大鹿を倒してタイトルマッチへ向かいたい岩尾(C)K-1
2025年8月23日(土)東京・後楽園ホール『Krush.179』のセミファイナルにて、Krushスーパー・バンタム級3分3R延長1Rで大鹿統毅(K-1ジム総本部チームペガサス)と対戦する岩尾力(POWER OF DREAM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
岩尾は2014年7月にK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、亀本勇翔、西京春馬に勝利したが2015年5月に朝久泰央に敗れた。その試合を最後にWINDY SUPER FIGHT、蹴拳、Bigbangなどの他団体に出場。バイク事故で大怪我を負い、2022年8月のKrushで約4年半ぶりの復帰を果たすと4連勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2024年9月に鬼山桃太朗に判定負け。2025年2月、河野直次郎をKOして再起を果たした。武居由樹が「マジの天才」と評価する。戦績は17勝(9KO)4敗1分。
6月にKrush初のオープンフィンガーグローブマッチで鈴木太尊との対戦が決まっていたが、鈴木が減量中に体調悪化、病院へ運ばれ計量不参加で失格となり岩尾は不戦勝となっていた。
自分の取り柄はトリッキーなところ
──6月の後楽園大会、初のオープンフィンガーグローブ(OFG)マッチとなるはずだった鈴木太尊戦は相手の計量オーバーで試合が消滅、不戦勝となり、残念でした。
「初のOFGマッチを楽しみにしていたし、注目された試合だったし、僕も気合いを入れて練習していたんですけど、試合前日とかにああいう形で試合が流れるというのは初めてで、なくなっちゃったことはけっこうショックでしたね。悔しい思いがあって、試合当日から練習を再開していました」
──そうなんですね。今回は通常のグローブでの試合ですが、OFGマッチに向けての練習をしたことで、何かプラスになったことはありましたか?
「やっぱりOFGは普通のグローブよりも小さいので、点で当てるという細かい練習をしていました。自分も当たれば倒せますけど、もらえばリスクがあるので、よりもらわないように意識もしていましたね。そういう部分は通常のグローブでの試合にも生きると思います。今でもたまにOFGをつけての練習はしてモチベーションを上げたりしています」
──今後も機会があれば、OFGマッチをやってみたい気持ちはある?
「全然ありますね。6月大会当日は他の選手たちのOFGの試合を会場で生で見ていましたが、周りの人たちも『危ないな』と言ってましたし、僕もそういう試合が好きなので、けっこうワクワクしてました。いつかタイミングがあればやってみたいです」
──今回は大鹿統毅選手との対戦になりました。大鹿選手は復帰後、2階級上げてこれが4戦目になりますが、印象は?
「前回の健介選手との試合も見たんですが、もうこの階級でも問題なかったと思います。スピードもあるので、試合するのが単純に楽しみですね」
──一番警戒する点は?
「スピードがあるのは、蹴りよりもボクシングなのかなと思っています。ただ、スピードはあるけどパンチ力はそこまでないかなとも思っていて。打ち終わりのパンチとかは警戒していますが、それ以外は特になくて、相手の対策よりも今回は自分自身の動きを意識した練習をしてきました」
──その中で一番重点を置いたのは?
「久しぶりにスピードのある選手なので、僕も足を止めないことだったり、スピード面は意識しました」
──岩尾選手って、みんなパンチ力に目が行くと思うんですが、スピードにも自信があるのでは?
「そうですね。ジムでも一番動けると思っているので、そこは自信あります。大鹿選手に対しても全然問題はないと思います。やっぱり若い子の方が勢いもありますけど、ジムでも自分の取り柄はトリッキーなところで、ジュニアの頃からずっとトリッキーだと言われてきたので。スピードで当てるのはジムでも得意ですね」

──6月の試合が流れたので、リングに上がるのは2月以来半年ぶりになります。「これを見せたい」というものもいろいろとありますか?
「みんなKOで倒すところが見たいだろうと思うんですけど、今回、僕のテーマは『3Rしっかり戦う』ということなんです。その中で絶対チャンスが来ると思うので。『何かで倒そう』と狙うというのは、今回全くないんですよ。3Rしっかり戦う中で練習通りの動きができれば、倒せるチャンスが来ると思っています。だから今回は、3Rしっかり戦っている姿を見てほしいですね」
──ただ、その中でももし早めにチャンスが来れば、倒すこともあるかもしれないということですよね。
「そうですね。どこでそのチャンスが来るかは分からないですけど、僕は当たれば倒せると思っているので。倒そうというのを意識し過ぎちゃうと、以前の負けた試合とかにもつながってくると思うんですよね。だから今回は3Rしっかり戦い抜くことが大事だと思っています」
──今、スーパー・バンタム級ではK-1の方でけっこう動きがありますよね。9月7日の大会ではタイトルマッチもあります。一方、Krushでは村田健悟選手が上がってきています。それも含めて、タイトル戦線はどう見ていますか?
「僕は昨年9月、鬼山桃太朗戦で一度コケているので、そこでちょっと遠回りしちゃったなあという感じなんですけど、それも含めて今はいい成長ができていると思うので、そろそろKrushのベルトに対してしっかり気持ちを入れてもいいんじゃないかと思っています。周りの選手については全然気にしていなくて、5月の金子晃大vs.池田幸司の試合も全く見てなかったんですよ」
──そうなんですね。
「僕は本当に、組まれた相手をしっかり倒していくだけなので。村田健悟選手の試合はこの前ちょっと見て、いい選手だとは思いますけど、僕と戦ってその戦い方ができるのかなというのもありますし」
──そして今大会は、メインで池内紀子選手が防衛戦ですし、フライ級王座決定トーナメントには上遠野寧吾選手も出場します。POWER OF DREAM祭りですよね。
「はい。自分を含めて3人出るのは初めてですけど、みんなで全勝と決めています。1人でもコケちゃうと流れが変わっちゃうので、寧吾から必ず勝って、自分がノリにバトンタッチするだけです。練習からみんな気合い入れてバチバチやってるので、いい結果が出ると思います」
──では最後に、今回の試合に向けての“決意”を改めていただけますか?
「今回、自分が復帰してからは一番スピードのある選手だと思っていて、若くて勢いもあるので、僕のモチベーションも全然違います。3Rしっかり戦い抜く姿を見てほしいですね。そして僕だけじゃなくて、POWER OF DREAM全員の試合に注目してほしいです」





