2025年11月2日(日)東京・両国国技館『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』の記者会見が、8月27日(水)都内にて行われた。
6月に開幕した、1年間かけて行われる24名のトーナメント「GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT」が2回戦を迎える。1回戦を勝ち上がったペトル・モラリ(モルドバ)、笠原弘希(シーザージム)、YURA(ダイアタイガージム)、麻火佑太郎(PHOENIX)が、シード選手の原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)、白鳥大珠(TEAM TEPPEN)、チャド・コリンズ(オーストラリア)、イ・ソンヒョン(韓国/RAON)と対戦する。
原口はモラリと、白鳥は笠原と、コリンズはYURAと、麻火はソンヒョンとの2回戦がそれぞれ決まった。
コリンズはビデオメッセージで「このトーナメントに参戦できるのを楽しみにしています。僕にとってトーナメントは最初の試合になります。相手はYURA。彼はアンダーグランドの大会から来ていて1Rからガンガン打ち合うタイプです。僕もそういう戦いが大好きなので、真っ向勝負するつもりです。戦う方法はひとつだけ、真正面からぶつかる。YURAとの試合が待ち切れない。このトーナメントで僕の存在を証明したいと思います。決勝で原口、ペッチと戦いたい。必ず会うだろう。ロックンロールしようぜ!」とコメント。
対するYURAは「今回、現RISE世界王者と2回戦目で戦えるということで本当に光栄です。ここでしっかりまた勝って優勝まで昇りつめられたらいいなと思うので、応援よろしくお願いします」と挨拶。
ソンヒョンもビデオメッセージで「私は昨年12月のトーナメントに続き、今回のトーナメントに再び参加できてとても嬉しく思います。昨年よりも強くて素敵な試合ができるよう最善を尽くします。麻火選手は非常に変則的でありながら、速くて良いキックを持っていると思います。麻火選手とその日のベストバウトになるようお互いに頑張りましょう。日本で麻火選手のファンが多いと思いますが、私もたくさん準備して頑張りますので、多くの期待と応援をお願いします」と伝えた。
対する麻火は「誰からも尊敬されていて誰からも応援されているソンヒョン選手とこのトーナメントで戦えることが凄く嬉しいですし、僕自身凄くワクワクしています。この試合はトーナメントであるんですけれど、もちろん優勝しか目指していませんが、ソンヒョン選手と戦うことで僕はこの1試合だけで数段階上のステージに上がれると思うので、しっかりといい内容で勝って、ここでソンヒョン選手にいい勝ち方が出来れば本格的に世界一が明確に見えてくるので、そこを試合で見せたいと思います」との意気込み。
ペトリからは「もうすぐ日本に行きます。キックボクシング界でみんなに尊敬されている原口健飛と試合します。彼のテクニックは凄く特別なスタイルだ。いつもエキサイティングな試合をする。僕のキャリアで原口と試合する事は一番大切な事だ。リング上では彼の魂を奪うことになるだろう。観客にそれを証明する」とのビデオメッセージが寄せられた。
受けて立つ原口は「前回情けない姿を見せてしまったので、何を言おうかなって感じなんですけれど。最近負けているイメージが付いちゃっているので、今回は勝てるように努力するのと、ペトリも僕に似ているスタイルなので切り合いというか、俺たちにしかできない試合をしたいと思っています。いつも絶対に勝ちますとか世界最強になりますとか言ってますが、全然なれていないので今回は勝ちに徹して勝てるように精一杯努力したいと思います」と話した。
唯一の日本人対決となった笠原は「白鳥選手と戦えることを嬉しく思っています。前回6月(弟の)友希が中村寛選手に負けていて、大きく見ればシュートボクシングがRISEさんにひとつ借りがあると思うので、僕がこの試合で返してあげたいと思っています」と、SBvs.RISEの第2ラウンドだとする。
迎え撃つ白鳥も「RISEとSBの看板を背負った戦いで。6月に中村選手の試合を見て“やっぱりこれだよね”って。RISEの強さ、分厚さを見せてくれたなって。僕はリングサイドで見ていて心が震えた試合だったので。僕も3月にRISEの王者になって、笠原選手もSBの3階級制覇王者なので、向こうも看板背負ってくるのでRISEは一味違うぞって試合を見せるので、必ず激闘になると予想しているので楽しみにしていてください」と語った。
トーナメントはコリンズvs.YURAの勝者と麻火vs.ソンヒョンの勝者、原口vs.モラリの勝者vs.白鳥vs.笠原の勝者がRISEサイドの準決勝を争うことになる。
[nextpage]
<質疑応答>
――YURA選手は前回のコリンズvs.原口戦をどう見た?
YURA「スタミナが凄いなと思って。5Rもあるのに最後まで動き続けて、全く手を止めない選手で打たれ強さもあるので、長丁場にならないように早めに倒しに行きたいと思っています」
――現時点でコリンズ選手よりも上回っていると思うものは?
YURA「パンチとかの一撃の倒す力は僕の方があると思っています」
――前回は1RでKO勝ちした、今回は?
YURA「相手も相手でRISEの世界王者なのでそんな簡単には行かないと思うので、勝ちに行きます」
――麻火選手は、ソンヒョン選手との新旧交代を問うという見方も出来るが?
麻火「ずっとRISEを引っ張ってくださっていたベテランのレジェンドの選手なので、ここで勝つことで世代交代も出来ると思いますし、逆にここで負けているようでは終わりだと思うので、しっかり胸を借りるつもりでタフな選手ですけれど必ず倒して勝ちたいと思います」
――前回は左ハイキックで凄いKO勝ちだったが、今回は?
麻火「今回は打ち合ってみようと思っています。新しい麻火佑太郎を両国のリングで見せます。3月負けた舞台なので、次は勝っていい日にしたいと思いますね」
――新しい麻火とは?
麻火「蹴りのイメージが強いと思いますが、僕はボクシングも習わせていただいていて。そこで学んでいることも多くあるので、しっかりと連動して蹴りも見せるんですけれど、打ち合っても負けないぞってところを見せれば他の選手にもプレッシャーをかけられると思うので、アツい試合をしたいですね」
――原口選手は前回のコリンズ戦から時間がそれほど経っていないが、気持ちの整理はついた?
原口「もうついてますし、つけないとダメなので。落ち込みはしましたけれど、辞めへん限りは進まないとあかんから。このトーナメントもあるので、いつまでもクヨクヨしていられない。しっかり落ち込んですぐに切り替えました」
――モラリの印象は?
原口「RISEで2勝2敗くらいかな。負けているイメージもあるけれどダウンはとられていない選手なので、身体が堅いのかなって思う。変則蹴り、回転蹴りは外国人では珍しい選手なので楽しみではありますね」
――足りないもの、やるべきことは何だと思う?
原口「足りない部分も分かりましたし、格闘技って正解がないので分からないけれど、前回のチャド戦の前にやったことも継続しながら、変えなあかんところとか見直さないとあかんところもしっかり考えてやっているので、それが正解か分からないけれど、突き進むしかないなって感じですね」
――笠原選手と白鳥選手、相手の印象は?
笠原「1回頂点に立っている選手なので凄い上手さも感じますし、前回の試合では怖さも感じましたし、強いと思います」
白鳥「笠原選手が怖さもって言っていたので、前回の白鳥劇場が伝わってよかったなと思いました(笑)。3階級制覇しているSBでずっとトップで戦ってきた選手。RISEでコリンズともいい試合していたイメージもある。アグレッシブで激闘派のファイターだなという。ただ、前回のSBの65kgのタイトルマッチで負けちゃったのが残念。お互いのベルトを背負って戦いたかったなというのはあります」
――どんな試合になると思う?
笠原「激闘になるのは間違いない。倒しに行きます」
白鳥「激闘になるかなっていう。麻火戦のような試合とはまた違った激闘にしたいと思っています。っていうのは、僕が(ダウンを)とられないってことです」
――YURA選手は、コリンズ選手独特の乱戦に巻き込む戦い方に対応できる自信はある?
YURA「巻き込まれても対応できる練習をするつもりなんですけれど、まず巻き込まれない練習をしようと思っています」
――相手がコリンズと聞いた時の率直は気持ちは?
YURA「“おおっ!”みたいな(笑)。いきなり世界王者とやらせていただけるのか、みたいな感じで。本当に嬉しいことですし、勝てたらデカいことだと思うので頑張ります」
――現時点での勝率は何パーセント?
YURA「う~ん…30%くらいですかね(苦笑)」
――原口選手、GLORYサイドでミゲール・トリンダーデの出場が決まったが、燃える気持ちになった?
原口「それはもちろんありますが、そこを意識してもしょうがないので、まずはペトリ・モラリなんでね。前回チャドに勝って世界王者になっていたらミゲール言ったりペッチ言ったりしていたと思うんですけれど、そういう権利もないのでとりあえずモラリに勝てるようにせなあかんと思いますね。小さい勝利を積み重ねて、いつか世界を獲れるように頑張りたいです」
――白鳥劇場の第二幕はどんなテーマ?
白鳥「前回は圧倒、今回は圧倒じゃなくていいんですよ。アツい試合、アツい展開。そこで最後は俺が倒すってイメージです」
[nextpage]
――笠原選手はイモト戦で大流血して今も傷が目立つが、何針縫った?
笠原「8針縫いました」
――気持ち的に落ち込んだ、ショックはあったか?
笠原「あの戦いを見てもらえば分かるんですけれど、戦いに勝って試合で負けたと自分では思っているので、この試合が終わった後にでもいつでもやり返せるので。何も思ってないですね。ただ、さっきも白鳥選手が言っていた通り、この戦いも大切に思っていたので65kgのベルトは必ずここに持ってくるべきだったので持ってこられなかったのは申し訳ないと思っています」
――それでもSBの王者という立場で挑む?
笠原「イモトくんじゃなくて65kgは俺が引っ張りますよ。SBの三階級獲ってますし、このトーナメントでも俺が引っ張っているぞってことを示したいと思います」
――YURA選手、30%の勝つ確率と言っていたが、それだけあれば十分という考え方?
YURA「難しいですね(笑)。スタミナが本当に凄くて2、3Rとどんどん上がって行く選手なので勝負は1R目だなって。(1R)30%、(2R)30%、(3R)30%の最初の30%だなって感じですね」
――1Rに行けば勝つ可能性はあると見えている?
YURA「いろいろ考えています」
――笠原選手、22日後にSBの40周年記念興行があるが、そちらにも出たいという意思はある?
笠原「そうですね。24日にSBの40周年記念大会があるので期間的には3週間くらいあると思うので、この試合ダメージなくは無理だと思うけれど、全力で戦って倒して勝って出場したいと思っています」
――それを聞いて白鳥選手はどう思った?
「彼は次の試合を見ていると思いますし、SBを背負っている選手なのでそこは別に。出れるなら出てくださいって感じです。出られると思うなよとか、そういうのもないです」
――原口選手はYURA選手と交流があるが、コリンズ戦はどう見ている?
原口「それがトーナメントの醍醐味というか。ダークホースがいてこそ盛り上がると思う。僕は負けたけれどYURAくんが負けて欲しいとは全然思っていないし、いい子なので。YURAくんがチャドに勝ったとしても、俺より強いかと言ったらそうでもないと思う。それが格闘技なので。逆にYURAくんがチャドを倒したら、そのYURAくんと戦いたいとも思うので頑張ってほしいですね。ビビらず若手らしくおもいっくそ行って欲しい」
――原口選手はコリンズ戦を経て、何を加えてこのトーナメントに挑みたいと思っている?
原口「いっぱいありますけれど精神力もそうだし、メンタルもそうやし、倒し切る技術もそうやし、足りんことばっかりなので。これといってないけれど、まだまだ自分は未完成だと痛感したから、そこを埋めていくための期間かと思うので、それはトーナメントが終わった時に優勝したら分かっているのかなと思うし、優勝しないと何が合っていたのか分からないので、とりあえず勝てるように頑張ります」
――一番伸ばしたいものは?
原口「精神力じゃないですかね。戦い抜く力やと思いますね。自分は天才型でやってきたところもあると思うし、そこをしっかり昭和チックじゃないけれど最後の最後まで出し切れるような忍耐力があればもっと伸びるのかなと思うけれど、その忍耐力を付けるのに何がいいのか分からないので、試行錯誤しながら試合に向かいたいと思います」
――コリンズが決勝で戦いたいと言っていたが、どう思った?
原口「戦えるなら戦いたいし、ソンヒョンも反対側なので僕は誰でもいいです。決勝に残ることが大事なので、上がってきた人とやりたいと思います」
――YURA選手、一番の強敵を相手にみんなに何を見せたい?
YURA「たくさん見てくれる人も増えて、たくさん期待してくれていると思うのでみんなの期待に応えたい。知名度だけじゃないところを見せたいと思います」
――白鳥選手は怖い白鳥はいったん置いておいて、また別のテーマがある?
白鳥「前回は恐怖の白鳥だったので、今回はシンプルに自分自身も楽しみなんですよね。日本人対決は麻火戦が久しぶりだったけれど、今回は格闘技界でいいカードだと思っていて。RISEの王者とSBの王者が戦うという。シンプルに自分自身楽しみたいので、それを見せれば見ている人も楽しめる。だから今回は楽しさ満載の劇場です」
――前回はタイ修行だったが、今回はどこでそれを上げていく?
白鳥「楽しく格闘技を毎日やれば試合も楽しくなりますよ」