(C)GONG KAKUTOGI
2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナ『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』に出場する選手の個別インタビューが25日(金)、都内にて行われた。
メインイベント・第15試合のRIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rで、朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)と対戦するクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)が出席。
クレベルは大晦日、鈴木千裕との再戦で判定勝ちで1年半ぶりにベルトを奪還。25年5月、無敗のシェイドゥラエフを挑戦者に迎えるも1R、初のTKO負けで王座陥落した。早くも再起戦となる今回、勢いを取り戻した朝倉を再び返り討ちにし、ベルト奪還へ突き進むか。
朝倉は、24年7月に平本蓮に1R KOされいったん引退を宣言。平本との再戦で復帰が発表されるも、平本の怪我を受け、5月『男祭り』で鈴木千裕と対戦し、3R TKO勝ち。復活を遂げた。2021年6月の初対決から4年を経て前王者のクレベルに寝技の進化も見せつけてリベンジし、王座挑戦へ駒を進めるか。
朝倉の会見から3時間後、公式撮影を経て会見場に現れたクレベルは、「自分がまだこの階級のトップにいるということを見せたい」と語った。
もっと燃やす薪が自分にある
──試合を2日後に控えた現在の心境を。
「わたしすごい、嬉しいとかちょっと緊張とか色々です。でも嬉しいです。もう一回のチャンスで、メインイベントで朝倉と戦う、嬉しいです」
──緊張と喜びがあると。
「両方な。なんで朝倉ともいっかい戦う、あとでもう1回自分の試合。いろいろみんなずっと待ってる。自分やっぱり『超RIZIN』メインイベントだったら緊張するな」
──対戦相手の朝倉未来選手の印象は?
「とても成長した、進化したと思っていますし。選手としてバァーっと上がって、落ちてしまって、またトップに戻るように頑張っているように見えます」
──どんな試合展開になると考えていますか。
「自分がまだこの階級のトップにいるということを見せたい。負けてしまいましたけど自分はMMA選手としてトップにいること、自分がMMA選手としてトップであることを見せたい」
──前回の朝倉戦は2Rフィニッシュ。もっと早く終わらせたい? もっと苦戦すると想定していますか。
「何ラウンドでフィニッシュするかは難しいが、1Rにチャンスがあればフィニッシュするし、2R、3R,ひとつだけ断言するならこの試合は判定に持ち込ませません」
──朝倉未来選手のヒジの予告に対してはどう感じましたか。
「試してくるとは思うけど、試すのと実際やれるのはまた別の話。彼がそう言ったのは、自分が(前回)ヒジを決めて戦局が変わったことに気づいたから。自分は綺麗なヒジが出せれば」
──9月28日には名古屋IGアリーナ大会もありますが……。
「無理無理無理(苦笑)、私いま家族との約束(がある)。この試合終わり、大晦日だけタイトルマッチやりたいけど疲れた(笑)。12月、5月、7月で(9月も試合するのは)難しい。子供ちっちゃい。家族の時間(が必要)。からだ疲れるから、休みたい。(会見に付き添った)サトシでいいよ、交換で(笑)。あとはサトシ。私はちょっと休みたい」
──『男祭り』の前々日には年齢(35歳)の話もありました。キャリアを重ね、年齢を重ねてプラスになっている部分は?
「年齢としてのいいところというのはやはり経験。それから自分が人間としての成熟。何年も同じことをやっているので。年齢を重ねることで、自分でも歳をとったとか、思ったように体が動かないと思ったけど、リミットを自分で設けただけだった。前回の試合のあとジムに戻ってみんなと話もして、まだまだ自分はできると思いました。まだ、この前負ける前まで、“自分は歳だし続けるよりそろそろ終わりに”と思ったけど、負けたことで“もっとやりたい、できる”と思って、もっと燃やす薪が自分にあると思った。負けたことで勝ったことより学ぶことが多かった」
──これまでとの違いは、ファンが増え、応援する人が増えました。強さ以外に、これだけ応援する人が増えたのは、ご自身ではどう考えますか。
「一番の理由として考えられるのは、自分が本当の自分をいつも見せている。正しいこともあれば間違いも、勝つ時もあれば負ける時も。そういう自分を、キャラを作らず自分らしさを見せているのが一番の理由だと思います。自分は感情を表に出すタイプなので、泣く時は泣くし、嬉しい時は嬉しいと感情を表現するし、人に対して親切によく接しようと思っているし、勇気づける、モチベーションを与えるようにしたいとも思っているので、それが理由だと思います」
──メインイベントになると聞いたときはどんな気持ちでしたか。
「それについてはすごく嬉しく思っていますし、特別にも思っています。何人の選手がRIZINメインの夢を持っているかといえば……。サトシがメインのときも、クレベルがメインのとき、それぞれでメイン、セミのとき──自分たちが認められた証拠だと思っている。チケットが売れるのも、東京ドームや『超RIZIN』、大晦日のようなビッグイベントで自分たちがメインを張れていることは嬉しい」
──国旗の寄せ書きは?
「磐田市のスポーツ親善大使をサトシとともに務めており、ららぽーとに、通りすがる人がメッセージを書けるようにしてくれていて、みんなが書いてくれたものを磐田市長から直接手渡され、彼も喜んでくれました。磐田市はサッカー(ジュビロ磐田)やラグビー(静岡ブルーレヴズ=ヤマハ発動機)や卓球(東京五輪卓球混合ダブルスの金メダリスト水谷隼、伊藤美誠選手を輩出した豊田町卓球スポーツ少年団)とかいろいろあるけれど、『今回一番寄せ書きが多くて嬉しかった』という話を聞いて自分も感謝しています」

【写真】本誌『ゴング格闘技』(NO.339)のロングインタビューでクレベルは、ある決意を明らかにしている。
──今回のタイでの練習。プーケット・ファイトクラブで、マルロン・サントスからも指導を受けた?
「彼とキャンプすることはできず、最後の練習に参加しました。ほかの約束があって彼はジムにいませんでした。(アドバイスは)くれました、もちろん。彼は知識が深いので、細かいアドバイス、こうした方がいいということを教えてもらいました」
──アリシア・ロドリゲスを見ているコーチ(レオ・エリアス)にムエタイのミットを持ってもらっている様子を見ました。指導してもらっている?
「自分がタイに行っている一番の理由が彼と練習するため。彼はコーチだけでなく兄弟のような存在。サトシやマルキーニョスのほかに、人生の中で与えられた存在で、7年以上前から一緒に練習しています」






