▼ライト級 5分3R
〇クリス・パディーヤ(米国)17勝6敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝
[2R 4分30秒 TKO]
×イスマエル・ボンフィム(ブラジル)20勝6敗(UFC2勝3敗)※体重超過
※イスマエル・ボンフィムは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のパディーヤに報奨金の25%を支払う
ライト級戦からボンフィムが5ポンドオーバーしキャッチウェイト戦に。
パディーヤは、UFC3勝0敗。XFS王者からRFA、Brave CF、Bellatorで戦い、UNFライト級王者から24年4月にUFC参戦。RTUウィナーのロン・チューを2R TKOに下すなど3連勝中。25年3月の前戦はジャイ・ハーバートのホームで判定勝ち。30歳。
体重超過のボンフィムはUFC2勝2敗。メインに登場するガブリエルの兄。2022年、弟と同日のDWCSで勝利し同時にUFC契約。UFC同日デビュー。ともにフィニッシュ勝利したが、23年7月の2戦目でブノワ・サン・デニに1R リアネイキドチョークで一本負け。3戦目は体重オーバーで試合中止に。25年2月の前戦で、ナジム・サディコフに1R ドクターストップ負け。29歳。
1R、ともにオーソドックス構え。パディーヤの飛び込みからバッティングも構わず跳び蹴りのイスマエル。右ローを当てる。さらに左ヒジを突く。高いガードのパディーヤは、ブロッキングから右フックで飛び込み、右前蹴り。その打ち終わりにイスマエルはジャブのダブルから右フックをガード上に。
パディーヤは右カーフを効かせると、イスマエルは後退。パディーヤが左で差すが、右小手で投げるイスマエル。戻すパディーヤが押し込み。ともにヒザを突くが、押し込み太腿の内側を蹴るのはパディーヤ。両差し狙いから右で差しに。左で差して頭をアゴ下につけるパディーヤに、一気に両差しからボディロックテイクダウンのイスマエル。バックに乗るが、落とされ、立ちあがり。パディーヤを追って左右でホーン。
2R、右カーフを当てるパディーヤ。右オーバーハンドも。右カーフのパディーヤに左右を返しに行くイスマエルだが、足が前に出ず。さらに右カーフをこつこつ打つパディーヤ。イスマエルは足を引いてスーパーマンパンチを狙う。
パディーヤの右カーフに前足を引くイスマエル。足を止めてジャブを打つ。前足を効かされているイスマエルは左右のフック。パディーヤの前進に、イスマエルはアッパー、ボディ打ちも、パディーヤのボディ打ち、ヒザに後退。ダブルレッグに行くが、がぶりのパディーヤの右ヒジ、崩しに下に。
#UFCVegas111 Official Result: Chris Padilla defeats Ismael Bonfim by TKO, Round 2, 4:30
— UFC News (@UFCNews) November 9, 2025
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イスマエルは下から足をからめ外ヒールもヒザは外れている。足を抜いたパディーヤは上から鉄槌。亀になったイスマエルのサイドバックから左拳を連打し、レフェリーが間に入った。
アンダードッグの評価を覆したパディーヤはUFC4連勝。「何よりもまず、同胞たちへ感謝を。メキシコにエールを送る。ビバ・メキシコ。みんな大好きだ。家族全員にエールを、今困難を乗り越えている全ての人々に。みんな、強くいてくれ。必ず乗り越えられる。ダナ、ショーン、ミック。今、母はトレーラーハウスで暮らしている。マジで、あの5万ドル(ボーナス)が必要なんだ。母を助けるために。自分のパフォーマンスなんてどうでもいいんだ。ボクシング主体のアプローチを想定し、試合を通して高いガードを保っていた。だが最終的に距離を詰め、自分の仕事をこなした。CMMAの連中、俺たちはあらゆる技を駆使するんだ。史上最高のMMAファイターとして知られるのが目標だが、俺のタイボクシングはエリート級だ。サブミッショングラップラーたちよ、俺たちのチームに敬意を払えよ兄弟。規模は小さいが、俺たちは支配しに来る。次? 何よりも金が必要だ。金さえあれば誰とでも戦うが、まず家族を養える状態にしないと。それを考えると夜も眠れない。仲間が苦しんでいる。相手は体重超過だ。頼む、50万ドルくれ」と語った。
THE DOCTOR IS IN 🩺@urketaraketa earns back to back knockouts! #UFCVegas111 pic.twitter.com/JwDVJ2MC2i
— UFC (@ufc) November 9, 2025
パディーヤ「『チェンソーマン』は俺のファイトスタイルそのものだ」
U-NEXTのコメント「俺はクリストファー “タコ”・パディーヤ。UFCのライト級で戦ってるプロのファイターだ。今は世界ランキングで50位にいる。そして今週、イスマエル・ボンフィムと戦う。
ニックネームの“タコ”は俺が子供の頃についたんだ。当時『JACKASS(ジャッカス)』って番組が流行ってて(真似した視聴者が怪我を負い、社会問題にまで発展した番組)、すごくエクストリームな時代だったんだよ。俺は1995年生まれで、2000年代のあの時代に育った。だから友達と『俺らもカッコいいニックネーム持たなきゃな』ってなって、ジャッカスみたいなことして遊んでた時に、『俺はタコだ!』って言ったんだ。それがそのまま定着した(笑)。
今思うとちょっと伏線っぽいよな。俺はメキシコ系と黒人のハーフなんだけど、自分のファイトスタイルも“タコスタイル”だと思ってる。いろんな種類のタコがあるみたいに、俺もどんなスタイルにも対応できる。どんな戦い方でも相手できるんだ。
俺はNAGAのチャンピオンだが、アメリカ式のレスリングをやってきたわけでもないし、特別な伝統武術のバックグラウンドがあったわけでもない。MMAに直接飛び込んだ感じなんだ。子供の頃は、いとこと一緒に関節技を掛け合って遊んでた(笑)。俺が育ったLAって、子供の頃は別に格闘技の街じゃなかったんだ。ボクシングしてる子や、空手やってる子はいたけど、MMAはまだ珍しかった。
でもUFCが大きくなってきて、『あ、ストリートファイトでも、殴るだけじゃなくて、組んで絞めたり極めたりできるんだ』って気づいたんだ。それで実際にトレーニングを始めたら、自然とサブミッションレスリングに惹かれていった。戦うたびに『誰かグラップリングで俺と勝負したい奴いないかな』って思ってたよ(笑)。相手を掴んで、倒して、支配するのが楽しかった。
やっていくうちに気づいたのは、多くの人は打撃の方を選ぶってこと。打撃が“簡単”って意味じゃないけど、グラップリングより体力的な負担が少ないんだ。でも俺は“ワークホース”、つまり働き者のタイプだから、何でも磨きたい。だから最初はグラップリングが強かったけど、サブミッションを取ったり、グラウンドでヒジ打ちしたりして勝って、そこから打撃も同じレベルに持っていくようにしたんだ。
UFCで戦うのは、ずっと夢だった。俺、アニメオタクなんだけど、自分の“ワンピース”を見つけたような感覚なんだ。それくらいUFCは特別だよ。あと俺がやりたいのは、“グラップリングをバイオレント(激しい)なものに見せること”。人によっては『寝技は抱き合ってるだけ』とか『退屈』って思うけど、俺のスタイルなら、グラップリングにも迫力と暴力性を見せられる。それが俺の使命だね。『正しい人間が正しいやり方でやれば、寝技もエキサイティングになる』って証明したいんだ。
俺はアニメオタクだし、MMAオタクでもある(笑)。今ハマってるアニメは『チェンソーマン』。あのスタイルは俺のファイトスタイルそのものだと思う。
勝つためならどんな暗い場所にも行く覚悟があるし、勝つときは血みどろで残酷に終わらせたい。だから『チェンソーマン』は俺の精神を体現してるんだ。
日本人ファイターで好きなのはキックボクシングだとMISAKIが好きだな。MMAでは堀口恭司だね。ずっとファンなんだ。日本人ファイターがUFCタイトルに近づくたびに応援してきた。堀口がタイトルに挑戦してた時なんて、めちゃくちゃ興奮したよ。それに桜庭和志とか山本KID徳郁とか青木真也とか、あの世代もリスペクトしてるけど、俺のリアルタイム世代は堀口なんだ。
彼がデメトリアス・ジョンソン(マイティ・マウス)と戦った時も覚えてる。マイティ・マウスは偉大なチャンピオンだけど、堀口も本当にすごかった。またUFCに戻ってきたのはマジで嬉しいし、もう一度タイトルに挑戦してほしい。カタール大会ももちろん見るよ! また夢に近づくチャンスだからね。日本がワールドカップで『ブルーロック』的な熱狂を見せた時のように、国全体が一人の選手を後押ししてるのを見るのは最高だよ。
1人がチャンピオンになれば『俺たちにもできる』って他のみんなも続く。そうやって国の格闘技レベルが上がっていくんだと思う。日本にも行くつもりだよ! それに、うちの祖母が言ってたんだけど、俺の曽祖父が日本人らしいんだ。メキシコに渡った日本人だったみたいで、まだ詳しくは調べてる途中だけどね。だから、どんな形でも日本にたどり着く運命だと思ってる(笑)。
イスマエル・ボンフィムはボクシングスタイルがすごく強いタフなファイターだ。打たれても前に出るタイプで、精神的にもタフ。ボクシングの中での判断力も優れてる。たしかボクシングでは17勝4敗の戦績があるはず。だからその分野での経験値と知能は高い。俺もそういう相手に向けて準備してきた。
前回の試合はどちらかというとテクニカルな展開だったけど、今回はもっとアグレッシブになると思う。そういう相手の方が、俺にとっては燃えるんだ。彼の強みは“攻める姿勢”だ。打撃もいいけど、一番の武器は『危険を恐れず前に出る勇気』だと思う。それ自体がスキルなんだ。
でも俺は冷静さが武器だ。打撃、組み、クリンチ、どれも自信あるけど、プレッシャーの中で冷静に動けるのが最大の強み。ボンフィムは自分の土俵(ボクシング)以外になると焦りが出る。だから俺の仕事は、MMAという土俵で彼を混乱させることだ。俺が圧倒する展開になると思う。プレッシャーをかけて、スペースも時間も奪う。彼にボクシングさせる余裕を与えない。打ち合いになったら掴んで、クリンチして、ヒザ、ヒジ。距離を取られたら、ローキック、ジャブ、フェイントで崩す。最終的には俺のペースで圧倒して、TKOで仕留める。
最初から狙うってわけじゃないけど、彼が自分から隙を作ってくるタイプだから、もし1Rで決められるなら決める。でも2Rでも3Rでも、どの展開にも対応できるように準備してる。個人的には長いラウンドの方が好きなんだ。だから、与えられた状況をすべて受け入れて戦うだけさ。俺のハート、意志、魂、そして格闘IQを見てほしい。『テクニカルでも激しい試合はできる』ってことを証明したい。倒されるか倒すかだけが格闘技じゃない。両方できるんだ。
今回勝ったら、次はクリス・サディコフ、ルドヴィック・クライン、クリス・ダンカン、それからマテウス・ガムロット──上位の奴ら、みんな狙ってるよ。みんなU-NEXTで俺の試合を観てくれてありがとう。日本の文化も、侍の精神も大好きだ。俺のハートとスピリットを日本のみんなに見せたい。楽しんでくれよ。ありがとう!」




