テイクダウンの無い相手だったが、組まれても自信があった。そしてオープニングの1発で──
今回の対戦相手のスモザーマンは典型的なストライカーで、UFC1勝3敗のなかで、UFCのデータではテイクダウンやサブミッションはゼロ。それゆえに、テイクダウンをしてこない相手に対して朝倉は、自身の強みを活かせるマッチアップだった。
同時に、朝倉の立ち方は間合いをコントロールしながらもスモザーマンが組みに来ても構わないという腰の位置で、組み技への対処に自信を感じさせるものだった。
ともにオーソドックス構え。試合開始8秒、朝倉はスモザーマンの左前足に踏み込んでの右カーフキックを当てた。反応できずチェックできないまま左足を蹴られて1回転したスモザーマンが受けた蹴りはこの1発。試合後、スモザーマンは松場杖をついて会場を後にしている。
2020年の大晦日に堀口恭司との再戦でカーフキックで足を潰された朝倉は、その後、カーフを自身の武器とし、25年8月のUFC前戦でも敗れはしたものの、ティム・エリオットの左足の腓骨を骨折に追い込んでいる。今回も、朝倉はオープニングのこの右カーフキックに折れたんじゃないか、と大きな感触を得ていた。
オクタゴンで2連敗を喫するなかで、「UFCのレベルの高さというのを改めて感じました。練習への取り組み方、自分の生活リズムだったり、すべてを変えないと勝てないなと感じて、すべてを変えました。練習方法なども変えて、もう本当に格闘技中心の生活で。自分自身が成長して乗り越えることができました」という朝倉。その取り組みには、今回の試合で見せなかった進化も含まれている。
金原コーチはいう。
「早く終わってしまったがゆえに贅沢だけど、まだ海の取り組んできたものが見せられなかったっていうのも正直あった」と。その成果を見せるのは、リスタートを切ったバンタム級での2戦目だ。フライ級での“負の連鎖”は、バンタム級でよりMMAとして強い上位陣を相手にしても払拭できるか。
試合後の会見で朝倉は、今後について対戦相手は問わず「今年3試合やりたいと思っているので、できれば本当にすぐ試合を組んでもらいたいですし、確か8月(29日)に上海で(大会が)あるので、その試合に出たい」と、3カ月後の連戦を望んでいる。




