2025年10月10日米国『Urijah Faber's A1 Combat 31』、11日中国『JCK Fight Night 107』、11日豪州『Eternal MMA 99』にて、日本人3選手のフライ級マッチが行われた。
A1 CombatにはA1 Combatストロー級&元DEEPストロー級王者の川原波輝(チームアルファメール)がフライ級で出場。JCKにはGRACHANフライ級王者の小田魁斗(CARPE DIEM福岡)が出場。Eternal MMAには同団体のフライ級王者として谷口武(修斗GYM神戸/CMBT)が初防衛戦に臨んだ。
川原がフライ級でも大熱戦。打撃を効かせるもテイクダウンのガルシアにスプリット判定負け
2025年10月10日、米国カリフォルニア州ロングビーチのサンダー・スタジオにて『Urijah Faber's A1 Combat 31』(UFC Fight Pass 配信)が開催された。
▼フライ級 5分3R〇エリアス・ガルシア(米国)10勝2敗[判定2-1]※29-28×2,28-29×川原波輝(日本)9勝6敗2分
(C)A1 Combat
川原は、A1 Combatストロー級王者。24年3月の『A1 Combat 19』でのストロー級王王座決定戦でアンソニー・ドゥに判定勝ちで戴冠。UFCにストロー級王座の創設を呼び掛けた。
24年5月の『DEEP TOKYO』では越智晴雄を相手にDEEPストロー級王座統一戦に臨み、1R ギロチンチョークで一本負けを喫したが、24年10月の英国『Cage Warriors Academy South East 36』同ストロー級王座決定戦でチャーリー・ファルコに判定勝ちでCWSEストロー級王座についている。今回は1年ぶりの試合が、フライ級戦となった。36歳。
対するガルシアは10勝1敗の現OKTAGONフライ級王者。2018年3月にアダム・アントリンに1R KO勝ちでプロデビューから6戦無敗で同7月にUFCデビュー。マーク・デ・ラ・ロサに一本負け後、カイ・カラフランスに判定負けで連敗。UFCフライ級縮小に伴いリリース。その後はCOMBATEで3連勝後、23年11月の前戦『OKTAGON 48』でアーロン・エビイにTKO勝ちでフライ級王座についた。1年11カ月ぶりの試合となる。33歳。
(C)A1 Combat
1R、サウスポー構えのガルシアにオーソの川原は左ジャブから右ミドル。同じタイミングでガルシアも左ミドルで交錯。ガルシアはそのまま左足にシングルレッグでテイクダウン。首を抱えてケージまで移動する川原にガルシアは両足を束ねてサイドに。
細かくヒザを突き、川原の左足を自身の左腿に乗せて足を着かせず。上体をケージに立てた川原は左で脇差し手首を掴みに。バック狙い。しかしサイドに出ているガルシアは横に寝かせようとする。 川原はケージに背中を着けたまま。足首を掴むガルシアの頭を押さえて足を抜きたいが、サイドから腰を押さえて右ヒジのガルシア。川原の立ち上がりの動きに右で肩を押さえて阻止。ボディロックで右に倒して背中を着かせると、ケージウォークの川原を押さえ込んでサイドからマウントで右脇に頭を突っ込み肩固め狙い。川原は右手を側頭部に当てて防御する。 外れてマウントに戻るガルシアはバックマウントから左ヒジも落とす。川原は正対して下に。亀からヒザを立てると、ガルシアはバックからリアネイキドチョーク狙いもゴング。川原はダメージは無いとばかりにコーナーに小走りで戻る。ガルシアのラウンドに。
2R、ガルシアはワンツーから左ハイで前に。かわす川原に左インロー、右前蹴り。さらに右ローを当てるも後ろ廻し蹴りはすかされる。詰める川原は左ジャブから右ストレートで前に。右ミドルハイを上腕に当てる。
回るガルシアは右ボディストレートを腹に突くと、右前蹴りから左ミドル。そこにカウンターの右を伸ばす川原。ガルシアは左右ロー。その打ち終わりに川原は強い右ローを当てる。
ジャブから右アッパーで前に出てガルシアをケージに詰める川原。ガルシアはケージを蹴って左のスーパーマンパンチも、そこに右を内側から合わせに行く川原。さらにワンツー。ガードのガルシアは右前蹴りを腹に。
川原は右から左、右と繋いで前に。バックステップで回るガルシアは右前足をジャブがわりにこつこつ突くと、右から左ストレートの飛び込み。さばく川原は胸を払う仕草から大きく踏み込んで右ミドルをガード上に。さらに右ボディから左右フックに繋ぐ。
ガルシアの右ローの打ち終わりに右ストレートを当てた川原! 後退して両ヒザを一瞬マットに着いたガルシアはすぐに立ち上がり左を返すと、ダメージを感じさせない左フックの飛び込みも。さらに左前蹴り2発。左ストレートから右で前進。さばく川原は、再びガルシアの右ローに左をかぶせる。
左ストレートの飛び込みのガルシア。左ジャブの前手を残したまま左ハイをヒット! さらに左前手を突くコンビネーションで反撃。さらにワンツーの左をヒット! 被弾した川原は2、3歩後退も構え直す。そこに左ミドルを当てるガルシア。川原も右ミドルを返す。左ボディを届かせて右を突くガルシア。
さらに左ローも、そこを狙っていた川原は右をスイング! ガルシアは下がりながらも右を狙うが、一気に詰めた川原は左跳びヒザ。さらに右ヒザでケージに詰めると、左ジャブ。
ガルシアは鼻血。川原の左ジャブの打ち終わりに右のバックフィストを届かせる。ガルシアの右ローに右ストレートで踏み込む川原、ここは読んでいたガルシアもすぐに右を打ち込む。
左右前蹴りのガルシア。右を振る川原をかわすガルシア。川原の左にガルシア高い左前蹴り。さらに歩いてワンツーは左に回って避けた川原。右ローのガルシアに右ストレートを狙う川原。ガルシアは左ミドルをヒット。川原も右ミドルを蹴り返し。右の前蹴りから左フックで飛び込むガルシアにカウンターの左を突く川原。
さばくガルシアは左前蹴り。足数を止めない。左ハイはスウェイでかわす川原だが、すぐに右前蹴りに繋ぐガルシア。川原の詰めに頭を下げて左オーバーハンド。バックステップでかわした川原は大きく踏み込んで左から右ストレート!
被弾したガルシアがケージに詰まると、右跳びヒザから左右フック。ガルシアも左右で応戦。打ち合いのなか残り10秒の拍子木。詰める川原は右ミドル。左フックのガルシアに首相撲ヒザ。さらにノーガードで近づきワンツー。左に回って左で飛び込んできたガルシアにカウンターの右! ガルシアも左右を振るが川原がかわしてゴング。両者手をタッチ。川原は笑みを浮かべてコーナーに戻り、ダンスを見せる。
両者ともに効かせる打撃の打ち合い、手数はガルシアも、ダウン相当の有効打は川原。ガルシアは鼻血にカットマンが綿棒を突っ込む。
最終3R、自陣コーナーから笑みを浮かべる両者。中央にグローブタッチ。右から左の二段蹴りを当てるガルシア。そのままダブルレッグに入るが、差し上げる川原。詰めて左ハイのガルシアは、川原の右の蹴りに合わせて左ストレート! もらった川原はバランスを崩す。
右ミドルを打って左右を強震する川原に、ガルシアは左オーバーハンドをヒット。さらにワンツーから回転して右バックフィストの前腕を首筋に。効いていないと両手を振って詰める川原。
左頬のカットが開くガルシア。詰める川原はガルシアの右をかわして左から右。ガルシアは右ロー。左インローをこつこつ当てる。川原は右ミドルの蹴り返し。スイッチしながら歩いてワンツーのガルシア。回る川原に右関節蹴り。右ローと足数が多い。
前足に左右ローを蹴るガルシアは、左ボディを突いて右をタッチするように当てる。左の蹴りを上下のガルシアを追う川原。そこに右前蹴りのガルシア。
左足へのシングルレッグで川原をケージに押し込む。左手で差し上げようとする川原にガルシアは左足を股に入れて、右足首を引いて川原に尻餅を着かせる。両足を束ねると、川原はフックガードで跳ね上げて足を引いて立ち上がりに。その際でバックに回るガルシア。左足をかけて引き込むが、川原は右に回って胸を合わせてトップに。蹴り上げるガルシアは立ち上がり際の川原の顔面に左足を届かせる。
ブレーク。立ち上がるガルシア。ワンツーの左ストレートを伸ばすガルシア。詰める川原は右ミドルハイ。ガルシアも左ハイを返すと、川原のジャブに合わせてシングルレッグへ。ここでも尻餅を着かせたガルシア。ケージまで動いて上半身を立てて座る川原は、頭にパンチ。立ち上がりの川原にバック狙いもここも反転して上を取り返す川原は鉄槌からバックに。
両足を差し込みボディトライアングル。川原はリアネイキドチョークを狙うが、ガルシアはケージウォークで頭の位置をずらす。背後からパウンドの川原。首を守るガルシアも背後に鉄槌。残り45秒。時間を見て背後からパンチし、残り10秒で腕十字に入った川原だが、ガルシアは両腕を組んで防御。ゴングが鳴らされた。両者は座って笑顔でハグ。
最終回は左ストレートを当てたガルシアがテイクダウン。終盤に川原がバックを奪い、細かいパンチを当てたが──。
判定は2-1のスプリットに割れ、29-28×2, 28-29でガルシアの勝利に。ガルシアは歓喜の雄たけびでひざまずき、川原とハグ。
(C)A1 Combat
ケージインタビューでガルシアは、「まず第一に、私は神に感謝したいと思います。ここに戻って手を挙げてもらうまでには、とても長い道のりがありました。そして、これ以上の相手は望めませんでした。彼に敬意を払います。私は彼の幸運を祈るばかりです。そして、私は彼のために拍手したいです。彼はファッ〇ンウォリアーでした。私が本当に言わなければならないのは、再び勝てて気分がいいということだけです(涙を流しながら)チケットを買ってくださった皆様、ありがとうございました。私の生徒の皆さん、クライアントの皆さん、ありがとうございました。チーム・オオヤマの友人全員。オーヤマさんに電話してくれたことに本当に感謝していることを強調したいと思います。神が彼を私の人生に置いたのには理由があることを私は知っています。彼に感謝してもしきれません。キャンプ全体を通して、彼が私に言ったのは、あなたはクソ壊れない存在でなければならないということです。私はあなたを愛しています。コーチ・オオヤマ、心を込めて」と語った。
これでガルシアは5連勝。ガルシアより綺麗な顔のままケージを降りた川原は今後、自身の階級のストロー級で王座を防衛するか。
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小田魁斗、中国JCKでまさかのブレーク後に被弾し一気に消耗。逆転負け
2025年10月11日、中国山西省ルーリャンのJCKファイトセンターにて『JCK Fight Night 107』が開催され、GRACHANフライ級王者の小田魁斗(CARPE DIEM福岡)が出場。中国のアイディン・トフタルベクと対戦した
▼フライ級 5分3R〇アイディン・トフタルベク(中国)8勝7敗[判定3-0] ※29-28×3小田魁斗(日本)7勝2敗
(C)Kei Maeda
小田は、GRACHAN連勝から24年4月と6月のONE Friday Fightsで豪州のクーパー・ロイヤル、ベトナムのトラン・ゴック・ルオンを相手にいずれも判定勝ち。24年12月『GRACHAN Presents: HELIOS』でフライ級1位の道端正司に3R TKO勝ちで暫定王座につくと、25年6月に御代川敏志との「GRACHANフライ級王座統一戦」で1R TKO勝利。統一王者となった。27歳。
かねてから『ROAD TO UFC』出場からUFCとの契約を目指しており、UFCが注目する中国で、中国人ファイターに勝利することで『ROAD TO UFC』選出にアピールするつもりだ。今回の試合に向け、THE BLACKBELT JAPAN沖縄、韓国KTTでの出稽古も重ねてきた。
対するアイディンはMMA7勝7敗。2020年のMMAプロデビューからWLFで3連勝。21年のONE Hero Seriesで2連敗後、JCKを主戦場としているが、ここ5試合は1勝4敗の3連敗中で、小田としては負けられない中国遠征となる。
(C)Kei Maeda
1R、ともにオーソドックス構え。右カーフを当てた小田が、2発目は空振り。3発目をアイディンに効かせてこかすと立ち上がり際のアイディンに左フック。右で差して引き出そうとする小田に、左小手のアイディンは左足を外にニーシールドでケージ背に立つ。
左の細かいパウンドの小田は、ニーシールドを外してまたいでバッククリンチからボディロックテイクダウン。アイディンの左足を腿上に残したまま、片ヒザ立ちのアイディンに細かいパンチを顔面に。右足首を引き寄せて尻餅を着かせると、正面に戻り、右手首を引き寄せて背中を着かせる。
右で脇差し、左足でまたいでハーフの小田は、バックも狙いつつ右手でアイディンの対角の左手を掴んで左のパウンド。座ったアイディンにワンフックで首を狙いつつ、両手で右手首をコントロール。アイディンの立ち際に左ヒザを腹に突く。
立ち上がったアイディンは左腕を差してケージに小田を押し込むとボディロック。右小手の小田は内股で投げるが、手を着いてすぐに正対シングルレッグに入るアイディン。差し上げる小田をケージに押し込みダブルレッグに移行。 頭を下げたアイディンにケージ背にこつこつパンチの小田はダブルアンダーで差して体を入れ替え、ヒザをボディに突くとヒジも突いて後方にボディロックテイクダウン!
ハーフで背中を着かせる小田に、抱き着くアイディンは足を戻してフルガードに。インサイドガードから中腰になりパウンドの小田。アイディンはシングルレッグでレッスルアップしてゴング。
2R、ワンツーで前に出るアイディンに、小田は右カーフを当てる。アイディンの左フックをかわして右カーフの小田だが、その蹴り足を掴んだアイディンは組みに。正対する小田をボディロックから頭をつけて上体を立たせて小外気味にテイクダウンはアイディン。
手を着いた小田のバックにつくとワンフック。小田は腰をずらして胸を合わせてトップに。左足をまたぎハーフから腰を抱き、パス。亀になるアイディンのバックに向き直るアイディンに再び左枕で寝かせて背中を着かせるが、ここでまさかのブレーク。
スタンド再開。左ヒジの小田は、右カーフもそこにアイディンは右を合わせると、さらに左フック! 被弾した小田は右を振って左テンカオを突く。右で飛び込むアイディンをかわして腰に組んで小内刈狙いの小田。片足立ちで耐えるアイディンをケージに押し込み、右で差して左の細かいパンチ。頭をアゴ下につけて押し込むが、左小手のアイディン。ダブルレッグに移行する小田だが、両足を広げて凌ぐアイディンはテイクダウンを許さず。
突き放して離れ際に右フック! さらに小田の左ヒザに右を合わせて打ち合いのなかでダブルレッグで押し込み離れる。小田のローに右を合わせるアイディン。小田は左ボディを当てるが、身体の軸がブレるように。さらに右ローにアイディンはまたも左右をまとめる。
互いに肩で息をするなか、左ヒジの小田。右カーフもアイディンは右フックを突く。左ボディで入るアイディン。小田は詰めるがベタ足に。左フックを潜ったアイディンがシングルレッグで頭を出してテイクダウン! 座る小田は右で差して座るとゴング。
早めのブレークから左右フックを被弾した小田は、一気に消耗。アイディンのラウンドに。
「相手の距離であんな打ち合う必要はない。自分の得意なところでやったらいい。ガードだけ上げろ」とセコンドの田村ヒビキから声をかけられた小田。
3R、やはり小田の右ローに右ストレートを合わせに行くアイディン。小田は左を突いてダブルレッグもスプロールしたアイディンが、両脇を差してケージまで押し込み、脇を潜ってバッククリンチ。ヘンゾロックから正対。ダブルレッグで尻下でクラッチして持ち上げてテイクダウン。
大歓声のなか、小田はケージまで戻り座るが、腰を抱き引き出すアイディンは両足を束ね、小田の立ち際にふたたびボディロックテイクダウン。バックから右足をかけるアイディンは正面に戻ると、小田は足を引いて立ち上がり。
スタンド。小田の左テンカオに右を当てたアイディン。さらに右。頭を下げて左から右で前に出る小田は左テンカオも。さばくアイディンは、小田の右にカウンターのダブルレッグに。ヒザ着きだったが立ち上がりケージまでドライブ。
右小手の小田に下組みに変えてダブルレッグのアイディン。小田は差し上げ、首相撲から体を入れ替えてエルボー、しかし身体が流れる。
アイディンは右ボディからダブルレッグ、シングルレッグで引き出してテイクダウン! 亀から立とうとする小田を引き込んで寝かせて背中を着かせると、インサイドガードからパウンド。小田が下からパンチし、腕十字を狙うも、さばくアイディンは中腰でパウンド、かつぎパス狙いに後転の小田の潜りも潰してパウンドでゴング。
判定は3-0(29-28×3)でアイディンが勝利。中国で勝負をかけた小田だったが、予想外のブレークの早さから打撃を被弾し、スタミナを消耗。2、3Rを取られて敗れた。
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Eternal MMA王者・谷口武がドリリッチの押し込みを打開できず判定負けで王座陥落
2025年10月11日、豪州西オーストラリア州パースのパースHPCにて、『Eternal MMA 99』(UFC Fight Pass 配信)が開催され、メインイベントのEternal MMAフライ級選手権試合で、王者・谷口武(修斗GYM神戸/CMBT)が、アンソニー・ドリリッチ(豪州)を相手に初防衛戦に臨んだ。
▼Eternal MMAフライ級選手権試合 5分5R〇アンソニー・ドリリッチ(豪州)10勝2敗[判定3-0]※50-45,49-46,48-47谷口 武(日本)5勝2敗
(C)Eternal MMA
谷口は、GLADIATORで今村豊に一本勝ちするなど3勝1敗、修斗で松ともあきに2R TKO勝ち後、豪州に渡り、ゴールドコーストのCMBT Training Centreで練習。24年11月の『Eternal MMA 91』で地元の王者フランク・ヤンコフスキーに挑戦するチャンスを得て、左右フックを効かせてグラウンド状態でのヒザ蹴りの減点がありながらも、判定2-0でベルトを巻いている。27歳。
対するドリリッチは元同級王者。23年8月にヤンコフスキーを4R リアネイキドチョークを極めてベルトを巻くと、2024年3月には元PANCRASEフライ級王者の猿飛流を2R TKO、6月にはマックス・リアリを1R TKOに下し、2度の王座防衛に成功している。その後、『Contender Series 2024』で同じ豪州のHEX Fight王者のショーン・ガウチに判定負けでUFCとの契約ならず。25年2月の前戦でスコットランドのブライアン・ハイスロップを相手に2R リアネイキドチョークで一本勝ち。再起を遂げている。31歳。
1R、サウスポー構えのドリリッチは遠間から右ジャブを見せると、オーソの谷口は右ミドルを放つ。左ローを当てた谷口。互いに慎重な出だし。スイッチして飛び込みを見せる谷口に、ドリリッチは右回りで右ジャブ、谷口は右で飛び込み、右ミドルも。
ドリリッチは飛び込んでの左ストレートを当てるとダーティボクシングで左ヒジを連打。さらに首相撲ヒザ。ケージに押し込み、左足にシングルレッグを仕掛ける。ケージ背に左小手巻き差し上げる谷口は右のヒジを突くとドリリッチは離れる。
ワンツーで前に出るドリリッチをダーティボクシングで右を連打し返す谷口。密着したドリリッチは、右で差して頭をアゴにつけてケージに押し込みホーン。ドリリッチのラウンドに。
2R、左フックを突く谷口は、右ミドルを当てると、ドリリッチは右から左フックで近づきまたも首を掴んでダーティボクシングかと思いきや、組んで脇潜りバッククリンチに。背後からヒザを突くドリリッチに、頭をケージにつけて引き出されないように残す谷口はクラッチをはがそうとする。
ドリリッチはハイクロッチに移行して持ち上げてテイクダウン。すぐにパウンド。片ヒザ立ちから立とうとする谷口を後方に崩すが谷口は立ち上がり、正対して突き放す。
ドリリッチの左のダブルのステップインをかわした谷口は右フックは空振り。右前蹴りを突く。両手のガードを上げて頭の前に置いて構える谷口。右ボディで飛び込んで左から右フック!
バランスを崩したドリリッチが後退。しかしすぐに構え直すと、谷口は首相撲も下にダブルレッグで入るドリリッチ。ケージに押し込む。その頭にヒジを突いた谷口に、顔を上げて押し込むドリリッチ。谷口はボディにヒザ。押し込むドリリッチも細かい右ヒザ。ケージ背にする谷口も細かいヒザを返す。ドリリッチが離れた瞬間ホーン。拮抗もドリリッチのラウンドか。
3R、ドリリッチは右ジャブ。谷口は右ミドルをガード上からヒット。さらに右インローを当てて、ドリリッチは遠間から右ジャブでけん制。右足を外にワンツー飛び込んで左アッパーを突いて離れる。
右ジャブ、右フックと軌道を変えるドリリッチは、右で入って首を押さえてダーティボクシングかと思いきや、ダブルレッグで押し込み。左で差し上げる谷口に右で差して細かい右ヒザ。左小手でケージを背負う谷口は右ヒザ、右ボディ。ドリリッチはアゴ下に頭をつけて押し込み続けて細かい左右のヒザ。それをなかなか打開できない谷口は、押し込まれながら、右をこつこつ突き上げる。
右足をかけて崩しのドリリッチに戻す谷口。ドリリッチは押し込みながら左の細かいパンチ。ダブルレッグに移行すると谷口は腰を落として両足を開いて右で小手に。左で差して右で顔面を突くドリリッチはついにクラッチを組むと、持ち上げ崩しも、足を着いて残す谷口にボディロックで対面のケージまでドライブ。そのまま押し込み続けてホーン。ドリリッチも消耗しているがラウンドは取ったか。
4R、右ジャブ、左ストレートで中央を取るドリリッチに、谷口はサウスポー構えからオーソに戻して左ジャブをヒット。左インローで押し戻すドリリッチに、左手前に圧力をかけ直す谷口。そこに右外に出ながら左ストレートを突くドリリッチ。
谷口も右ストレートから右アッパー、左フックのコンビネーションも、バックステップから巧みにサークリングでかわすドリリッチをとらえきれず。ドリリッチは首を押さえて止める。ワンツーの右で入る谷口。右に回り外足を取るドリリッチは左インロー。谷口は思い切ってステップインも、ドリリッチのダーティボクシングにつかまり右で首を押さえての左アッパーに後退。そのままケージまで押し込み、ダブルレッグに移行。コーナーからの「ウィザー」の声に左で小手に巻く谷口は差し上げ。
ブーイングも出始めた地元のドリリッチだが、押し込みは変えず。ハイクロッチ狙いから胴を押さえてヒザ。谷口も右ヒザ、右ヒジを落とすが、頭の位置を変えるドリリッチは押し込みヒザ。残り40秒で突き放した谷口。ドリリッチの左右の打ち終わりに右アッパーの連打で前進も、頭を振ってかわすドリリッチが再び圧力をかけ直してホーン。このラウンドもドリリッチ。
最終5R、ドリリッチは右ジャブ連打から。谷口は右で入って間合いを詰めて左右のフックも、互いにダーティボクシングでアッパーの打ち合い! しかしその刹那、ドリリッチがダブルレッグからケージまで押し込み。観客のブーイングを受けながらも右で差してヒザ、左パンチを顔面に。右インサイドニーのドリリッチ。押し込むが頭を下げると、そこに谷口がヒジを打ち込む。頭をアゴ下に変えるドリリッチは左のクリンチボクシングを顔面に。
組み手をダブルレッグに移行して下に入るドリリッチは、シングルレッグからハイキロッチに変えて、再びダブルレッグへ。左小手の谷口はケージ背にする。体を入れ替えたい谷口だが、細かい打撃のドリリッチは下から頭を突き上げ、右足でこつこつヒザ。谷口は身体を伸ばされて反撃の糸口がつかめない。
残り2分、ドリリッチのヒジのスペースでサークリングが出来た谷口は突き放し。ジャブのドリリッチに右ミドルを突く谷口だが距離が遠い。左右のショートで前に出ると、ドリリッチも左ストレートをヒット! そのまま連打でダブルレッグでみたび谷口をケージに押し込み。ブーイングを受けるドリリッチだが、構わず、アゴ下から谷口の頭を上げさせて右で差して左のダーティボクシング。
受け続ける谷口も右ヒザを連打し、右ボディも、ドリリッチは首相撲に変化。それを突き放して谷口は右フックも、そこに連打で打ち返すドリリッチが前に出てホーン。
互いにハグしてから、先に両手を挙げた谷口はケージに駆け上がって勝利をアピール。ドリリッチも両手を挙げる。ドリリッチはケージへの押し込みから細かい打撃、凌いだ谷口だが、決定打は無かった。
判定は3-0(48-47, 49-46, 50-45)の3-0でドリリッチが勝利。ベルトを腰に取り戻した。
ドリリッチは「気分は最高です。ご存知のとおり、私が望んでいた戦いではありませんでしたが、もちろんここに来て素晴らしいショーを披露し、それ(ベルト)を手に入れたいと思っていました。これは戦いです。彼は対サウスポーの準備を整えて来たけど、今夜は私のジムが勝ったと思います。
(次の対戦相手は“ビッグ・セクシー”ジョセフ・ラチャニシになるだろう)そうです。トレーニングに戻って、それに備えたいです。ご存知のとおり、私たちは戦うために来ました。私たちは戦いに来て、お互いをケージから追い出します。それが現実です。
まず、今夜来てくださったファンの皆さんに感謝申し上げます。私のコーナー、家族、私のコーチ、ベン・ブレナンとジョシュ、他のコーチたちが常に背後にいて、トレーニングで常に私を後押ししてくれました。ありがとうございました」と語った。