2019年11月1日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2019 BREAKING DAWN』のセミファイナルで、ラーシーシン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)と対戦するREBELS 70kg級王者・日菜太(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。
8月のKNOCK OUTで元プロボクシングOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者ジョムトーン・チュワタナ(タイ)に敗れた日菜太は今回が再起戦となる。対戦するラーシーシンは、タイのビッグマッチ『TOP KING』や『MAX MUAYTHAI』などの大会に出て外国人選手を撃破している重量級ムエタイ戦士。
■打倒アラゾフを掲げている以上は勝たないといけない相手
――KNOCK OUT2戦目が決まりました。調整はいかがでしょうか。
「いい練習ができていて練習内容に関しては特に変えることはないのですが、自分のスタイルを強化することを重視しています」
――前戦となった8月のジョムトーン・チュワタナ戦を振り返ってもらいたいと思います。1Rにジョムトーンの左フックでダウンを喫し、日菜太選手が左ローで反撃し追い込みましたが、惜しくも判定負けでした。
「試合映像は10回ぐらい見返しました。ジョムトーンはパンチを見切る能力が想像以上でしたね。最初にジャブを突いてイケるという感触があったのでぐいぐい入ったところを、パンチで狙われたので引き込まれたんだなと。それまではわざと緩いパンチを打ってきていたのですが、ダウンを取ってきたパンチだけ凄く握りのあるものを打たれてしまいました。ああいうパンチは67戦やってきた中で、初めて経験したものでした」
――そのパンチでのダメージはあったのでしょうか。
「ダウンしたダメージはありましたが、それ以降にそこまで効いた攻撃はありませんでした。後半は向こうも疲れていましたし、フィジカル面では僕の方が全然強かった印象を受けました。あと1分半あったら形勢は全く変わっていたことになっていたと思います」
――そういう手応えもあってもう一度やりたい想いも強かったのでしょうか?
「そうですね。もう一回やって勝って8月の敗戦がなかったことにしたいです」
――その敗戦を活かして練習で取り組んでいることはあります?
「もっと突き詰めていかないといけないという想いが凄く強く、練習時間、休み、身体のケア、体重管理のそれぞれの時間の確保をより徹底するようになりました。ここまで徹底してこれだけやってきて結果が出なかったらしょうがないという想いはあります。今は悔いなく生きているので、これで結果が出なくても後悔はないと思いますね。あとは試合の時に、今までの良い行いがどう出るかになると思います」
――今回のラーシーシン・ウィラサクレックについてはどのような印象がありますか?
「映像は見たのですが2~3試合しかなく、ダイジェストなどでちゃんとしたものがなかったのでもう少し見たかったというのはあります。僕のタイ人トレ-ナーいわく、凄くテクニシャンで簡単な相手でないと。トレーナーは対戦相手のことを考えてミット打ちをしてくれるので、そういう意味ではいい対策はできていると思います。
タイプ的にはスイッチして戦ってくるので、昨年3月にK-1のリングで対戦しているチンギス・アラゾフにファイトスタイルは近いのかなと思いますね。でもアラゾフほどは強くはないので、打倒アラゾフを掲げている以上は勝たないといけない相手だと思っています。WSRジムが自信を持って送り出してくる選手であって、日菜太を食って第2のゲーオやゴンナパーとして売り出していこうとタイから連れてきたと思うので、そんな簡単に食われるわけにはいきません」
■最後にもう一回、世界トップレベルの選手たちとやれるようなレベルまで辿り着いて辞めたい
――その後、目標として掲げている新日本プロレス参戦に関して進展はありました?
「特に進展はないのですが、僕がやるべきことは今回しっかり勝って発言権を得ることなので、結果を出してアクションを起こしていきたいと思います」
――ジョムトーン戦後、プロレスファンの反応はどうでした?
「ツイッターを見たら“日菜太負けて良かった”と書かれていて、そういう意味でもプロレスファンを巻き込むことができて良かったと思います。もっと気にしてもらいたいですし、会場にも足を運んでもらえるようなアクションを起こしていきたいですね。僕のキャリア終盤の中で、6月の坂本優起戦、8月のジョムトーン戦、11月の今回と短期間で3試合もやります。歳を取ってきただけに僕的にも身体は辛いのですが、REBELS、KNOCK OUTにしっかりと恩返ししていきたいと思います」
――毎回、日菜太選手からチケットを購入された方には豪華特典が付いていますが、今回はどういった物が付きますか?
「今回はアクリルスマホスタンドになります。凄くクオリティが高くていい物なので、今回僕からチケットを購入した方、これから応援してくれる方も今後のチケット特典を期待していて下さい。個人でこれだけ凝った物を出している選手はいないんじゃないかなと思います。
こういうことを5年以上も続けている選手は僕だけじゃないでしょうか。こうやって何でも継続できる力があるのは、僕の一番の武器でもあります。今は色んな団体で選手応援シートを出していると思いますが、そのきっかけを作ったのも自分だと思っているので、そういう強みも見せていけたらいいなと思います」
――以前にはタオルやステッカーなど購入特典がありましたが、そういう特典内容のアイデアもご自身で?
「そうですね。自分で考えて提案して、300~500個単位で注文します。1個に対していくらかのコストはかかるのですが、自分から来てくれる方に対しての恩返しの意味もあり、自腹を切ってきました。一回購入してくれるとリピーターが多いのでありがたいですし、ますます負けられません。応援してくれる人は、僕の試合をもうちょっと見たいと思ってくれているので、最後にもう一回、アラゾフやペトロシアンのような世界トップレベルの選手たちとやれるようなレベルまで辿り着いて辞めたいと思っています」