大岩(左)の初防衛戦の挑戦者は篠原に決定した
2025年11月29日(土)東京・後楽園ホール『Krush.182』の対戦カード発表記者会見が、10月9日(木)都内にて行われた。
Krushライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が篠原悠人(DURGA)の挑戦を受けて初防衛戦を行う。

大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠らに勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。
2023年は6月に横山朋哉に判定負けしたが、12月にライト級に階級を上げると篠原悠人を初回でKO。2024年2月には弘輝に判定勝ちし、7月のタイトルマッチで伊藤健人に判定勝ちして王座を奪取した。しかし、11月の王者第一戦でトーマス・アギーレに延長戦の末に判定負け。2025年7月の再起戦では西本竜也を左フックでKOした。戦績は27勝(10KO)11敗。

篠原は幼少期から空手・キックボクシングを学び、2015年にK-1甲子園優勝。2016年4月にプロとしてK-1デビューを果たすと、2018年8月に第6代Krushスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはライト級世界最強決定トーナメントの1回戦でゴンナパーに勝利して名を挙げて準優勝。2023年12月に大岩龍矢、2024年10月に古宮晴に連続KO負けを喫したが、2025年5月に三宅祐弥をKOして再起。9月には瑠久を1RでKOした。戦績は20勝(8KO)9敗。
大岩の挑戦者は9・28『Krush.180』で行われた児玉兼慎vs.大谷翔司、篠原悠人vs.瑠久の勝者2人の内どちらかから選ばれることになっていたが、児玉が左目網膜剥離の手術を受けることを試合後に告白。1RでKO勝ちした篠原が挑戦者に決まった。
会見に出席した篠原は「9月の試合が終わってからどうなるかと思っていたんですが、1RのKOで勝ったので僕かなと思っていました。チャンスが来たのでベルトを奪う覚悟を持って倒しに行きたい」と意気込み。

すると大岩は「正直、対戦相手は4人のうち誰でもよかったので何も言うことないですけれど、ひとつ言えるのは篠原選手にはもっと感情を出して来てほしいと思いますね。篠原選手が強いのは分かっていますが、発表会みたいにただ試合して終わりみたいになっているので、それでは盛り上がらないので、もっと感情をむき出しにして欲しいなと思います」と、クールな篠原に要求した。
これに篠原は「大岩選手が言う通り、感情を出したりはあまりないので盛り上がりに欠けるのは自分でも感じているんですけれど、2年前に負けた悔しさもあるので、思い切り倒しに行きたい気持ちはあります。試合で見てもらいたい。試合までも自分なりに頑張ります(笑)」と、試合では倒しに行く戦いを見せるとする。
両者は2023年12月のK-1で対戦し、大岩が1RでKO勝ちしている。その時の印象を聞かれると、篠原は「(大岩が)階級を上げてきて一発目の試合だったので、どういう感じで来るかなと思っていたんですが、1Rで僕が倒されてしまって。フィジカルは強かった。パンチが重かったイメージです」と言い、大岩は「前回は1Rで終わってしまったんですけれど、篠原選手と次に対戦する時は全部出し切れていないと思うので、別人で来ると思っていて。前回は印象はなく終わってしまったんですが、そんな選手じゃないと分かっているので警戒しています」と答える。
1度勝っているからと言って油断は全くしていないという大岩は「前回の試合は全く参考にならないと思っています。上手いし、強いのは分かっているので。長期戦になるとまた違うので、再戦とは思わずまた新しい相手だと思っています」と、別の相手と戦う感覚だとした。

するとここで、児玉が会見に乱入。「おいおい、なんでこの2人でタイトルマッチやるんだよ、おかしいだろ。俺じゃなかったの? 次の挑戦者は絶対に俺でしょう」と、この試合の勝者とタイトルマッチをやらせろと要求。大岩、篠原とも言い合いとなったが、この後に会見を用意していると聞くと会見場を出ていった。
気を取り直して、大岩が「最高の大会にしたいけれど、篠原選手からはベルトが欲しいとの想いが伝わってこない、もっと言わないとお客さんには伝わらない。ただ殴り合うのはいつもやっているし、お客さんに届けたいものはたくさんある。そういう試合を自分はしたいので、そういった意味では本当は児玉選手とやりたかった」と、さらに篠原にダメ出し。
篠原は「自分も思っていることはあるけれど、27でK-1のベルトもKrushのベルトも目指しているし、自分ではラストチャンスだと思っているので。ここで負けるようではK-1のベルトは獲れない。2階級制覇になるので、このベルトむちゃくちゃ欲しいので倒して奪い獲りに行きたい気持ちはむちゃくちゃあります」との想いを話した。

前回の瑠久戦前にはタイに渡り、1カ月現地で練習を積んできた篠原。「格闘技だけに集中できる環境、格闘技とどう向き合うかを考えるために行ったので、格闘技が楽しいなと思えたし、キャリア後半になったと思うので、自分の最後を出し切って辞めたいというのがあるので。前回の試合もタイトルマッチにつながる試合でリスクを負って倒しに行った方がいいと思って行って、Krushが体現できたと思うので良かったと思います。そこでKO出来てタイトルマッチにつながったので、自分も運を持っていたし、流れが来ていると思うので、ここで獲るしかない」との想いを語る。
前回の試合では蹴りを使いたいとしながらもパンチで倒したが、「蹴りも練習しているし、出したかったのもいろいろあります、自分の強みとして思い切り行くのが自分の強味だったので、トップどころとやって負けて試行錯誤していた部分があったんですけれど、前回と前々回含めてやっぱり行ったもん勝ちだと思ったので。そこも含めて、大岩選手はディフェンスも上手いし、フィジカルもあって打たれ強いと思うので、いきなり行って簡単に倒せる相手ではないと分かっています。頭も使ってしっかり勝ちに行きたいと思っています」と、思い切り行った結果そうなったという。
篠原の想いを聞いた大岩だが「まだ足りないですね」とバッサリ。それでも「まだ時間もあるし、この間の試合も見て、試合を見るまではそこまで気持ちが乗らなかったですが、いい勝ち方を目の前で見てそれなりにやる気入ったので。ここからあと約2カ月、集中して。自分も絶対に負けられないので、覚悟が違うと思っているので必ず勝利して自分も次につなげたい」と、スイッチは入っているとした。

大岩の篠原評は「頭がいいし、パンチの技術も上手いですし、当て勘もあるし、賢い選手だと思います」というもの。
その賢さの部分では負けないか、と聞かれると大岩は「賢さでは誰にも勝てない」と言い切る。宮田充Krushプロデューサーが「クレバーなチャンピオンなので」とフォローを入れると、大岩は「僕がですか!?」とビックリしていたが「本当は賢いです。地味に頭はいいですからね、僕は」と笑った。
宮田Pは「篠原選手は昔、K-1でゴンナパーを1Rでぶっ倒した。大岩選手はスロースターターなので見どころは1R開始1分だと思う。キャリアを積んだ同士の駆け引き、どこで勝負に出るかが非常に楽しみ。1Rに篠原選手がどう動くか、逆に大岩選手が先手を獲るかもしれないし、楽しみです」と見どころを語った。

これに篠原は「1Rが確かに見どころやなと思っていて。前回は僕が1Rで一気に行ったので。その振りもあるので自分がどう行くのか、いきなり行くかもしれないし、頭を使って2R、3Rで倒しに行くかもしれない。1Rを注目してもらって。僕も倒しに行くので大岩選手も倒しに来ると思うのでアツい試合を見せられたらと思う」と、1Rに注目してもらいたいとする。
大岩は「僕は来てくれた方が嬉しいので、1Rで来てくれたらそっちの方がラッキー。2Rで来てくれてもラッキー。来てくれれば燃えるし嬉しいので、どのタイミングでも僕は準備して待っている。お互い想いを持って当日まで向かうので、想いと想いのぶつかり合いが最高の試合になる。僕のベルトの気持ちや覚悟、篠原選手もそれがあると思うので想いと想いのぶつかり合いを当日楽しみにしてくれたら」と、どのタイミングで篠原が来ても迎え撃つと答えた。
また、同大会で行われるKrushスーパー・バンタム級タイトルマッチで対戦する、王者・璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)と挑戦者・村田健悟(ALONZA ABLAZE)が、自分たちの試合がメインイベントにふさわしいと記者会見でアピールしていたことに、宮田Pは「もうちょっと考えようかなと。どっちか決めかねています」と答えると、大岩は「僕はメインしかやらないですよ」と圧をかけていた。





