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【BLOOM FC】泰斗が木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅に判定勝ち、木内が引退表明「無我夢中で走り続けた楽しい青春でした」。中尾あづきがホ・ジュギョンを残り1秒でタップ奪う! 柿原RR昇太はパワフルなソドノムドルジに判定負け

2025/04/29 13:04
 2025年4月26日(土)福岡県の福岡市立南体育館にて『BLOOM FC 04』が開催された。 ▼BLOOM FC MMA フライ級 5分2R×柿原昇太(MMA Rangers Gym)4勝2敗[判定0-3]〇ソドノムドルジ・プレブドルジ(Shiren Beelii Fighting Center/モンゴル)6勝3敗  佐賀県出身の柿原は、自衛隊でレンジャー訓練を受けた経験とRangers Gymの2つの「RR」をリングネームにMMA4勝1敗。  柔道を経験し、陸上自衛隊で日本拳法を学んだ後、Rangers Gymに入門。2022年12月の修斗大阪大会では、トライアウトルールで当日計量のライト級でグ・ジユンと対戦し、2R リアネイキドチョークで一本勝ち。  2023年7月のPFC30でプロデビューし、河永重春を1R TKOに下すと、11月のBloom FC 01で盛坪チャッピー大樹に2R キムラで勝利。2024年3月のBloom FC 02でも荒井銀二を1R ニンジャチョークで極めた。10月のROMAN 01では道衣MMAで深澤新に2R 判定勝ち。プロデビューから4連勝で、2025年2月のPANCRASEネオブラでトミー矢野の三角絞めに1R 一本負けした。フェザー級で180cmの長身から繰り出される長い左ジャブ、ケージ際での極め力を持つ。  対するモンゴルのソドノムドルジは、2024年7月のGladiator Challenger Series 02で、松嶋こよみと対戦。強いフィジカルを武器に左ジャブ、右オーバーで松嶋をのけぞらせたが、2Rにテンカオを受けて敗れている。それ以来、半年ぶりの試合となる。  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブを見せ、右ローを当てる柿原。ソドノムドルジも左の飛び込み。左ジャブのダブルをかわすソドノムドルジ。ワンツーもバックステップでかわす。右カーフを当てる柿原。ソドノムドルジの左フックをガードする。  柿原の右ローの動きにソドノムドルジはダブルレッグでドライブしクラッチ。右小手の柿原だが腰を引き寄せたソドノムドルジはサバ折でテイクダウン! ハーフの柿原に背中をつかせて左ヒジのソドノムドルジ。起き上がろうとする柿原を左枕で寝かせる。柿原はエビで腰切り、フルガードに戻して左手を押し込み三角絞めへ!  これを怪力で持ち上げて裏返してスラムのソドノムドルジは頭を抜いて立ち上がり。柿原も立ち上がるがソドノムドルジに突き飛ばされる。  右カーフを蹴る柿原。ソドノムドルジは右オーバーハンド。左から右を突く。距離で外す柿原の右をかわしたソドノムドルジは右オーバーハンド、さらに返しの左をガード上に叩く。右ローを当てる柿原に左フック。しかし続く右カーフにソドノムドルジはバランスを崩して立ち上がり。詰める柿原は跳びヒザもキャッチしたソドノムドルジがテイクダウンでゴング。  2R、左回りで左ジャブを突く柿原。さらにワンツーの飛び込みにソドノムドルジはボディロックから持ち上げてテイクダウン! ハーフの柿原に背中を着かせて左ヒジ。そこにキムラを組んだ下の柿原だが、クラッチするソドノムドルジを切れず。  ソドノムドルジは細かい左ヒジ。前腕チョーク。柿原のブリッジからの立ち上がりを右差し一本で前に投げて潰してトップキープ。柿原は上体を金網に立てて座るが、腰を抱いたソドノムドルジはニアマウントから両足を引いて肩パンチでゴング。  3R、「先に行け」の声に右ストレートを突く柿原。左ジャブのソドノムドルジは左前手フックも狙う。右ハイの柿原をブロックしたソドノムドルジに、柿原は右ローもかわしたソドノムドルジ。柿原は左前蹴りで下がらせると金網に詰まらせて右跳びヒザ!  しかしソドノムドルジはその跳びヒザをかわしてキャッチすると、豪快リフトしてテイクダウン! 金網に這う柿原は座るが、腰を抱き寄せるソドノムドルジは左足をかけてバッククリンチ。中央側に持ち上げてテイクダウン奪うと、ハーフから背中を着かせて柿原の頭を金網に押し付けてパウンド。中腰になり押さえ込むソドノムドルジに右足を腰に置いて左手首を持って三角絞め狙いの柿原だが、セットさせないソドノムドルジ。声を挙げて金網で上体まで立てる柿原だが、ソドノムドルジが押さえ込んだままゴング。  判定3-0で随所で力強さを見せたソドノムドルジが勝利。松嶋戦から日本で再起を飾った。 [nextpage] ▼BLOOM FC MMA 60キロ契約 5分3R〇中尾あづき(AACC)1勝0敗[3R 4分59秒 リアネイキドチョーク]×ホ・ジュギョン(Team J MMA/韓国)  福岡県北九州市の中尾は、小学2年から大学4年まで柔道を続け、大学卒業と同時に福岡から上京してMMAの道へ進んだ。MMAではAACC、柔術ではカルペディエム三田に所属し、MMAと柔術の二刀流でどちらも試合に出場している。  MMA練習4カ月で2024年8月の修斗COLORSのトライアウトに出場。植木くるみに1R終了時 TKO勝ちし、10月に全日本アマチュア修斗選手権の女子バンタム級で優勝。10月には柔術歴10カ月でQUINTETに出場。グラップリング戦でカロリーナ・クワハラのトーホールドに敗れたが、12月のCOLORSでプロMMAデビューすると、対戦相手の愛日が約3キロオーバーのなか、中尾が試合を希望。1RにボディロックテイクダウンからパウンドでTKO勝ちしている。  対するホ・ジュギョンは、柔道ベースの元キックボクサー。2023年12月にプロMMA初戦で、ソルトに1R TKO負け。AACCでの出稽古で中尾とスパーリングした経験を持つ。  1R、ともにオーソから右ロー。ワンツーで詰めるジュギョンに中尾は右回りで避ける。左インローのジュギョンに右カーフを当てる中尾。ジュギョンはワンツーの右をヒット! さらに左から連打し左ミドルに繋げる。中尾の右ローの打ち終わりに右ストレートを突くジュギョン。ジュギョンのローに左右を合わせる中尾は、左ジャブを返すが、ジュギョンのワンツーの右を被弾。さらにジュギョンは右から左も。下がりながらもジャブを返すようになる中尾は、ジュギョンの打ち終わりにシングルレッグからボディロックテイクダウンへ。金網を掴みながら凌ぐジュギョンは正対。右小手から左ヒザで突き放す。  ジュギョンのワンツーから左ミドルを被弾する中尾。ジャブを返すも、ジュギョンのワンツーの右を受ける。続く連打は右回りでかわす中尾。ジャブ&ローでゴング。ジュギョンのラウンド。  2R、左ジャブの中尾に、ジュギョンは右ロー。その打ち終わりにシングルレッグの中尾はケージまでドライブして放し際に右ヒジ狙い。左右ローのジュギョン。左ジャブを返す中尾にジュギョンは右ミドル。中尾のダブルレッグを差し上げると、中尾は前に詰めて右をヒット。しかしジュギョンの左を被弾すると、左を出したところに右も被弾。  下がる中尾に連打で詰めるジュギョン。ケージ背から中央に回ってダブルレッグ。差し上げるジュギョンに左で差して右の細かいヒザ。右で手首を掴んで左差しの柔道組み手で引き出そうとするが、金網背に戻るジュギョン。互いにヒザの打ち合いからいったん離れてダブルレッグの中尾は中央に向けてテイクダウン!  金網に這うジュギョンは蹴り上げから立ち上がり! 中尾は左脇を潜りバッククリンチからたすき、リアネイキドチョークを狙う。正対したジュギョンを押し込み互いにヒザ。突き放したジュギョンが左右で前に。左前蹴りに左ジャブを合わせる中尾は、打ち合いからクリンチボクシングでケージまで押し込みゴング。有効打でジュギョンのラウンド。  3R、中尾のローに左右を狙うジュギョン。中央を取るジュギョンが圧力。右ロー、左インロー。中尾の左ジャブに速い左右をまとめる。右ローを打つジュギョン。左ジャブの中尾。素早い右がヒット! ジュギョンは右ロー。そこに左ジャブを突く中尾。オーソから左ミドルを当てたジュギョンは右ローも。  中尾はシングルレッグからケージまでドライブ。左で差して右ヒザを突き、ジュギョンのフレームを潰して放れ際に左ヒジ狙い。左ジャブを当てる中尾は、ジュギョンのジャブの打ち返しはかわすように。ジュギョンの左インローにも左ジャブを合わせる。詰めて左ミドルはジュギョン。左インローを当てて中尾を崩すと、右ローも当てて前足を削る。  中尾は左ジャブのダブルからダブルレッグでドライブ。右手で引手を掴んで引きながら左脇差しで払い腰へ。いったん残したジュギョンになおも続けて左足で払いながら投げてテイクダウン! そのままサイドから鉄槌・パウンド連打! 亀になって立とうとするジュギョンのバックを奪い、右腕を喉下に巻いて残り1秒でタップを奪った!  口から出血も歓喜の中尾はマイクを渡され「九州の皆さんはじめまして、修斗から来ましたAACCの中尾あづきです。まずはじめに団体初の女子カードを作っていただいたBLOOM関係者の皆さんと、韓国からわざわざ足を運んで来てくれたジュギョン選手、ほんとうにありがとうございました。どうしても地元で試合をしたくて、お願いしてジュギョ出させていただいたんですけど、ジュギョン選手と1回練習したときに打撃でボコボコにされて打撃、怖かったんですけど、皆さんの応援が力になりました。自分は柔術と総合格闘技の二刀流を目指していて、センスも才能も無い、ただの凡人ですが、格闘技でひとはな咲かせられるように頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします」と語り、大きな拍手を受けると、最後にセコンドの阿部裕幸代表に感謝の言葉で締めた。 [nextpage] ▼BLOOM FC MMAストロー級 5分2R〇泰斗(MMA Rangers Gym)5勝3敗2分[判定3-0]×木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(トイカツ道場)18勝15敗  木内は、2010年のPANCRASEアマチュアから2011年の地元DEEP静岡大会でプロデビュー。その後、PANCRASE、ZSTで活躍後、2016年から修斗参戦で6勝7敗。Fighting Nexus3勝1敗。2023年8月に宮澤雄大に敗れストロー級王座戴冠ならず。2023年11月の『PFC.31&Nexus SPROUT North.3』で早坂優瑠に5R判定勝ちでPFC初代ストロー級王者に輝いた。2024年8月のNEXUSで豪瑠を後ろ三角絞めに極めて2連勝中。37歳。  福岡出身の泰斗は、2022年12月の修斗で田上に判定負け後、2023年5月に畠山隆称とドロー。11月の前戦で旭那拳に判定負け。2024年3月の『Bloom FC 2』では早坂優瑠に判定勝ちで再起。5月に修斗TORAOで石原慎之介とドロー後、2025年1月の前戦で内藤頌貴に判定負け。積極的に試合をこなしている。28歳。  前日計量で泰斗は52.2kg、木内は52.7kg(※王座戦以外は+0.5kg許容)と減量に苦しみ、長髪を切って坊主頭で試合に。  1R、オーソの泰斗に、サウスポー構えの木内が先に長い左ミドルを当てる。さらに左ヒザ。詰める泰斗は左フックから右ストレートでダウンを奪うとパウンドに。そこに三角を合わせに行く木内に三角を作らせず、左足を抜いた泰斗。木内は左を差してからガードを作り直し、腕十字、三角狙い。正対し鉄槌を突く泰斗。木内は右手で左肩を抱き、その上から右足をかぶせる得意のラバーガード。上の泰斗はコツコツ脇にヒジ。  2R、中央を取る泰斗。木内の入りに左右をまとめる。左前蹴りの木内をかわすと右オーバーハンド。ブロッキングの木内は左ミドル、左ストレート。遠間からシングルレッグで引き込み。左手で腰を抱きに行く泰斗に木内はオーバーフックから1R同様に右ヒザ裏から泰斗の肩を右手で抱いてクローズドから三角、オモプラッタ狙い。左腕を巻き込む。脇腹にパウンドの泰斗。左腕を抜く。下から4の字ロックの木内は、左脇下に頭を入れた泰斗にネルソン狙うが、すぐに頭抜く泰斗は、木内のラバーを抜いて左拳で細かい鉄槌。ラスト10秒で立ち上がり足を蹴りゴング。  判定前にグローブを外した木内。判定は3-0で泰斗が勝利。  泰斗は「木内選手、ありがとうございました。今日のために後輩、弟のように可愛がっている泰正と入場できて、たくさんの応援ありがとうございます。11月のBLOOM、もっと強い相手を用意してください。誰でもいいんで待ってます。よろしくお願いします」とコメント。  試合後、木内はXで、「3-0判定負けでした。MMA戦績:33戦18勝(2KO 11SB)15敗(4KO) 長い間、応援ありがとうございました! 無我夢中で走り続けた楽しい青春でした」と引退を表明。多くのファイターたちから労いのコメントが寄せられている。 [nextpage] ▼第8試合 BLOOM FC MMA フライ級 5分2R×堺 龍平(MMA Rangers Gym)[1R 3分14秒 リアネイキドチョーク]〇柴山海音(G-FACE 柔術アカデミー) ▼第7試合 BLOOM FC MMA フェザー級 5分2R〇がんばるマン林(destiny jiujitsu)[2R 2分44秒 TKO]×内山裕太郎(毛利道場) ▼第6試合 BLOOM FC MMA バンタム級 5分2R〇田中滉太郎(MMA Rangers Gym)[1R 2分33秒 リアネイキドチョーク]×大友庵(WICKY GYM) ▼第5試合 BLOOM FC MMA バンタム級 5分2R×松枝耕陽(achieve)[判定0-3]〇吉田樹宏(LIBRE) ▼第4試合 BLOOM FC MMA フライ級 5分2R×前村知優(チームプラン)[判定0-3]〇藤本充孝(バンクールジム) ▼第3試合 BLOOM FC MMA -54kg契約 5分2R×Takumi(achieve)[2R 1分29秒 TKO]〇真生(MMA Rangers Gym) ▼第2試合 BLOOM FC MMA フライ級 5分2R〇石田聖人(毛利道場)[1R 3分25秒 TKO]×田上健太(フリー) ▼第1試合 BLOOM FC MMA -73kg契約 5分2R〇ハントレンジャー(MMA Rangers Gym)[1R 1分10秒 リアネイキドチョーク]×ニコラス カタロン(NEXT STEP GYM)
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