最後の8週間の追い込みに全集中できるように(若松)、10年以上前からずっと祐也君とTRIBEにいたからこそ──(三浦)
──対戦相手がこうして3カ月前には決まって試合に臨みます。どう過ごして行きますか。
若松 去年もしっかり準備期間があって。キンガッド戦からだいぶ時間が空いての試合だったりしてたんで、試合前は8週間、追い込み期間があるんですけど、そこに全集中できるように、今のうちに相手の研究だったり、その期間にしかできないことをしっかりたくさんやって蓄えて、試合の8週間前に備えてやるって感じですかね。
三浦 7月18日に試合が終わって、その直後に長南さんから『お前、帰国したらすぐに気合い入れて練習するだろうから、一旦休め』って言われて。裕也君が言ったように8週間のキャンプがあるので、それに向けて、追い込みの前に技術練習をしたりとか、平常心で追い込みに臨んでいきたいと思っています。今は気合入れすぎて量をたくさんガーってやっちゃうと、試合で壊れてしまったりとかすると思うんで。そこは長南さんとトレーナーの堀江(登志幸)さんと相談しながら計画的に練習して行きたいと思っています。
──三浦選手、11月に向けてザンボアンガ選手も、誰もが来ると分かっていて極める“あやかロック”を最大限警戒してくると思います。試合に向けてその精度をさらに上げて、それを軸にそこからの展開も増やしていく感じになるでしょうか。
三浦 そうですね。それにザンボアンガ選手が今までの選手よりもフィジカルが強かったりすると思うので、そこも見直して行きたいと思っています。長南(亮・TRIBE代表)さんとも試合直後にいろんな話をして、いろんなことに対してレベルアップしていこうって話をさせてもらったので、しっかり強化して極めていきたいと思っています。
──若松選手はさきほど仰ったように、三浦選手から実際にかけられて、分かっていてもかかる、その強さをどう感じましたか
若松 僕も(モラエスとの初戦で)ギロチンとかも分かっててかかったりしてたんで、その強さってやっぱり、もう“ゼロか百か”じゃないですけど、対策しててもかかるのが必殺技なんで、それを持っているのは本当にすごいなって思いますし、相手も相当嫌だろうなと思ってます。
──お互いTRIBEに2つのチャンピオンベルト持ち帰ることに関しての思いもありますか。
若松 そうですね。もちろんそれは嬉しいですけど、持ってることに甘んじないで──別にベルトがあっても無くても、僕はそれ自体にそんな価値を見出さなくても、常に全力でやっているし、強い選手はいる。ほかのジムもすごいと思いますし。ただ、今回ベルトが2個あったらすごい日本でもトップのチームで確定できるんで、頑張りましょう思ってます。
三浦 そうですね。もう十年ぐらい前から、祐也君とずっとTRIBEにいて、ここでONEのベルトを持って帰れるっていうのは……すごいいろんな思い出があるので。なんかこのタイトルマッチが決まってから、PANCRASEの時に、裕也君と私と長南さんの3人の写真とかがあって見返して“こんな時代もあったんだ”って思いながら、いろいろ考えたりとかもして。ここでONEのベルトをTRIBEに持って帰ってきたら、すごい嬉しいなって。TRIBEには強い選手がいっぱいいるんですけど、やっぱりONEのこのベルトっていうのはすごく価値があると思っているので、何が何でも私はベルトを持って帰ってきて、裕也君は防衛して、各々個人競技なんで自分のことに集中するとは思うんですけど、自分自身はしっかりベルトを獲ってTRIBEの強さを証明したいと思っています。
――若松選手、TRIBEでは、朝倉海選手や神龍誠選手、YouTubeのコラボ企画で扇久保博正選手など、他団体で活躍しているフライ級の選手たちとも肌を合わせていますが、そこでどんな刺激を受けていますか。
若松 みんな本当に強くて、もうやられることもいっぱいあります。TRIBEで練習している選手で弱い人はいないというか、TRIBEの若手もみんな強いので。でも、それは練習での話で、心の中では“やっぱり試合だったら自分が一番”という気持ちはあるんですけど。もちろん最高な環境で練習をやらせてもらっています。
――そういった選手たちにいい意味でライバル心はありますか。
若松 昔は“この人にやられたくない”とか、そういうのはあったんですけど、結局は練習なんで。練習でそんな本気を出したらお互い怪我しちゃうし、なるべく柔軟にいいところをとろうというか。僕ももう30とかなんで、そんなに若手みたいにガツガツ壊しに行ったりすることはなくなりました。
──三浦選手、今回日本大会でいつも以上に注目される、ふだん格闘技を見ない人も見る大会で、どんな試合を見せたいですか。
三浦 総合格闘技って何だろう? と思うぐらい格闘技を知らない人ももしかしたら見に来るかもしれないですけど、私はフィニッシュを目標にしてるんで、しっかり極めて“なんだこれは?”って。なんか変な動きしてるけど面白いみたいに、初めて見る人でも面白いような試合をしたいと思ってます。今こう言ってますけど、試合になったら必死で組んで極めてっていう、いつも一試合一試合全部が大事なんで、そんなに変わらないとは思いますけど、面白い試合は、結果的にいつもそうなってるんで、面白い試合になると思ってます。
──最後に、試合を楽しみにしているファンにメッセージを。
若松 日本のファンの皆様、いつも応援ありがとうございます。11月16日に向けて、しっかり毎日精進して、試合の日は本当にもう“過去最強の自分”で挑みたいと思っているので、楽しみにしてください。
三浦 いつも応援してくださってる皆さん、ありがとうございます。やっとタイトルマッチ、ここまでたどり着けました。日本大会でタイトルマッチができるのはすごく嬉しく思ってます。しっかり極めて、何が何でも勝って笑顔で終わりたいと思ってます。まだまだ試合まで時間はあるんですけど、しっかり積み上げていきたいと思ってます。皆さん応援よろしくお願いします!





