▼第5試合 NJKF スーパーライト級 特別ルール オープンフィンガーマッチ 3分3R延長2R
△吉田凜汰朗 (VERTEX/NJKF スーパーライト級王者)
ドロー 延長2R
△健太 (E.S.G/元WBC ムエタイ日本統一ウェルター級王者)

吉田は2023年9月、NJKFスーパーライト級タイトルマッチで王者・畠山隼人に挑戦。5年に渡り王座を保持する難攻不落のチャンプに対し、吉田は3連敗中であり不利の下馬評が多数を占めたが、KOでベルトを奪うと、NJKFの年間最高試合に選ばれた。2024年2月にはWBCムエタイ日本ウェルター級王者の青木洋輔を判定で破っている。11月の前戦ではサムランチャイ・エスジムとドロー。
健太は116戦ものキャリアを持つ大ベテランで、2008年と2014年にNJKFウェルター級王座、2010年に同スーパーウェルター級王座、2011年にKrushスーパー・ウェルター級王座、2014年と2016年にWBCムエタイ日本統一ウェルター級王座、2024年にスックワンキントーン認定スーパーライト級王座を獲得。同王座は2025年4月の初防衛戦でセーンアティットに敗れ失った。月に1度のハイペースで試合をこなすため“月イチ健太”の異名も持つ。

両者は2025年2月に対戦し、吉田が判定2-0で勝利したが、判定に納得がいかない健太が抗議。今回、NJKFで初となるOFGマッチで決着をつけることとなった。
1R、健太はガードを高く上げて前へ出る。吉田は左右にスイッチしながらステップで左右へ回り込む。吉田が左のテンカオから前へ出てジャブ、健太は下がるがしばらくするとワンツーで前へ。健太がジャブ、左フックからの右フック。お互いにジャブを突く慎重な出足に。

2R、互いにジャブから吉田が右フック。サウスポーの吉田のジャブからの左ストレートが健太を捉える。またもテンカオを突き刺す吉田。健太は上から振り下ろすようなジャブを打ち、右ストレートを放つ。健太の連打がヒットするが、吉田は前へ出ていく。そして吉田のテンカオに健太の身体がくの字に曲がる。
3R、吉田がワンツーの連打で出ていったが、健太が右ストレートで迎え撃つ。吉田は左ハイ。下がらない吉田に健太が右クロスから右ヒジ。健太は右ボディから右ミドル、リング中央でジャブとストレートを打ち合う。吉田がジャブの連打で健太を下がらせるが健太も打ち返す。健太は鼻血を出し、吉田の顔も真っ赤に。

完全決着ルールのため判定はなく、そのまま延長Rに。ジャブを突き続ける吉田に健太は右ハイを放つが不発、すかさず前へ出る吉田の右ストレート。吉田のワンツーに健太もワンツー。吉田のジャブにのけ反る健太。目が腫れている健太だが吉田に打たれながらも応戦。
最後の延長R、吉田がジャブを突き、左ミドル、左ロー。健太はジャブ、右フック。ワンツー、左ローで健太をコーナーに詰める吉田。健太も前へ出て右ストレートを打つ。健太のワンツー、右ストレートがヒットしたところで健太にドクターチェック。健太の顔面は血に染まり、両目も腫れあがっている。再開後もジャブを突いて前に出る吉田がワンツー、そして左右の縦ヒジ。最後はリング中央で殴り合い、健太がフック&アッパーを決めるも吉田の右フックに健太の腰が一瞬落ちる。吉田が左右の連打で前へ出て試合終了。
健太は「デビューして20年、今日で124試合目を迎えました。この先の格闘技界が明るいのか、暗いのか、僕には分かりませんが、今月で38を迎える僕にとってこの業界は間違いなく先細りです。何戦やっても何年やってもキックボクシングはやっぱり難しいです。難しいけれど、凄い楽しいです。だから今日までこの業界に長居しました。今までありがとうございました。もう僕はトップを目指せません。そしてもう目指してもいません。ですが、年齢に抗って今日みたいに若い選手と戦うのも面白いなと思って今日まで頑張ってきました。でも、もうそろそろ頃合いなのかもしれません。この試合が最後か分からないですけれど、この試合を引退試合にするのか年内引退なのか分かりませんが、今までありがとうございました」と、突然の引退宣言。
しかし「ただ、人間はブレるので辞めます詐欺するかもしれないですけれど、その時はあしからず。次にまた試合をすることがあれば最後まで応援よろしくお願いします」と、微妙なニュアンスで付け加えた。
吉田は「NJKFのエースに俺はまだなれないだけです。この団体を絶対に日本一にします。そのために俺を見といてください。すいませんでした、また出直します」と頭を下げた。



