51.5kgでの試合はこれが最後かな

――今回の試合に関しては、初のビッグマッチでのメインイベントというところで、改めて試合が近づいてきた今の心境はいかがですか?
「試されているなっていうのは正直なところで、“今後こいつをメインで使えるのか使えないのか”っていうのがRISEからの試練なのかなって思いました。やっぱドSなのは一貫しているなと思います」
――ガチな感じがしますね。
「RISEも今『RUF presents 200万総取りトーナメント“GACHI!!”』をやっているじゃないですか。やっぱりガチだなって思いますね」
――キャリア的にも天心選手がISKAのタイトルに挑戦した時期と被ったりしていて、“こういう試合を受けていく時期だ”という自分の中での位置付けやテーマを持っていたぐらいのタイミングでしたか?
「天心が獲ったタイミングと近いですし、天心が初めてISKAの試合を経験した時に、試合後に救急車で運ばれていたイメージがあるので、『今回は何があるか分からないぞ』って自分の中で強く思っています。そこの危機感は強く持っているので、見ておいて良かったなと思いました」
――今回は初参戦の外国人が相手というところで、日本人対決とか皆んながよく知っている選手とやるメインとはちょっと違って、龍心選手的にも本当のメインというようなシチュエーションになりました。その辺りについては「自分でも敢えて背負って戦う」もしくは「あまり考えないようにしている」という、どちらの考えでいますか?
「今までの相手が、日本人のお客さんにも結構名前が知られていて、そこに『那須川龍心は通用するのか』という位置付けだったと思うんですけど。今回の相手は全く知らないので、自分の実力もそうですし、“見せ方”というか『どんなやつか分からない相手に、どう見せられるのか』が試されていますよね。本当に戦いですね。色んな戦いがあります」
――良い意味で皆の期待を裏切るようなパフォーマンスをやってみせて、龍心選手の言われている“革命”とか、もっとRISEを変えていきたいとか、もっと自分の高みを目指していきたいという感じですか?
「やっぱり期待を超えていかなければいけないですし、期待以下の試合というのは自分でもしたくないです。倒すのが全てではないですけど、倒した方が見え方も分かりやすいですし、どう倒すかっていうのは今回の鍵かなと思います。だけど自分のパンチ力は過信せずに、タイミングで倒しに行こうかなと思
っています」
――RISEも6月と8月にビッグマッチがあって、RIZINやお兄さんのボクシングとか、色々格闘技のビッグマッチがありますけど、その中でも自分の試合でインパクトとか自分の存在を見せたいという気持ちはありますか?
「51.5kgでの試合はこれが最後かなと思っているので、これを獲って階級を上げて、どんどん上の選手に挑戦していって、年内には53kgのベルトも獲りたいと思っているので、それに向けての1戦かなと思っています」
――会場で天心選手のボクシングの試合を見て、どう思いましたか?
「ボクシングをする能力の安定感が増してきているなと思いました。最初は緊張しましたけど、途中からは安心をして見れたので、安定感が増してきていますよね」
――それが“遊び”の部分の話での梃子になっているかもしれないですね。
「ボクサーとして完成されてきているので、その中に“天心流”をどこに入れるかって話していたので、自分もキックボクシングのスタイルの中に“龍心流”を入れていかないといけないなと思うので、そこは見ていて勉強になります」
――天心選手が昇竜拳(ジャンピングアッパー)を出していましたが、ご自身では今回の試合で何か出したい技などはありますか?
「ちょっとやってみたいなと思いましたね。自分は『はじめの一歩のカエルパンチじゃん』と思って、やってみたいなと思ったので、何かやります」
――天心選手のカエルパンチの時に、天心選手が「もうちょっと自由に戦っていった方が良いんじゃないか」という話をして、龍心選手も意気投合していたと思うのですが、その辺りはどうでしたか?
「試合終わりに控室で天心と会って、色々話して『遊びを入れたほうがリズムが出てくるよね』って感じだったので、俺もそうなのかなと思ってやってみたら、遊びを入れたりした方が自然と力も抜けて力みが取れるので、そういうのは兄弟なので感覚が一緒なんだなと感じます」
――カエルパンチはマスの中で出したりしていたんですか?
「ふざけてやっていましたね」

――天心選手がボクシングで「パンチ力がない」など色々言われて、本人も反省するような所があったと思うのですが、キックボクシングではパンチでKOする試合も多くあったと思います。お兄さんのパンチ力に関しては龍心選手はどのように思っていますか?
「ないわけではないと思うんですけど、(キックボクシングでは)蹴りがあってのパンチだし、パンチがあっての蹴りなので、そこを制限されてパンチだけとなると、どうしてもディフェンスもしやすいですし、そこからどう当てていくかという工夫が必要なので、天心はそこに苦戦しているんじゃないですか。だから上手く打ち抜けないというか、ミートできていないと思うので。そこが自分は全く分からないので、天心がそこの技術を上げていけばもっともっといくんじゃないかなと思います」
――龍心選手は今4連続KO勝利をしていますが、ご自身のパンチ力をどう思っていますか?
「タイミングだと思っているので、別にパンチ力があるわけではないと思うんですけど、パンチ力があると思っちゃうと、どうしても試合中に力んでしまうので、そこはパンチ力があると思わないようにして、タイミングで倒す意識をしています」
――SNSの方でお兄さんと同じように日記をつけていると思うのですが、ご自身に何かプラスになる事はありますか?
「日記に書くことによって、練習していた時にどう思っていたとか、普段の日常からすごく目を向けられるようになりました。それで振り返る時間も自然とできるので、自分の身にもなりましたね」
――ふと見ると、襟足が長くなってきていますが、これは天心選手の髪型に寄せていっているのでしょうか?
「結構それは言われるんですけど、ずっと伸ばしてみたかったんですよ。襟足を育成している時に天心もちょうどあの髪型にしていたので、タイミングが被っちゃいました(笑)。あの髪型にはできないですけど、今回の試合では短くしようかどうしようかなって悩んでいます」
――また試合の時には違った髪型が見れるかもしれないんですね。
「もしかしたら短くするかもしれないですし、長いままかもしれないです」
――天心選手が言っていた「遊んだ方がいい」というのは、天心選手が自分自身に向けて発言した言葉だったんですか?
「天心と話していて『やっぱり遊びに行った方がいいのかな?』って聞かれたんですけど。僕は、僕とマスとか対面シャドーをやっている時の天心が1番強いと思っていて、何やって良いのか分からなくなるくらい色々なことをやってくるんですよ。その時ってやっぱり弟っていうのもあるから、ちょっと遊びを入れながらできて気が楽じゃないですか。そういう部分の遊びとかを話していて、『自分はそっちの方がやりづらいかな』っていうのを話しました」
――相手として、そっちの方が良いんじゃないかと言ったわけですね。それをフィードバックして、練習にも遊びを入れた方が良いよと話したんですね。
「そうですね。それで振り返って『自分もやってみよう』と思ったらハマった感じですね」
――龍心選手はお兄さんの髪型をどのように見ていますか?
「あれをカッコいいとは思えないですね(笑)。けど、めちゃくちゃ似合っていない訳でもないので、ちょっと様になりつつあるじゃないですか。それはすごいなと思いますね」
――“ダサいことをカッコよく見せる”というのがすごいという事ですか?
「あの髪型に自信を持っているじゃないですか。だからそこの度胸はすげーなって思います(笑)」
――食べ物はささみチーズカツが好きなんですか?
「めちゃくちゃ好きです」
――減量期は食べれていないですか?
「試合が終わった後にいつも食べています」
――今はどれくらいささみチーズカツ断ちしているんですか?
「2カ月前くらいから軽く節制し始めて減量しているので、2カ月くらいは食べてないですね」
――小さい時からそれが1番好きだったんですか?
「小さい時からたまに出てきたので、それが好きですね」
――最後にファンへメッセージを。
「6月21日の試合に来てくれる方々、今回自分が初めての大きい会場でのメインという事で、自分自身試されている1戦だと思うので、期待以上の勝ち方をしてしっかりかまそうと思うので、皆さん応援をよろしくお願いします」


