逞しく鍛えられた上半身の筋肉をアピールするスタンプ(C)Stamp
2025年11月16日(日)東京・有明アリーナ『ONE 173: SUPERBON vs. NOIRI』(U-NEXT配信)の第6試合、ONEアトム級(※52.2kg)キックボクシング3分3Rで元K-1女子フライ級王者KANA(Team Aftermath)と対戦するスタンプ・フェアテックス(タイ)のインタビューがONE公式サイトにて公開された。

(C)ONE Championship
スタンプは、2013年9月にONEアトム級MMA世界王者となり、世界で初めて、そして唯一の3つの競技(ムエタイ、キックボクシング、MMA)で世界タイトルを獲得した格闘家として歴史を作った。格闘家として新たな高みへと駆け上がっていたが、トレーニング中に左膝の半月板を断裂し、2年間もの休養を余儀なくされた。
「この2年間は本当に大変でした。毎日トレーニングする代わりに、理学療法に頼らざるを得ませんでした。ようやく体調が回復し、トレーニングを再開できると思った矢先、まだ準備ができていないことに気づき、またトレーニングを中断せざるを得ませんでした。回復のプロセスを最初からやり直さなければならなかったのです。
手術が必要な膝の怪我は容易なことではないため、毎日強い決意が必要です。多くの人から、もう自分を証明する必要はないから格闘技を辞めた方がいいとアドバイスされました。でも、心の奥底では、まだ最高の自分になれると分かっています。もっと上を目指せると感じていますし、ファイターとしてのこの旅に全力を尽くしたいと思っています」と、怪我からの回復は簡単ではなかったと打ち明け、周囲からは引退も薦められたという。
ONEアトム級MMA世界タイトルは返上、友人でもあるデニス・ザンボアガが新王者となった。
「チャンピオンベルトを返上するという決断は容易ではありませんでした。勝ち取るために一生懸命努力してきたからです。しかし、私が試合に出られなかった約2年間の間に、チャンピオンを目指しているファイターがたくさんいることを理解しています。だから私は返上を決意し、私の後ろにいた誰かにタイトルを奪取するチャンスを与えました。最終的には友人のデニスが立ち上がり、タイトルを獲得しました。私としては、時が来たら必ず戻ってきて、ベルトを取り戻します」と、必ず王座に返り咲くとの強い決意を持つ。

(C)ONE Championship
怪我から回復したスタンプは、2年以上ぶりにリングに復帰する準備を整えている。11月16日、スタンプの28歳の誕生日に日本の女王KANAと対戦する。スタンプは、MMAルールではなくキックボクシングルールで戦うことを選んだ理由をこう明かした。
「約2年間試合に出ていなかったので、今回はキックボクシングルールで戦うことを決めました。自分のコンディション、精神状態、そして残されたスタミナを確かめたかったからです。キックボクシングはMMAのようにヒジ打ちやテイクダウンを伴わないので、ウォーミングアップには最適です。しかし、KANAは経験豊富な元K-1チャンピオンなので、リスクがないわけではありません」と、今の自分の状態を確かめるには最適ではあるが、KANAとの試合にはリスクがあるとする。
「KANAは日本屈指のキックボクサーです。彼女の強みはインとアウトの両方で発揮されるスピードです。しかし、それが彼女のディフェンスに隙を与えてしまうため、私はそこを弱点だと考えています。キックを使って試合の流れを乱す方法を見つけるかもしれません。

KANAの最も危険な武器はパンチとカーフキックです。日本のファイターはこれらを強みとして使うことが多いです。彼女は私よりもキックボクシングの経験が豊富なので、あらゆる動きに細心の注意を払わなければなりません」と、KANAの強みであるスピードが逆に弱点になると言うが、KANAのキックボクシングルールでの経験は侮れないとした。
そのうえで「勝利のカギは打撃のパワーです。相手の腕がぶら下がり、動きが止まるまで力強く蹴り込むつもりです。練習していたカーフキックに加え、右フックとアッパーカットも準備してきました」と、ミドルキックでKANAの腕を潰すつもりだと明かし、カーフキックも自分に取り入れているとする。
「自分には常に自信がありますが、望むのはただ勝つことだけです。私は誰かの踏み台ではないということを、皆に示したい。もし(復帰に)合格できると思ったら、もっと努力しなくてはならない。自分の可能性を最大限に発揮し、スタンプがもっと上へ行けるということを証明するために、全力を尽くします」と、この試合が自分の今後の可能性を示す重要な一戦になると語った。



