全日本9連覇を達成していた目黒(右)が決勝で敗れる波乱(C)大道塾
2026年5月31日(日)青森・YSアリーナ八戸にて開催された『第80回国民スポーツ大会 青の煌めき青森国スポ2026』にて「デモンストレーションスポーツ空道競技」が行われた。
道衣・拳サポーター・頭部防具を着用し、身長と体重を合計した数値=体力指数によって階級分けを行い、頭突き・肘・膝・下段蹴りを含む直接打撃と、投げ技・寝技によって争う着衣総合格闘技「空道(くうどう)」が、いわゆる国体(かつての国民体育大会、現在の国民スポーツ大会)の競技種目となったかたちである。
正式種目でないとはいえ、これまで国体において実施された格闘技(徒手武道)が、柔道・ノンコンタクト空手・相撲・レスリング・ボクシングなどの社会的既得権をもつ競技ばかりで、フルコンタクト空手も、キックボクシングも、MMAも、ブラジリアン柔術も実施されたことはなかったのだから、大きな価値があるといえよう。
そんな大会だけに、-230、-240といった軽量階級では空道45年の歴史において最高レベルとも捉えられる激戦が続き、-230では全日本9大会連覇を達成していた目黒雄太が決勝で陥落。-250クラスでは、数々のサブミッションレスリング系競技で世界選手権優勝の実績をもつ山田崇太郎が極め切れず初戦敗退。空道にとって、エポックメイキングな大会となった。
▼-230クラス決勝戦
〇中川昇龍(大阪府 岸和田市)
[延長 効果優勢勝ち]
×目黒雄太(新潟県 長岡市)
2015、2016、2017、2018、2019、2021、2022年、2024年、2025年と9大会連続優勝の目黒雄太が、佐々木龍希や大西凜駿らここ数年目黒に肉薄してきた面々でなく、ジュニア競技では全日本優勝歴を持つものの、成人のカテゴリーに昇格して以降、この3年は全日本や国際大会のファイナリストになることはなかった中川昇龍に敗れた。

【写真】男子-230クラス準決勝。2025アジア王者・大西(青)を右ストレート→左フックでノックアウトした中川
中川は初戦で大ベテラン、32歳年上の巻礼史を判定で下すと、2回戦・鈴木誠士戦、準決勝・大西戦と、パンチで一本(ノックアウト)勝ち。担架を出動させた。目黒も準決勝では佐々木を左ハイキックでダウンさせるなど、動きに陰りは感じさせなかったが、決勝の中川戦では右ミドルキックに右ストレートを合わせられ、効果(1ポイント)を奪われ、そのままポイントを取り返すことはできず……。

【写真】右のハイキック、ミドルキックで攻める目黒(白)に中川が右ストレート一閃! 勝利を決定づけた
通常、オーソドックス同士の対戦では、中段や上段の回し蹴りは左をメインに蹴るのが定石であるが、目黒はこれまで、右のミドル、ハイを好き放題といってもいいくらい蹴りまくって連勝を遂げてきた。
横から蹴るのでなく前面から相手に圧力を掛ける蹴り方ゆえカウンターを被弾せず、タイナー(キャッチ)のかたちをとられても、左足一本で立ち続けてテイクダウンを許さない。そんな盾と矛を兼ねた伝家の宝刀であったわけだが、試合後、目黒は「あの時の蹴りはバランスに崩れがあって、一瞬、相手を止める力が弱かった」と、決勝を振り返る。

その「一瞬」を逃すことなく、スピアを刺した中川が、今後、このクラスの中心軸となっていくのか…新たなエース候補の出現となった。



