2度目の日本大会に臨む若松。母国でKO勝利を飾ることができるか Photo(C)ONE
10月13日(日)、東京・両国国技館で開催される『ONE:CENTURY PART I』で、キム・デファン(韓国)と対戦する若松佑弥(日本/TRIBE TOKYO M.M.A)が個別インタビューに応じた。
若松は今年3月の両国大会ではデメトリアス・ジョンソンに2Rギロチンチョークで敗れたが、8月2日のマニラ大会でジェヘ・ユスタキオに1R、右ストレートでKO勝利、再起を果たしている。
対戦相手のデファンは8月16日のONEタイ大会でユーサップ・サーデュラエフに判定負けも、当初サーデュラエフと対戦予定だった上久保周哉が現地入り後、目に菌が入り欠場、緊急の代打出場だった。2月大会でデフォンはその上久保と対戦しており、上久保に判定負けを喫している。2014年にはケビン・ベリンゴンにRNCで一本勝ちするなど、立って良し・寝て良しのウェルラウンダーであるデフォンは、連敗は避けたいところ。今回はバンタム級(※65.8kg)からフライ級(※61.2kg)に落としての初戦となる。
■DJだって同じ人間なんだ、頑張ればあそこまで全然できるんだなって
――同門の佐藤天選手が9月8日、アブダビで開催された『UFC 242』でベラル・ムハマッド(米国)と対戦し(3R1分55秒、リアネイキドチョークで一本負け)ました。あの試合はどうご覧になりましたか?
「相手が強かったのはもちろんですね。あと左フックをもらっていたのが印象的でした。調子は凄く良さそうで、最初は距離も良かったと思うんですが、相手がウェルター級にしては猫みたいによく動く選手で、真っ直ぐ入ってくるのではなく頭をしっかりずらして入ってきていたので的も絞りづらいし。テイクダウンもあったので凄く上手いなと思いましたね」
――やはり見て悔しいな、という気持ちに?
「そうですね。悔しいです。でもそれが勝負の世界なので僕も気を付けないといけないと思いました」
――自分のスイッチが入った?
「天さんでもやられるって世界なので、また死ぬ気でやらないとなって改めて思いました」
――若松選手の話になりますが、前回は予告通りのKO。デメトリアス・ジョンソン(以下DJ)との試合を経て、ご自分が進化したと思う部分はどんなところですか?
「実際にDJという超人のような選手と肌を合わせて、僕にしか分からないことがあると思います。想像していた部分とは違うところもたくさんありましたし、同じ人間なんだって思いましたね。僕だって平凡な人間ですが、頑張ればあそこまで全然できるんだなって自信が付きましたし、経験値が凄く上がったなと感じています」
――どんでもない化け物だと最初は捉えていたんですね。
「そうなんですよ。それが実際にやってみて、僕もそういう風になれるって感じました」
――本当の世界トップレベルを経験したので、それ以上怖いものはもうなかなかないのでは?
「いや、試合に対する怖さは変わらないですね。どんな相手でも何があるか分からないし、ユースタキオ(前回8月に対戦、若松がKO勝ち)だって凄い覚悟でリングに上がっているわけですから、その意味ではそんなに大差はないと思っています。だからDJとやる時と同じモチベーションでやることができましたね」
「細かいところでいっぱいあります。僕の場合、考えて動くといろいろやろうとしてしまって逆に身体が重くなって動かなくなってくるので。グラップリングでもひとつだけ決められた組み手を身体に植え付けるとか。打撃でもワンツーを何百回も何千回もやって自分の距離を身体にインプットさせるのが僕には合っているんです。だから技術は他の選手よりも多くは知らないですけれど、精度は前よりも全然高くなっていると感じています」
――反復練習で身に着けていくタイプなんですね。
「そうですね。同じことを何回もやります」
――引き出しをどんどん増やしていくのではなく?
「もちろんそれもやります。僕は右の打撃ばかりだから、次は倒す技をひとつ増やそう、とか。ただそういうのを一気に5~6個も増やすことはできないので、ひとつずつその都度に課題を持って身に着けていく感じです。他が疎かにはならないように」
――なるほど。次の対戦相手であるキム・デファン(韓国)の印象は?
「タフで試合というものを熟知していて、思い切りがいいですね。僕が警戒しているのはそこくらいですかね。多分、相手は僕が出てくるところに対してスクランブルでトップを取ってきたり、パンチを当てて来たりすることを考えていると思います。僕はそれをさせないくらいのプレッシャーとパンチ力で、どうにもできなくしたいと思っています」
――印象としてはオールラウンダーですか?
「そうですね。ただ自分からはあまり攻めてこない。僕が行って、ぐちゃぐちゃになってそこで勝負してくる選手です」
――向こうはバンタムからフライ級に戻してきた選手ですが、そこは気になるところですか?
「そこは同じ体重ですし、今までもそういう相手とやってきたので。体重が上だからと言ってビビらないですし、顔面を殴ればみんな倒れるので(笑)。全然気にならないですね」
「それはもちろんあります。日本大会だから、俺が絶対に勝たないとって。日本大会で2連敗していたらヤバいなと思うので。そこまで大きく意識はしていませんが、それはあります」
――ONEのレギュレーションにはもう慣れてきましたか?
「はい、もうバッチリ慣れました。明日は何があるとかも全部把握しています」
――今回の試合では、3月の日本大会よりも進化した自分を見せられそうですね。
「はい。ちょっとずつですが完璧に試合当日を迎えられるようにできているので。何でKOするかは自分でも分かりませんが、どのパンチ・キックでも相手を粉砕します」