ラジャ王座挑戦を目前に控えた大﨑とペッチが対談した(C)RISE
2025年12月27日(土)タイ・ラジャダムナンスタジアム『RWS ラジャダムナンスタジアム80周年記念大会 R80』にて、ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級世界タイトルマッチに出場するRISE世界スーパーフライ級王者・大﨑一貴(OISHI GYM)が、GLORYとRISEの世界タイトルを奪取しているペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)と初対談を行った。
大一番を前にして、ムエタイでも活躍するRISE世界スーパーライト級王者チャド・コリンズ(オーストラリア)に続き、ムエタイからキックボクシングに転向して“65kg世界最強”の座に君臨するペットパノムルン(ペッチ)から大﨑が受けたアドバイスとは?
首相撲も今はすごく自信がある(大﨑)

――ペッチ選手はRWSとRISEが共同でプロモーションをやっていくという事になったニュースはご存知でしたか?
ペッチ「はい、知っています」
――今回はその第1弾としてラジャの80周年記念興行に大﨑一貴選手が出場して、ラジャダムナンスタジアムのタイトルマッチに挑戦する事になったんですけど、そちらもご存知ですか?
ペッチ「その事についても知っています」
――ペッチ選手は大﨑選手の試合をご覧になったことはありますか?
ペッチ「大﨑選手の試合はもちろん拝見しています。よく見ていますよ。大﨑選手は本当に強い選手で、戦い方がとても僕の好みです」
――続いて大﨑選手はペッチ選手の印象はいかがですか?
大﨑「大きい相手とやる事が多い中で、そういう選手との試合でも下がらずに前に出て、体さばきを使ったりしてどの選手にも勝っている印象が強いです。安心して試合を見ていられる、試合運びが上手くて勝ち方を知っている選手だなと思います」
ペッチ「ありがとう」
――ペッチ選手は2022年にラジャでムエタイの試合をされていて、なおかつGLORYやRISEでも常にトップ中のトップで活躍している選手ですが、キックボクシングとムエタイでそれぞれ試合をするにあたり、意識している事はありますか?
ペッチ「キックボクシングとムエタイの違いはやっぱりルールの違いが大きいですね。ムエタイの方が制限が少なく、多様な戦い方で試合運びができます。例えば首相撲だったり、足を払うような試合がムエタイではできるけど、キックボクシングではそういうのが使えない分制限される事が多いと感じます」
――大﨑選手はムエタイルールに挑戦するに当たって意識している事はありますか?
大﨑「ジャルンスック選手からしたら自分の方が有利だと思っているので、勝負をしてくるんじゃないかなと想定しています。打ち合ってくれたら1番ですけど、僕が優勢になっている時の首相撲が有効になってくるので、そういった所の対処は練習して対策もしてきているので、その辺は心配していないです」
ペッチ「今の大﨑選手の話を聞いた上で、この試合は本当に楽しい試合になるし、ジャルンスック選手もかなり強くてスタイルで言えば一貴選手に近いファイトスタイルなので、激しい攻撃が混ざり合うようなワクワクする試合になると思います」

――大﨑選手は元々ムエタイで試合をされていて、以前はルンピニースタジアムでタイトルマッチにも挑戦した事がありますが、今回は6、7年ぶりで久々にムエタイでの試合になりますが、どの部分を重点的に意識したほうが良いでしょうか?
ペッチ「最近のムエタイの選手たちはフィジカルも鍛えていて、昔よりも体の強さという面で変わってきています。なので戦い方も昔より首相撲や肘を多く使うというのを意識しているので、そこに対して準備ができていると良いのではないかと思います」
――大﨑選手は今回首相撲の練習をかなりやってきているようですね?
大﨑「今回はムエタイという事もあって、いつもRISEルールで試合をしている時以上に対策練習をしてきましたし、首相撲もジムの中でいろんな人に相手をしてもらって練習してきたので、今はすごく自信があります」
ペッチ「それはすごく良い練習だと思います」
――大﨑選手からペッチ選手に聞いてみたい事はありますか?
大﨑「判定の基準というか、毎ラウンドマスト判定なので、そのラウンドでポイントを取りやすい試合運びや、どういった所でポイントが高く付くのかを教えてほしいです」
ペッチ「ミドルキックと前蹴りをたくさん出していく事が、相手より優勢に立つ上で重要になってきます。なので、ミドルと前蹴りをたくさん使った上で、首相撲だったりとか、あとはやっぱり“相手の肘”に1番気をつけてください」
大﨑「できるだけ首相撲を対処して打撃でポイントを取っていきたいんですけど、首相撲をどの様に対処したらポイントを取られにくいのか、どうしたら判定が有利になりますか?」
ペッチ「まず大事なのは腕の立て方です。腕をしっかり立てて足元と体をしっかり立ち上げること、相手の首相撲で体を奪われて屈んでしまわないようにしっかり立ち上げながら、相手の得意な膝をたくさん使わせないようにする事を意識してください。腕を使いながら相手に体勢を崩されないように、膝を使わせないようにしながら立てていればレフリーも長く首相撲をさせないので離してくれます。いかに相手に膝を沢山使わせないかという所がポイントになってくるのと、あとは姿勢ですね。しっかり立ち上げる事が大事なので、それができると良いと思います」

――首相撲の姿勢という部分では、攻撃につながっていればレフリーは止めずに継続させる?
ペッチ「もし膝蹴りに持ち込めないような状況、組んでいるだけで何も出てこないような状況であれば、レフリーはお互いの事を離すので、そういう状況を作る事ができれば長く首相撲をする必要はなくなります」
――大﨑選手のファイトスタイルはどちらかと言うと攻撃的なタイプですが、ムエタイの防御とかディフェンスの部分で大﨑選手にアドバイスできる事はありますか?
ペッチ「前蹴りを使って距離を取っていくと相手は戦いづらくなってくるので、前蹴りを有利に活用できると良いのではないかなと思います。それから、フェイントを上手く使うのも良いと思います。例えば前蹴りを出す時とか膝を使う時とか、膝を高く上げてから次の攻撃に繋いでいくというのは前蹴りを駆使する中で非常に有効なフェイントのテクニックなので、ぜひ使ってみてください」
――ペッチ選手は海外の試合経験も豊富ですが、そういった時のメンタル的な部分はいかがですか?
ペッチ「特別なやり方や準備をする事はないですけど、僕がいつもやっているのはとにかく沢山食べて沢山休む事です。しっかり食べて休むことでいつも通りの自分の状態になれるので、それをいつも大事にしています」
――ペッチ選手は先日のGLORYでデニス・ウォシク選手と試合をして判定勝利をおさめ、トーナメント(GLEOY RISE LAST FEATHER WEIGHT STANDING TOURNAMENT)でベスト8に勝ち上がり3月28日(土)の両国大会(RISE ELDORADO2026)でヴィダレス選手と対戦しますが、3月に日本で試合する事について現在の心境を聞かせてください。
ペッチ「今回、このトーナメントが決まったこと、トーナメントに入れたこと、そしてまた日本で試合ができる事を大変嬉しく思います。日本は本当に大好きなので、また日本に行ける事が嬉しいです。同時にトーナメントの対戦相手もそうですし、このトーナメントに参戦しているすべての選手が世界で活躍するとても強い選手なので、そこには緊張もありますが全体を通して楽しみにしていますし、もう一度僕の強さをしっかり見せたいと思います」
――大﨑選手がラジャベルトを獲って、また3月に直接お会いしてお話しできたら良いですね。
「確かにそうですね」
ペッチ「ぜひそうしたいです」
――最後に一貴選手、応援してくださるファンの皆さまにメッセージをお願いします。
大﨑「試合まで残り1週間と近づいてきて、追い込みも終わって試合が近づくにつれてどんどん気合いが増してきています。すごく集中できていて体の調子も良いので、残り少しの期間で最後まで研ぎ澄まして当日は必ず勝ちます。ラジャのベルトを巻いている姿をずっとイメージしていて、あとは自分がそうなるように結果を出すだけなので頑張ります。当日はABEMA de DAZNでも観れるので日本からの応援もよろしくお願いします」



