MMA
インタビュー

【DEEP】幻のサッカーキック後、最後はTKO勝ちした雅駿介。福田龍彌に挑戦表明&瀧澤と牛久に「RIZINで泣かされてきたヤツ、俺がDEEPケージの赤コーナーで相手してやる」

2025/05/28 21:05
 2025年5月25日(日)東京・ニューピアホールにて『DEEP TOKYO IMPACT 2025 3rd ROUND』(U-NEXT配信)が開催された(※昼の部『DEEP JEWELS 49』リポート)。  夜の部のメインでは、バンタム級で、元ムエタイ三冠王の雅駿介(CAVE)が、4連勝中の窪田泰斗(FourRhombus)と対戦。雅がムエタイMMAから右でダウンを奪い、サッカーボールキックも反則のグラウンドヒザと間違われ、スタンド再開。雅は気持ちを切らすことなく、窪田の左に左を合わせて、右。打ち抜かれた窪田がダウンし、踏みつけたところでレフェリーが間に入った。  2R 1分18秒 TKO勝ちで再戦を制した雅は、試合後、チェルシーのクリストファー・エンクンクばりにケージの上で風船を膨らませるパフォーマンス。その後、マイクを握り、RIZINから再生すべく流れてきた選手に、DEEPファイターとして迎え撃つと宣言した。 「窪田選手、4連勝で文句なしの挑戦者だったところを僕がいまブッ飛ばしたんで、もうこれで次の挑戦者で問題ないんじゃないですか。福田(龍彌)選手、このあいだ防衛戦したばっかで、RIZINの世界戦とかで忙しいと思うんで、俺も四角いリングに挑戦させてください。(佐伯)社長、DEEPの看板背負って頑張るんでお願いします。  あと一個だけいいっスか、DEEPってRIZINの2軍じゃないっスよね。僕はDEEPのケージのなかが、日本で一番、こんなお客さんと近くて熱いケージだと思っているので。なんかRIZINで泣かされてきたヤツが、いきなり来てチャンスもらったりとかふざけんなよと思っているんで。瀧澤(謙太)も牛久(絢太郎)もこれから来る、泣きべそかいてきたやつも、俺が福田さんの次に先頭で、DEEPのケージの中で赤コーナーで相手してやるから。以上」──その真意と、勝利の際について聞いた。 俺が今、福田さんのベルトに挑戦する列の先頭にはいると思う 【写真】雅のセコンドには、石渡伸太郎、八隅孝平がついた。 ──雅駿介選手です。窪田泰斗戦の最後、劇的な勝利でした。右でダウンを奪っての踏みつけ。あの最後の瞬間をご自身で振り返ってみていかがですか。 「あんまり覚えてなくて興奮してたんで、パンチでよろけたのがわかって。最後、とにかく仕留めなきゃと思って踏んづけたのは覚えてるんですけど」 ──その前の流れのところで、サッカーキックで相手が倒れて、反則のヒザ蹴りかという審議があって、その後、スタンド再開になったのは気持ちが途切れませんでしたか。 「あれはまあ、ちょっと萎えたんですけど(苦笑)、相手がすごい効いてるのがもう分かっていて、さらに反則のヒザ蹴りじゃないっていうのは、蹴ってる自分が一番よく分かっていた。でもセコンドから『いや、お前が考えることじゃない。審判が判断することで、お前はもうゲームに集中しろ』って石渡(伸太郎)さんに言われて。散々2人で時間共有して、石橋さんとは練習やってきてるんで。“ボスがそう言うなら確かにな”っていう風にもう切り替えましたね。相手は効いているのは効いてるじゃないですか。スタンドから再開しようが、ダメージはゼロにならないんで、その言葉で全然ネガティブにならなかった。オッケーって感じでした。集中力は切れなかったです」 ──序盤は雅選手がパンチから、ヒザ蹴りで優勢に進めたと思いますが、被弾する場面もありました。スタンドの攻防をどう感じていましたか。 「ゲームプランよりすごくパンチがよく当たっちゃって、逆に自分のパンチがあんなに綺麗に最初から当てられるっていうふうには踏んでなかったんで。当たっちゃったからこそ、倒しに急ぎすぎて、距離感がちょっと崩れちゃったんですよね。自分の距離を守って、仕留めればよかったのを、相手が効いてると思ってガーって行っちゃったんで、逆にもらった場面もありました。  なんだろう……今日の試合は結果的に気持ちよく終われたのもあるし、ああいう風にピンチも作られたし、四つで倒そうとしたけどなかなかテイクダウンできない展開もあったりとか、アクシデントとかも含めて、めっちゃ強くなったと思うんですね。今日は本当濃密だったなと思います、自分のキャリアにおいて残る試合になったんじゃないかなと思います」 ──ムエタイのやり方で戦おうとして、パンチが当たるから修正したということでしょうか。 「いや、最初の距離設定があって、自分の攻撃が、自分が踏み込んで当てられる攻撃の距離設定と、窪田選手が近づいて打ってくる距離設定というのがあって、自分の方が“遠く打てる”っていうのがチームの作戦としてあったんで、だからその距離を守って踏み込んで打って、当てたらまた距離保って踏み込んで打って、っていう中で、相手がダウンすれば有利に進められる。  でも、そんなに踏み込んで打ってポンって当たるもんじゃないんで、もっとしっかり作り込んで当たればいいなって思ってたのが、一発目でもう結構バンバンって攻撃が当たっちゃったんで、逆にその当たったことが悪い方に働いたっていうか、当たるから“うわっ”って。今まで十年以上やってるムエタイなんで、そのムエタイの慣れ親しんだ距離に、こうやっぱり行っちゃって。そうすると久保田選手の距離にもなっちゃうんで、その分、被弾したってことですかね。  そうなったことによって、インターバルに入った時に『ちゃんと距離守ろう。思ったより当たるけど、しっかり自分が作ってきた距離設定に戻そう』となって。そこでインローとかが当たるなとか、蹴りの距離だったら向こうのパンチは当たらないけど、自分の蹴りは全部当たるなって、距離が分かってきたんで。あのサカボの1回、相手がめっちゃ効いたシーンにも繋がったし、最後のフィニッシュにも繋がったかなって感じですね。だから試合の中で修正したっていう感じですね」 ──そして首相撲ヒザは、雅選手の得意なところであるとしても、研究されるなかで組み手でも勝って優位に立ちました。 「はい、四つの組みと首相撲って、胸を合わせるっていう部分では一緒かもしれないですけど、全然組み手が違うんで、向こうはやっぱり、前戦に四つで組んで投げられたっていうのがあったから、それを嫌がってるのが分かったんで相手が“離れよう”と思ったら頭が下がるんで、じゃあ首抱えてヒザっていうのは思っていて、その通りになったかなと。だから首相撲に入った時は、自分の強いとこなんで向こうが何かしていても全然気にならなかったですね。ヒジとかも結構序盤から当たったんで」 ──一度勝っている相手との再戦、モチベーションの持ち方や対策を含めて難しい部分もあったと思うんですけど、返り討ちにできたのはいかがですか。 「福田龍彌戦で負けて、谷岡(祐樹)戦で醜態さらして(アイポークでNC)、全然良くない仕上がりで出ちゃったっていうのがあるんで、窪田さんと『もう1回やれよ』って言われた時は、烙印じゃないけど、“こっからもう1回スタートしてみろよ”っていうのを感じたんで“分かったよ。じゃあ絶対倒してやるかんな”っていう気持ちが正直あったんで。でも本当気持ちよく倒したんで、もういいんじゃないですかね。自分が次のチャレンジャーで。DEEPで(挑戦者が)一周してると思うんで。次の舞台とかね。話ほしいなと思いますね」 ──リング上のマイクでは、福田選手を待つ間に、今日の解説を務めた瀧澤(謙太)選手と対戦というストーリーなんでしょうか。 「まあ別に瀧澤とやりたいとか正直なくて、僕がDEEPが好きで、DEEPでずっとこれだけのキャリアを積ませてもらったんで、DEEP出てなかったヤツがRIZINで泣きベソかいて、いきなりチャレンジャーとかなんかね……。牛久(絢太郎)選手は、まだベルト持ってたというのはあるかもしれないけど、なんかそういうのは納得いかないなっていうのがあったんで。でもね、今日の試合の結果を持って、俺が今、福田さんのベルトに挑戦する列の先頭にはいると思うんで。じゃあRIZINからDEEPに来るヤツがいるんだったら、俺がDEEPのケージの中では赤コーナーで相手してやるよっていう感じですかね。瀧澤も僕が勝っている平松(翔)に負けてるし、まあ瀧澤を救いたいじゃないですけど、別に相手してあげてもいいよ、っていうぐらいの気持ちで頑張れよって感じですね」 ──そこはやっぱりいちからDEEPで這い上がってきて、DEEPを守ってる自負心も含めて、DEEP愛も含めてというようなところでしょうか。 「そうっすね。だから、RIZINのバンタム級グランプリで結果出して……いや、ここはもう止めます(苦笑)。DEEPでこういう結果──苦しい思いもしながら勝ったり負けたりを繰り返してやってきたんで。DEEPのケージの中では自分が存在しているっていうのは、そこはなんだろう、自分の中ですごい気持ちを持っている部分ですかね……うまく答えられないですが」 ──SNSにRIZINに出たいと手をあげて、ファンから「まずDEEPから出ろ」という声に対して、やっぱりふざけんなという気持ちはあった? 「そうですね。まあでもRIZINは日本MMAっていうよりも、日本格闘技界のトップだと思うし、誰もが憧れる場所だから、それはそれでいいんですけど、DEEPはRIZINの二軍じゃねえぞっていう。DEEPのケージの中が、日本のMMAのケージの中だったら一番熱いと思ってるんで。ここでやるんだったら、“DEEPで一番になる”っていう気持ち持ったヤツじゃないと勝てないと思うし、ナメんなよっていう気持ちはありますね」 ──最後に応援してくれた方にメッセージお願いします。 「応援していただいた皆さん、本当にいつもありがとうございます。背中を押してくれるみんなのおかげで戦えています。二連続KOできてるんで、下半期、マジで雅駿介にご注目してください。ありがとうございました」
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