2025年6月27日(金)東京・後楽園ホール『Krush.177』にて、Krush初のオープンフィンガーグローブマッチが7試合行われる。
Krush-OFGミドル級3分3R延長1Rで、神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)と対戦する夜叉猿(力道場静岡)のインタビューが主催者を通じて届いた。
夜叉猿は高校時代にラグビー西日本代表選手として代表キャンプに参加。2020年11月のKrush-EXでプロデビューし、戦績は7勝(2KO)8敗と黒星先行だが、2022年3月の山崎陽一からの勝利が光る。2023年10月にIPCC日本スーパーミドル級王座、2024年4月にKROSS×OVER KICKミドル級王座を奪取して二冠王となった。
勝っても負けてもリングは血まみれみたいな感じで
──RibelLion入りは保留中の夜叉猿選手ですが、そのRibelLionがちょっと大変な感じですよね。そこはどう思ってますか?
「ああ(笑)。でも、永坂吏羅選手が暴れてるだけで、僕がレオナ・ペタス選手のところに入れてもらいたいという気持ちは変わらないです。『K-1をいい方向に変えていきたい』というRibelLionの方向性は僕も同じなので、僕も力になれるようになりたいと思います」
──レオナ選手は力道場静岡によく来てますよね。
「はい。多い時は週に1回とか、2週に1回とか来てくれるので、一緒に練習してます。セコンドにもついてもらったし、試合のアドバイスをもらったりもしています」
──そして5月末の記者会見では大暴れでしたよね。手応えはどうでしたか?
「神保選手はシュークリームが嫌いって言ってたから、わざわざシュークリームを持っていってあげたんで、投げ返されたりするのかなと思って構えてたんですけど、ニコニコしてたから拍子抜けでしたね。『投げてこいよ!』って思いました(笑)。意外といいヤツやなって。顔が怖いから、ブチ切れられるかなと思ってたんですよ。松倉信太郎戦の時とかもブチ切れてたんで。でも今回は違いましたね」
──ただ、対戦相手としては申し分ない?
「そうですね。チャンピオンたちより名前があるし、ミドル級を作った本人でもあるし、僕は『ミドル級の顔』と思ってます。格で言ったら僕より全然上ですよね。『夜叉猿と神保、どっちが強いと思いますか?』って100人に聞いたら、絶対100人とも『神保』って言うと思うんで。でも試合はまた別ですからね。試合が全部下馬評通りにいくとは思ってないし、それやから格闘技は面白いんで。しかも今回は普通のキックボクシングやないし、どっちが勝つかは全然分からんと思ってます」
──神保選手の強いところはどこだと思っていますか?
「キャラ的には意外とガツガツ来るのかと思いきや、意外と丁寧な動きをするんで、技術的にはうまい選手だと思いますね。根性系、パワー系で来るというよりは、クレバーに、キレイなキックボクシングをやってくる選手だなと。でもそこは付き合っちゃダメだなと思ってますけど」
──付き合うことなく、どう攻めていきたいですか?
「そこは試合当日のお楽しみというところですけど、1カ月前にやった戦熊戦みたいに激しくいかないと盛り上がらんと思うし、逆に盛り上がる試合ということで言ったら、僕みたいにガーッといった方が会場も沸くじゃないですか。テクニック合戦なんか、一切するつもりはないですね」
──最初から仕掛ける?
「もちろん、もちろん! メインで、しかもオープンフィンガーグローブ(OFG)の試合でチョコチョコやり合ってたら、お客さん帰っちゃうと思うんで(笑)。帰ろうとしてた人たちも足を止めるぐらい、掴みからガンガンいってやろうと思います」
──OFGで練習していて、いかがですか?
「けっこう拳に感触があるなと思うぐらいですかね? 打ち方が変わってくるというのもありますけど。対人となると、よけやすいというのもあるけど、逆に自分が当てにくいなとも思います。大きさがない分、的確に当てていかないといけないし。でも逆に、当たったら大ダメージを受けるやろうし、自分も大ダメージを与えられるやろうなって思います」
──正確に当てることを心がけていると。
「はい、もうメッチャ正確に当てられるようになりました。試合をやってみないと分かんないですけど、今のところ、OFGはけっこう自分に合ってるんじゃないかなと思いますね」
──今回のOFGマッチって、「特別試合」感があると思うんですが、そこはどうですか?
「自分はその感覚はなかったですね。『OFGやから』とか『初めてやから仕方ない』とかは一切思ってなくて。それこそムエタイにチャレンジした時と同じ感覚で、ここで負けたらだいぶ大変なことになるなという気持ちがあります。この試合結果一つで、自分への評価がだいぶ変わってくるなとも思ってますし」
──ここで勝ったら、かなりいろいろひっくり返せますしね。
「そこがメッチャ嬉しいんですよ! 今、ミドル級ではK-1にしろKrushにしろ、神保君が次の挑戦者っていう立ち位置じゃないですか。そこに行くまでには外国人がいたりというのもあるんですけど、日本人枠の中では、ここで勝ったら一気にナンバーワンに行けるんじゃないかなって思ってます。一発大逆転ですよね」
──メインという点についてはどうですか?
「規模は違うんですけど、他団体とかオーストラリアとかでメインは2回やってるんで、そこは何の緊張もないですね。オーストラリアの時はもっとひどくて、トラブルとかもいろいろあったんで、それに比べれば何でもないなって。1週間前から現地入りしてメディカルチェックとかいろいろやってたし、一人部屋と聞いてたらまさかのセコンドと相部屋だったりしたし(笑)。ルールも突然聞いてたものと違ったし、体重オーバーされたのにペナルティーも何にもなかったり、『全部乗せ』みたいな感じだったんで、あれよりひどいことはないと思って(笑)」
──それは大変ですね。
「だから、むしろこの前の大阪大会での第1試合の方が緊張したかもしれません(笑)」
──でも、後楽園のメインとなると、またちょっと違いませんか?
「ああ、確かに(笑)。うーん、何とも言えませんね。もしかしたら、当日になってメチャクチャ緊張するかもしれないですけど。というか、今回は試合が楽しみなんですよ。先月は大会の火付け役という感じで、それがしっかり遂行できて。今度は締めの大トリを任されたんで、どっちも最高に盛り上げないといけない役割じゃないですか。それを連続でもらってるんで、違う形で盛り上げたくて。とりあえずお客さんに喜んでもらうことしか考えてないんですけど、僕ならできるかなって思います」
──「ぶっ倒して勝つ」と「お客さんを喜ばせる」がワンセットなんですね。
「そうですね。もう、勝っても負けてもリングは血まみれ、みたいな感じで、引かずにぶん殴り続けようと」
──「負けても」なんですか?
「いや、勝つことしか考えてないですけどね。お互い血まみれで、最後に俺がマイクを持ってるイメージしかないです。勝てばRibelLionに入れてもらえることになりますし」
──では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”をいただけますか?
「絶対にお客さんが喜ぶ試合をします。打たれて引いたり、イヤ倒れしたり、逃げて距離を取ったりはしないんで。リングから目が離せないようなバッチバチの展開になると思うんで、期待しててもらっていいですよって、自信持って言えます」