2025年10月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 192』の対戦カード発表記者会見が、8月21日(木)都内にて行われた。
安本晴翔が保持するRISEフェザー級王座への挑戦権を懸けた「フェザー級(-57.5kg)王座次期挑戦者決定トーナメント」が今大会より開幕。今大会で準決勝2試合が行われ、決勝は後日行われる。ただし、挑戦者は試合内容を重視。内容が良くなければ取り消す場合もあることが発表された。
出場者は同級3位・梅井泰成(Mouton)、同級4位・大森隆之介(EX ARES)、同級6位・翔(REVOLT)、同級15位・吉田晄成(TEAM TEPPEN)の4名。
翔は「大森選手と対戦できることになって、同世代でリスペクトしています。試合以外の姿勢もいい選手で、一本筋が通ったカッコいい選手に真っ向から挑んで勝ちたいと思います」とリスペクトしている相手だとする。
大森は「本来より一個上の階級でやらせてもらうんですけれど、いきなりトーナメントが組まれて嬉しく思います。翔選手とはちょっと前から喋る機会があって。会見で喋っているのを見ていて、めちゃくちゃ鼻と口の間の髭が凄くて、お前は髭脱毛に行った方がいいってYouTubeのコメント欄に書き込んだら、、あれから髭脱毛に行くようになったそうです(笑)。仲がいいんで面白い組み合わせだと思って、気持ちのいい試合が出来ると思っています」と暴露。
これに翔は「元々脱毛やってたけれど、そこからハマっちゃって足もいろいろやっちゃってる。大森選手のせいで毎月の支払いが増えて大変です」と笑った。
吉田は「この4人の中で僕が一番戦績も知名度も下ですけれど、めちゃくちゃ楽しみで。本気で獲りに行こうと思っているので期待してください」と下剋上を誓う。
梅井は「前回の試合から6カ月空いちゃったけれど、やっと来たかって感じで。トーナメントって形で言っていただいているんですけれど、内容も問われる試合だと思うし、安本晴翔がフェザー級で一強だと周りも思っていると思うので、トーナメントで内容で見せて、コイツが安本と戦ったら面白いんちゃうかと見せないと誰もワクワクしないので、試合で見せて圧倒して勝つと言いたいけれど厳しい試合になると思います。しっかり準備して毎日自分を高めていこうと思います」と意気込みを語った。
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<質疑応答>
――対戦相手の印象は?
翔「今までと違うのが、今まで対戦相手と試合前の交流があったことが無かったんですが、初めて冗談を言い合ったり、福岡に来たら遊ぼうねって話したりして交流があって。気持ちいい試合が出来るというか、リスペクトを持って全力で行きたいと思います。試合だけは譲る気はない。上手くて強い選手なので、追いついて追い越して最高の試合をしたいと思っています」
大森「身体が強い。どんな相手でも削っていくみたいな、僕の天敵みたいなヤツだと思う。お前とはやりたくないって話をしていたんですよ。交流あるし。でも、この試合だけは譲らないって言っていたけれど、どこ行っても何回やっても俺が勝つ。試合でも喋りでも俺が勝つ。どこでも勝てないです」
吉田「元王者で速いし、上手いし、3人の中で梅井君が一番噛み合いそうだと自分の中で思っている…だけですけれど。スタイルが似ているかなって感じなので面白い試合になると思います」
梅井「吉田選手はシンプルに上手いなって印象です。彼がTEPPENに移籍する前からYouTubeで試合を見たことがあって。見てて、めっちゃ上手いやんってなっていて。そのうちRISEに出るやろうなと思っていました。僕もTEPPEN出身なのでいろいろな意味で負けられない試合だと思います。全力で潰しに来ると思うし、僕も全力で迎え撃つ。レベルの高い攻防が見せられると思う」
――ベルトへの想いは?
翔「RISEのベルトを一番目標にしていますし、RISEでやってきて僕のゴールくらいの気持ちで、通過点だとは思っていなくて。命をかけてやっているので自分の人生と同じくらい価値があるベルトです」
大森「ずっと言い続けていますが、僕はこの業界をもっとよくしたい。ベルトに価値というよりも、王者の位置、届く人が増える人という意味でベルトを獲りに行きたい。そのために勝たないとあかん、強い想いがあます」
吉田「僕はベルトがどうというより、強い選手とやって勝つからこそ自分の価値を上げられると思っています。もしベルトを獲ってもまだまだ上を目指します」
梅井「自分はこの3年間ずっと、門口チャンピオンから始まって、層が厚くなってきて、王者が他団体の選手に勝ったり、価値が高まったベルトを獲りたい。その中で連敗したり、勝ったり負けたりを繰り返していますが、そこまで落ちても諦めんとずっとやっていたら、絶対自分の目標を達成できると思っています。諦めなければ絶対に出来るってことを、このベルトを通して見せられたらいいなと思っています」
――他の3人にこれだけは負けないと自信のあるものは?
翔「一発のパワーと、全選手あると思いますがこの試合に懸ける気持ち。自分は福岡から来て、大森選手も地方から上がってきていますが気持ちの強さは負けてないと思います」
大森「僕は気持ちに近い部分ではありますが、見てるところの大きさのスケールの違い。それを誇りに思っています。そこが自分の強さでもあります」
吉田「頭の回転、試合中の格闘技IQ。考え方に自信ありますね」
梅井「想いとか執念。技術はやってみないと分からない」
――梅井選手と大森選手は追い上げられる立場だが?
梅井「トーナメントが組まれたのは、横一線というのが正しい見解。追い上げられるじゃなくて、僕が乗り越えようと思います」
大森「(横の梅井を指差して)って、言ってるじゃないですか。でもトーナメントが決まった時に文句のLINEが来ましたよ(笑)。仲がいいメンバーですけれど、追い上げられるのは僕はめちゃくちゃ嫌ですね。ナメんなよとは思わないけれど、僕は可愛い人間なので、自分がおるところを全力で守りたい。これ以上、下には落ちたくない。上を見たいです」
梅井「ちょっと弁明させてください(笑)。何とは言わないですけれど、当初、まとまったというような話を聞いたんですよ。そこからのいきなりのこれやったので、そこに関して『ん?』っていうのがあったんです。トーナメントに対して文句があったわけじゃない。トーナメントを乗り越えてタイトルに行かないと、価値も周りも納得できないでしょう。結果的に良かったと思います。(大森に)余計なこと言うな」
――追い上げる方としてはどう思っている?
翔「前回の相手もランキングが上だったんですが、上とか下は考えてないいです。組まれているってことは実力が拮抗しているからだと思っています。大森選手は鈴木真彦選手にダウンを取ってしっかり勝っていて、もう一個上に行くと思っていたので、そこでの対戦オファーだったのでビックリしました。もらったオファーは全部やるので、美味しいと思っています。全部奪おうと思います」
吉田「梅井選手とは、僕の中ではいつか絶対にやると思っていたので、やるのが早かったというだけですね。まだ5戦というだけあって、こんな早くレベルの高い選手と出来るとは思っていませんでした。もっと試合に出たくらいでやると思っていました」
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▼フェザー級(-57.5kg)王座次期挑戦者決定トーナメント 3分3R延長1R大森隆之介(EX ARES/同級4位、バンタム級1位)翔(REVOLT/同級6位)
大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は格上を次々と撃破。2022年12月に加藤有吾に判定で敗れ連勝がストップ。しかし2024年3月、13戦全勝の山田虎矢太をバックハンドブローでKOする大番狂わせを起こした。8月にはバンタム級王者・大﨑孔稀に挑戦したが判定で敗れ王座戴冠ならず。2025年4月、鈴木真彦からダウンを奪っての判定勝ちで名を挙げた。戦績は10勝(6KO)3敗。
翔は福岡を拠点とし、2021年4月にはシュートボクシングで山田彪太朗から勝利を奪っている。RISE WESTを主戦場にしながらシュートボクシング、RIZINなどに出場し、2024年6月には梅井泰成に敗れるも、その後は久津輪将充と平野凌我に連勝。戦績は14勝(8KO)5敗1分。
▼フェザー級(-57.5kg)王座次期挑戦者決定トーナメント 3分3R延長1R梅井泰成(Mouton/同級3位、第4代RISEフェザー級王者)吉田晄成(TEAM TEPPEN/同級15位、スーパーフェザー級15位)
梅井は、柔道とレスリングをバックボーンに持ち、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代フェザー級王座に就いた。同年8月の防衛戦で門口佳佑に敗れて以降は、ノーコンテストを挟み3連敗と約2年勝利から遠ざかっていたが、2024年6月の翔戦で判定勝ち。9月の國枝悠太戦で判定負けも、2025年4月に有井渚海からダウンを奪って勝利。戦績は15勝(3KO)10敗1無効試合。
吉田は2022年4月に九州の『大和』でプロデビューし、2024年6月からRISEに参戦。TEAM TEPPENに移籍し、2025年6月に寺山遼冴を破る番狂わせを演じて戦績を5戦全勝(1KO)とした。