2026年2月27日(日本時間28日)米国カリフォルニア州ヴェンチュラ・カウンティ・イベント・センターにて『LFA 227: Do Nascimento vs Kamikubo』(公式YouTube配信)が開催された。
前日計量では、メインイベントを戦う、上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)が135.4ポンド(61.41kg)、ハファエル・ド・ナシメント(ブラジル)が136ポンド(61.68kg)でともにパスした。
▼バンタム級 5分3R〇ハファエル・ド・ナシメント(ブラジル)12勝3敗 135.4ポンド[判定3-0] ※30-27×3×上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)(日本)16勝3敗1分 136ポンド
(C)LFA
上久保は、LFA2連続一本勝ち中でMMA16勝2敗1分。柔道・柔術をベースに2014年にプロMMAデビュー。同年のDEEPフューチャーキングトーナメントフェザー級で優勝すると、2018年7月からONEに参戦。スノト、モハメド・アイマン、キム・デファン、ブルーノ・プッチ、ミチェル・チャマール、トロイ・ウォーゼンに勝利し、サークルケージで6連勝。
UFCを目指し、2023年の『ROAD TO UFC』に参戦。同年5月の1回戦で中国のバーエゴン・ジェライスにスプリット判定勝ちでMMA13勝1敗分けとしたが、続く8月の準決勝で野瀬翔平にスプリット判定勝ちしているシャオ・ロンに判定2-0の惜敗。
2023年12月の『GLADIATOR 024』で負傷欠場したシン・ジェヨンの代役ペ・ジョンウに1R リアネイキドチョークで一本勝ち、再起を遂げていた。2024年7月には『GLADIATOR CS』でグラップリングの「PROGRESSフェザー級王座戦」に出場。竹内稔に判定勝ちで同王座を獲得。
25年2月の『LFA 202: Nkuta vs. Garcia』で当初対戦予定だったバクトヴァル・ユニソフの負傷欠場で急遽マテウス・ハポジーニョ・サントス(ブラジル)と対戦。2Rにタツミツイスターを極めている。
8月、上久保はマルコス・ベラトと対戦予定だったが、ベラト欠場に伴い、元UFCファイターのエリック・シェルトンとの対戦に変更。さらにバンタム級契約が、シェルトンの計量ミスで136.4ポンドのキャッチウェイトで対戦。
初回にテイクダウンからバック奪取でRNC、ツイスターも狙う上久保は、2Rも打撃からテイクダウン、バックを奪うと、リアネイキドチョークで一本勝ち。LFA2連勝を決めていた。その後、当時のバンタム級王者ヴィニシウス・ピレスへの挑戦というオファーもあったが、手術後で試合を受けられず。6カ月ぶりの試合で“ムリシャ”ことナシメントと対戦する。30歳。
対するナシメントは、元バンタム級コンテンダー。シルヴィオ・ベーリンギ率いるX-ジムから現在は元WEC、Bellatorのチャド・ジョージのCMMA FITNESSでトレーニングする34歳。24年7月に「LFAバンタム級選手権試合」でジョン・スウィーニー(※3月6日のRIZINで佐藤将光と対戦)と対戦し、大幅体重超過で王座剥奪のスウィーニーに判定負けで戴冠ならず。
しかし、その後、25年1月にブランドン・アルトメアーに1R カーフスライサーで一本勝ちすると、同年8月に上久保がエリック・シェルトンに一本勝ちした同じ『LFA215』で、LXF王者のアーノルド・ヒメネスを1R ニンジャチョークに極めて、上久保と同様に2試合連続一本勝ちを極めている。
前戦前に上久保がファイトウィーク中に調整したマチダ空手でも練習を行っており、身長168cm、リーチ178cmの長い手足を活かした前蹴り、ミドル、そして右のクロスなど思い切りのいい打撃を持つ。さらに11勝中、8つの一本勝ちを誇る極め技師だ。同じく11勝中6つの一本勝ちをマークする上久保とのサブミッション対決となるか。
ヒメネス戦でナシメントは、相手のシングルレッグにダースからニンジャチョークに移行してタップを奪った動きは、立ち合いから左右の圧力をかけてのカウンターの一本だった。強く振る右、サブミッションでも組まれてキムラを狙うなど、クラシカルな柔術ベースながら、粗くても躊躇なく極めに行くナシメントに対し、上久保はスタンドで譲らず組みに繋げば、精緻なポジショニングから相手のミスを逃さない強い極めを持つ。互いに性格の異なる組み技をMMAのなかで活かすのは上久保か、ナシメントか。
計量をクリアした上久保は公式インタビューに、「僕とナシメントのメインイベントは、アグレッシブなサブミッションを極めるファイターによる試合になります。必ずフィニッシュすることになると思います。5分3Rはかからない、そういう試合になると思います。ぜひ見てください」と、力強くコメント。
対するナシメントも「明日はかなり厳しい戦いになるだろう。彼は世界トップクラスのファイターだが、明日は俺の方が上だと証明してやる。だから覚悟しておけ。MMAのハイレベルな打撃、ハイレベルなグラップリング──彼が望むどこでも戦う」と全局面で上回るとした。
現LFAバンタム級王者は、25年11月にヴィニシウス・ピレス(ブラジル)に判定勝ちしたアルテム・ビュラク(カザフスタン)。そのビュラクは24年1月のONEで現王者のエンク・オルギル・バータルフーに2R TKO勝ちし、LFAに転じ、UFC入りをアピールしている。同じくUFCを目指す上久保vs.ナシメントの勝者は、王座挑戦に近づくか。
1R、先に中央に出て左右を突く上久保、ジャブから右を当てて跳びヒザのムリシャの蹴り足を掴んだ上久保がシングルレッグからハイクロッチ。差し上げるムリシャ。ニンジャチョーク狙いも。回してテイクダウンを狙う上久保に残したムリシャだが、上久保はシングルレッグ&外がけでテイクダウン。
ハーフからまたいでムリシャの両足を足で束ねる上久保。腰を抱いて寝かせると下のムリシャはヒジ。上久保も細かくパウンドを入れつつ両足をヒザ上で深く束ねてボディトライアングルに組むが、足を戻し蹴り上げのムリシャ。
上久保はローブローに手を当てるが、なおもバックヒジ、ヒザ蹴り、左右のムリシャ。間合いを詰める上久保はシングルレッグテイクダウン。背中を両足をまたいで背中を着かせると鉄槌。亀になったムリシャのサイドバックからパウンドを入れる。
2R、ムリシャの左右、アッパー、オーバーハンドに上久保も右を当ててて応戦。さらに左ジャブで前に。その組みをさばいてくずしてパウンドのムリシャだが、体勢を戻した上久保はダブルレッグテイクダウン! 上から抑え込もうとする上久保はムリシャのヒジに右目周辺をカットし大出血。ムリシャの蹴り上げを受けるが、ついていく上久保。そこにヒジ打つムリシャだが、上久保はパスガードのアタックを止めない。
ムリシャの足をさばきつつハーフからヒザを越えてマウント! 背中を見せて立とうとするムリシャのバックに! オタツロックで組んで背後からパンチ。首を守るムリシャも上久保の腿にヒジを突く。
3R、タッチグローブレベルチェンジから。左ジャブを突いて圧力の上久保はシングルレッグへ。脇を潜った上久保はシンググバックでオタツロック。残り3分40秒。バックを獲られながらヒザ十字を狙うムリシャからヒザを抜き、背後からパウンドの上久保。
亀になったムリシャにボディトライアングルに組むと、残り半分。背後から細かいパウンド、首を抱えてのツイスター狙い。向き直りのツイスターを警戒するムリシャは正対できない。上久保の背後からのパウンドが弱まると、レフェリーはまさかのブレーク。
右を当てるムリシャは間合いを詰める上久保に右ヒザ、アッパーを当ててバックエルボーでダウンを奪うと、上久保のバックに。ボディトライアングルに組んでリアネイキドチョークをパームトゥパームで絞める。半身で凌ぐ上久保に最後はパウンドに切り替えてゴング。頭部のカットを止血する上久保。 判定は30-27×3のフルマークで“ムリシャ”ハファエル・ド・ナシメントが勝利。上久保を向き、グローブを合わせると先にマットに正座したナシメント。上久保も正座し、言葉をかわし、あらためてグローブタッチした。
ケージの中でのインタビューでムリシャは「この男は真の戦士、真のサムライだった。ここでのキャリアで最も重要な戦いだった。ここでのキャリアで最も重要な戦いだった。(ボトムからダメージを与えつつ、安全策を取っていたのか?)彼の強さは知っていたが、ここでは別次元の強さを見せてきた。だから背を向けたり全てを許したりしないよう最善を尽くした。(大きなエルボー、大きな打撃。立ち技でダメージを与えたいと言っていたが?)昨日も言った通り、ノックアウトを狙ってた。グラップラーだけじゃないって証明したかったんだ。俺も…そう、ただ…そうしようとしたんだ。(LFAでのキャリアで次に何を望む?)UFCとの契約は当然だ。準備はできている」と語った。
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「フィニッシングマシーン」アラン・ベゴッソがアーノルド・ヒメネスを2R TKO
▼バンタム級 5分3R〇アラン・ベゴッソ(ブラジル)10勝3敗1分[2R 3分34秒 TKO]×アーノルド・ヒメネス(米国)12勝5敗
ヒメネスはMMA12勝4敗。25年8月に今回、上久保と対戦するハファエル・ド・ナシメントに1R ニンジャチョークで一本負け。
ベゴッソは、MMA9勝3敗1分。RIZINで佐藤将光と対戦するジョン・スウィーニーに23年に判定負けも、クリスチアン・ジオヴァニに判定勝ちで再起すると、25年5月の前戦でモンゴルのダワージャムツ・バトスレンをニンジャチョークで極めている。
1R、ともにオーソドックス構え。スイッチするベゴッソに、中央を取って詰めるヒメネス。押し戻すベゴッソは左オーバーハンドから右フックも。バックステップでかわすヒメネスは右ロー。さらに左ジャブ。ベゴッソの前蹴りをかわす。大きなフックのベゴッソをかわして右ストレートを突くヒメネス。
ベゴッソは関節蹴りも。しかしヒメネスが右カーフを効かせるとバランスを崩す。さらに右ロー。ベゴッソは後ろ廻し蹴りを見せて、左右連打で詰めるが、サークリングでかわすヒメネスは左ジャブを上下に突く。
右から左を振るベゴッソも右カーフをダブルで突き、右オーバーハンドでヒメネスをスリップさせる。
2R、中央を取るヒメネス。左インローを当てると左ミドルも。ベゴッソも右アッパーから左で詰めるが、距離でかわすヒメネス。ヒメネス左ローに右ストレートを合わせたベゴッソは、ヒメネスの入り終わりに右をフルスイングする。
スイッチしての左ミドルハイのベゴッソ。ガードしたヒメネスはベゴッソのフックを上体柔らかくスウェイでかわすが、ガードは下がる。フックで詰めるベゴッソ。ワンツーの右はかわされたが、返しの左にヒメネスがダウン!
スタンド勝負のベゴッソは立ったヒメネスに右から左ボディ! ヒメネスの右アッパーをかわして左から右を連打し、ヒメネスを再びダウンさせるとパウンド。レフェリーが間に入った。