▼第3試合 -59kg契約 3分3R
×嶋田将典(Stay Gold/RISEスーパーフェザー級16位)
判定3-0 ※三者29-27
〇大澤辰徳(蹴空ジム)
高校を卒業後、日本一周の旅へ。その際に訪れた北海道が気に入ってしまい、そのまま札幌に居つき、蹴空ジムに入門したという個性派の大澤。昨年3月のプロデビュー以来、5戦4勝(3KO)1無効試合と波に乗っている。
今回はRISEスーパーフェザー級16位と格上の嶋田と激突した。1R、嶋田は右ローをベースに大澤に襲いかかる。大澤は左のクロスで場内をどよめかせるが、嶋田に大きなダメージを与えるまでには至らない。
2Rも一進一退の攻防が続く。大澤はスーパーマンパンチやロープに押しての右に活路を見出そうとするが、嶋田は左フックやプッシュしての右ミドルで一歩も引かない。
このまま判定決着になるかと思われた3R、大澤は起死回生の飛びヒザ蹴りでダウンを奪いシーソーゲームに終止符を打った。大澤の勝負強さだけではなく、嶋田の頑張りも印象深い一戦だった。
▼第2試合-54kg契約 3分3R
×谷村愛翔(kickboxing Academy Sapporo/P's Lab札幌)
判定0-3 ※三者とも28-29
〇加藤 真(魁塾)
17歳vs16歳。北海道初のRISEで注目の北海道VS関西の十代対決が組まれた。
最初に試合の主導権を握ったのは大阪からやってきた今回がプロデビュー戦という加藤だった。176㎝という恵まれた身長から繰り出す前蹴りや右のテンカオで、地元の谷村を追い込む。
1Rが終わった時点で谷村の体は真っ赤に腫れ上がっていた。加藤のKOは時間の問題かと思われたが、2Rになると失速。左フックやバックハンドで会場をわかす場面もあったが、1Rの勢いはない。逆に加藤の攻めのタイミングがわかったのだろう。谷村は単発ながらも右をクリーンヒットさせるなどして反撃の狼煙をあげる。
そして3Rになると、加藤は度重なるホールディングでついに「減点1」を宣告されてしまう。セコンド魁塾・林塾長から「アホか、コラッ!」という怒号も飛んだが、試合の流れは変わらない。結局2Rまでの貯金がモノをいって加藤が薄氷の勝利を収めたが、最後まで勝負を諦めなかった谷村にも温かい拍手が送られた。
▼第1試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R
〇夏井広夢(エスジム)
KO 2R 2分10秒
×周葉(TARGET SHIBUYA)
今年9月のプロデビュー戦では右ハイキックで衝撃的なKO勝ちを飾った周葉がプロ2戦目を迎えた。対戦相手は地元(札幌)のエスジムで元WPMF日本王者・野呂裕貴の指導のもと研鑽を積む夏井。
周葉は相手を呑み込むかのようなプレッシャーをかけ、1R終盤には早くも夏井を窮地に追い込んだ。そのまま周葉のペースになると思いきや、2Rになると夏井は痛烈な左ボディフックで試合の流れを変える。
周葉はローやテンカオで相手の前進を止めようとするが、地元の大声援を受けた夏井は左ボディフックからの右フックで周葉をKOした。現在札幌の大学4年生という夏井。卒業後はすでに東京での就職が決まっているが、キックボクシングは続ける意向だ。
▼オープニングファイト -54kg契約 3分3R
×がんばれ!ふるかわくん(GRABS)
反則勝ち 2R 2分10秒
〇平賀正孝(TEAM URESPA)
このところMMAで2連勝と好調の平賀がキック3戦目を迎えた。対するは今回が2年2カ月ぶりの復帰となるふるかわくん。
1R開始早々、平賀は前に出てプレッシャーをかける。そこでふるかわくんのローキックがローブローとなってしまい試合は長い中断を迎えてしまう。結局故意ではなかったが、大きなダメージを負ったとしてふるかわくんに減点1が与えられた。
その後、平賀がワンツーやハイで怒りの反撃を見せると場内は大いに沸く。続く2R、ふるかわくんはテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)で試合の流れをたぐり寄せる。そうした最中平賀はバッティングを受け悶絶。試合は再び長い中断に入ってしまう。
結局、試合続行不可能と判断され、平賀の反則勝ちが宣告された。
◆RISE伊藤隆代表総括コメント
「MVPは畑中健太選手。華もあるし、闘い方も良かった。来年はナンバーシリーズでの起用を考えたい。ケガが多い選手だけど、63kgがベストだというので、それまでにしっかりとフィジカルを鍛えてもらいたい。まだ22歳だし、畑中選手のような選手は地方でも説得力がある。拓也選手と大澤選手に関していえば、今まで見てきた2人とはちょっと違っていた。今まではふたりとももっと思い切りの良さがあったけど、ちょっとまとまりすぎ。今回は地元開催ということで勝ちに徹していたんですかね。
メインに出場したタイ人はうまかったので、山川選手もやりづらかったと思う。でも、そこで倒せるかどうかがメインイベンターの仕事。勝ちは勝ちだけど、今後さらに頑張ってもらいたい。
エキシに出場した那須川天心選手はさすがの一言。素晴らしいエキシになったのは対戦相手の安斎選手が臆することなく攻めたからでしょう。安斎選手が持っているものを出し切ったから、那須川選手がそれに応えた感じだと思う。試合中彼はファンサービスとしていろいろな必殺技を出していたので、さすがRISEのメインイベンターだと思いました。
イベントとしてはもう少しクオリティをあげないといけない。モニターの位置など、細かい部分でお客さんを受け入れる体制が足りなかった。ここの部分を徹底的に改善して、お客さんに『また来たい』と思わせるものを作らないといけない。前日会見も含め、もっと選手のモチベーションを上げる努力をしていかないといけない。第2弾があるとすれば、そういうところを引き立たせていきたい」
写真/RISE NORTH