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レポート

【GLADIATOR】ダウン奪われた中川晧貴がイ・フィジェをギロチンチョークに極める、ライト級ヅッキーニョスが荒井銀二との接戦制す、OFGキックで荒尾祐太がハンセン玲雄に完封勝ち、フライ級・岩崎圭吾がパク・ファランにスプリット判定勝ち、フェザー級・國頭武が石田拓穂に2R TKO勝ち

2025/09/21 12:09
 2025年9月21日(日)大阪府豊中市176BOXにて『GLADIATOR 032』(THE1TV配信)が開催された。  6月8日の『GLADIATOR 031』以来、3カ月ぶりの大会。フェザー級でタイトル挑戦を目指す中川晧貴(総合格闘技道場Reliable)が、アヴリヨホン・ハミドフの代役(※ビザが下りず欠場)のイ・フィジェ(韓国)と68㎏契約で対戦。なお、20日の前日計量では、後藤丈季と対戦するクォン・ジフが900gオーバー。試合は78.4㎏契約のキャッチウエイトで行われた。次回大会は2025年11月30日に豊中市176BOXにて開催予定。 ▼GLADIATORフェザー級 5分3R〇中川晧貴(総合格闘技道場Reliable)11勝6敗 67.9㎏[1R 4分21秒 ギロチンチョーク]×イ・フィジェ(RING MMA/韓国)3勝3敗 67.4㎏※アヴリヨホン・ハミドフはビザが下りず欠場※ケージに押し込んでのスタンドのアームインギロチンチョーク  王座決定戦、王座決定トーナメントとGLADIATORフェザー級戦線を戦い続けてきた中川は、2024年7月にチハヤフル・ヅッキーニョスとのどちらが勝っていてもおかしくない接戦で惜敗して以来、実に1年2カ月振りの実戦復帰となる。  当初の対戦相手のハミドフは、韓国在住のウズベキスタン人ファイターで戦績は12勝7敗。Eagle FC、ACAやRING Championshipでキャリアを積んできた。23年のONE Friday Fightsでは、チャヤン・オールジャクに1R TKO負け。今回は初来日ながら、韓国でコーカサス&中央アジア軍団を率いるアジスベク・ノロフの推薦を受けて来日が決定していたが、ビザが下りず欠場。  代わって韓国のMMA3勝2敗のイ・フィジェが68㎏契約で出場し、中川と対戦することとなった。  国際戦にむけ、中川皓貴は「今回、1年ぐらい試合期間が空いてしまって久しぶりの試合になりますが、また強くなってる自分を見せれるかと思ってます! 相手選手がウズベキスタンのシャフカト・ズマノフ選手(※後日欠場に)と聞いた時は“めっちゃ強そう”って思ったんですが、ここをしっかり勝って早くタイトルマッチさせて貰える様に“中川変わったな”と思って貰える試合をしたいと思います! ウズベキスタンからわざわざ来てくれると思うんですが、しっかり自分の踏み台になって貰います! 11月にRIZINが神戸であるみたいなので勝ち方にこだわりアピールしたいです! GLADIATORとリライアブルと神戸の看板を背負って大舞台で戦いたいです! 出場出来るような選手やな! って思われるようにこの試合で見せたいです!応援宜しくお願いします!」と意気込みを語っていたが、急遽の対戦相手変更に「やるかとは変わらない、自分を出し切る」と記している。  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取る中川にイ・フィジェはワンツーで前進し、左フックを当てていきなりダウンを奪う。すぐに立つ中川の立ち際にヒザを突くイ・フィジェは両差しで押し込み、ヒザ。  中川は右小手から払い腰を狙うが残すイ・フィジェ。左で差して中川を崩すと中川も戻して右ニーシールド。イ・フィジェは今度は左に回して崩すもすぐにケージ際に戻す中川。  力を使うイ・フィジェは引き出しボディロックテイクダウンで尻を着かせるが、ケージ背まで戻して座る中川は右で首を抱えると、イ・フィジェは両足をまとめてから対角の金網際に出ようとする。  中川は右のネルソンに切り替え壁際側にスイープ狙い。2度目に返してトップに。そのままニアマウント。ケージ背に上体を立てて座るイ・フィジェにパウンド。左で差して立ち上がるイ・フィジェは体を入れ替え、右でクリンチボクシング。  押し込まれる中川は胸を合わせてから右ヒザを間に入れて半身で片足立ち。ニーシールドの足をシングルレッグに取りに行ったイ・フィジェの首を獲り、アームインギロチンチョーク。そのままケージに押し付け、スタンドのギロチンチョークでタップを奪った。  試合後、中川は「今日は応援来てくださった皆、ありがとうございました。こうして勝てる時もあるし……ホンマ、今回『来て』って言った先輩はちょっと来れなくなったんですけど、まあええとこ見せたかなとはめちゃくちゃ思います。こんな勝ち方したんで。櫻井代表、そろそろまたタイトルマッチよろしくお願いします」と王座挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼GLADIATORライト級 5分3R〇チハヤフル・ヅッキーニョス(MIBURO)70.5㎏[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×荒井銀二(BRAVEGYM)70.7㎏  また中川のライバルだったチハヤフル・ヅッキーニョスは、4月にライト級で八木敬志を相手に勝利後、6月にはモンゴルのMGL-1FCでも腕十字で一本勝ちを収め、GLADIATOR凱旋を果たす。  対するBRAVEジム所属の新鋭・荒井銀二は戦績はまだ3戦2勝1敗ながら、24年11月に中村雄一戦に1R TKO勝ち。4月の『GLADIATOR 030』でも田口翔太を相手に1R TKO勝利を収め、2度の初回フィニュシュ勝利中。  ヅッキーニョスにとっては、一発のある荒井との対戦で打撃に成長の跡を見せ、得意の寝技で仕留めることができれば、ライト級チャンピオン小森真誉への挑戦が見えてくるはず。荒井は宣言通り、「普段通りに実力で勝つ」か。  試合に向け、チハヤフル・ヅッキーニョスは、「荒井選手は試合数こそ少ないですが実力があり、連続KO勝利で自信をつけている選手だと思っています。私はというと6月にモンゴルでの試合も経験し、10歳上ですが日々成長を感じています。まだ超えさせる訳にはいきませんので、今回しっかりと倒し、格上との試合をアピールできる試合にしたいと思います。なにより、チャレンジ精神溢れる若武者と戦えることを楽しみにしています」と自信のコメント。  対する荒井銀二は、「まず、実績に差がある僕との試合を受けて下さったチハヤフル選手に感謝いたします。ですが、格差マッチともアップセットを起こしてやろうとも思っておりません。掴んだチャンス、普段通りに実力でしっかり勝ち切ります!」と、こちらも普通に勝つと語っている。  21歳、オーソの荒井は右ミドル、右ストレートで前に。31歳のヅッキーニョスはサウスポー構えから右ジャブ、左ストレートを返す。荒井は右ストレートでアゴを上げさせるが、ヅッキーニョスもダブルレッグテイクダウン。  2Rにダブルレッグからシングルレッグで崩すヅッキーニョスに、残す荒井。ヅッキーニョスは右から左。荒井もジャブ、右ストレート、右ミドルもヅッキーニョスに下げさせられる。  3R、先に詰めてダブルレッグテイクダウンのヅッキーニョス。金網背に座る荒井は足を蹴って立ち上がり、右ヒジを振る。  ジャブを突き、右ストレートで前に出る荒井。ヅッキーニョスは左ストレートを当てて前蹴り、ダブルレッグで押し込みケージレスリング。離れた荒井は左回りで右を突くが、ヅッキーニョスも左ミドル、左右で前に。最後に左を当ててゴング。  判定は終盤に巻き返したヅッキーニョスがスプリット判定勝ちで3連勝をマーク。 [nextpage] ▼GLADIATOR OFG KICKBOXING 70kg契約 3分3R×ハンセン玲雄(総合格闘技道場Reliable)69.8㎏[判定0-3] ※28-29, 27-30×2〇荒尾祐太(チーム吉鷹)69.4㎏  また今大会には中川の所属するreliableからハンセン玲雄と石田拓穂が出場し、それぞれ、オープンフィンガーグローブキックボクシング70kg契約でハンセンは荒尾祐太と、そしてMMAフェザー級3回戦で石田は國頭武との対戦が決まっている。  ハンセンは2024年7月の前戦・GLADIATORフェザー級挑戦者決定トーナメントリザーブマッチで体重超過のパク・サンヒョンに2R TKO負け。チーム吉鷹の荒尾は、6月のGLADIATORでイ・スンウクに1R TKO勝ちも、8月のSBで都木航祐に5R 判定負けしている。 ◆ハンセン玲雄「久しぶりの試合が初めてのオープンフィンガーキックでワクワクしています。試合に出ていなかった期間にこれからの格闘技との向き合い方を考えたりしていました。今回の試合は初心の頃の気持ちに戻って、試合と格闘技を楽しむ心で臨みます! 対戦相手のことはあまり知りませんが、自分が一番試合を楽しんで、見ている人が盛り上がる打撃戦をします!しっかり勝つので当日会場で応援お願いします!」 ◆荒尾祐太「まず6月に引き続き試合を組んでくださり、櫻井代表には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。ハンセン選手は勢いがあり、素晴らしい選手だと思います。ですが、恐れることはありません。対策に励み、自分の長所を存分に発揮し、勝利を掴み取りにいきたいと思います」  オープンフィンガーグローブでのキックは、判定3-0で荒尾が勝利。サウスポー構えのハンセンに対し、荒尾は喧嘩四つから右インロー、ハイキック、離れ際の右ハイでグラつかせるなど多彩な右の攻撃でハンセンに付け入る隙を与えず。 [nextpage] ▼GLADIATORフライ級 5分3R〇岩崎圭吾(SMOKERGYM)58.2㎏[判定2-1] ※29-28×2, 30-27×パク・ファラン(キングダム)59.6㎏久保健太(GSB多治見) ◆岩崎圭吾「素晴らしい試合の機会を設けていただき、心より感謝申し上げます。櫻井代表、大会運営の皆様のご尽力と温かいサポートのおかげで、この舞台に立てることを大変光栄に思います。今回の試合は、トップ戦線とも戦えるという所をアピールし、SMOKER GYMのみんなで勝利をつかみ取る覚悟です。毎試合、地方から来た自分を応援や、練習をサポートしてくれるSMOKER GYMのみんなに感動をお届けできるよう努め、GLADIATORの更なる発展のお力になれるよう尽力します。よろしくお願いいたします」  当初、岩崎は前回のフライ級挑戦者決定戦で今井健斗に敗れた久保健太と対戦予定も、久保が負傷欠場。アマチュアGLADIATOR生え抜き4戦無敗の岩崎圭吾の相手はパク・ファラン(キングダム)となった。  試合はスプリット判定で岩崎が勝利。※組みでコントロールするパクだが、岩崎が打撃を効かせて接戦を制し、5勝0敗に。試合後、あらためて今回試合が流れた久保健太との対戦をアピールした。 [nextpage] ▼GLADIATORフェザー級 5分3R ※選手名から前戦×石田拓穂(総合格闘技道場Reliable)66.0㎏[2R 4分50秒 TKO]〇國頭 武(BURST)66.0㎏※左ジャブの刺し合いでダウン奪い、パウンド ◆石田拓穂「相手選手は自分と似たようなタイプなので、最終的に根性勝負になるのかなと思っています。相手のストロングポイントが自分の得意なところでもあるのでしっかり競り勝ちたいです」 [nextpage] ▼第13試合 GLADIATOR 78.4㎏契約 5分3R×後藤丈季(kyotoSEIKENKAI)77.2㎏[1R 2分45秒 TKO]〇クォン・ジフ(TEAM MAD本館)78.6㎏→78.4㎏※※900gオーバー キャッチウエイトに変更後藤の右アッパーに右フックでKO  24年10月から25年1月、そして6月大会とGladiatorで3連勝中、Wardogと合わさせると通算4連勝中の後藤丈季が、キャリア初の国際戦を韓国のクォン・ジフと戦う。  クォン·ジフは韓国の名門Team MAD本館所属で、24歳の新鋭。プロではまだ2戦目だが、アマチュアで5勝2敗1分、韓国の国内王者にもなっている。さらにキックでは21戦20勝1敗という戦績を誇る。  普段の体重は90キロ超、それでいてニックネームはDirty Sexy。如何に汚く、セクシーに戦うのか。また、それを迎え撃つ後藤の殺気に注目だ。 [nextpage] ▼GLADIATORライト級 5分3R〇八木敬志(猛者連本部)70.8㎏→70.7㎏[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×友實竜也(ゼロ戦クラブ)70.6㎏  また『格闘DREAMERS』にも出場し、GLADIATORライト級戦線にて継続的に出場している八木敬志が参戦。八木は『POUNDOUT』で藤村健悟に判定負け後、7月の中国『Longsan Fight』で3R TKO負けで3連敗中。  対する友實竜也は6月の『GLADIATOR 031』でLUCKYBOY慶輔に1R 肩固めで一本勝ちでNEXUSに続き、2連勝中。「誰が相手でもやることは変わりません。自分の準備と力を信じて、全力で勝ちに行きます」と意気込みを寄せている。両選手共にパワーを駆使した試合運びが持ち味。試合を動かすのはどちらか。 [nextpage] ▼オープンフィンガーグローブ KICKBOXING 80kg契約 3分3R(肘無し)〇森井 翼(LIGHT CLUB)80.0㎏[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×小山寛太(kyotoSEIKENKAI)79.9㎏ [nextpage] ▼PROGRESライト級 5分2R×岸田海輝(reversal gym osaka anne)70.2㎏[判定7-8]〇徳野“一心”一馬(U.B.F/第4代WARDOGフェザー級王者)69.5㎏ [nextpage] 【プレリミ】 ▼GLADIATORバンタム級5分2R〇野口蒼太(SMOKER GYM)61.4kg[判定2-1] ※18-20, 29-18, 19-19マスト野口×古賀珠楠(総合格闘技スタジオSTYLE)61.2kg ▼GLADIATORフェザー級 5分2R×コウ(all my homies)66.2㎏[2R 0分26秒 TKO] ※パウンド〇谷川 渉(BURST)66.2㎏ ▼GLADIATORフライ級 5分2R×藤原浩太(KINGGYM KOBE)56.5㎏[判定0-3]〇村泉 空(格闘技実業団トップティア)57.1㎏ ▼GLADIATORストロー級 5分2R×木村旬志(ゼロ戦クラブ)52.5㎏[1R 3分37秒 TKO パンチ]〇與那嶺大輝(THE BLACKBELT JAPAN)52.1㎏ ▼GLADIATORヘビー級 5分2R×土井 淳(パラエストラ森ノ宮)117.4㎏[判定0-3]〇ヨコヤマクレガー(THE BLACK BELT JAPAN)96.1㎏ ▼GLADIATOR ヘビー級 5分2R〇松本洋平(N★TRUST)118.4㎏[判定3-0]×かずややねんけど(猛者連 本部)98.3㎏ ▼GLADIATORバンタム級 5分2R〇古賀琉斗(総合格闘技スタジオSTYLE)61.4㎏[判定3-0]×岩田虎之助(和術慧舟會HEARTS)61.1㎏ ▼GLADIATORフェザー級 5分2R×天野武徳(全真会館)65.8㎏[1R 2分19秒 TKO] ※パウンド〇キム・ジギョン(AOM)65.7㎏ ▼GLADIATOR 60㎏契約 5分2R〇谷口隆元(総合格闘技道場DOUBLE)59.2㎏[1R 1分32秒 TKO]  ※パンチ×カーヴィ(BURST)59.8㎏ ▼GLADIATORオープニングファイトバンタム級 5分1R×田口大貴(reversalgym osaka anne)61.1㎏[判定0-3]〇髙橋良河(BURST)61.4㎏ ▼GLADIATORオープニングファイト ストロー級 5分1R〇辻本涼太(POLARGYM OSAKA)52.6㎏[判定3-0]×松尾翔貴(TEAM TMT/TFCフライ級王者)51.8㎏ ▼GLADIATORオープニングファイト フライ級 5分1R×藤原健介(パラエストラ加古川)[判定0-3]〇横山桔平(THE BLACK BELT JAPAN)
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