俺は常にリアルでいたいんだ(ドバリシビリ)
──さきほど話に出た、数年前のピョートル・ヤンとの初対決に比べて今のあなたは王者として落ち着いた状況です。試合前はこうした尊重し合うほうが好きですか? それとも、少し火をつけてくれるような挑発も歓迎ですか?
「いや、俺はドラマを作ったり、無理やり盛り上げるのは好きじゃない。これはただの“試合”だ。俺たちはプロのファイターで、ファンはどうせ見に来る。昔一人、試合後に俺へ電話してきて“メラブ、俺の写真を投稿しないでくれ。あの挑発は試合前の盛り上げのためなんだ”って言ってきたヤツがいたんだ。“なんだそれ”って感じだよ。そいつのアシスタントも電話してきて、同じことを言ってきた。でも俺はそんなの好きじゃない。MMAファンは俺たちの試合を自然に見に来るし、罵り合いの演出なんて必要ない。理由もなく相手を侮辱するのは嫌いだ。もし何か言うなら、本物であるべきだ。俺は常にリアルでいたいんだ」
──先週、ジョージアで大きなMMAイベント(ジョージアのトビリシで開催された『Rkena 1』)が成功を収めました。これは“ジョージアがUFCイベントを開催できる”という兆しになると思いますか?
「もちろんだ。あの新しいイベントはすごかったし、1万人規模のアリーナが満員で、とても素晴らしい大会だった。ジョージアには大きな可能性があるよ。もし“UFCジョージア”が実現したら、俺たちの国の若い選手がそこで戦えるし、UFCへ進む道が開かれる。ぜひ実現してほしい。完璧だと思うよ」
──『UFCカウントダウン』の番組では「いろんなブランドからスポンサーの依頼が来て、車も服も時計も全部タダで来る」と話していました。では、王者のあなたは何にお金を使っているんですか?
「アメリカで税金を払ってるよ(笑)。それから住宅ローンがいくつかある。それくらいだ。あとはそこまで派手には使わないよ」
──ヤンとの最初の試合では、あなたの“圧力”と“ハイペース”が勝敗を大きく分けました。今回の再戦に向けて、何か調整した点はありますか?
「自分には“同じメンタリティを保て、同じ圧力をかけろ”って言い聞かせてる。でも今回は難しい。ヤンはもっとアグレッシブに来ると思うし、前よりプレッシャーも強くなるだろう。俺は逆に、もっとテクニカルに、もっとスキルを見せる形になると思う。でも同時に、彼に飲み込まれないようにしないといけない。どうなるかはまず計量をクリアしてから考えるよ。今はリラックスしてる。さっき外でヤンと会って、“やあ、元気か?”って温かく挨拶してきたところだ」
──先ほど“テクニカルな部分に注力している”と話していましたが、ヤンとの初戦から学んで、今回の再戦に一番活かされているのはどんな点でしょうか?
「ピョートル・ヤンって、いわゆる“いじめっ子タイプ”のファイターなんだ。後退して相手の距離でパンチを打たれると、いじめられるだけ。だから前に出なきゃいけない。チャンスを与えず、自分がいじめるつもりで、先に手を出さなきゃダメなんだ」
──先ほど母国を代表することと、UFCをジョージアに呼ぶことの重要性について話していましたが、今後、ジョージアの若いファイターたちをプロモートするための具体的なプランやプロジェクトはありますか?
「もちろんある。俺はジョージア人だし、これからもずっと母国をサポートする。ジョージアのMMAファイターたちがUFCに行けるように、プロモーションでも、チャンスを作ることでも、できることはなんでもやるつもりだ。今もいくつかプロジェクトを進めていて、近いうちにみんなに良いニュースを届けられると思う。とにかく、国のため、ジョージアのファイターたちのためにできることは全部やる」
──あなたがバンタム級で戦うべきファイターはどれくらい残っていると感じますか? それとも、アルジャメインがいるフェザー級へ上げることも視野に入れていますか?
「今はこのベルトだけに集中してる。今も挑戦者はいるし、これからも新しい挑戦者が出てくる。さっき言った通り、まずはピョートル・ヤンに勝つこと。その先は、誰が一番ふさわしいかを見て、ベストな相手と戦うだけだ。これは“ファイト”だからな。一歩ずつ進んでいきたい」




