シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】ONEでの敗戦から再起戦を迎える海人「みんなが海人に期待していきたいと思わせるような結果を出していくしかない」

2025/06/13 15:06
 2025年6月22日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2025 act.3』のメインイベントで、GLORY世界ライト級1位のエンリコ・ケール(ドイツ)と対戦するSB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)のインタビューが届いた。  5月23日の前戦で『ONE』に乗り込み強豪モハメド・シアサラニを相手に惜敗したが、すでに次戦が決まっていることで再起に燃えている。ティジャニ・ベスタティへのリベンジに向けて待ったなし! 今回どんな復活劇を見せてくれるか。 ヒントを前回の試合で掴めた 【写真】ONE初参戦でシアサラニに敗れた海人(C)ONE Championship――5月23日のONE初参戦となったモハメド・シアサラニ戦で惜しくも敗れたことで、その後が心配になりましたが、今大会の記者会見でいつもの姿を見られて安心しました。 「次のケール戦も決まっていることもあり、もう気持ちを切り替えるしかなかったですね。仮にケール戦がなかったらまだ落ち込んでいましたた。周りの人たちは言わないですけど、今回負けたことが自分の中で格好悪すぎて、3月のこと(グレゴリアン戦が消滅)もあったし、勝つことが当たり前でしたし、シアサラニ選手に勝って『やっぱり海人は強かったな』と思われるのが当たり前だと思っていたので、それができなかったのは情けないし、6月の試合がなかったら普通に外にも出られてなかったです。  試合の次の日にすぐに日本に帰ったんですけど、タイの空港内でも『写真を撮ってください』と話しかけてもらったのですが、どんな顔したらいいんやろうって。気持ち的には落ち込んでいましたけど、そんな気持ちのまま練習しても、やっぱり身にもならないし、ケール戦にもつながらないと思ったので、もう気持ちをしっかり切り替えていくしかないと自分に言い聞かせました。次は絶対に勝たないとあかんし、二連敗なんて本当にありえないこと。どれだけ勝っても、僕が目指してるのは“世界最強”一つなので、今は次の試合に向けてしっかり気持ちを切り替えられていると思います」 ――次の試合が決まったことで救われた部分もあったんですね。シアサラニ戦では、いつもより手数が少なくスロースターターに見えたのですが、それは相手が上手かったのか、それともご自身の問題だったのか、どちらでしたか。 「両方ですね。シアサラニ選手本人も言ってましたが、僕の対策をして来て良いところを消してポイントを取るように動いていたシアサラニ選手が強かったというのも事実ですし、僕が弱かったことも事実です。僕のスタイル的にどんな相手でも対応して勝っていけるのですが、試合中に自分のリズムが少しでも崩されたら、違うリズムに変えるのに時間がかかります。今までに負けている試合はだいたいそれが敗因なので、それを何回繰り返すねん! という感じなんですけど。その問題を解消すれば誰にも負けないし、そういう自分を早く作っていかないといけないなと思っています」 ――海人選手はこれまでにもチャムアトーン、ピンペット、ペットモラコットとムエタイの選手に敗れていて、シアサラニもムエタイ系のスタイルでポイントを取る戦いに長けていました。そういう選手に苦手意識はなかったですか。 「今回の試合は首相撲、ヒジもなかったし、シアサラニ選手に対しての怖さはなく、ただ自分のリズムを自分自身で作れなかっただけのことです。ムエタイ選手に対して苦手意識があるわけではなく、どんな選手に対しても対応して切り替えられる速さを僕自身ができるようになっていけば、どんな選手も圧倒していけると思っています」 ――敗戦を経て得られたものはありますか。 「どんな相手でも1Rから圧倒していくのがベストやし、自分が一番理想にしている戦い方でもあるので、それをできなかった時、そのいいリズムを作れなかった時の切り替えが本当に遅いので、そこに改めて気付いたし、どうしたらすぐに切り替えられるのかというヒントを前回の試合で掴めました。それは口で言うより、結果で動いて見せていくしかないので、それを今しっかり練習して身に付けて、また見せていけたらなと思っています」 ――それは次のケール戦でも見られそうですか? 「そうですね。ケール選手もいろんな場面を経験して世界で戦ってきた選手だと思うので、僕が思っているものと違う形で来たりすることもあると思うし、僕が対策している動きでは来ないかもしれないし、そういうことも含めて全部対応はしていけるように練習もしています。頭の切り替えもしっかりできるようにしているので、次の試合で見せられると思っています」 ――改めてケール選手にはファイターとしてどのような印象を持っていますか。 「印象的には近い距離で戦うことが好きなインファイターなのかなと。そのショートな距離でパンチもローもしっかり打ってきて、ちょっと離れた距離でも変速的に飛び込んでパンチも打てる選手で、(チンギス・)アラゾフ選手からダウンを取って勝ったのはそういう形でした。どの局面になっても自分が強いところを見せないといけないなと。  今回は僕のホームリングのシュートボクシングでの戦いですけど、それが仮にGLORYやONEでも、どんなタイプの相手になっても、それを見せられるようにしなくてはダメなので、しっかり勝って圧倒するところを1Rから見せられると思ってます。判定決着になっても1Rから3Rまで自分が取るぐらい圧倒しないとダメやなと」 ――ここで勝てば8月にベスタティ選手とのリベンジマッチにつながるわけですが、そのベスタティ選手は階級を上げて5月2日にGLORY世界ウェルター級タイトルマッチで王者チコ・クワジ選手と2度目のドローでした。あの試合をどう見ました? 「ベスタティ選手自身も、体重を上げて同じぐらいの身長の選手が相手だと、自分の距離で戦えない時に相手のペースに飲まれているので、ああいうタイプが苦手なのかなと。僕もそうでしたが、70kgの階級でベスタティ選手のような大きい選手はなかなかいなく、自分より小さい選手に対して自分のリズムとか距離感ができて勝ってきた選手なので、そこが崩れたら、自分のリズムを作れない印象は受けましたね。  ベスタティ選手はクワジ選手にダウンを取られて今回も結果を残せませんでしたけど、他の場面で上回っている見せ方もやっぱり上手いですし、油断できない相手だなというのを改めて感じました。海外のインタビューで、ベスタティ選手自身は『GLORYのこの階級は動いてない』と言っていたんですけど、GLORYのライト級のベルトを持っている限り、僕は挑戦していきたいと思っています。  シュートボクシング協会、U-NEXT、GLORYの関係者はベスタティ選手との再戦に向けて動いてくれているので、次の試合でしっかり勝って、誰が何と言おうとも、次の挑戦者は僕やぞっていうのも分からせるし、ベスタティ選手が逃げられない状況を作っていきたいと思います」 ――ベスタティ選手を今ターゲットにしているように、海人選手は一度敗れている相手には強くリベンジを希望してきましたが、シアサラニ選手へのリベンジも考えてますか? 緒形健一代表によると、試合後すぐにチャトリ代表から「いつもの海人の動きじゃなかった。武尊も野杁(正明)もアジャストに時間がかかったから、強くなる姿が見たい」と期待を込めたメッセージをいただいていたそうですね。 「ありがたいです。もちろん負けっぱなしでは終わりたくないし、GLORYを制したら今度はONEでもトップを獲りたいし、やらなあかん相手もいます。その相手が増えたけれど、その前に次戦へ向けてしっかりここを乗り越えて勝って行きたいと思います」 ――では最後に完全復活を期待しているファンにメッセージをお願いします。 「今は自分は強くなるしかないし、みんなが海人に期待していきたいと思わせるような結果を出していくしかありません。次の一戦を見てもらって、世界最強になるのは海人だと、みんなが思うような試合をしたいと思っています」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.338
2025年5月23日発売
14戦無敗、全試合フィニッシュ勝利でRIZINフェザー級新王者となったラジャブアリ・シェイドゥラエフ。その強さを徹底特集。ケラモフ戦の木村柊也ら無敗選手達。野杁正明×平本蓮のSP対談、ONE新王者・若松佑弥も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント