女子選手でも魅せられる選手は多い

――格闘技の話に戻りますが、これまでの戦績は18戦16勝1敗1分ですが、この戦績はご自身ではどう思いますか?
「順調に行った格闘技人生だったなと思います」
――その格闘技人生で印象に残っている試合はありますか?
「やっぱり初めてのタイトルマッチで戦わせていただいた紅絹さんとの試合が自分の中で1番印象に残っています」
――それはどういう部分で印象に残っているんですか?
「プロデビューしてからずっとチャンピオンになるっていう目標を掲げてやってきていたので、それを叶えることができたのはすごく嬉しかったですし、あの時の構図として紅絹さんの方がベテランで、経験を積んで修羅場を潜って来た選手vs若手の新人選手みたいな見え方だったと思うんですけど、そこの大きい壁を乗り越える事ができたので、ここでチャンピオンになる事で自信になりました」
――キャリアでいうと、1戦以外は全部RISEで試合をして来ましたが、RISEという団体に対してはどんな思いがありますか?
「デビュー戦からRISEに出させてもらったので、今思うと本当に幸せな事だなと思いますし、RISEという価値のある団体に出場する事ができて、その中でRISEのベルトを巻く事ができて幸せだなという風に思います」
――戦ってきた中でも、戦っていない方でもライバルみたいに意識していた方とかっているんですか?
「3回戦っている小林愛理奈選手とかは、デビューしたのは私の方が早いんですけど活躍していた時期はかぶっているので、そこでのライバル意識とかは常にあったかと思います。K-1とかでいうと、松谷綺選手とかは自分にとってはライバルみたいな存在ではありました」
――常に同世代の選手たちを意識してやってきたんですね。
「そうですね」

――引退を決めてから、まだ具体的に今後の事は分からないかもしれないですが、空手やキックボクシングという部分には今後も携わっていきたいなと思いますか?
「今は格闘技に関わった仕事というよりかは、全く違う仕事をしたいなと思っていて。理由としては格闘技をやってきたからこそ、他の世界を知ってみたいという思いが強いので、もっと英語をできるようになってから英語を使った仕事に就けたら自分の理想ですね」
――今現在もジムで練習をしているそうですが、それは12月のタイトルマッチを控えた平岡選手のサポートみたいな感じですか?
「そうです。基本的に毎日ジムに行っているんですけど、自分の練習というよりかは琴ちゃんのサポートをメインにやっています」
――なるほど。12月1日には北海道の方に行ってしまうんですよね。
「1日に行ってしまうんですけど、14。15日だけこっちに戻ってきて、またすぐ戻ってという感じです」
――ご自身が巻いていたベルトを、同門の一緒に練習してきた平岡選手が巻くところまで来ているという事についてはどうですか?
「嬉しいですね。同じ階級だったのでお互いに言ったりはしていないですけど、遠慮とかは多少あったと思うんです。それを何の遠慮もないまっさらな状態で100%で勝ちにいく事ができるし、琴ちゃんがずっとRISEのベルトを目指してやってきていたのは知っているので、その思いが本当に報われる時が来たなと思います」
――今戦っている女子ファイターたちに言っておきたいこと,アドバイスなどはありますか?
「昔からそうだとは思うんですけど、やっぱり男子選手の方が注目を浴びることが多い競技だと思いますし、迫力も男子選手の方があるのかなとは思うんですけど、女子選手でも魅せられる選手は多いと思うし、今後どんどん若い選手たちも花が咲いてくる時期になってきます。そういう選手たちが1人でも多くの人に“女子格闘技もすごいんだ”っていうことを伝えられるような選手になってほしいという希望があります」
――最後に今まで応援してくれたファンの皆様にメッセージをお願いします。
「今まで本当に沢山の応援をありがとうございました。練習とかでも辛い時が沢山あったんですけど、そういう時に思い浮かぶのは勝利した時の周り周りの方々が喜ぶ姿でした。その姿を想像して頑張ろうと踏ん張る事ができていました。皆さんの応援がなかったら私はくじけていたと思うし、もっと戦績が悪かったりとか、連勝をする事もできていなかったと思うので、本当に沢山の温かい応援に支えられてここまで突っ切る事ができました。ありがとうございました」
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