キックボクシング
インタビュー

【NEW GATE】格闘技大会現役最年少のプロデューサー「北海道の選手たちと一緒に『NEW GATE』も『北海道から世界』に挑戦します!」

2025/11/10 19:11
 2025年11月24日(月・祝)、北海道札幌市で新たにキックボクシング大会『NEW GATE(ニュー・ゲート)』が始動する。大会を主宰する森政宗氏は28歳という若さで格闘技大会現役最年少のプロデューサー。「北海道から世界へ」を掲げてキックボクシングイベントを立ち上げた経緯や「選手の成長と共に『NEW GATE』も成長して世界に挑戦する」という熱い思いを聞いた。(聞き手・構成 茂田浩司) 大成敦さんの誘いで格闘技イベントのお手伝い突然「ゴング係」の大役を任されたことも ――森プロデューサーは国際武道大学出身だそうですね。子供の頃から格闘技をやっていたのですか? 「子供の頃からやっていたのは野球です。小中高から国際武道大でも続けていたのですが1年で故障して辞めました。ただ、父がテレビでK-1を熱心に観ていた影響で僕もピーター・アーツやジェロム・レ・バンナの試合を観て、子供の頃から格闘技ファンでした。高3の夏の大会で野球部を引退した後は地元のキックボクシングジムに通ったり、故障して野球が出来なくなった後は大学のキックボクシング部に入ってアマチュアの大会に出たりしました」 ――大成敦さん(大会アドバイザー。アマチュアキックボクシング協議会(AKC)専務理事)に誘われて、学生時代に格闘技イベントに関わるようになったとか。 「はい。大成さんの娘さんと高校の同級生で、僕の友人が娘さんと同じ部活だったので繋いで貰いました。昔からテレビやYouTubeで『K-1レフェリーの大成さん』を観ていたのでお話できるだけで嬉しかったのですが、ある時に大成さんから『大会の手伝いに来てよ』と誘われまして。巌流島やピーター・アーツ・スピリットに運営スタッフで呼んでいただきました」 ――どんなことをされたのですか? 「大会運営のお手伝いをしたり、ゴングを鳴らす係をしたこともありました。僕の中ではそんな大役はあり得ないと思ったんですけど、大成さんに『簡単だから大丈夫だよ』と言われまして(笑)。後は、大成さんのカバン持ちでONEやグローリーの大会にもお邪魔して、裏方のスタッフがどんな動きをしているかを実際に見ることができました。大成さんがレフェリーをしたり、大会の運営をされている姿を近くで見てきて、僕は大成さんの一番のファンだと思っています」 ――そうだったんですね。 [nextpage] 同じ北海道内でも長距離移動が必要。選手に飛躍するチャンスをあげたい ――北海道には大学卒業後に行かれたそうですね。 「大学時代にアルバイトをしていた会社の社長さんに『北海道支社を作るから立ち上げメンバーに入ってくれないか』と誘われて、勢いのまま(笑)北海道に移住しました。1年後に独立して会社を設立したんですけど、格闘技との繋がりはずっと続いていて。AKCの北海道大会や東京の大会に設営のお手伝いに行ったり、選手のアテンド業務とかイベントのいろんなお手伝いをさせて貰っていました」 ――今回、新たに立ち上げるキックボクシングのイベント「NEW GATE(ニュー・ゲート)」(11月24日(月・祝)、札幌市・生活支援型文化施設コンカリーリョ)の構想はかねてからお持ちだったのですか? 「はい。以前から漠然と『格闘技イベントをやりたい』という気持ちはあって、去年大成さんと飲みながら話しているときに『北海道で立ち上げたらどう? やるなら俺も協力するから』と言われて『やろう』と決めました」 ――森プロデューサーはAKCの北海道大会に関わっているからキックボクシングの人脈もあるわけですね。 「そうですね。僕が会員になっているK&Kボクシングクラブ・キックボクシング部門会長の大場直明さんにも協力して貰い、運営やマッチメイクをやっていただいています」 ――北海道でキックボクシングのイベントを立ち上げた理由は何ですか? 「北海道で頑張っている選手たちに試合のチャンスを増やしたい、という思いです。大成さんや大場さんから『北海道は試合のチャンスが少ない。特にアマチュアの試合がなかなかない』と聞いていて、何とか試合の機会を増やしたいというのが一つの思いとしてありましたね。結構『試合に出たくても出れない』という選手が多かったです。  また、北海道の事情としてとても広いので、札幌の大会に出たいと思っても同じ道内から来るにも交通費が掛かりますし、長時間の移動も必要です。僕も北海道に来て知ったのですが、札幌から知床に行くにも車で8時間とか掛かってしまうので(苦笑)」 ――同じ北海道の中でそれだけ長距離移動しなくてはいけないのですね。まして東京の大会から呼ばれるとなると、相当ハードルが高いですね。 「はい。飛行機代と宿泊費が掛かってしまうので、北海道在住の選手はなかなかチャンスがないと思います。そうした選手たちに『北海道から世界へ』と飛躍するチャンスを作りたい思いで『NEW GATE』を始めることになりました。北海道から世界への扉を開き、世界に通用する選手を育てたいですし『NEW GATE』としても日本国内で有名になり、世界に通用する団体にするために挑戦していきたいと思っています」 [nextpage] 空手対ムエタイ、空手対キック、ambitiousのライブ、オフィシャルサポーター日南まみさんも盛り上げてくれます ――旗揚げ大会はプロ2試合、セミプロ3試合がマッチメイクされましたが、いきなり国際戦、斉藤力毅(武心剛術会)対トートー・キャットワナラム(タイ)が組まれて驚きました。これは「対世界」を見据えてですか? 「はい、国際戦を組むことは当初から決めていました。最初は北海道にいるムエタイの選手を探したのですがなかなかいなくて。関東とかでも探したのですが体重が合わなかったり条件に合うムエタイの選手が見つからなくて、大成さんのツテでタイから呼ぶことにしました」 ――本場のムエタイ戦士を呼んできたのですね! 「そうです。トートー選手は18歳ですでに50戦のキャリアがあって強い選手だと聞いていますが、対する斉藤選手も空手で培った気持ちのある試合をする選手です。『空手対ムエタイ』ということで試合前に空手の演武とムエタイのワイクルーを披露して貰うことも決まっていて、熱い試合になると思います」 ――プロのもう1試合は日本人対決、小泉秀士(Shinyuuki+)対辻航平(Desafio)ですね。 「こちらは北海道で頑張っている選手同士の試合です。小泉選手は空手ベース、辻選手はキックボクシングなので、空手対キックボクシングのこちらも熱い試合になると思います」 ――会場の演出にもこだわっているとか。 「『NEW GATE』は出場選手の仲間や格闘技のファンだけじゃなくて、一般の人も『NEW GATEを見に行きたい』と思うような大会にしたいので演出面にもこだわっています。先ほどお話した『空手対ムエタイ』の試合前に空手の演武やムエタイのワイクルーの披露もそうですし、我々と同じ『北海道から世界へ』で頑張っているガールズグループ「ambitious(アンビシャス)」がゲスト出演して大会を盛り上げてくれることになりました。また、オフィシャルサポーターに北海道出身のタレント、日南まみさんの就任も決まりました」 ――北海道在住や北海道出身の人たちを集めたのですね。地域密着型で「北海道愛」を感じます。 「ありがとうございます。これまで大成さんにいろんな格闘技イベントを見せて貰ったり運営のお手伝いをさせて貰って、大小さまざまな大会を見て来た経験を『NEW GATE』で活かしたいと思っています。また、本業のホテルの清掃管理や設備工事、イベント企画の関係で、格闘技だけでなく野外フェスなどいろいろなジャンルのイベントに関わってきました。他ジャンルのイベントの良いところは『NEW GATE』に積極的に取り入れていこうと思っています」 ――格闘技以外のイベントを知っていることは森プロデューサーの強みですね。ちなみにこれまで関わってきたイベントで特に印象に残るものはありますか? 「夏の音楽フェスは毎年盛り上がりますし、今年の夏は海の家が主催するイベントを見て、音楽やダンス、ピン芸人さんのトークとかいろんなジャンルの人が集まると各ジャンルのファンが集まってきて盛り上がりますね。『NEW GATE』に『ambitious』さんを呼ぶのもそうした狙いがあります」 [nextpage] 旗揚げ大会から満員にして来年は3大会を開催したい。選手と一緒に『NEW GATE』も北海道から世界へ! ――10月から本格的に『NEW GATE』の対戦カードやゲストのambitiousの出演など、大会情報をリリースしてきて手ごたえはいかがでしょう? 「すごく反響が良くて、手応えとしてはかなりあります。NEW GATEオフィシャルのインスタグラムにメディアにリリースした内容をアップしたら、出場する選手やジムの会長さんが拡散してくれて。そのおかげでチケットの問い合わせが多数来ましたし『試合に出たいです』という問い合わせもいただきました。おかげさまで大会の1か月前の時点でチケットの半分以上が売れていて、A指定席は完売しました」 ――おお! 順調ですね。 「出場する選手たちの試合に向けてトレーニングする姿をインスタでアップしていますが、アクセス数もかなり伸びてきました。プロモーションに力を入れて、出場する選手たちに『NEW GATEは注目される舞台だ』と理解して貰い、試合に対するモチベーションをもっともっと上げてほしいと思っています。対戦カードも決まってポスターが完成しましたし、XやTikTokも活用して『NEW GATE』の存在を広めていきたいです」 ――今回の『FIRST IMPACT』の後、第2回、第3回大会の構想はすでにお持ちなのですか? 「はい。まだ実行委員会で話しあっている段階ですけど、僕の中では第二回大会は来年3月か4月に開催して、年3回のペースで出来ればいいなと思っています。今回はプロ2試合、セミプロ3試合、MASTERS1試合ですけど、選手から『次のNEW GATEに出たい』という声も寄せられています。今回もアマチュア部門(11月24日午前11時~)で30試合ほど組む予定で、キッズから一般、女子、MASTERSまでいろんな方たちが出てくれます。こちらも次回はもっと人数も増えていくと思います。今回の大会を見て『ぜひNEW GATEで試合したい』と思った選手にはどんどん名乗りを挙げてほしいです」 ――『NEW GATE』がキックボクシングに新たな風を吹き込みそうですね。 「ありがとうございます。北海道には『もっと試合のチャンスが欲しい』と思っている選手がたくさんいるので『NEW GATE』という舞台で輝くチャンスを作って『北海道から世界へ』を実現させたいです。『NEW GATE』自体も、他の団体とは違うマッチメイクや演出、プロモーションを積極的に取り入れて『NEW GATEは違うぞ!』ということを世間にアピールして、選手たちと一緒に『NEW GATE』も成長して北海道から世界を目指して、新しい挑戦をしていきたいます。ぜひ『NEW GATE』と出場選手の応援をよろしくお願いします」 ――大いに期待しております。本日はありがとうございました。(了) (プロフィール)森政宗(Mori Masamune)1997年、千葉県出身。株式会社MRフォレスト代表取締役。学生時代から格闘技イベントの運営に関わり、今年11月24日、北海道札幌市で旗揚げする「NEW GATE(ニュー・ゲート)」のプロデューサーを務める。NEW GATE(ニュー・ゲート)公式ホームページhttps://www.newgate-japan.com/
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