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レポート

【PANCRASE】フライ級王座決定戦・濱田巧vs.大塚智貴はノーコンテストに、キルギスのウルルがISAOを107秒KO、バルボーザに鈴木悠斗が初黒星、井村が負傷判定勝ち、木下が敢流に、猿飛流が岸田に判定勝ち、久米鷹介引退式、佐藤龍汰朗が林に競り勝つ

2025/07/27 12:07
 2025年7月27日(日)東京・立川ステージガーデンにて『PANCRASE 355』(U-NEXT配信)が開催された。前日計量は26日13時より行われ、全選手が計量をパス。 ▼キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ・フライ級(第10代王者決定戦)5分5R―濱田 巧(THE BLACKBELT JAPAN)1位、2022 NBT同級優勝 5勝 56.65kg[3R 0分31秒 ノーコンテスト]―大塚智貴(CAVE)4位、2021NBTストロー級優勝 8勝5敗 56.55kg  1位の濱田巧と4位の大塚智貴が、フライ級王座をかけて、2023年11月以来の再戦に臨む。  濱田はKNOCK OUTで花岡竜と王座を争うなどキックボクシングで22戦13勝を記録し、MMAに転向。22年のPANCRASEネオブラッド・トーナメントフライ級で渦巻DATE、伊藤まことに勝利し優勝。左ヒザの手術を経て、23年11月の大塚智貴戦で復帰。  濱田の打撃を恐れずパンチで果敢に応戦して組む大塚に、濱田はスクランブルの強さを見せてフルラウンドでポイントを制し完封勝利を収めた。その後、24年3月の立川大会では山崎聖哉に3R TKO勝ち。7月の立川大会でラファエル・リベイロに判定勝ち。5戦5勝でランキング1位に上り詰めた。  対するは、寝技の極めに加え、相手の意識を刈るパンチ力も備え、着実に進化を遂げてきたタフファイター・大塚。2023年11月の濱田戦は判定負けしたが、24年3月に眞藤源太に判定勝ち、6月に山﨑聖哉に2R TKO勝し2連勝。11月に秋葉太樹に判定負け後、25年4月の立川大会では浜本“キャット”雄大に判定勝ちを収めている。  THE BLACKBELT JAPANで同門の第8代王者・鶴屋怜のように無敗のまま王座戴冠を狙う濱田に対し、内に秘めた狂気を爆発させ、巡ってきたチャンスを掴み取りたいCAVEの大塚。前戦からの戦績は、濱田が2連勝、大塚が3勝1敗。最高の舞台で実現する623日ぶりの再戦。両者が積み重ねてきた全てが、この一戦の勝敗を左右する。  濱田「THE BLACKBELT JAPANの濱田です。明日はもうやることをここまでやってきたので、PANCRASEのメインイベントで、大塚選手と必ずいい試合にして大会をきっちり締めくくりたいと思います。よろしくお願いします」  大塚「明日は狂気全開でベルトを獲りに行きます。立川を日本で一番熱い場所にします。よろしくお願いします」  1R、両者オーソドックス。濱田が右を打ち込むが、大塚も右ストレートを返す。濱田の左フックがヒットし一瞬腰が落ちた大塚だが、すぐに組んでケージに押し込む。放して左右のフックを振る大塚。濱田はパンチをかいくぐってシングルレッグに。スタンドバックから左足をフックさせる濱田。  大塚は濱田のフックしている足の太ももにヒジを落とす。ボディロックに切り替えた濱田。後ろから足をフックして後方に引き込みバックマウント。濱田がバックキープしたまま1R終了。  オープンスコアは三者とも大塚10-9。バックキープしても攻撃がなかった濱田よりもスタンドでの大塚の打撃が取られた。  2R、タックルに入る大塚。濱田がアームロックを取りながら返そうとするが、大塚が上になりがぶる。濱田ディープハーフからバックに回るが、正対して立ち上がった大塚が両脇を差してボディロック。  腰を落とした濱田だが、大塚がリフトしてテイクダウン。ハーフバックについたが、両足フックを防いだ濱田が上を取り返す。  今度は大塚がディープハーフからスイープする。濱田起き上がり首を抱えるとバックに回ろうとする。ガードを取る大塚。残り1分。密着したまま両者パンチを入れ合う。細かいパンチを入れる濱田。2R終了。  オープンスコアは三者10-9で濱田を支持。  3R、前蹴りを入れる濱田。大塚がボディブローを入れたところで濱田の頭が当たり、バッティングでタイムストップ。左目が腫れている大塚。ドクターのチェックが入る。続行不能と判断され試合終了。  濱田の偶然のバッティングにより、大塚の左目が開かない状態のために続行不能。ルール上、試合が成立していないラウンド(5R制のタイトルマッチの3Rが終了していない)のため、ノーコンテストとなる旨が梅木審判部長よりアナウンスされた。  3R0分31秒、ノーコンテスト。  王座決定戦は王者が誕生せず。四方に礼をして退場する濱田と、左目を冷やしながら退場する大塚。ともに悔しげな表情でケージを後にした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R×ISAO(NEVER QUIT)第5代ライト級&第8代フェザー級王者 27勝6敗4分 66.05kg[1R 1分47秒 KO]〇カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス共和国出身)※バンタム級12位 11勝1敗 66.15kg  PANCRASEで数々の激闘・名勝負を繰り広げ、ライト級&フェザー級王者に君臨したISAOが、2021年5月の中島太一戦以来、4年ぶりに帰還を果たす。2023年11月『Bellator 301』でイーブス・ランドゥーに判定で敗れて以来の復帰戦。  対するは、4月のPANCRASE横浜大会で透暉鷹とのタイトルマッチが予定されていたものの、両者の計量失格により試合中止となったウルル。  現在、MMA界で猛威を振るう中央アジア・キルギスの強豪が、フェザー級に階級を上げISAOに襲いかかる。ウルルの前戦は、2024年9月の立川大会。殺傷能力の高い打撃により、実力者・井村塁をわずか75秒、パウンドで沈めている。  11勝の内、5KO・4SUBと驚異的なフィニッシュ率を誇るウルルは、防衛を果たしたばかりの王者・三宅輝砂を頂点とするフェザー級ランカー陣にとっても脅威の存在となる。ISAOは、復帰初戦で23歳の“シャーク”を撃退するか。  ISAO「無事計量パスしたんでしっかりリカバリーして、明日は素晴らしいファイトにして勝ちます。応援よろしくお願いします」  ウルル「日本の皆さん、ファンの皆さん、応援いつもありがとうございます。明日は素晴らしいファイトにしますので、期待していてください」(※ウルル インタビュー)  1R、サウスポーのISAOにウルルはオーソドックス。左ミドル、インローを蹴るISAO。飛び込んで左ストレートを放つ。左右のパンチを入れるウルル。飛び込み際にISAOがタックル。テイクダウン。  しかしすぐにウルルは、フックスイープで返して押さえ込ませず立ち上がる。  立ったウルルが左右のパンチで出ると飛びヒザ!着地後の右が側頭部にヒットしISAOダウン!KO!  1R1分47秒、ウルルKO勝ち。  ウルルはマイクで「日本の皆さんこんにちは。ファンの皆さん、ありがとうございます。またチャンスがあれば、PANCRASEのベルトを狙って戦っていきたいので、よろしくお願いします。ISAO選手は元チャンピオンだったということで、ランキング1位の選手に勝ったので(※実際にはISAOはブランクがあるためランク外)、自分もチャンピオンになるチャンスを下さい。よろしくお願いします」とフェザー級でのタイトル挑戦を熱望した。  現フェザー級王者の三宅輝砂は9月28日のRIZIN名古屋IGアリーナ大会で高木凌との対戦が決定しており、ほか上位では1位はキム・サンウォン、2位は栁川唯人、3位に平田直樹がつけている。ウルルは何位にランクされるか。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ラファエル・バルボーザ(MAQUININHA DO FUTURO/ブラジル)1位 15勝5敗 70.0kg[1R 4分31秒 スピニングチョーク]×鈴木悠斗(パラエストラ八王子)10位/2024年NBT同級優勝 6勝0敗 70.75kg  ライト級1位のラファエル・バルボーザ(MAQUININHA DO FUTURO/ブラジル)が2度目の来日参戦。6勝無敗の19歳・鈴木悠斗(パラエストラ八王子)と戦う。  27歳のバルボーザは、松濤館空手とマチダ空手をベースに、柔術でも茶帯。3月の前戦で、元UFCの粕谷優介を2R アナコンダチョークに極めるなど、MMA戦績は15勝5敗で、うちKO勝利5つ、一本勝ち5つをマークしている。  24日の公開練習では、シンゾー・マチダをパートナーに、グラップリングでは粕谷優介を極めたアナコンダチョーク。スタンドでは長い手足を活かして、刻み・逆突き。オーソから左前蹴りをそのまま着地させて歩くように右ストレート、左フックのコンビネーションなどを見せた。  練習後の質疑応答では、「前回はマチダ空手を50パーセントしか見せられなかった。今回はもっと見せていきたい」と語り、目指すはPANCRASEライト級のベルトと明言。  対する鈴木も、16日の会見で国際戦に向け「同じ人間なので変わらない。あっちからしたらこっちも外国人。今回勝ってできればタイトルやって。もし(王者の)ヤン坊(雑賀ヤン坊達也)さんが逃げるのであれば海外に行ってもいい」とこちらも、王座戦・ステップアップに向けて必勝体制であることを語っている。ライト級タイトルコンテンダーに名乗りを挙げるのは、バルボーザか、鈴木悠斗か。  バルボーザ「PANCRASEの皆さん、今日はまた呼んでいただいてありがとうございます。自分は準備ができています。明日は戦争します」  鈴木「明日は初の国際戦なんですけど、変わらず1RでKOして早めに帰っておいしいご飯食べようと思います。応援お願いします」  1R、両者オーソドックス。間合いを詰める鈴木。インロー。ステップするバルボーザだが、プレスしてケージを背負わせる鈴木。バルボーザが飛び込んで右をヒット。鈴木詰めてパンチを打ち込んだ。  離れるバルボーザ。また詰めた鈴木。カーフキック。ワンツーで詰める。右を打ち込んだ鈴木だが四つに組み止めたバルボーザ。ケージに押し込んでヒザを入れる。展開がなくブレイクがかかる。  またプレスする鈴木。バルボーザが飛び込んでタックルに。四つに組んでケージに押し込むと、またヒザを入れていく。引き剥がした鈴木。また詰める。左右のパンチを入れる。ケージまで下がったバルボーザに左右のラッシュ。ガードを固めて距離を取るバルボーザ。  頭が下がったバルボーザだがシングルレッグに。鈴木はキムラクラッチを組みアームロックで後方に回してヒジを打つが、先に起き上がったバルボーザがシングルレッグ。  鈴木はここまでの強打と組みで力を使ったか。際を譲って亀になった鈴木に、バルボーザは首を抱えるとアナコンダチョーク! 足を絡ませずに耐えていた鈴木だが、バブボーザの腹のなかで首を曲げられ絞められてタップ!  1R4分31秒、スピニングチョークでバルボーザ勝利。鈴木は初黒星。  試合後、バルボーザはマイクで「自分は怒りを使って戦っていますが、シンゾー(・マチダ)先生に怒られました。先生ごめんなさい」と、試合後に鈴木に対して中指を立てて挑発したことを謝罪。  そして、「今日の試合は苦しかったです。でも勝って自分の強さを見せられました。パンクラスの皆さん、僕にベルトに挑戦させてください。押忍」と、タイトル挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS)2位/2020年NBT同級優勝 12勝5敗 61.35kg[判定3-0]×髙城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)3位 9勝3敗 61.45kg  2025年3月の横浜大会、ボクシング技術の高い松井斗輝にノーモーションの左ストレートでダウンを奪い、RNCで勝利を収めた井村。5月にはROAD TO UFCに参戦し、ギエム・ヴァン・Yに無念のKO負けを喫するも、立ち止まることなく早くも戦いの場に戻ってきた。  高城は2024年7月立川大会でオタベク・ラジャボフに敗れるまで、平田丈二、川北晏生ら相手に5連勝を飾っていた総合力の高いバランスの取れたファイター。現在空位の王座を巡る熾烈なランキング争いが繰り広げられる中、この一戦の勝利は大きな価値を持つ。  井村「RTUで負けて最初の国内戦だと思うんですけど、しっかりまた世界に向けての第一歩だと僕は思ってるんで、しっかり叩きのめすところを見ててください」  髙城「明日は井村選手っていうPANCRASEのベストな選手に対して、まあ自分のベストを作るところを見せたいなと思います。俺のスタイルに期待してください」  1R、サウスポーの井村に髙城はオーソドックス。サイドキックを顔面に向けて蹴る髙城。関節蹴り。左ミドルを入れた井村。徐々に詰めてきた井村。ケージ際でパンチを入れると髙城が組んで入れ替えてケージに押し込む。ダブルレッグに切り替えてテイクダウン。三角を狙ったタイミングで足をサバいてパスを狙う髙城。  井村は下から髙城の左足をホールドして起き上がりシングルレッグに。バッククリンチに移行。バックかはら足をフックして背中に乗った。残り1分。おたつロックに捕らえる。グラウンドに引き込んだ井村だが、髙城が足のロックを外して正対してパウンド。立った井村。残りわずかでギロチンを仕掛ける。スタンディングで絞める井村。深く入っているが1R終了。  オープンスコアは一者髙城10-9、二者井村10-9。  2R、開始直後に詰めた井村がタックルに入るが両者の頭が当たりタイムストップ。井村の左目付近に当たっており、インターバルが取られる。再開。   すぐ詰めた井村。ケージに詰めてシングルレッグからボディロックに切り替えてスタンドバック。背中に乗った井村。自ら倒れ込んだ髙城。バックから殴る井村。  髙城が両腕で足のロックを解除しようとするが、井村は後ろからホールドして防ぐ。仰向けのままバックから殴る井村。チョークをディフェンスする髙城だが、井村のバックキープが続く。2R終了。  2Rは三者10-9で井村。  3R、井村が詰める。髙城右ハイ。飛び込んだ髙城だが、またバッティングとなりタイムストップ。また井村の左目に当たっており、腫れてきている。ドクターチェック。  偶然のバッティングにより井村の左目が開かなくなっているために続行不能と判断され試合終了。2Rが終了して試合が成立しているため、負傷判定が行われる。  30-28井村、30-28井村、29-28井村。判定3-0で井村判定勝ち。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇木下尚祐(リバーサルジム横浜グランドスラム)6位 12勝6敗1分 65.7kg[判定3-0] ※29-28×3×敢流(パンクラス大阪稲垣組)9位/2024年NBT同級優勝 7勝1敗 66.1kg  ZST、DEEPでキャリアを積み、パンクラス参戦後、小森真誉、遠藤来生を撃破し、ランキング6位に駆け上がってきた木下。  対するは、昨年4戦全勝、全試合TKO勝利という圧巻の戦績を誇り、今年5月の大阪大会では糸川義人をRNCで沈め、打撃だけでなくグラウンドの実力も見せつけた無敗の新星・敢流。  現在5連続フィニッシュ中と勢いに載る敢流が、一直線にベルトまで突き進むのか。あるいは、フェザー級戦線台風の目になりつつある木下が、キャリアの違いを見せその野望を打ち砕くのか。フェザー級の今後の勢力図を占う重要な一戦。  木下「横浜グランドスラムの木下です。明日は最高の相手なんで、最高の試合ができるように2カ月間準備をしてきました。明日、仕上がりの良さを楽しみにしててください」  敢流「ランキング上位の選手と戦えて嬉しく思います。明日はこの大会の中で一番熱い試合するんで、応援よろしくお願いします」  1R、両者オーソドックス。敢流が間合いを詰める。下がってケージを背負う木下だが、飛び込んでパンチを放った。敢流カーフキック。木下もインローを返す。敢流前蹴り。詰めてシングルレッグに入った敢流だが、木下カウンターのアームロック。腕十字に移行する。  クラッチしてこらえながらケージ際に運んだ敢流。まだクラッチしてディフェンスしている敢流。外れた瞬間にバックを取った。木下が立ち上がりスタンドバックに。テイクダウンを狙う。木下がまたアームロックを狙いながらヒジを打ち込む。残り10秒でヒザを入れた木下。1R終了。  オープンスコアは三者が木下10-9。  2R、敢流ハイキックからタックルに。バックに回り四の字ロック。しかし木下が足のロックを解除して正対。首投げで投げた敢流だが木下がケージに押し込むと足をフックしてバックに回る。  しかし敢流がスクランブルで上を取り返した。またスクランブルでバックについた木下。腕十字へ。解除した敢流がバックを取る。バックマウントから足を解除した木下が上を取り返す。バックを取った木下に敢流が前転してスクランブルを狙ったが、木下がついていきバックマウントに。そのまま2R終了。  2Rも三者が木下10-9。  3R、敢流が右をヒット。前蹴り。カーフキック。木下疲れが見える。タックルに入るが、小手投げでしのいで離れた敢流。右を打ち込んで組みに行った敢流。バックに回るが、クラッチを切って離れる木下。敢流カーフキック。足が流れる木下。左ボディから右フック。四つに組む木下だが引き剥がした。  パンチを打ち込むが木下組んでボディロック。敢流も消耗している。木下スタンドバックに。ハーフバックからグラウンドに引き込んだ木下。足のフックを解除した敢流だがその瞬間に腕十字。残り30秒。ケージを蹴って逆にバックを取った敢流。チョークを狙うが木下スクランブルからアームロック。タイムアップ。  判定三者29-28で木下が勝利。無敗の敢流に初黒星を与えた木下は、横浜グラウンドスラムの田中路教と勝村周一朗代表とハグをかわした。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×岸田宙大(パンクラス大阪稲垣組)11位 4勝2敗 56.75kg[判定0-3] ※27-30×2, 28-29〇猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)第7代KING OF PANCRASIST 12勝5敗 57.05kg  ランカー入り後初戦となった5月大阪大会で、岸田は織部修也を腕十字で秒殺。柔術黒帯の極めの強さ、MMAファイターとしての進化を見せつけた。 「ランカー上位に挑んでいく」と宣言した岸田に用意された相手は、かつて頂点に君臨した元王者・猿飛流。  2022年3月、小川徹を破り第7代王者に輝いた猿飛流だが、同年12月の初防衛戦で鶴屋怜に敗れ王座陥落。その後一時戦線を離れるも、2024年3月の『Eternal MMA』で復帰。  フライ級王者アンソニー・ドリリッチに挑戦も、2Rに左のカウンターを受けてTKO負けで戴冠ならず。12月のPANCRASEでは、ジョセフ・カマチョに2R リアネイキドチョークで逆転の一本負けを喫している。  前戦の勢いのまま大物食いを狙う新鋭・岸田と、再び頂点へ返り咲きを狙うベテラン・猿飛流が、フライ級で真っ向勝負の火花を散らす。  岸田「明日は僕のキャリアの中でも一番強い相手だと思うんですけど、しっかりフィニッシュして勝つんで応援よろしくお願いします」  猿飛流「相手はあの若手の勢いのある岸田選手で、三角絞めとか、一本獲りに行くのが上手いんですけど、すべてMMAでぶつけてすべて上回って自分が勝ちます。応援よろしくお願いします」  1R、サウスポーの岸田に猿飛流はオーソドックス。ジャブ、前蹴りで牽制する猿飛流。間合いを詰めてきた岸田にインロー、関節蹴りを入れていく。右ミドル。  詰める岸田だが、組みやパンチの間合いに入れない。岸田タックル。ボディロックからテイクダウンを狙うが猿飛流ケージでこらえる。投げた岸田。猿飛流の立ち上がり際に背中に乗ってチョーク!  しかし猿飛流が前に落とそうとする。外れて下になった岸田。腕十字を狙う。腕を引き抜く猿飛流。今度は足関を狙った岸田だが、猿飛流ガードに入り防いだ。  ガードの岸田にパウンドを入れる猿飛流。岸田また三角を狙うが、反応してディフェンスする猿飛流。1R終了。  オープンスコアは一者岸田10-9、二者猿飛流10-9。  2R、インローを蹴る猿飛流。ミドル、ジャブを入れる。岸田シングルレッグ。こらえる猿飛流だが、岸田バックに回るとすぐに背中に乗った。右腕を首に回すが、猿飛流は岸田の左腕を掴んでディフェンス。正対した猿飛流がテイクダウン。  ハーフからパウンドを入れていく。猿飛流パスしてサイドを取った。岸田がケージを蹴って体勢を変えると腕十字!猿飛流腕を引き抜いて外した。またハーフで押さえ込む猿飛流。岸田がケージを使って立ち上がる。猿飛流がボディロックを放さずにケージに押し込んだまま2R終了。  2Rは三者猿飛流10-9。  3R、パンチで出た岸田だが、猿飛流がボディロックからテイクダウン。ガードを取る岸田。三角を狙うが立ち上がって外した猿飛流。すぐにガードに入っていく。また三角を狙う岸田だが、猿飛流は岸田の足をサバいてパスを狙う。ガードに戻す岸田。  また下から岸田の足が上がってくるが、密着して防ぐ猿飛流。岸田下からギロチンに抱えるが、首を抜いて外す猿飛流。最後にパウンドを入れてタイムアップ。  判定30-27、30-27、29-28の3-0で猿飛流勝利。新鋭・岸田の寝技に真っ向勝負した上で完勝。元王者の貫禄を見せた。 [nextpage] 【久米鷹介引退セレモニー開催】 第7代ライト級キング・オブ・パンクラシスト(防衛回数3)久米鷹介(ALIVE)Takasuke Kume25勝8敗4分/PANCRASE戦績11勝3敗  第7代ライト級キング・オブ・パンクラシスト久米鷹介。2007年に修斗でプロファイターとしてのキャリアをスタートさせ、その後HEAT、ROAD FC、ONE、RIZINなど国内外の様々な舞台で実績を残した実力者が、長きにわたるMMAキャリアに幕を下ろす。PANCRASEでは、2016年9月に徳留一樹の持つベルトに挑戦し、無敗のままライト級王座を戴冠。その後、徳留一樹、トム・サントスとの防衛戦、雑賀 ヤン坊 達也との王座統一戦を経て、2023年4月アキラとの王座統一戦に敗れるまで7年に渡りベルトを保持し続けた。  今回、PANCRASEではその功績を称え、7月27日立川ステージガーデンにて引退セレモニーを開催。立川は、久米のキャリア最後の3試合となったアキラ、粕谷優介、雑賀 ヤン坊 達也との激闘が繰り広げられた思い出深い会場。常に熱い戦いで観客を魅了し、周囲への感謝の想いが溢れ記者会見で涙した姿も印象深い久米。キング・オブ・パンクラシスト評議会が定める「キング・オブ・パンクラシストは、PANCRASE公式試合において最も高い実力を発揮し、試合内容、人格、ともに品格ありと認められた者がその資格を有する」という条文をまさに王者として体現し続けてきたファイターがグローブを置く。7月27日、立川ステージガーデンに“ラスト・バーニング”が鳴り響く。燃え尽きる時まで、心熱く。   【久米鷹介コメント】 「この度、MMA選手としての活動から退かせていただくことにいたしました。ここまで年齢を重ねても『強くなりたい』という自分のわがままを貫くことができたのは、ひとえに多くの皆様に支えていただいたおかげです。心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また、その想いを常に尊重し、支えてくださったPANCRASE様にも、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました」  引退式での久米の挨拶。 「すみません、泣かないって決めてたんですけど…(感極まる)。ケージの横で試合を見ていても、みなさんが必死に戦っている姿を見ていて、やっぱり多くの人に支えられていて、向かっていけているんだってことを、すごく感じました。 多くの人の支えなしではこんな厳しい戦いはできないということを今感じていて、感謝することしかできないんですけど、この後も、必死に作ってきた選手たちが戦う素晴らしい大会が続くと思いますので、みなさん楽しんでいってください。長い間、本当にありがとうございました」 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym)第15代ウェルター級王者 18勝9敗 84.2kg[判定0-3]※28-29×3〇佐藤龍汰朗(坂口道場一族)2023年NBT同級優勝/ Fighting NEXUS初代ミドル級王者 8勝1敗 83.95kg  第15代ウェルター級王者・林源平の、約1年7カ月ぶりとなるPANCRASE参戦が決定。林は2023年6月、村山暁洋との王者決定戦を制し、ウェルター級王座を戴冠。  同年12月の初防衛戦で住村竜市朗に敗れ、王座を明け渡して以来久々のMMA復帰戦となる。ライト級からウェルター級に転向していた林は王座を目指し、今回はミドル級で参戦する。  その林の前に立ちはだかるのは、PANCRASEで5勝1敗の佐藤龍汰朗。2024年より参戦したFighting NEXUSでは、初代ミドル級王座決定トーナメントに参戦し、3連勝で王者に輝いている実力者だ。内藤由良のベルト返上により、王者不在となっているミドル級戦線。そこに林、佐藤の役者が加わることで再び動き出す。  林「ぶっ飛ばします」  佐藤「ただいまPANCRASEということで、久しぶりのPANCRASEなんで、やっぱ盛り上げて帰ります。ありがとうございます」  1R、オーソの林に佐藤はサウスポー。佐藤すぐにシングルレッグでテイクダウン。ハーフにするとヒジを落とす。ケージ際で体を起こす林だが、佐藤は寝かせると鉄槌を連打。さらにパウンドを打ち込む。林は足で距離を作り立ち上がる。立ち際に佐藤の頭が当たりバッティングでタイムストップがかかる。再開。佐藤が詰めてタックルへ。ケージに押し込む。ブレイクがかかる。林右ハイ。佐藤の画面にヒット。佐藤タックルに入る。切った林だが、佐藤がケージに押し込む。右を打ち込んで離れた。1R終了。  オープンスコアは三者10-9で佐藤。  2R、タックルに入った佐藤だが、林は両脇を差して受け止める。佐藤がケージに押し込んでパンチを入れるがブレイク。パンチで出た林。佐藤タックルに入る。こらえる林。佐藤が投げてバックを取った。両足をフックしてバックマウント。体をずらして逃れようとした林だが、佐藤が上をキープしてマウント。パウンドを入れるとまたバックマウントに。向き直りハーフにした林だが佐藤がパウンド・ヒジを落としていく。2R終了。  2Rも三者10-9で佐藤。  3R、間合いを詰める林。ミドルを入れた。組みに来た佐藤の脇を差した林だが、佐藤が閂に捕らえてケージに押し込む。しかし展開がなくレフェリーブレイク。詰めて右を打ち込んだ林。佐藤タックルに。受け止める林だが、佐藤はまたケージに押し込む。  片膝をついてタックルに入る佐藤だが、ヒジで抵抗する林。また膝つきタックルを狙う佐藤。切った林。佐藤の立ち際に左ハイ。佐藤すぐにタックルに入る。林切って離れる。佐藤タックルから引き込むが、林が付き合わずブレイクに。またタックルからケージに押し込んでいく佐藤。シングルレッグに入る。林スイッチで返そうとしながら頭部にヒジを入れて抵抗。残り40秒で佐藤がテイクダウン。林ガードから腕十字。クラッチしてこらえる佐藤。タイムアップ。  判定三者29-28で佐藤が勝利。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇荒田大輝(パラエストラ八王子)13位 4勝1敗 61.4kg[3R 2分7秒 リアネイキドチョーク]×安藤武尊(和術慧舟會AKZA)2勝1敗 61.55kg  2024年のNBT準優勝の悔しさを糧に、よりハードなトレーニングを重ねてきた荒田。4月立川大会では、“ボンサイ柔術のホープ”ギレルメ・ナカガワを伸びのある鋭いパンチで仕留め、ランカー入りを果たした。  一方、安藤はデビュー戦で、荒田がNBT決勝で敗れた山口怜臣に判定勝ちを収めている。さらにギレルメ戦での連勝を経て、2024年12月に代打出場となった一戦でランカー・合島大樹に挑むも判定負け。上位に食い込んでいくために、白星を重ねたい両者による激しい潰し合いとなる。  荒田「明日は何が何でも勝ちます。応援、よろしくお願いします」  安藤「頑張って勝ちます。以上です」  1R、サウスポーの荒田に安藤はオーソドックス。ミドルを入れた安藤。荒田が詰めてジャブ、左をヒット。安藤のパンチはバックステップでかわす。左ミドルを入れる荒田。安藤タックルにいくが受け止めた荒田。離れる。ジャブを突く荒田。荒田の左ストレートで安藤ダウン!起き上がりタックルに入る安藤。反り投げを狙ったがスッポ抜けた。  亀になった安藤に腕十字を狙う。ダウンを喫した際に鼻から出血している安藤。腕を引き抜いて立った安藤。タイムストップがかかり、安藤のカットのドクターチェック。再開。安藤タックル。テイクダウンするが、荒田下からアームロックを狙う。外れるとすぐに立った。ケージに詰めた荒田がヒザ! さらにパンチを打ち込む。1R終了。  オープンスコアは三者とも荒田を10-9で支持。  2R、安藤のタックルを切る荒田。四つに組み付いた安藤だが、荒田が投げてテイクダウン。がぶられた体勢からスイッチでバックを狙おうとした安藤だが、荒田立ってスタンドに。パンチで詰める安藤。タックルに入り、荒田の右足をクラッチしたが、荒田は安藤の背中についてたすきに取る。バックを狙った荒田を前に落として離れる安藤。スタンドに。  安藤右オーバーハンドをヒット。荒田も左を狙う。安藤シングルレッグに入りテイクダウン。しかし荒田は安藤の左腕を取ると腕十字を狙う。立ち上がった安藤がスタンドバックについたが、荒田がバックの安藤の腕をアームロックに捕らえて引き込む。外した安藤がパウンドを入れる。2R終了。  2Rは一者安藤10-9、二者荒田10-9とジャッジの判断が割れた。  3R、飛び込んで右オーバーハンドを出していく安藤。プレッシャーを掛けていく安藤。スーパーマンパンチ、バックブローを出していく。また右オーバーハンド。押されている荒田だが、安藤のタックルをスプロールすると後転スイープで上を取るとバックに回りチョーク!タップアウト!  3R2分7秒、リアネイキドチョークで荒田一本勝ち。荒田はマイクで「とりあえず勝てて良かったです。この後に鈴木悠斗が出るので注目してください」とコメント。同門の鈴木に勝利のバトンをつないだ。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇時田隆成(トライフォース東中野)6位 3勝 56.85kg[判定3-0]※30-27×3×眞藤源太(KINGCRAFT)9位 7勝3敗 56.95kg  時田は、レスリングで培ったスクランブル力とフィジカルを武器に、24年9月にプロデビュー。齋藤桜貴に判定勝ちすると、24年12月に初代王者・砂辺光久を、25年3月の前戦で、2023年ネオブラ王者・山﨑聖哉を2試合連続でパウンドアウト。破壊力抜群のパウンドで相手をねじ伏せる、フライ級戦線で鮮烈な存在感を放つファイター。  対するは、ブラジルの血を引く超攻撃型ファイター・眞藤。上田将年、浜本“キャット”雄大との激戦を制して2連勝中だったが、4月の立川大会ではラファエル・リベイロに肩固めで敗れ、今回再起を図る。  タイトルマッチへの階段を駆け上がるのは、猛スピードで進化を遂げ、無敗街道を突き進む時田か。多彩なスキルと闘志で、巻き返しを狙う眞藤か。  時田「明日は僕のやりたいことを一方的にやって、圧倒した試合を運びたいと思ってます」  眞藤「いや、俺が圧倒します」  1R、両者オーソドックス。眞藤が間合いを詰めるが時田がシングルレッグで飛び込むとアンクルピックでテイクダウン。下から三角を狙った眞藤。両腕をガードの中に入れて外した時田。ガードの眞藤にパウンドを入れる。   眞藤はケージで体を起こして立とうとするが、時田が立たせずにパウンドを入れるとサイドに移行。亀になった眞藤を四の字ロックに捕らえる。正対しようとする眞藤だが、時田がおたつロックに捕らえていて向き直れない。亀の眞藤にバックからパウンドを入れていく時田。眞藤耐えるのみで1R終了。  1Rオープンスコアは三者時田10-9。  2R、またタックルに入る時田だが眞藤は足を抜いて切った。前蹴りを出した眞藤だが、ローブローとなりタイムストップ。再開。時田すぐにタックルへ。テイクダウン。下からオモプラッタを狙う眞藤だが、時田は力で肩を押し込み足を巻かせない。眞藤ガードからギロチンに捕らえた。力を入れて絞める眞藤。しかし外れた。  パウンドを入れる時田。眞藤が体を起こして立ち上がろうとするが、ハーフにして寝かせた時田がヒジを入れていく。左右のパウンド。下からホールドして凌ごうとする眞藤。引き剥がすとパウンドを入れる時田。背中を向けた眞藤からバックを狙ったところで2R終了。  2Rも三者時田10-9。  3R、開始直後に飛びヒザを出した眞藤だが、ヒットせず下になる。時田はガードの眞藤に密着してボディロックでコントロール。背中を向けて立った眞藤。スタンドバックについた時田。投げてテイクダウンするとハーフで押さえ込む。  眞藤が逃れようとした瞬間に四の字ロックに捕らえる。バックから殴る。チョークを両腕を掴んで防ぐ眞藤だが、時田は上をキープし続けてパウンドを入れる。タイムアップ。  判定三者30-27で時田勝利。15分間ドミネイトし続けて、プロデビュー以来4連勝とした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×前田浩平(GRABAKA)11位/2018年IMMAFオセアニア選手権優勝 10勝7敗1分 61.5kg[1R 2分32秒 TKO]〇神部篤坊(ABLAZE八王子)6勝1敗 61.55kg  2025年3月の横浜大会でフライ級からバンタム級に戻した前田は、かねてより前田との対戦を熱望していた梅原規祥を完封。力の差を見せつけ、ランカーの座を手にした。  一方、Fighting NEXUSでデビューから5連勝という実績を引っ提げ、PANCRASEに乗り込んできた神部。1敗は2024年11月にNEXUSで中桐涼輔に判定負け。4月PANCRASE立川大会で、小原統哉を肩固めに極めると、即座にランカーとの対戦をアピールしていた。要望が叶ったこのチャンスをモノにし、神部がランキングへ侵食するのか。  それとも、PANCRASE3連勝中の前田が外敵の侵略を阻むのか。前田は、2024年4月に砂辺光久に、7月に増田大河にいずれも判定勝ち。10月のグアム『Brawl 4』では韓国KTTのソン・ギョンホと判定ドロー。前戦で梅原に判定勝ちしている。  前田「30歳になりましたけど、今が一番間違いなく強いと思うので、明日それを見せてフィニッシュして勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」  神部「25歳ですけど、僕も一番強いんで、明日お願いします」  1R、サウスポーの前田に神部はオーソドックス。プレッシャーを掛ける神部に放った前田のインローがローブローになりタイムストップ。再開。前田タックルで飛び込む。テイクダウン。しかし下から首を抱えた神部がリバーサルして上を取る。  ハーフで上半身を固めて肩パンチを入れる。体を起こしてパウンド。前田は下から脇を差して立ち上がる。スタンドで神部の右のダブルが入り前田崩れた。バックから右のパウンドを連打する神部。動けず打たれる前田を見てレフェリーストップ!  1R2分32秒、TKOで神部勝利。  試合後、神部は「2Rフィニッシュできたんで、上位ランカーと見たくないですか?上位ランカーとお願いします」とマイクでアピールした。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ライカ(RIGHT THING ACADEMY)12勝12敗2分 56.95kg[2R 1分22秒 KO]×オノダマン(T-BLOOD)1勝1敗 56.65kg  重田ホノカ、杉山しずかと、後に“クイーン”の座に就く強豪らに敗れ、さらに昨年7月の大阪大会ではデビュー戦の和田綾音にも敗戦。現在3連敗中と、崖っぷちに立たされているライカ。  対するオノダマンは、6月のニューピアホール大会でその和田と激突。大方の予想を覆す渾身のファイトで22歳年下の和田を追い込み、惜しくも敗れはしたが存在感を強烈に印象づけた。  ボクシングで三階級制覇を成し遂げ、プロデビューから25年を経た今なお戦いの場に立ち続けるライカ。50歳を超えて戦いの場に足を踏み入れたオノダマン。まったく異なる人生を歩んできた二人が、ケージで交わる一戦の結末はいかに。  ライカ「明日は勝つことしか考えていません。応援よろしくお願いします」  オノダ「明日も全力でぶつかっていきたいと思います。お願いします」  1R、両者オーソドックス。オノダマンがすぐに間合いを詰めていく。パンチを出しながら組もうとする。ケージに押し込むとダブルレッグに切り替えてテイクダウン。背中を向けて立ち上がるライカ。バッククリンチからヒザを入れるオノダマン。ライカ正対して引き剥がし離れる。  ワンツーを入れるライカにオノダマンも右を返す。ケージに押し込んでいくオノダマンだが、ライカは入れ替えて逆にケージに押し込む。腹にヒザを入れるライカ。  離れるが、すぐにパンチを出しながら詰めるオノダマン。ライカのパンチの距離を潰していく。タックルに入るとスタンドバックの体勢に。バッククリンチのオノダマンにヒジを入れるライカ。1R終了。  オープンスコアは一者10-9オノダマン、二者10-9ライカと割れた。  2R、すぐにパンチで詰めていくオノダマン。距離を取るライカを追いかけて右を当てるとケージに押し込む。四つから入れ替えてヒザ・ヒジを入れ引き剥がすライカ。  詰めてきたオノダマンにライカの右ストレートがヒット!前のめりにダウンするオノダマン! KO!  2R1分22秒、ライカKO勝ち。  試合後にマイクを取ったライカは、「1年ぶりの試合で、3連敗していたんで、今日は何が何でも勝たないといけないと思って準備してきました。これからもやれるところまで突き進んで行きたいと思うんで、よろしくお願いします」とコメントした。 [nextpage] 【プレリミナリーファイト】 ▼第3試合 フライ級 5分3R×大野友哉(THE BLACKBELT JAPAN)6勝3敗 56.8kg[2R 2分29秒 TKO]〇増田大河(セルフディフェンスアカデミー)2勝3敗 57.05kg 大野は、2024年6月に小林了平に判定負けも、2025年は2月に饒平名知靖に判定勝ち。5月の前戦で金澤臣人に2R 三角絞めを極めている。  増田はプロデビューから2連勝も、ネオブラ決勝で寺岡拓永に判定負けを喫すると、植松洋貴、前田浩平にいずれも接戦の判定で敗れている。  大野「ここをしっかり勝って3連勝します。応援よろしくお願いします」  増田「調子いいんで、バッチリ仕留めます」  1R、両者オーソドックス。カーフを蹴る大野。タックルに入ったが、増田が押し倒して上を取る。大野下からハーフネルソンを仕掛けたが抜けた。大野がガードから増田の腕を取ろうとするが、増田は立ち上がり大野の足を蹴る。大野立ち上がりスタンドに。増田の飛び込んでの右フックがヒット。一瞬膝をついた大野だが組んでいく。ケージに押し込む。投げを狙ったが増田こらえた。放してパンチを入れる大野。1R終了。  オープンスコアは三者10-9で増田。  2R、大野タックルに。クラッチしてドライブするとテイクダウンを狙うが、増田こらえてバックに回りパウンドを入れる。大野バックを取られた体勢からアームロックを仕掛ける。腕十字に移行したが、増田外してバックに回るとまたパウンドを打ち込む。  立った大野だが増田の右フックをもらった。効いた大野の顔面にヒザ!しゃがみ込んでダウンした大野にパウンド連打。レフェリーストップ!  2R2分29秒、TKOで増田勝利。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級 5分3R〇稲垣祐司(NATURAL 9)1勝 57.1kg[判定3-0]※30-27×3×工藤星那(THE BLACKBELT JAPAN)1敗 56.5kg  稲垣は、2024アマチュアMMA全日本選手権バンタム級OpenTournament 優勝から、25年3月の横浜大会でプロデビュー。今井洋希に2R リアネイキドチョークで一本勝ち。  工藤は、2024西関東選手権Sクラスルールトーナメントバンタム級トーナメントC優勝から25年2月の品川大会でプロデビュー。ネオブラッドトーナメント一回戦で谷村泰和に1R 腕十字で一本負け。  稲垣「まだまだ新人なので一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします」  工藤「明日はしっかり倒しに行きます。応援お願いします」  1R、両者オーソドックス。右を打ち込んで組んだ稲垣。ケージに押し込んだが、入れ変えた工藤。さらに入れ変えた稲垣がヒジを入れて離れる。ジャブの刺し合いからまた組みに行く工藤。引き剥がした稲垣。カーフを蹴る。詰めていく工藤。パンチ連打でケージまで下がらせると組みに行く。引き剥がす稲垣だが、工藤がまた詰めていく。しかし稲垣のカーフキックで足が流れてスリップダウン。すぐに立ち上がる工藤。パンチからのタックルを切った稲垣。逆にタックルに入りテイクダウンするとバックに回った。リアネイキドチョークに捕らえながら両足をフックしバックマウント。腕を掴んでチョークを防ぐ工藤。1R終了。  オープンスコアは三者とも10-9稲垣。  2R、すぐに詰めて組んでいく工藤。ケージに押し込んだ。押し返してヒジを入れた稲垣。すぐに詰める工藤にタックル。ハーフバックから両足をフックさせてまたリアネイキドチョークを狙う。稲垣がマウントに移行。亀になった工藤の体を伸ばしてリアネイキドチョーク。ディフェンスして反転しようとした工藤だが、稲垣はバックをキープ。右腕が喉元に入る。工藤反転して外した。タックルに入る工藤。ケージに押し込んで足をかけて倒すが、すぐ立ち上がった稲垣。2R終了。  2Rも三者10-9稲垣。  3R、詰めた工藤が左右のパンチをヒット。タックルに入る稲垣だが、クラッチできずに離れた。疲れが見える稲垣。工藤が距離を詰める。稲垣のタックルを両脇を差して切った工藤。ケージに押し込みながらパンチを入れる工藤。離してパンチを入れた工藤。  距離を取る稲垣を追っていく。ボディ・顔面にパンチをヒットする工藤。サークリングで距離を取る稲垣。追ってきた工藤にタックル。テイクダウン成功。ハーフで押さえる稲垣がヒジを入れる。残り30秒でリアネイキドチョーク。外れたがマウントにしてヒジを入れていく。タイムアップ。  判定三者30-27の3-0で稲垣勝利。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級 5分3R×大澤雄空(パラエストラTB)デビュー戦 65.7kg[判定0-3]※※27-30×3〇眞弓田涼介(禅道会)デビュー戦 66.1kg  パラエストラTBの大澤は、2025東関東選手権Sクラスルールトーナメントライト級A優勝。実妹は全日本選手権優勝で、6月26日にプロ4戦目でOPBF王座に挑戦する大澤あねら。  禅道会の眞弓田涼介は、2025東関東選手権Sクラスルールトーナメントライト級B優勝。  大澤「デビュー戦なんで、覚えてもらえるようにインパクトある試合をします」  眞弓田「明日デビューします。全力でぶちかますので、応援よろしくお願いします」  1R、両者オーソドックス。スイッチしてミドルを入れた眞弓田がそのまま詰めて首相撲に捕らえる。ヒザを入れた。入れ変えた大澤が四つからテイクダウンを狙う。こらえた眞弓田が逆にシングルレッグでテイクダウンを奪った。ハーフで押さえ込んだ眞弓田。ガードに戻した大澤。  立ち上がった眞弓田だが、足をサバいてパウンドを落とす。マウントに。ブリッジで反転しようとした大澤だが、眞弓田バックに回り、仰向けで四の字ロックに捕らえる。リアネイキドチョークを狙っていく。残りわずかで背負って前に落とそうとする大澤だが、眞弓田がバックキープし続けて1R終了。  オープンスコアはジャッジ三者10-9で眞弓田を支持。  2R、カーフを蹴る眞弓田。ミドル。大澤がパンチで出て右をヒットさせたが、眞弓田タックルに入りテイクダウン。足で離そうとする大澤だが、眞弓田がガードに入り立たせない。立ち上がると下の大澤に右のパウンドを連続で落とす眞弓田。  立ち上がって逃れる大澤。スタンドになるが、大澤が出たところでタックルに入りテイクダウン。ハーフにしてパウンド・ヒジを落とす眞弓田。フルガードに戻す大澤。下から蹴り上げで眞弓田の飛び込みパウンドを防ぐ。2R終了。  オープンスコアは2Rも10-9眞弓田。  3R、詰めて右を入れた大澤だが、眞弓田が組み付くと首投げで投げる。ガードからキムラを狙う大澤だが、腕をクラッチしてディフェンスする眞弓田。しかし大澤がケージを蹴って反転し上を取る。眞弓田すぐに立ち上がりタックルに入ると再びテイクダウンしバックに。四の字ロック。大澤反転して上を取り返したが、その瞬間に眞弓田が三角クラッチに捕らえた。外した大澤がマウントに。今度は眞弓田が反転して上を取り返す。バックに回った。腕を入れた形のリアネイキドチョークで絞めたがタイムアップ。  ジャッジ三者30-27の3-0で眞弓田がプロデビュー戦勝利。
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