スーパーレックの完全復活なるか(C)ONE Championship
2026年5月15日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 154』と同時開催の『ONE THE INNER CIRCLE』(U-NEXT配信)にて、スーパーレック・ギャットムー9(タイ)が再起戦を行う。
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。ONEでは2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、9月にはノンタイトルマッチでロッタンと対戦し、2Rにヒジ打ちでダウンを奪い判定3-0で勝利している。

2024年1月、ONE日本大会で武尊の挑戦を受け判定3-0で勝利、ONEフライ級キックボクシング王座2度目の防衛に成功すると、9月にはONEムエタイ世界バンタム級王者ジョナサン・ハガティーに右ヒジで初回KO勝ち。2階級制覇を達成して13連勝を飾っていたが、2025年3月のバンタム級ムエタイ王座統一戦で体重超過、王座をはく奪され試合でもナビル・アナンに敗れた。さらに11月の日本大会で与座優貴にも敗れ連敗中。戦績は139勝31敗4分。
今回の再起戦はONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ3分3Rで、アブドゥラ・ダヤカエフ(ロシア/Team Mehdi Zatout)と対戦する。
スーパーレックはONE公式サイトのインタビューでこう語った。
「昨年は怪我に悩まされた上に、いくつかの外部要因で自信を失ってしまった。そのため、十分なトレーニングができず、試合に100%集中することができなかった。自分らしさを失ってしまったんだ。怪我に苦しみ、長期間試合に出られなかったことで、考えすぎてしまうようになってしまっていた。結果を気にせず、あれこれ試してみたくなったんだよ。でも考えすぎて、自分らしさを失ってしまっていた。自分には既に素晴らしい武器があることを忘れて、別のことをしようとしてしまったんだ」

公表していなかったが、実は膝の怪我を抱えながら戦っていたことを告白。その肉体的要因だけではなく、自分のジムを開設したことで練習に集中できる環境ではなくなっていたことも不調の原因だったという。そのため、スーパーレックはYOKKAOトレーニングセンターで自分の練習に集中できる環境に変えることにした。
「実は、YOKKAOは最初から私のスポンサーなんだ。一時的に離れていた時期には、いくつか小さな問題があったため。自分のジムを経営していたので、試合だけに集中することが出来なかった。経営やスタッフのことも気にしなくてはならなくて、自分一人では手に負えなくなってしまったんだ。
だから、(YOKKAOトレーニングセンターに)戻ってきて自分自身に集中することにしたんだよ。YOKKAOでトレーニングして、試合を最優先にできるようにしたんだ。ここに戻ってきてからは、マネジメントのことを考える必要がなくなったので、対戦相手に集中し、戦略を練り、自分の実力を徹底的に磨くことに専念できるようになった」
心身ともにリフレッシュし、今は揺るぎない精神的な強靭さを培っているとする。

「復帰して、より良いパフォーマンスを見せられると信じている。まず、頭の中がすっきりした。今は目標が明確だ。不調だった頃はプレッシャーが大きかった。数試合でベルトを獲得したと思ったら、体重オーバーで失ってしまった。その後もいろいろなことがあったけれど、もう受け入れて前に進むしかない。今は精神的に落ち着いている。次の試合で勝っても負けても、集中力を維持するつもりだ」
また、再起するにあたって心理学を取り入れた、とも。
「今回の試合に向けて、心理学者に相談して来たんだ。私自身では解決できない問題があってね。自分がやりたい戦い方と、周りの人が期待する、前に出て攻撃的に戦う戦い方との間で葛藤していたんだ。そこで自分のことよりも周りの人のことを優先してしまい、自分のスタイルで戦うことができなくなっていた。それについて心理学者に話したら、すごく気持ちがラクになったんだ。自分には既に必要なものが備わっていることに気づいたのさ。他人が望むように自分のスタイルを変える必要なんてない、とね」
約半年開けたことにより、怪我も治って精神的にも吹っ切れたスーパーレックは、最後にこう語った。
「今回の試合では、私の本来のスタイル、つまり『The Kicking Machine』を復活させる。ここ数試合は、自分が誰なのか完全に忘れてしまっていた。ほとんどキックを使わなかったんだ。今回は昔のようにキックを繰り出すし、試合を締めくくる秘策もいくつか用意しているよ」
ハガティ―、武尊、ロッタン、ナビル・アナンとバンタム級の強豪を次々と撃破し、パウンド・フォー・パウンドのストライカーとして君臨したスーパーレックが復活の時を迎えるのか。それとも、ロシアのKOアーティスト、アブドゥラ・“スマッシュボーイ”・ダヤカエフに再び地獄に突き落とされるのか。



