MMA
インタビュー

【UFC】メラブ・ドバリシビリ「ヤンは“いじめっ子タイプ”のファイターだから──」×ピョートル・ヤン「俺は地球の反対側まで飛んでアウェイで再戦する。簡単じゃない」

2025/12/07 02:12

ピョートル・ ヤン(バンタム級3位)「俺が勝ったら三戦目=トリロジーは最高だろう」

──まず今回のキャンプについて伺います。メラブ・ドバリシビリ(バンタム級王者)とは以前戦った際、あなたは“100%ではなかった”と話していました。それから数年経った今回、再戦に向けたキャンプはいかがでしたか?(※ドバリシビリ戦=2023年3月『UFCファイトナイト・ラスベガス』で判定負け)

「キャンプは本当に順調だった。体調もいいし、試合が待ちきれない。今の自分がどれだけの力を出せるか見せたいね」

──初めてメラブと戦った時、彼はまだ王者ではありませんでしたが、いずれ王者になると思いましたか? そして、再戦までこんなに時間がかかるとは予想していましたか?

「メラブが偉大な戦士で、実力で王者になったのは疑いようがない。ただ、俺もこれまでの試合で次の挑戦者に値すると示してきたつもりだ。タイトルに挑む資格があるのは俺だし、その準備もできている」

──今回はあなたはキャリアで3度目のリマッチとなります。これまではマゴメドフ、そしてアルジャメイン・スターリング(フェザー級5位)と2度の試合をしています。その経験から学んだ“再戦の準備”は今回に生きていますか?

「互いの情報は十分にある。でも俺の最初の2つのリマッチを見れば分かる通り、2戦目の俺は間違いなく良くなっていたし勝っていた。(スプリット判定負けだった)スターリングとの再戦でもあいつは背中にしがみついて時間を稼いでただけだから、俺が勝っていたんだよ。今回も同じだ。メラブとの再戦では、もっと強い俺を見せるつもりだよ」(※マゴメドフ戦①=2016年3月『ACB32』でスプリット判定負け、マゴメドフ戦②=2017年4月『ACB57』で判定勝ち。スターリング戦①=2021年3月『UFC 259』で3点ポジションでのヒザ蹴りで失格負け、スターリング戦②=2022年4月『UFC 273』でスプリット判定負け)。

──あなたとメラブの間には遺恨も感じます。

「考えてみてくれ。俺は地球の反対側まで飛んで、相手のホームで再戦をする。全部が向こうに有利なんだ。どれだけのプレッシャーか想像できるだろ? 簡単じゃないんだよ。以前、タイで撮影予定だった番組で、俺とメラブはコーチ役として共演するはずだったんだ。メラブは散々メッセージを送ってきたくせにビビって逃げて、代わりにスターリングを寄越したんだ。だから俺は1カ月間、スターリングの兄貴分をやってやったよ」

──スターリングとはその時、良い関係になったのですか?

「まあ普通に仲良くやったよ。いい奴だ」

──あなたはこれまでもタイトルマッチを戦ってきていますが、今回も同じようなプレッシャーを感じていますか?

「正直、今は笑いたいくらい気分がいい。プレッシャーは感じてない。とにかく戦いたいだけだ。ただ、一つ困るのはチームメイトのローハだ。あいつはずっと真面目で、渋い顔ばかりしてる。毎日“笑えよ、ブラザー”って言ってるよ」

──UFCのアンチ・ドーピングプログラムで50回のドーピング検査をクリアしたら贈られる記念ジャケットを着用していますね。

「見てくれよ。俺にピッタリだろ? まるで俺のために作られたみたいだ。完璧だよ」

──今回のUFCタイトル獲得は、空位の王座決定戦だったジョゼ・アルド戦(※2020年7月『UFC 251』で5R 3分24秒でTKO勝ち)の時より、あなたにとって特別なものになりますか?

「今回の試合は俺にとっても、チーム全員にとっても、もっと重要な試合だ。俺が戻ってきて“本当に何ができるのか”を示す戦いになる。100%、前回のタイトル獲得よりも意味が大きい」

──メラブはこの一年で4回もキャンプをして、4度タイトルマッチをしています。この“忙しすぎる一年”は、彼のパフォーマンスに影響すると思いますか?

「まず確認したいんだが、彼の試合はほとんどラスベガスだろ? 他はロサンゼルス? ……ロサンゼルスまで何時間だ?車で4時間?まあ地元みたいな距離だよな。要するに、あいつは全部ホーム戦のようなもんだ。毎週末でも戦える環境だよ。俺だって2018年は一年で5試合したけど、どれもホームじゃなかった。もし全部ホームでやれたなら、10試合だってできたさ」

──ロサンゼルスではアルジャメイン・スターリングと戦い、あなたは試合後に彼へ“オスカー像”をプレゼントしていました。今回はメラブに向けて何か用意していますか?

「ぜひ“ヒザ蹴り”をプレゼントしたいね」

──メラブを“この階級の中で最も偉大な王者の一人”と認めていますか? そして彼へのリスペクトはありますか?

「もちろんだ。彼が積み重ねてきた実績を否定できるわけがない。戦歴だけ見ても、彼が偉大な王者の一人なのは明らかだ。だからこそ、俺にとっては大きなモチベーションになる。その偉大な王者を倒す場面を想像してみてくれよ。最高だろ? あいつを倒してベルトを奪い返す。それが俺のすべてだ。勝った瞬間には、全身でその感情を味わうことになるだろうな」

──あなたはキャリア初期、8カ月で4試合、さらに11か月半で5試合というハイペースでした。メラブ以上のペースで戦っていたわけですが、4試合目あたりで“疲れ”や“衰え”のようなものは感じましたか?

「いや、全然なかったよ。あれはまだUFCに上がったばかりの頃で、俺自身もハングリーだったし、今も一緒にいるマネージャーもハングリーだった──2人がとにかく俺を出しまくってたんだよ。もし当時の1年間で6試合目の枠があれば、それにもねじ込んでただろうな」

──あなたはメラブを非常に高く評価し、偉大な王者と称してきました。もし今回あなたが勝った場合、彼には即時リマッチを与えるべきだと思いますか?

「もちろんだ。メラブはどんなリマッチでも要求する資格があるし、UFCが望むなら当然やるべきだと思う。俺が勝ったら三戦目=トリロジーは最高だろう。ぜひ実現したいね」

──来月のバンタム級カード、ショーン・オマリー(バンタム級2位) vs ソン・ヤドン(バンタム級5位)、そしてデイヴソン・フィゲイレード(バンタム級6位) vs ウマル・ヌルマゴメドフ(バンタム級1位)の2試合がありますが、どんな展望を持っていますか?

「みんな俺がすでに倒した相手たちだろ。正直、何を言えばいい? この階級にもっと変化が欲しいよ」

──その流れで聞きますが、あなたはオマリー戦(※2022年10月『UFC 280』でスプリット判定負け)は自分が勝っていたと話していました。タイトルが懸かっていようといまいと、あの試合は“もう一度やりたい”と思っていますか?

「まずは今回の試合に集中してる。でも正直、オマリーと“どうしてもやりたい”って気持ちが特別あるわけじゃない。俺が試合を組むわけじゃないし、UFCとマッチメーカーが決めることだ。チャンスが来るなら、その時に考えればいい」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント