2025年5月22日(木)&23日(金)の2日間に渡り20時から、4階級32名の選手が出場するトーナメント、『ROAD TO UFC シーズン4』オープニングラウンド(U-NEXT配信)が開催される。
日本からは8選手がトーナメントに出場。また、非トーナメント戦のワンマッチで2選手が参戦する。
まずは、22日のフェザー級トーナメントに参戦する現DEEPフェザー級王者の青井人(BLOWS)のインタビューが、U-NEXTより届いた。
▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R青井 人(14勝5敗1分、日本)ユン・チャンミン(7勝2敗1分、韓国)
青井は14勝5敗1分の28歳。2024年3月に『ROAD TO UFC シーズン2』に出場した神田コウヤからスプリット判定勝ちでDEEPフェザー級王座を獲得。12月には元王者の芦田崇宏と対戦。
芦田の左ハイをかわしてすぐの左フックでのけ反らせて尻餅を着かせると立ち際にサッカーキック。さらに四つん這いになった芦田に右アッパーを当ててパウンド、2RでKO勝ちしている。DEEPフェザー級GPが開催されるなか、RTUを選択し、ユニファイドにはない攻撃で仕留めた青井は、『ROAD TO UFC』でどんな試合を見せるか。
(C)ZFN
対するは、『格闘代理戦争』で秋山成功推薦選手として出場し優勝したユン・チャンミン。ONEでプロデビューし7勝2敗。昨年ONEを離脱し、12月にコリアンゾンビ主催のZFNに出場し、パク・チャンスと1-1の痛み分けドローとなっている。31歳。
サッカーキックは体が勝手に動いちゃうから、めちゃめちゃ気をつけないと
──青井選手、RTUのトーナメントに挑戦したいと思ったきっかけがあれば教えてください。
「やっぱり昔から観たりしていたので、そういう挑戦ができる日が来ればな、みたいなことは思ってました。自分としては、時間がないっていうのが一番ですかね、年齢的に30歳を越えたら結構難しいということを聞いてたんで、もう最初で最後なのかなという思いで、挑戦しようと決めました(※青井は28歳)」
──挑戦してみたいと感じたUFCに対するイメージはどんなものだったのですか?
「それはもう“世界最高峰の総合格闘技団体”っていうイメージしかないです。だからこそ見てみたい、挑戦して、経験したいっていうのはあります」
──青井選手はサッカーキックでKOすることが多いと思います。今回RTU参戦でユニファイドルールで試合をすることになりますが、そこは意識していますか?「出さないように気を付ける」という意味で。
「ありますね。なんかこう、あれを練習こそしてないんですけど、本能というか、反射的に出ちゃうんで。顔が(そこにあるから)、一番近いところで蹴っちゃう、みたいな。“蹴れる!”っていうものが。そういう反射が出ないようにだけは気をつけたいですね」
──使おうと意識していないとすると、それはそれで危ないですね。
「そうなんですよ! 体が勝手に動いちゃうから、めちゃめちゃ気をつけないとダメなんですよ。ホンマにそう。それだけちょっと頭にインプットさせとこうって感じですね。ただもちろん(使える場合であっても)ルール上でOKと聞いた上で、そっちの方が効率いいじゃないですか、顔が近くにあったら。だからそういう時は蹴ろう、ぐらいの感覚なんで、これまでも(それでKOしてやろうと)意識はしてきていません」
──1回戦の対戦相手、ユン・チャンミン選手に対する印象を教えてください。特に青井選手にとってはご自身も対戦経験のある高橋遼伍選手と対戦したことのある選手ですので、もしその試合をご覧になっていて、そこから得たものなどがあれば。
「僕自身はあんまり試合を見ない方なんですけど、でも、やっぱり勢いと、気持ちが強いなって印象はすごい大きかったですね。打ち合いで、すごく前に出て打ってくるなとは思いますし、組みもソツなく全部できるって感じで。柔道家に打撃がついたてきたって感じですかね」
──オールラウンダーという印象ではありますが、たとえばボクシングも上手いとは感じましたか?
「上手なんだとは思いますね。でも、どうなんですかね。やってみないとちょっとわからないんですけど、いい場面とかちょろっと見た感じで言うと、単発、二発ぐらいの勢いがすごいなっていうのはありましたね」
──そして、やはりフィジカルが強そうです。
「フィジカルも強いと思いますね。やっぱ体見て、すごく、大きいし……(笑)」
──組み負けないぞという自信もありますか?
「うーん。何とも言えないですね。自信はあるっちゃあるんですけど。実際組んでみないと分からないものなので、しっかりそこも見せられたらな、と思います!」
──以前、韓国のシン・スンミン選手と対戦した際、コメントで「侍魂を見せる」と仰っていたことがありました。今回もまた、海外で試合をするにあたってそういうメンタリティをもって臨むのでしょうか。
「『侍』というものを僕自身は見たことはないし、だから『侍魂』を感じたこともないので、もちろん実感としては分からないのですけれど、日本を背負ってきた侍たちの精神面のようなものは素晴らしいものやったと聞いてるので、自分も日本人として、背負っていきたいなっていうのはあります。……という意味から、“侍魂を持っていきたい“という感じですね」
──不粋な質問かもしれませんが、それを実際にファイトで見せるのは、どういう姿に現れてくるでしょうか。
「やっぱり、(手を横一直線に引いて)“スンッ”って感じが大事やと思うんですよ。動じない。もう、やるべきことを淡々とやる、みたいなのが大事だと思ってるんで。それをしっかりと体現できたらなとは思います」
──やるべきことをやる、という部分に、たとえば契約後の注目度も含めて、勝ち方でも魅せようということであったり、ある種の色気が出ることもないですか? 魅せるという意味では、RTUに限らずなのですが。
「色気というものは普段からないし、出そうとも思ってないんで、今、現状の青井人を見せられたらな、って思います」
──そうすることによって見ている側もおのずと魅了されるということですね。
「分かりませんが、そうだといいですね」
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海外選手でも日本選手でも、強い奴は強い。その強い奴が集まっているだけ
──ところで、さきほどの「狩る」という表現もですが、盟友の福田龍彌選手と共通する言語表現が多い印象があります。その福田選手、先日の防衛戦での勝利(※牛久絢太郎を相手にダウンを奪う判定勝ちでバンタム級王座初防衛)が凄かったですね。
「そうですねー! 強かったです!」
──モチベーションになりましたか、背中を押されるような。
「そうですね、“バトン渡したで!”みたいな」
──一緒に狩猟にも行くのですか?
「はい、行きました!(経験できて)とても良かったです」
──そんなハンターの青井選手が、UFCを見据える上で、特にフェザー級はスターが揃っていますが、注目していたり、手を合わせてみたい選手はいるのですか?
「そうなんですよ。強い人ばっかりなんですよね! イリア・トプリア選手、ものすごく強いじゃないですか(※フェザー級王座返上でライト級転向)。マックス・ホロウェイ選手も。そういう面では、その辺のトップ選手はやっぱ気になりますね。かっこいいですよねー、トプリア選手。組技も寝技もすごい強いみたいだし、めちゃくちゃ打撃もあるじゃないですか。やっぱかっこいいですよね、憧れますよね、ああいうスタイルは」
──そういうコンプリートファイターを目指しているのですか?
「いや、目標や願望としては思っていないですね。何か『自分』を出せたらなとは思います。自分の良さ、青井人っていうのを、作っていきたいんで。日々、プライベートの、格闘技以外の時でも自分をしっかりと持って、良くしていくっていう面では気をつけてるんで。そういうのが、ファイトスタイルに現れるとは思ってるんで、それを含めて『青井人のファイトスタイル』を作っていきたいですね」
──青井選手は若い頃からすぐにMMAの練習からスタートしたのかと思うのですが、どんなきっかけだったのか、教えていただけますか?
「そうですね。中学2年の終わりぐらいから始めました。きっかけは、ただの興味本位からですね。自転車を漕いでたら『総合格闘技道場』みたいな看板が見えて、やってみたいなって。それで練習しているうち、高校生の終わりぐらいに『ちょっと試合に出てみよう』となり、出たら勝てて(笑)。そのまんま、どうしよう……、みたいな。やることもないし、勉強もできないから……、頭悪いんですよ(笑)。だから、総合格闘技でプロとしてやっていきたいと思い、そうなりました。結構怖がりですし、緊張しいなんで、有名になりたいであるとか、そういうことは全くなかったんですけど」
──緊張したり怖がっているというよりは、どの局面でも冷静と言いますか。スカッと勝つにせよ、しんどい場面にせよ、表情がクールな印象があります。
「いろんな感情を表に出すと自分が乱れちゃうと思うし。だからもうなんか“スンッ”って感じで行きたいんですよね。それは常日頃思っていて。ただ、試合では、何も思ってないです、“淡々と”というぐらいしか」
──今回、どんな試合をしたいと思いますか? また、自分が予想する展開は?
「自分の中ではやっぱり後悔のない試合をすること、あとは格闘技の本質である、しっかり相手を狩るっていうのを見せたいですね。だからそれをできるように試合したいんで。まあ、そこをどうなるかの予想はちょっとつけられないですけど、見てもらってのお楽しみって感じで(笑)。ハハハ、自分でも分からないんで」
──結果は分からないものだけれども、最後まで、狩りに行く、獲物を仕留めるつもりであるということですよね。
「勝っても負けても、そういう試合をしたいですね。やっぱりこう、“強い選手がいるな”とは思うんですけど。結局、海外の選手でも日本人選手でも、強い奴は強いんで。だからまあ、強い奴が集まっているだけとしか思ってない。そこに自分が挑戦するのが楽しみって感じなんで、あとは蓋を開けてみてからのお楽しみって感じですね!ハハハ」
──応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「今回、僕以外も日本人選手が出るんですけど、しっかりとみんなで日本を背負って世界に挑戦していくんで、応援よろしくお願いします」
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5月22日(木)日本時間20時~エピソード1
▼第1試合 女子ストロー級(52.2 kg以下)フォン・シャオツァン(10勝3敗、中国)※2024年RTUで本野美樹に判定勝ち。シー・ミンに3R KO負け。松田亜莉紗(6勝0敗、日本)
▼第2試合 フライ級(56.7kg以下)5分3R山内 渉(7勝1敗、日本)ナムスライ・バトバヤル(7勝1敗、モンゴル)※1敗は現UFCのニャムジャルガル・ドゥメンデムベレルにMGL-1FCフライ級王座決定戦で逆転負け
▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R中村京一郎(5勝1敗、日本)パク・オジン(8勝1敗1分、韓国)※2024年9月にBlack Combatでナム・ウィチョルに1R KO勝ち。GLADIATORで田中有に一本勝ちのジョン・ハングクに12月に判定勝ち。2年ぶりフェザー級戦
▼第4試合 フライ級(56.7kg以下)5分3Rイン・シュアイ(17勝5敗、中国)※JCKフライ級トーナメント優勝、2024年RTUでキル・サホタにスプリット判定負け吉田開威(6勝1敗、日本)
▼フェザー級(65.8kg以下)5分3Rセバスチャン・サレイ(7勝1敗、豪州)バーエゴン・ジェライスー(19勝6敗、中国) アへジャン・アイリヌアー(15勝3敗、中国)
5月22日(木)日本時間22時~エピソード2
▼第1試合 ライト級(65.8kg以下)5分3Rアジズ・ハイダロフ(21勝6敗、タジキスタン)マンシャー・ケラ(8勝0敗、インド)アディレット・ヌルマトフ(13勝2敗、キルギス)
▼第2試合 フライ級(56.7kg以下)5分3Rリオ・ティルト(8勝0敗、インドネシア) アーロン・タウ(8勝1敗、ニュージーランド)※タウは、2024年9月のDWCSでエライジャ・スミスに判定負け。UFCと契約したスミスはヴィンス・モラレスに判定勝ち。
▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R青井 人(14勝5敗1分、日本)ユン・チャンミン(7勝2敗1分、韓国)※ONEでキアヌ・スッバ、キリル・ゴロベッツに判定勝ち後、2024年12月のZFN2でDouble GFC二階級制覇のパク・チャンスとドロー
▼第4試合 フライ級(56.7kg以下)5分3Rアグラリ(11勝1敗、中国)ムリドル・サイキア(8勝0敗、インド)
▼第5試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3Rリー・カイウェン(14勝6敗、中国)※2024年2月のRTUでイージャーに一本負けソ・ドンヒョン(7勝2敗1分、韓国)※2023年12月のDEEPで上迫博仁に判定勝ち
5月23日(木)日本時間20時~エピソード3
▼第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R佐藤生虎(6勝0敗、日本)キット・キャンベル(14勝7敗、豪州)
▼第2試合 ライト級(65.8kg以下)5分3Rジャック・ベッカー(13勝5敗、豪州)※Eternal MMAで松本光史に判定勝ち、神谷と対戦予定も両者RTU参戦にパク・ジェヒョン(7勝3敗、韓国)※2023年8月のRTUで原口伸に判定負け。
▼第3試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R伊藤空也(17勝8敗1分、日本)シン・カイ・シオン(6勝1敗、シンガポール)※現UFCのイ・チャンホに2022年のBRAVE CFで判定勝ち。唯一の黒星をつけた。2023年RTUフライ級ワンマッチでピーター・ダナソーにKO負け。
▼第4試合 ライト級(65.8kg以下)5分3Rレン・ヤーウェイ(8勝3敗、中国)デニ・ダファ(6勝1敗、インドネシア)
▼第5試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3Rスーラン・ランボ(8勝3敗、中国)ピーター・ダナソー(8勝3敗、タイ)
5月23日(木)日本時間22時~エピソード4
▼第1試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R井村 塁(12勝4敗、日本)ギエム・ヴァン・Y(5勝1敗、ベトナム)※2024年12月Lion Championshipフェザー級王座獲得。階級下げ
▼第2試合 ライト級(65.8kg以下)5分3Rキム・サンウク(11勝3敗、韓国)※2023年RTUで丸山数馬にダースで一本勝ち、ロン・チューに判定負け。2024年6月ZFNで佐々木信治に判定勝ち神谷大智(6勝0敗、日本)
▼第3試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3Rジャン・チンハ(8勝3敗、中国)Zhang Qinghe ローレンス・ルイ(5勝1敗、ニュージーランド)ティ・ハイタオ(16勝5敗、中国)
▼第4試合 ライト級(65.8kg以下)5分3Rエフェヴィガヤニック雄志(11勝0敗、日本) ドム・マー・ファン(6勝2敗、豪州)※Eternalフェザー級王座決定戦でクイラン・サルキルドに一本負け
【ROAD TO UFCシーズン3決勝】
▼第5試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3Rズー・カンジエ(20勝4敗、中国)※2024年8月のRTUで原口伸にスプリット判定勝ちシエ・ビン(13勝4敗、中国)※2024年8月のRTUで河名マストにKO勝ち