロドリゲスヒザ。しかし、ラウンド終了間際にペッディージャーがカットする。ロドリゲスのラウンド。

4Rが始まるとペッディージャーが左右ボディと左フックの猛攻。ロドリゲスも左ボディ、テンカオで応戦。ペッディージャーの激しいパンチにロドリゲスはテンカオとヒジ。ペッディージャーも右ストレートからのテンカオ。顔面前蹴りのペッディージャーが右ボディストレート、ロドリゲスが下がると右ストレート。

右カーフを蹴るペッディージャーが右ボディストレート、左ボディ。ロドリゲスの手が止まる。ペッディージャーが左右ボディの連打、ロドリゲスはテンカオ、左右フックはペッディージャーがブロック。ペッディージャーの左ミドルと右フック。ロドリゲスは縦ヒジで突っ込むがペッディージャーはかわす。ロドリゲスが左右ミドルを蹴ると、ペッディージャーも左ミドルを蹴り返す。ゴングが鳴るとペッディージャーはロープに登ってアピール。

5R、ペッディージャーの蹴り足をつかんで押し込み、組んでのヒザに持ち込むロドリゲス。組んでくるところにペッディージャーが左右フック。それでもロドリゲスは組みに持ち込む。今度はヒジを打つペッディージャー。ジャブ、左ミドルのペッディージャーは逃げ切り体勢か。ロドリゲスは前へ出ていき、ワンツーを打つがペッディージャーもワンツーを返す。

ロープを背負うペッディージャーはロドリゲスが攻めてくるとワンツー、ロドリゲスもワンツーから右ヒザ。追うロドリゲス、逃げ切り態勢のペッディージャー。この姿勢がどう評価されるか。ロドリゲスは右ヒジから組んでのヒザ、前へ出てくるロドリゲスにペッディージャーは左フックを合わせて下がっていく。そして試合終了のゴング。両者とも観客席へ向かってアピールする。

判定は2-1と割れ、勝者はロドリゲス。ガックリと肩を落として目頭を押さえるペッディージャー。ONEでの初黒星となった。勝ったロドリゲスも号泣だ。

女子格闘技史に残る大激闘を制し、5度目の防衛に成功したロドリゲスは「防衛出来てとても嬉しいです。誰も信じていなかったと思いますが、自分を信じて戦いました。母親になってレベルが変わりました。今日またひとつ上のレベルでパフォーマンスが出来たと思います。ただ、今日は私のベストではなかった部分もあります。もっと強くなりたいと思いました。チーム、そして家族のために戦えて光栄です。ここに来られなかったファンの皆さんにも感謝しています」と語った。


