(C)BLACK COMBAT
2025年8月23日、韓国・インチョンのインスパイア・アリーナにて『Black Combat 15: Parabellum』(公式YouTube)が開催され、BLACK COMBATフライ級王者の駒杵嵩大(FIGHT BASE都立大)が出場。前戦で元UFCのムハンマド・モカエフを相手に判定まで持ち込んだトーマス・アシス(ブラジル)と対戦した。動画が公開されたため、あらためて試合リポートとして紹介したい。
▼BLACK COMBATフライ級選手権試合 5分3R
〇駒杵嵩大(日本/FIGHT BASE)王者 18勝5敗
[判定3-0] ※30-27×3
×トーマス・アシス(ブラジル)挑戦者 11勝4敗1分
佐藤将光がセコンドにつくFIGHT BASEの駒杵は、初代FightingNexusフライ級王者。2023年9月のDEEPでBLACK COMBATフライ級王者のキム・ソンウンに腕十字で一本勝ちすると、24年1月に韓国でソンウンが持つBLACK COMBAT王座に挑戦。体重超過により王座剥奪のソンウンの蹴り上げ=ペダラーダによりTKO負けのNCで戴冠ならず。24年12月、BLACK COMBATフライ級王座決定戦でユン・ホユンと対戦し、3Rに腕十字で一本勝ち同王座を獲得した。25年5月にキム・ソンジェを1R 肩固めに極めて初防衛に成功している。今回のアシス戦に向けて、練習仲間の横山武司とも対策を練ってきた。34歳。
アシスは、BLACK COMBAT『Black Table』に出場。ほかにもBLACK COMBATは、ジョゼ・アルド、ホドリゴ・ノゲイラ、ショーグンらが出演するブラジルプロオーディション『ゴッドファーザーゲーム』も開催しており、ブラジルのみならず、中央アジアにも門戸を広げ、グローバル化を進めている。そのアシスは『Black Table』でのスパーリングで、ラジャブアリ・シェイドゥラエフと同門のダニヤル・トイショベク・ウルルに敗れたものの、トイショベクがフライ級に落とせず、アシスが今回の駒杵戦に抜擢された。
アシスは、2017年のプロデビューから2連敗したものの、その後は『Lions Fights MMA』等で怒涛の11連勝。24年7月に現LFAのフェリペ・ペレイラとドロー(ノーコンテストに変更)、25年6月の『971 FC 2』では、元UFCのムハンマド・モカエフに判定負けで8年ぶりに黒星を喫したが、モカエフに極めさせない防御力も見せた。31歳。
“アマゾンキッド”アシスと“タンク”駒杵のコール後、中央でのフェイスオフに顔を近づけるアシス。
1R、ともにオーソドックス構え。アシスは遠間から左ジャブ、駒杵も左インロー。アシスの左ロー、ジャブの打ち終わりにダブルレッグを仕掛けた駒杵。左足を外に出して立ち上がり小外がけテイクダウン。左で差してハーフも足を戻してフルガードのアシス。駒杵は上から細かいヒジ。ハイガードのアシスに左エルボー、持ち上げてケージに頭をぶつけてスラムの駒杵。さらに小さくスラムで叩きつけパウンド。ブレーク。
スタンドから再開。スイッチを見せるアシスがオーソから左前手のフックを出したところにダックした駒杵はダブルレッグで組んで差し上げられるとすぐに首投げでテイクダウン! 袈裟固めから左腕にスカーフホールド・アメリカーナへ。後頭部を打つアシスに、絞めながらレフェリーに抗議する駒杵。凌いで腕を抜いたアシスがバックからトップへ。下になった駒杵がギロチンスイープを狙い、ゴング。駒杵のラウンド。
2R、サウスポー構えから入るアシスの左ミドルをつかんだ駒杵が大きく左足を股間に踏み込み、アシスの首をつかんで首投げテイクダウン。フルガードのアシスを1R同様にケージ際まで運び、頭を詰まらせる駒杵。アシスは頭を横にずらすと、そこに駒杵は左のパウンド、左ヒジ。右ヒザ上に左ヒザを乗せて片足をパスしたところでレフェリーがブレーク。
スタンド。中央から左ジャブで圧力をかけるアシス。左ローの駒杵は組んで足払い。残すアシスに押し込む駒杵。アシスは左ヒザ。右の小外を仕掛けるが戻す駒杵。大外の動きから足払いと足技を仕掛ける。残すアシスはケージ背に組んだままヒザ蹴り。駒杵も肩パンチ。
左で差してダブルレッグのアシスに、駒杵がキムラを仕掛けて体を入れ替え。両差しで右小外。アシスは差し返して首相撲ヒザを突く。駒杵は左で首を抱えて左足で大外刈! 首を巻き込んで強引に投げるもバック狙うアシスが上に。すぐに立つ駒杵に際のヒザを突き、バッククリンチ。ケージを蹴って引き込もうとするが、崩れない駒杵が正対。互いに細かいヒザから体を入れ替え合い、ゴング。ここも駒杵のラウンドに。
3R、先に詰めるアシス。駒杵は右アッパーのフェイント。アシスは左前蹴りをかすめる。駒杵も左前蹴り。スイッチするアシスは左ミドル。その蹴り足を取った駒杵が組みに行くが、アシスは足を抜いて離れる。
アシスの左ローをかわして右インローを当てる駒杵。アシスの左ボディの打ち終わりに組む駒杵にアシスはスプロール。左で差してケージまで押し込む駒杵に体を入れ替えるアシス。そこに駒杵は左差しで払い腰狙いで崩して正対して押し込み。
左ヒザを突くアシスに離れた駒杵が、アシスの左ジャブの打ち終わりに右ボディストレート。圧力をかけての組みにカウンターの左ヒザを狙うアシス。駒杵の組みに首相撲左ヒジ、左右の細かいボディ打ち。離れた駒杵。互いに左ミドル。
詰めて左フックを振るアシスを潜りダブルレッグでテイクダウンの駒杵。両足を束ねてレッグマウント。座るアシスに足を解いてヒザ。組むアシスをはがしてニアマウントへ。足を戻したアシスに左足でまたぎ、ハーフで左手首を取りに行く。
アシスが脇を開けると肩固めも狙うが、亀になって立つアシス。詰めると、駒杵の組みに左アッパー! しかし駒杵もクリンチから右アッパーを返すとケージに押し込み、四つからダブルレッグ狙うアシスを差し上げる。アシスは左ヒザもローブローに。ブレーク。

中断後、再開。アシスが左から右で前進。かわす駒杵はサークリングから左で差して組んで、アシスの左手もしっかり脇に挟んで引手も取って、大外刈テイクダウン! サイドバックからバックで左足をかけて右足もかけようとするが、踵を右手でつかんでかけさせないアシス。
たすきから前に落とそうとするアシスに「コヨーテも使っていい」と佐藤将光。駒杵はハーフネルソンで返そうとするが抜けて下に。ハーフガードの駒杵は、上のアシスのパウンドをさばいて蹴り上げで体を離してゴング。
ガッツポーズを見せる駒杵。判定は3-0(30-27×3)のフルマークで駒杵が勝利。2度目の王座防衛に成功した。
試合後のケージインタビューで駒杵は、「モカエフといい勝負をしていたアシス、全然、僕のほうが圧倒的だったでしょ? みんな見てて俺のほうがモカエフよりも強いよ。フライ級も盛り上がっているので、次は誰がいいかな。前回断ったインディアンキング(ガブリエル・ロドリゲス)とかでもいいし、ONEで活躍していた選手でもいい。ほかにもっと強い選手を連れてきてくれるなら、俺は全然やります。俺、どんな外敵が来ても俺がBLACK COMBATを守っていくから。みんな応援お願いします。あと、これを防衛できたのも練習仲間とか、特に7月11日に第二子の娘が生まれたので、嫁が大変な中、俺のことをサポートしてくれて、多分テレビ越しでこれを言え、と言ってると思うんで(笑)。言えて良かったかなって。ありがとう」と、今後の王座防衛と、感謝のマイク。
そこに、同日にランキング1位のユン・ホヨンを1R 右アッパーでKOしているロドリゲスがケージイン。“インディアンキング”ロドリゲスは「彼はとてもいい選手だ。ぜひ彼と対戦したい。決めた」とアピール。さらに「ランキング1位との対戦だ。俺は自分の望みを示した。今、俺は準備ができている。君が欲しい、それが現実だ」と、駒杵に問いかける。

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駒杵は「BLACK COMBATがOKで、お客さんが観たいのならそれでやりますし、ほかにもっと強い人を用意してくれるならそっちでもいいです」と答えた。ロドリゲスも観客に「どうだ? 君たちはこの挑戦を望むのか、望まないのか?」と煽ると、ファンが拍手。最後に駒杵はロドリゲスとフェイスオフを行った。












