璃明武(左)のV4戦、挑戦者は8戦無敗の村田に
2025年11月29日(土)東京・後楽園ホール『Krush.182』の対戦カード発表記者会見が、9月25日(木)都内にて行われた。
Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)が村田健悟(ALONZA ABLAZE)を挑戦者に迎えての4度目の防衛戦が決定。

璃明武は2021年8月に「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。2022年2月に「第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」準決勝で金子晃大に敗北。2024年7月に開幕した「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」では準決勝に進出も、金子に判定2-0で惜敗。12月は大久保琉唯に判定で敗れた。2025年3月、池田幸司を延長戦で破り、3度目の防衛に成功している。戦績は15勝(6KO)5敗。

村田は3歳で空手を始め、全国・国際大会で優勝。K-1アマチュアでも結果を残して2023年6月にデビューすると、2025年7月の内田晶戦まで8戦全勝(4KO)の快進撃。いま最も注目されるホープの一人だ。
無敗のまま9戦目で王座挑戦が決まった村田は「8戦8勝でここまで来て、9戦目でタイトルマッチ。今までやった中で一番強い選手なので自分を一番強い状態にして挑もうと思います」と挨拶。

璃明武は「4度目の防衛戦ということで前回の試合から期間が8カ月空いたんですが、自分はK-1のタイトルを目標にしているんですけれど、その中でKrush王者なのでK-1のタイトルマッチ以外は全部Krushのタイトルマッチでもいいくらいに思っています。自分もKrushの防衛戦は毎試合気合い入っているので、今回も凄い楽しみ。しっかり王者として強い璃明武を見せてしっかり仕事したいと思います」と意気込みを語った。
互いの印象を聞かれると、村田は「上手い選手やなと思いますね。間合い、距離感、普通に強くて上手い選手だと思っています」、璃明武は「若くて無敗ということで勢いがあるのかなと思っていて。ちょっと前まではデビューしたのも遅かったので対戦相手としては正直見ていなかったんですけれど、最近K-1側の人から候補として挙がっていたので7月の試合はリングサイドで見させてもらって攻撃的で倒しに行くいい選手だなって印象です」とそれぞれの評価。

どういう勝利を目指したいかとの質問に、村田は「もちろん自分はKOしたいので狙いに行くんですけれど、その中でも絶対にベルトが欲しいので死ぬ気でベルトを獲りに行きたいと思います」との決意。璃明武は「いい選手というのは認めているが、村田選手が8戦やってきた選手は自分の中ではプロって言えるレベルの選手ではないので、本当のトッププロ、K-1グループの55kgのトップの強さを見せて残酷な現実を見せたいと思います」と宣告。
これに村田は「僕は言われるほど弱くないので楽しみですね。もちろん璃明武選手が強いのは知っているので、自分自身ワクワクしています」と反論するが、璃明武は「村田くんは強いと思っています。やった相手がプロじゃないと思っているだけで」と補足する。

村田が「相手が悪かったのではなく、僕が強かったからそうなったというのを璃明武選手にも味わってもらいたいと思います」と言うと、璃明武も「楽しみにしています」と答えた。
この試合へ向けて特別な練習は考えているかとの質問に、村田は「特別なトレーニングは考えてないんですけれど、このベルトが欲しいので全力で絶対に奪ったろと思っています」、璃明武は「特別なトレーニングよりも毎日やるべきことを積み重ねるのが大事。それは大前提として、ちょうど強化合宿に行って今日帰って来ました。強度なトレーニングを入れて、勝つための準備をあと約2カ月、毎日していきたいと思います」とする。
強化合宿とは「試合前に定期的に、個人で見てもらっているトレーナーのニックさん(永末貴之)が合同合宿をやって、RISE、RIZIN、ボクシングとかいろいろな競技の人が集まって実戦練習とか走り込みとか、朝昼晩と3部練でがっつり練習してきました」とのこと。

その後のプランも聞かれると、村田は「僕はその先のことは考えてないですね。このKrushのベルトを獲らないと偉そうなことは言えないので。目の前の試合からしっかり気合い入れてやっていこうと思っています」と、タイトルマッチに全集中。
対する璃明武も「自分はもちろんK-1のタイトルを狙っているので、ここ勝てば次につながるのでそのためにもまずは11月に集中しないといけない。先のことはもちろん考えているんですけれど、余裕こいてると足元すくわれるので目の前の一戦に集中したいと思います」とした。
村田はタイトルマッチのオファーが来た時に「よっしゃあ、獲ったろう!」と思ったと言い、「やっと来たかと思って。ずっと欲しかったので。僕デビューして2年ちょっと経つんですけれど、デビューした当初からこのベルトが欲しくて。これ獲ってからやっとK-1のベルトを獲るスタートラインだと思っているので」と、待ち望んでいたものがついに来たと思ったという。

では遅かったくらいか、と聞かれると「璃明武選手はキャリアがあるので、自分より経験値があるので、自分もこれくらいやっといて良かったかなというのがあります」と、このタイミングで良かったとする。
自分が璃明武より優っていると思うところは、と問われると「おもろいところ、ベルトの欲しさ。根性とかも絶対に負けないですし、このベルトのためなら死ねるくらい欲しいので、そこら辺は絶対に自分の方が勝ってると思いますね。ほんで試合やっても負けると思ってないです。負けると思ってたらこの試合受けてないので。自信があるから受けているので、どの場面に行っても自分が絶対に勝てると思っています」と、絶対的な自信を口にした。
璃明武はこの村田の言葉を聞いて「自分は4回目の防衛戦なんですけれど、毎回会見でベルトを獲る挑戦者は気合いが入っているのは感じるので、それはいつも通り。このベルトが欲しい気持ちって言っていましたが、自分も4年間ベルトを防衛して保持してきている中で、他のKrushのベルトよりも自分はこの55kgのベルトの価値が高いと思っています。自分がそれを高めてきたプライドもあるので、そこをしっかり試合で見せたいと思います」と、王者としてのプライドを感じさせるコメント。

9月7日の『K-1 WORLD MAX』では、金子晃大が池田幸司を破りK-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王座4度目の防衛に成功した。その一戦を「リングサイドで見ていた」という璃明武は「予想通りでした。金子選手がダウンを取って勝つかなと思っていたので。2人とも自分は試合をしているので。池田選手も(金子に)1回勝っているので何があるかは分からないですけれど、順当にいったという感じです。誰とやるかは分かりませんが、次の金子選手の試合も楽しみですね」との感想。
その金子に挑戦するためには、今回の防衛戦で圧倒的な勝利を見せる必要があるのでは、と聞かれると「それはもちろん大前提だと思うので圧倒しますよ。金子選手も大久保選手がいるので、今戦ったらどうなるのかなと正直自分は思っています。今の自分の中では村田選手が目の前の対戦相手なので一番大事ですが、金子選手と大久保選手が次の相手なのかなと思っていますね」とした。
村田には、K-1スーパー・バンタム級の四天王(金子、大久保、璃明武、池田)をどう思っているのかとの質問が飛び「四天王って言われるのはカッコいいので、自分も早く四天王って言われたいので璃明武選手に勝って言われようかなと思っています」と、自分も仲間入りを果たしたいと笑う。

また、村田が勝っていると思う部分であげた「おもろいところ」について聞かれた璃明武が「まだおもろさは出てないけれど(笑)、自分は真面目なので。面白そうだから遊んでみたいのはありますが、それはさすがに無理なのかなと思います」と言うと、村田は「僕が勝ったら遊びに行きましょう」との誘い。璃明武も「僕が勝ったらメシをおごります」と返答した。
最後に村田は「このKrushのベルト、璃明武選手が高めてきたベルトを僕が全部持って行ったろと思うので、ぜひ会場で僕が王者になるところを見てください」と改めて王座奪取宣言。
璃明武も「4度目の防衛戦で、毎試合防衛戦はプレッシャーがある中でそれをクリアーすることで成長する実感があります。今回も強い相手ですが気合い入れて圧倒してクリアーして、来年世界のベルトにつなげる一戦にしたいと思います」と、ベルトは渡さないと語った。
さらに璃明武は「タイトルマッチがもう1試合ありますけれど、村田くんは無敗だし、自分も4度目の防衛戦なので自分たちの試合をメインでお願いします」と宮田充Krushプロデューサーに直訴。村田も「僕と璃明武選手がライト級よりも盛り上げるのでどうですか」と、2人で挟んで宮田Pへ要求。
困った宮田Pは「ライト級の挑戦者まだ決まってないので即答は避けたいです。大岩選手の反応が楽しみですね。最終的に困ったらファン投票で逃げたいと思います」と苦笑した。





