2026年2月7日(日本時間8日)米国ラスベガスのMeta APEXで開催される『UFC Fight Night: Bautista vs. Oliveira』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)のコメインにて、フライ級同8位の堀口恭司(日本)が、同6位のアミル・アルバジ(イラク)と対戦する。
堀口は、2025年11月のUFC復帰戦でダゲスタンのタギル・ウランベコフと対戦し、相手の得意な組みから立ち上がり、鋭いステップからのカーフやハイキックなど多彩な打撃、最後はダウンを奪ってのリアネイキドチョークで3R 一本勝ち。完勝の内容で盟友パントージャへの呼びかけも含めて大きなインパクトを残した。35歳。
今回の相手アルバジは、イラク出身で7歳の時に一家で国外に脱出し、シリアの難民キャンプを経てスウェーデン入り。13歳で柔術を始めると15歳でポルトガルでプロMMAデビュー。BRAVE CFでキャリアを積むなか、2020年7月にUFCデビューを果たすと、カイ・カラフランス戦のスプリット判定勝ちを含め、5勝1敗。唯一の黒星は24年11月の前戦でブランドン・モレノに判定負け。25年8月に平良達郎と対戦予定だったが負傷欠場。1年3カ月振りの再起戦で堀口と戦う。打撃と同じ踏み込みで組むグラップラーだが、近年は打撃に傾倒。右アッパー、足関節からのトランジッションにも注意が必要だ。MMA戦績17勝2敗(UFC5勝1敗)。32歳。
試合前の時点でUFCフライ級ランキングは、王者のジョシュア・ヴァンを筆頭に、1位がATTで怪我から再起を目指すアレッシャンドレ・パントージャ、2位がブランドン・ロイバルを1R TKOのマネル・ケイプ。3位がブランドン・モレノを2R TKOの平良達郎。4位がロイバル、5位がモレノ。
そして、6位にアルバジがつけており、7位に2.28 メキシコ大会でモレノと対戦予定のアスー・アルマバエフ。8位に堀口がランクされている。
本誌のインタビューで堀口は、「6位のアルバジを当ててくれたので、評価は上がったのかなと。またここでいい勝ち方すればチャンピオンシップに近づくんじゃないかなと思ってるんで、しっかりここでまたインパクト残したいです」と、2カ月半のインターバルでの連戦に向けて意気込みを語っている。
また、U-NEXTのインタビューでは、2016年まで戦っていたUFCの現在の変化を、「ファイトウィークに入ると、食事とかサプリメントとかも用意してくれてたり、ファイトウィークじゃなくてもプロテインとかも送ってくれたり(※米国在住ファイターはリクエストすればいつでも送られる)、普段からサプリとかも無料で提供してもらえて、本当にファイターにとってすごいいいなって」と、選手のサポート体制が充実しているといい、9年ぶりのオクタゴンでの試合も、「ケージのほうが滑んなくてやりやすかったですね。RIZINの時は滑るんで、どうしても距離を近くしないといけないっていうのはありました」と、日本マット時代はスタイル変更を余儀なくされていた部分があったと語った。
35歳になり、MMAファイターとしては心技体ともにピークを迎えつつあるなか、日々の練習は同世代に比べ多いと言う。
「練習量はもちろん昔の方がやってましたけど、今でも多分、同じ年齢のファイターからしたら全然やってると思います。練習をずっと続けられるっていうのが大事だと思っていて、やっぱりそれに身体も対応すると思うし、1回でも長く休んじゃうと怪我しやすくなると思う」と、怪我無く継続した練習が、現在のコンディションを作っていると語る。
35勝中21のフィニッシュを誇るが、試合の組み立て方で、フィニッシュを急ぐことはないという。全体的なプランを立てて相手を上回るなかで、最終的にフィニッシュに結び付けていく。
「最悪のパターンを想像したり、いいパターンを想像したりとかして、全体的に最後にフィニッシュできればいいよねっていう感じを狙っていて、あんまり急いで行くっていうプランは絶対立てないですね。なんでかって言うと、それがダメだった時に何にもならないじゃないですか。全体的なプランを考えてその中でチャンスがあれば倒す、決めるっていうのをいつもプランに入れてるって感じです。大体プランはあるけど、その中でやっぱり戦ってると違う場面とか出てくる。そこの対応をちゃんとできるだけの練習量をしてるから焦んない」と、最良のパターンから外れてもパニックにならず、どの戦い方でも勝利に向かえる練習が、いまの堀口を作っているとした。
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自分もどこでも勝負できる
アメリカントップチーム入りして10年になる。UFC4連勝後、2015年にデメトリアス・ジョンソンとのタイトルマッチを経験後、足りないものを求め、単身フロリダに飛んだ。ATTで技術を習得し、世界の強豪たちと日常的に肌を合わせるなかで、あらためて自分を信じる「気持ち」も高まったという。
「みんななんか『強い相手』って言うんですけど、それって多分思い込みの世界だと自分は思っていて、やっぱり同じ体重で同じ人間だし、自分はもうあんまり変わんないと思うんです。だから気持ちの持ちようだなと思ってるんで。その気持ちをどうやって試合に持っていくかの話じゃないかなと思います。本当、日本の方ってみんななんか“あいつは強いんだ”とか洗脳されちゃってますよね、多分。自分を信じて自分を出せば絶対いいとこ行けるんですよ。“相手は強い”とチームがそう言うじゃないですか。その雰囲気が自分は嫌いで。いや、同じ体重にしてるのにどっちが強いとか関係ねえ。それはもう試合で見せることじゃないですか。そういうメンタルを若い子みんなに持ってほしいです」
UFC5勝1敗の強豪を前にしてもその思いは変わらない。本誌のインタビューでも堀口は、アルバジを等身大でとらえている。
「アルバジは、フィジカルもレスリングも強いけど、最近は打撃寄りだなって。組みの踏み込みのなかで打撃のタイミングがいいし、寝技になった時にコントロールも上手い。強いポジションとかは取らせないようにして──自分もどこでも勝負できると思っています」と、全局面で勝負に自信を持つ。
かつて堀口と戦ったデメトリアス・ジョンソンは、UFCに復帰した堀口について、「今、彼の強みは対戦相手に応じて戦術を適応できる点にあると思う」と、その進化を高く評価していた。
そして、堀口のセコンドの名将マイク・ブラウンは前戦を「ウランベコフはダゲスタン出身のとても大きくて非常に優れたエリート選手で、しかもほぼ相手のホーム(中東)だった。ほとんどの選手にとって悪夢のようなマッチアップだったはずだが、恭司はタギルの心を折った。そうならざるを得なかったんだろう。タギルは疲れて恭司はそうじゃなかった。恭司は適正階級であるフライ級ではデメトリアスに負けた以外、一度も負けていない。この男がどれほど強いか、みんな分かっていないんだ」と語り、堀口が想像以上のパーフェクトゲームで難敵を相手に勝利したという。
そして、次戦も強豪が待っている。
ブラウンは「アルバジは強いレスラーで、タフな男だ。戦績もいいし、経験も豊富だ。非常に優れたファイターだ」と警戒しながらも「自信があるよ。世界中の誰が相手でも、恭司なら大丈夫だ。125ポンドを作れる相手なら、恭司の方が上だと信じている。恭司は世界最高だ。そこに疑いの余地はない」と、盟友に絶大な信頼を寄せる。
堀口が目指すのは、もちろん世界最高峰の頂点だ。
アルバジに勝利し、1位のパントージャとは王座戦でのみ、拳を合わせることを決めている。その間、フライ級では王者ジョシュア・ヴァン、2位でかつてRIZINで戦ったマネル・ケイプ、3位の平良達郎らがタイトルマッチにどうからむか注目されている。その勝者を堀口は待つことになるのか。
「どうですかね? もしかしたら本当にこのまま、どんどん、パンパン試合させてもらえてすぐチャンピオンになっちゃうっていう可能性も自分はあると思うんで、何があるか分からないんから常に準備だけはしておく。まずは次の試合をしっかりとまた決める試合をしていきたい」と油断はない。
そして、RIZINで実績を積み上げたベースを持つ日本に、UFCを持ち帰ること。
「日本人選手も増えてきたんで、本当に強い格闘家たちがいる舞台を日本で広めたいとは思います。
日本の皆さん、いつも応援ありがとうございます。今回、こうして2戦目すぐ組んでもらえて嬉しいんで、しっかりとまた決める試合をしていきたいです。今度の自分の試合は夜中じゃなくてお昼になるんで、皆さん見やすくなったと思うんで、是非応援のほどよろしくお願いします。しっかりとぶっ飛ばします!」──堀口恭司のUFC復帰2戦目は、日本時間2月8日(日)に行われる。
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UFC世界フライ級ランキング(2月3日付)と今後の試合
※選手名から前戦
王者:ジョシュア・ヴァン(米国)1位:アレッシャンドレ・パントージャ(ブラジル)2位:マネル・ケイプ(ポルトガル)3位:平良達郎(日本)4位:ブランドン・ロイバル(米国)5位:ブランドン・モレノ(メキシコ)2.28 アルマバエフと対戦6位:アミル・アルバジ(アフガニスタン)2.7 堀口恭司と対戦7位:アスー・アルマバエフ(カザフスタン)2.28 モレノと対戦8位:堀口恭司(日本)2.7 アルバジと対戦9位:ティム・エリオット(米国)10位:アレックス・ペレス(米国)11位:スティーブ・エルセグ(豪州)12位:タギル・ウランベコフ(ロシア)13位:チャールズ・ジョンソン(米国)14位:ブルーノ・シウバ(ブラジル)3.14 カヴァナと対戦15位:ロニー・カヴァナ(英国)3.24 シウバと対戦